280 :名無しさん@ビンキー:2009/10/12(月) 19:47:26
>>52さんのレス読んだら漲ってしまいました。
ぶった切り申し訳ないですが、漲るままにSS投下していきますね。
パクリってかむしろレスそのまんまなんで、
52さんが嫌だったら即効消す覚悟です。
52さん、萌えをありがとう。あなたは神だ。




某尖兵動画の二次創作です、本編とは一切関係有りません。
キャラ崩壊、嘘設定、脳内妄想、やおい要素を多分に含んでます。あとヌルいですがエロ有。
ジェネラル×ヨハンの捏造万歳過去話です。
やんちゃで偽者な尖兵や、乙女すぎる教祖が駄目な回避でお願いします。

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月も出ない新月の夜。
出会いは星の光も届かない闇の中だった。

「―――教祖、ヨハン・カスパール」

突如、闇の中から聞こえた声にヨハンは視線を動かし血を溶かしたような色の瞳で、軍服に身を包んだ男を捉えた。
見覚えのない男と、その口から吐かれた、問いかけではなく断定の強さを持った言葉に、警戒心が走る。

「……何者だ?」

人気のない廃墟で身を休めていたヨハンは、その場に立ち上がり口を開いた。
幾ら神経を緩ませていたとはいえ、ここまで接近され、声を掛けられるまで気付けなかったとは不覚だった。
視線は男に固定しながら、同時に男の仲間が身を潜めていないか、辺りの気配を探り始める。

「私はジェネラル。唯のしがない尖兵だ」

ヨハンの警戒を分からないはずもないだろうに、ジェネラルと名乗った男は淀みない足取りで距離を詰める。
姿を現すことが目的だったのか、はたまた間合いを詰めることを厭うたのか、
相手は十メートルほどの距離を空け立ち止まる。
そこまで近寄られると、ヨハンにも相手の顔や服装が正確に視認できるようになった。
ザッと見る限りでは完全なる丸腰で、ヨハンは些か拍子抜けした。
辺りに不審な気配も感じられないとあれば、男は単身でこの場に訪れたということは疑いようがない。
息を吐きそうになり、ふと、男の言葉が思考の片隅に引っかかった。

「……ジェネラル……?」

思考に引っかかる名を呟けば、記憶が情報を導き出す。
ヨハンは、その名に覚えがあった。
恐ろしいまでの強さを誇る軍人の名が、確かそういう名だった。
風体も、年齢も、噂に違うところはない。
しかし、それだけ名が売れているのならば、その名を騙る輩も少なくはない。
ヨハンは目の前の男が、噂に名高いパーフェクト・ソルジャーである可能性はそう高くないと判じた。
ジェネラルはヨハンの不躾な視線にも気を悪くした風もなく、苦笑に近い笑みを浮かべた。

「騒がせて申し訳ない。今夜は少し、そちらに用事があってね」

「見ず知らずの軍人に用など―――」

「明日のパーティについて」

ヨハンの言葉尻を奪い、ジェネラルは言った。
吐かれた言葉にヨハンの目が細まり、獰猛な獣のように煌く。
明日の早朝、ヨハンは信者と共に盛大な破壊活動を画策していた。
ジェネラルの言葉は、その計画を示唆しており、同時に計画の漏洩をも物語っていた。
ヨハンはジェネラルと同じように、口元だけに笑みを湛え表面上のみ友好的な態度を取る。

「さて、招待状を出した覚えはないが」

「なに、盛大に催されると分かれば、招かれざる客とて足を運んでくるものだ」

柔らかな声での皮肉にも、ジェネラルは気にした様子もなくサラリと返す。
飄々としたその態度に、ヨハンは心中で盛大に舌打ちした。
ヨハンは、こういった相手をからかうような言い回しが嫌いだった。

「招いていない客まで相手をしなければならんとは、主催者と言うのも因果だな」

「ゲストの相手をするのがホストの役目と言うものだ」

息を吐きながらなおも口を開けば、手馴れたように返される。
今度こそヨハンは舌打ちを隠さなかった。
これ以上の対話は無意味に苛立つだけだと心中で吐き捨て、ヨハンは構えを取る。
ジェネラルの目的が何であれ、ヨハンと明日の計画を知る人物をこのまま放っておく気はなかった。

「――では……招いてもいない客人には………」

ヨハンの身に纏う気配に殺意が混じり、赤衣の左袖が燃え落ちる。
鍛えられた腕ともに露わになった混じり気ない敵意を受け、ジェネラルは笑みを消した。

「ご退場願おう!」

腕を払うとともに放った弧を描く衝撃波が、凄まじい速さでジェネラルへと向かう。
広範囲に放たれた衝撃波を回避するのは容易ではなく、仮に跳躍で上に逃げたとしてもそこに致命的な隙が生まれる。
戦闘開始代わりの先制攻撃を放つヨハンの耳に聞きなれない低い音が届く。
音源に視線を遣る前に、ヨハンは本能に従い上体を前に倒した。
今まで首があった空間を、風の唸りと共に何かが過ぎ去る感覚。
ようやくヨハンの視線がそちらを向くと、今まで距離を保ち対峙していたはずのジェネラルの姿を捉えた。

「―――――ッ!!?」

勢いそのままに前転し、素早い動きで体勢を立て直し、構えを取り直す。
数秒前までヨハンが立っていた場所で、ジェネラルは腕を突き出していた。

「―――なっ」

素早いとか、風のような動きとかいう次元ではない。
文字通り、ヨハンの視界から『消えて』、真後ろに『現れた』のだ。
空間を移動したかのような動きに、ヨハンの咽喉から引き攣った声が漏れる。
ヨハンはそう長く生きてはいないが、それでも武に生きてきた年数は決して短くはない。
だからこそ、理解してしまった。
対峙している敵は、容赦なく強い。その強さは、ヨハンを上回るだろう。
しかし、ヨハンの矜持が、敵に背を向けて逃げることを許さない。
ヨハンは萎えそうになる戦意を鼓舞し、獅子のように覇気を纏うジェネラルを見据えた。

「……ふむ」

ジェネラルは小さく感嘆の声を漏らす。
目の前の年若い教祖は敵と自分の力量を正確に測ることが出来る冷静さを備え、
勝てる見込みが低いことを理解する理性もある。
それでもなお、逃げずに戦う姿勢を見せる気概に素直に感心したのだ。
軍の若い連中に見習って欲しいものだと考えながら、ジェネラルは礼儀として自身も構えた。
時間を掛ければ、それだけ不利だと判じたヨハンはジェネラルの懐へと潜りこむ。
左手で胸倉を掴みかかるが、それより早く、再び不可思議な移動法でジェネラルの姿が消える。
一拍の空白の後、ヨハンは背後に気配を感じた。
身体を捻って避けようとするが、体勢の悪さから反応が遅れてしまう。
ジェネラルの手がヨハンに伸び、最悪の体勢で掴まった。

「―――――っ!!」

声すら出せず、ヨハンの敗北は繰り出される拳に成す術もなく下された。


――――わずか、数分。


対峙してから、たったそれだけの時間しか経っていない。
完膚なきまでに叩きのめされ地に沈みながら、ヨハンは獰猛に唸った。
格が違うと頭は理解するが、理不尽なまでの力量の差に、感情が納得しない。

「―――こんなことをして無事で済むと思っているのか…ッ!!」

「すまないが、若者の我侭に付き合えるほど暇ではなくてね」

見下ろすほど高みにいるジェネラルの言葉に、ヨハンの視線に殺気が混じる。
しかし、その殺気すら、ジェネラルは柳のように受け流す。
ヨハンは指すら動かせない我が身を呪い、歯を食いしばる。

「貴様…!」

殺気を隠すこともなく睨みつけるヨハンは、ジェネラルに威嚇してくる獣を連想させた。
その若さを微笑ましいと思いながらも、例え好意から出た笑みだとしてもヨハンの矜持を
傷つけるだけだと笑いを噛み殺し、表情だけは厳しさを湛え口を開く。

「私の依頼は『邪教を阻止する』こと。邪教を止めたらそちらの命までは取らないと約束しよう」

「―――ッ!!」

カッと頭に血が昇り、ヨハンの視界が赤く染まる。
此処まで追い詰めておきながら、此処まで奪っておきながら、
命は許そうとするジェネラルの甘さに爆発しそうな怒りが溢れ出す。
散々壊された矜持が、更に踏み躙られたようで、ヨハンは怒号を放つ。

「ふざけるなッ!!私は再び同じことを繰り返すぞ!!それを厭うなら、今、この場で殺せ!!」

例え、指一本動かせなくても、ヨハンは邪教の頂点に立つ誇り高い君臨者だった。
こんな真似をされてなお、命を許されるという施しを受けるのは耐えられなかった。
そんな屈辱を味わうくらいならば、いっそ命を落としたほうがマシだと叫ぶ。
感情のままに喚くヨハンに、ジェネラルは疲れたように息を吐く。

「……やれやれ、若者は何時の時代も血気盛んで困る」

疲れたように装ってはいるが、何処か楽しげにジェネラルは零す。
その呟きにヨハンが反論しようと口を開く前に、ジェネラルはヨハンの肩に手を掛けた。










「――――は、ぁッ」

ヨハンは、熱さに浮かされたように息を吐いた。
肌の至るところが、火傷かと思うほど痛みを伴って熱い。
そんな肌を、更に灼くように蠢く掌の感触にヨハンは嫌がるように首を振った。
けれど、その僅かな動きですら、今のヨハンにとっては自身を追い詰めるものでしかない。

「ふっ…ぅ……ん―――ッ」

どれほど微かであろうと身を動かせば、ヨハンの身体を貫く熱が齎す愉悦が脳を爛れさせるからだ。
ヨハンは、力の抜け切った身体を叱咤し、腹に収まる熱から逃げるように腰を浮かす。
腰が浮くにつれヨハンの体躯は細かく痙攣し、窄まった後孔はジェネラルの性器を締め付ける。
ズル、と、聞くに堪えない音が体内から響き、
何度か中に出された白濁が滲むように溢れた感覚にヨハンは羞恥で泣きたくなった。

「―――はぁっ…う……んぅ……」

力の入らない脚は、ガクガクと見苦しく慄く。
それでも、中心を貫く熱から逃げたい一身で、ヨハンは気力を振り絞って脚に力を込めた。
遅々とした動きで、それでもなんとかジェネラルの性器が抜けそうになると、
今まで静かにヨハンを見つめていたジェネラルが口を開く。

「…さて、邪教から手を引くかね?」

音もなく伸びてきた腕が、ヨハンの腰を捉えた。
あと少しで熱源から逃げられたと言うのに、腰を力強く押さえられ、ヨハンの目が涙で赤く潤む。
熱に浮かされた身体で、冷静なジェネラルの目を見遣るのは精神的に苦しいものがあるが、
これ以上嬲られるのはもっと苦しいとヨハンは落ちていた視線を上げる。
涙で目元を潤ませて、首筋どころか全身を朱色に染めたヨハンに、ジェネラルは目だけで笑う。

「っぐ…に、を…ッぁ…――――ッ!!!」

返答も待たず、ジェネラルは再び、自身をヨハンの体内へと打ち込んだ。

「ひっ、ぁあッ―――ッ、やぁ…ッ」

貫かれる重い衝撃に耐え切れず、ヨハンが精を放つ。
けれど、白濁は勢いを持たず、勃ち上がったままの陰茎は、何度目かの解放に微かな震えを見せただけだった。

「はっ…はぁっ……はっ…」

短い、獣のような呼吸を繰り返すヨハンの耳元に、ジェネラルは唇を寄せる。
ヨハンは耳朶を振るわせる吐息に涙を零しながら、幼子のように頭を振って嫌がった。
しかし、嫌がるヨハンに構わず、ジェネラルは熱を孕んだ吐息を朱色に染まる耳に叩き込む。

「邪教から、手を引くかね?」

ジェネラルの肩で小刻みに震える手が、身体を離すように弱弱しく押しやるが、
それさえ許さず抱きしめヨハンの自由を奪う。
抱きしめられたことでお互いの胸が密着すると、熱を遮る硬い布地の感触がヨハンに伝わり、
制御できなくなった感情は涙を量産させるばかりだった。

「約束して貰わねば、解放するわけにもいかないな」

「――――〜〜〜ッ」

密やかな笑気に感じられるジェネラルの声に、ヨハンは耐え切れず目を強く瞑った。
身体中に感じる熱も耐え難いが、それ以上にジェネラルの視線は毒に等しい。
けれど、目を閉じたとしても、肌に突き刺さるような視線からは逃げようもない。

「……どうする?」

朱色に染まる耳を舐めあげ、腰を突き上げるように揺らされると、ヨハンは悲鳴を上げた。
しかし、散々喘がされた咽喉は耳障りな風音に似た掠れた声しか生み出さない。
呼吸すらままならず、己の全てが支配を逃れ、ヨハンの命令を何一つ聞き入れない。
それどころか、命令を出すはずの脳ですら、熱にやられてヨハンの意思を裏切る。
終わりの見えない苦痛のような快楽に最後の矜持まで呑まれ、ヨハンはとうとう慈悲を乞うた。

「―――……ひ、…くッ…引く、からッ…」

「―――――言質を取った。忘れるなよ、ヨハン」

肩に縋り大粒の涙を零しながら、望んだ答えを繰り返すヨハンにジェネラルは笑みを浮かべる。
呂律の回らない舌で必死に言い募る姿が年齢以上に幼く見えて、真っ赤になった眦を労わるように舌を這わせた。
ヨハンは泣きすぎて腫れた目元に触れる熱に絆されたように、齎される快楽へと溺れていった。










ヨハンは、朝日がひっそりと近づいてくる気配を感じ、眼を覚ました。
ぼんやりと、白み始めた空を見上げ、暗闇に沈んでいた意識を覚醒に向かわせる。
無意識に腕が動き、温もりを探す。
けれど、屋外に等しいその場所で温もりなどあるはずもなく、掛けられた毛布の暖かさだけがヨハンを包む。

「―――……」

視線を彷徨わせるまでもなく、探し物は見つからないと酷く冷静な自分が囁く。
ヨハンは倦怠感に身を任せ、再び眼を閉じた。
思い出すのは、屈辱の光景と子供の戯れのような口約束。

「………」

全てを忘れて、やり直すことも可能だ。
身に起こったことも、何の効力もないただの口約束も、全て忘れてしまえば、誰もヨハンを咎めることは出来ない。
そう、ヨハン自身が忘れてしまえば、ジェネラルにすらヨハンを責めることは出来ない。
ヨハンの中で、理性での思考を、揺れ動く感情が邪魔さえしなければ。

「……ジェネ、ラル…」

呟いた声が自棄に弱弱しく響いて、ヨハンは眉間に皺を寄せた。
揺れ動く感情の名など知らない。知りたくもない。
どうせ名を知ったところで、解決には程遠いと理解している。

「…ジェネラル」

先ほどより、確りと、去った男の名を呼ぶ。

(……気に入らない)

あの男は、負けたヨハンを忘れるだろう。
ヨハンがジェネラルであれば、三日と覚えてはいない。
咽喉が灼くような屈辱に、眉間の皺が更に深まり、自身に誓う。
必ず、再び、挑もうと。
どれだけ時間が掛かろうと、どれだけの犠牲を払おうと。

(だから、今だけは……)

「……子供騙しの口約束に従ってやろう」

白み始めた空が明かりに照らされ、太陽が上がると、
その場には掛けられた毛布しか残されていなかった。




――――そして、それから、十年余りの時が流れ、邂逅の場は用意された。




忘れていると、思っていた。覚えているはずはないと。
過去のヨハンは力こそあったが、ジェネラルに太刀打つには致命的に未熟だった。
おそらく、パーフェクト・ソルジャーと名高いジェネラルにとって、そんな相手は腐るほど居ただろう。
自分はジェネラルが忘れた敵の中の一人でしかないと、覚えるに足る敵ではなかったと、あの空の下で自覚した。
だからこそ、ヨハンはジェネラルの前に姿を現した。
以前より、強くなった自分を、今度こそ『覚えるに足る敵』だと認識させようと。
忘れ去られているならば、その脳髄に新たな記憶を刻みつけようと。


―――けれど、苦味を伴って、それでも呑み込んだはずの自覚を、眼の前の男は簡単に否定した。


「ヨハン・カスパール」


呼ばれた名が耳に届き、聞きなれたはずの音は響くことなく落ちていく。

忘れていると、思っていた。
覚えているはずはないと。

それでも、ジェネラルは忘れず、覚えていた。
無様だった過去を。未熟だった若さを。


「――――光栄だな」


無様だった過去に怒りが込み上げ、未熟だった若さに屈辱を思い出す。
同時に、あのとき目覚めた瞬間からわだかまる複雑な感情の波を自覚する。
ジェネラルと合い間見えればどうにかなると信じ続けていたはずのそれは、
落ち着くどころか津波となってヨハンを襲う。
けれど、すでに津波に呑み込まれ自己を喪うほど若くなく、
かといって津波を無視できるほど老成してもいなかった。
ヨハンに出来たことは、ただ不敵に、ジェネラルを笑うことだけだった。
それが意地であり、ヨハンに残された最後の矜持。




ジリジリと灼ける思考も、荒れ狂う感情も、
全てを振り払って、ヨハンは偉大な尖兵に踊りかかった。






<end>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


ヨハンの勇気が世界を救うと信じて…!
ご愛読有難う御座いました。

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