279 :実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー:2012/10/31(水) 07:47:05.27 0
今年こそ間に合った!
ハロウィンでやる必要性に疑問を禁じ得ないソル遠に見せかけた七名(複雑怪奇)
ハロウィンと言うか、グロホラー注意。
ソル遠の筈がソルさんの出番ほぼ無しと言うか、こう、大道具のような扱いです。ご了承下さい。

URL: ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/389779
タイトル:無題
PASS:mugen
動画名/捏造/独自設定/スレネタ/原作ネタあり/原作キャラ同士・動画設定/元動画なし・キャラ崩壊 等
カップリング(登場キャラ):(ソル)×遠野志貴、七夜×ネームレス、白レン
性描写の有無: R-18/全年齢
内容注意: グロ注意、多分ハロウィンネタ、女装、女子登場



※このSSには男性同士の恋愛的描写が含まれます。
※キャラクターの性格や口調が違う場合があります。
※グロホラー注意


嫌な予感がした方は、何も見なかったことにしてファイルを削除していただけるとお互い幸せになれると思います。




















「よう、遠野志貴」

夕方の、影の一番長くなる時間帯。黄昏時と呼ばれる時刻。学校を終えて遠野の屋敷に帰ろうとしていた志貴は、大通りに交差する路地の影からの呼び声に足を止めた。

「……その格好は何なんだ、七夜志貴」

振り向いて、本来なら遠野志貴と同じ学ランを着ている筈の彼の姿に眉を顰める。

「仮装に決まっているだろ。ジョロウグモだよ絡新婦。良く出来ているだろう?」

言いながら、七夜志貴は金糸の刺繍の入った豪奢な赤い着物の袖を揺らす。
それだけならば、まあ女装モドキ扱いで済んだのだが。
顔の方はどう言う特殊メイクか、元々の目の回りに六つ、レンズ型の宝石のような目玉が配置され、ついでに如何にも妖怪で御座いとばかりに隈取が刷かれていた。

「その脚……」

と、志貴は指さす。
七夜の腰の後ろ辺りからは、甲殻類染みた蜘蛛の脚が四対伸びていて、これがしかも生き物の蜘蛛そのままの動作で動いている。

「それがな、名無し経由でネスツに頼んだら、もうノリノリで準備してくれて。移動用多脚型マニピュレーターだそうな。良く分からんが」
「……子供が泣くぞ」
「既に三人泣かせて五人からフルボッコにされて来た」
「……お前なぁ……」

通りで着物が一部煤けている訳だ、と溜息を吐く。

「まぁ、京○ノベルズを読むだに琥珀に譲るべき仮装だったかも知れんが」
「○極ノベルズ言うな」
「問題はそうなると、俺が何をやるのかって言う話でな。餓鬼じゃあ折角の祭りに華が無いだろう?」

何か獣系で当たってみるって手も有ったんだが、と独り語ちていた七夜が、ふと思い付いたように志貴に水を向ける。

「で、お前は仮装しないのか?」
「百鬼夜行はもう日常で腹いっぱいだからな」

肩を竦める志貴に、七夜はふぅん、と気の無い風に返し、じゃあ本題、と前置きして

「Trick or Treat」

と着物の袖から覗く手の平を差し出す。

「どう言うつもりだ」

志貴は再び眉を顰めた。

「どう言うも何も、今日はそう言う祭りの日だろ」

催促するように、手がひらひらと揺れる。自分と同じ顔が冗談染みた格好をしている事に、今更ながらに目眩を覚えた。

「お前にやる菓子があるもんか」
「そう……じゃあお前はトリックを選択した訳だ」

七夜が笑みを深める。彼の気配が、獲物を求めて路地を徘徊する時のそれに変わった。ぞっと背筋を氷の虫が這うような寒気と怖気。

「やるって言うのか……?」
なら、相手になってやる、と志貴がナイフに手を伸ばすが、七夜はまたひらりと袖を揺らし、蜘蛛の足をぞわりと動かして下がる。

「それじゃあ何時もと変わらないだろう。今日らしい悪戯をしてやるから、せいぜい怯えなから眠ると良い」

そう言いながら、蜘蛛の怪は路地の影へ消えて行った。
どうにも胸が悪くなるような気分に志貴は眉を顰めた。じわじわと嫌な予感が毒のように精神を浸食する。対策を立てるべきかと考えかけて、あまりに漠然とした予告の範囲に諦めるしか無かった。



遠野の屋敷の夜は早い。夜の八時に玄関を施錠して、十時には屋敷の中を出歩くのも禁止されているのは、こちらの世界に来てからも変わらない習慣だった。
自分の部屋で、志貴は七夜の襲撃を警戒しながら窓の外を窺う。七夜の襲撃はまだ無かったが、殺人鬼と魔物の時間はこれからと言うべきだ。
がりがりと頭を掻いて、明かり消してベッドに腰を下ろす。そのままスプリングに背中を沈め、暗い天井を眺める。
ナイフを枕の下に隠しはしたが、正直言って暗殺のような襲撃は無いと志貴は踏んでいた。七夜が代わり映えが無いと言う理由で刃を引いたのなら、代わり映えのするような何かを仕掛けてくる筈だからだ。
小さく溜め息を吐いて眼鏡を外し、毛布をかぶる。来ないなら来ないで構わないし、殺人鬼がやって来て殺された所で、この世界ならどうにかなる。ここは滅茶苦茶な世界だけど、そう言う所は嫌いではなかった。


―――
――――――
ふと、窓から差し込む月光が瞼に触れて、カーテンを閉め忘れていた事に気が付いた。
起き上がり、窓に歩み寄る。カーテンに手を掛けた所で、庭の端で何かが動くのが見えた。志貴は手を止めて目を凝らす。月明かりのみの舞台で、それがあの殺人鬼であると何故かすぐに理解できた。
仮装はもう止めたらしく、服装は夜に青く沈む学ラン姿。それが遠野邸の高い塀を軽々と飛び越え、庭に降り立った。
志貴は咄嗟に枕元に駆け寄りナイフと眼鏡を引っ掴むと、窓を開け放ち外へと飛び出した。
窓の側に植えられた木を足場に庭に降りる。
七夜の姿を見た時に脳裏に過ぎった厭な予感は、七夜が『屋敷に居る遠野志貴以外の誰かを殺すのではないか』と言う思考だった。それが遠野志貴に取り分け有効打だと言う事は、アイツも自分も良く分かっている。
眼鏡を掛けナイフを構え、志貴は庭を走った。
森のような広い庭で、何故か目的の姿は引き合うように簡単に見付けられた。七夜は志貴に気付かれたと悟るや否や、即座に踵を返し塀の方へと走る。
追う志貴の眼前で、七夜が塀を越えて外へと逃げる。一瞬迷って、それでも志貴は七夜の後を更に追う事を決め、速度を殺さずに庭木を使って一気に塀を飛び越えた。


夜の底を、二人の志貴が走る。
七夜の短刀が自分に向けられない事に違和感を覚えながらも、遠野志貴は七夜志貴の後を追う。自分より、夜の町に慣れ親しんでいる筈の七夜に振り切られない事に、また違和感。
どれだけ走っただろう。息はすっかり上がっている。ふと気が付けば、七夜の姿を見失っていた。
志貴は辺りを見回す。薄闇に沈んでいたが、見覚えのある風景だった。息を整えながら、七夜の姿を探して歩を進める。その足が止まったのは、ある一軒家の前だった。
不用心に、あるいは志貴を誘うように、扉が薄く開いている。何故、その扉が目に付いたのか。そこが『彼』の家だったからだ。
志貴が何時でも眼鏡を掛けているように、何時でもヘッドギアを着け、四角い剣を携えた彼。
そう言えば、彼は人間では無かったな、と。今更ながらに思い出す。

志貴の体にも流れている『七夜』と言う血は、自動的に魔を殺す。何代も何代も重ねて、七夜の一族はその指向に特化してきた。だから殺す。殺したく無くても殺したい。抗いようも無く、夏の暑さに不意に目眩を覚えるように殺す。
その事実に、足下が崩れ落ちるような恐怖を覚えた。
志貴は彼を殺してしまうかも知れない。
どうして忘れかけて居たのだろう。この世界が余りにも、無茶苦茶で懐が深いから?
志貴は頭を振る。そうだ。俺が俺を忘れていたなら、アイツはこの世界の深さを忘れている。
だって彼がそう易々と、暗殺者の手に掛かる訳が無い。

返り討ちに合った七夜を回収して、彼に謝罪して、病院かアイツの友人に連絡を入れて。それは志貴がやるべき事だろう。だから。
志貴は薄く開かれたドアにそっと手を掛けた。

きぃ、と微かな音を立ててドアが開く。月の清かな光が切り込む玄関は暗い。アメリカの出の彼の習慣のままに、この家は室内でも土足だ。外からフラットに続く屋内に、志貴は足を踏み入れた。
じゃり、と砂埃を踏む音。掃除は余り行き届いていないらしい。
殺風景な室内に視線を巡らせると、壁に黒ずんだ汚れを見付けた。血痕だ。だが、古い。きっと何かの大会の後、治療も受けずに帰宅して、その血を拭った手で触れたんだろう。
そのまま足を踏み出す。手を伸ばし、明かりのスイッチを入れる。ぱちり。プラスチックの音がいやに響いた。振動が壁を通して骨まで伝うような感覚。
けれど明かりは点かない。微かに首を傾げ、二度、三度とONOFFを繰り返してみるが、やはり廊下は暗いままだった。
電灯の寿命か、それとも停電か。仕方が無いので、そのまま奥に進む。シンプルな造りで物の少ない室内は、ドアから差し込む外の光だけでも歩くのには一応、不都合はなかった。
しゃり、ざり、と一歩毎に砂の音。
暗さと、水の中を進むような緩慢な歩みのせいで距離感が狂って、一人暮らしの、そう広い訳でもない彼の家が妙に広く感じる。
何故だろう。何時まで経っても呼吸が落ち着かない。
はーっ、はーっ、と言う自分の息遣いが酷く耳に付く。
早く。彼かアイツを見付けないと。
焦りばかりが空回りして志貴の精神を蝕んで行く。
廊下の突き当たり、リビングのドアの前まで進んだ志貴の嗅覚に、ふと生々しい臭気が届いた。馴染んだようで全く馴れる訳の無い、この鉄錆びた臭いは……
擦りガラスを填め込まれたドアの向こうは暗い。微かに震える手が、ドアノブを回す。
音も無く開いたドアの隙間から零れる間違いようの無い血の臭い。
静寂に苛まれていた鼓膜を、水音が擽る。
家に余り気を使わない男性の一人暮らしらしい、何処と無く荒んだような気配のする室内。電灯は一つとして点いて居らず暗い。
その闇を切り取るように、カーテンの開かれた窓から冴え冴えと差し込む月光。スポットライトを浴びたように、部屋の中央のローテーブルが照らし出されていた。
ささやかな光量だったが、闇に馴れた眼には十分だった。だからそれは、細部に至るまで余す事無く見えてしまった。

ローテーブルの上にはスチールの灰皿とアルコールの瓶。それから大会案内のパンフレットが何冊か。その下、天板に月光が掛かる事でより濃くなった闇の中。
そこから、黒いタールのような液体が滲み出ている。否、違う。月光に触れたそれは目眩を覚えるような赤い色で。
眼鏡を外す事もナイフを構える事も忘れて、志貴はその光景に釘付けになる。その視界に、ごろりと転がり出たもの。
内蔵を鷲掴みにされたような不快感と吐き気が一気に襲ってくる。血潮の臭いが肺を埋め尽くして酸素が取り込めなくなる。喘息のような音が喉から零れた。
それは茶色い毛並みの尾を引いて進み、月光のスポットの下に出ると直ぐに止まった。
眼鏡を外してはいないから、視界を覆う黒い線がそれを誤魔化してくれる事も無い。
赤いヘッドギアを着けた男性の首。切断面は恐ろしく鋭利で、横を向いたその肉の切れ目から、未だ滲む血が滴っている。血の抜けた肌は青白くくすんでいて、赤茶の瞳は、瞳孔の開ききった虚ろな眼差しを宙に投げ掛けていた。
首を追って、ローテーブルの下から手が伸びる。志貴と同じ形の、何処と無く繊細な造りの掌。青い服の袖。
指先が彼の首に触れ、梳くように前髪に滑り込み、無造作にそれを掴み上げる。
掌に続いて腕が、肩が、身体が。ずるり、と。穴蔵から這い出す蜘蛛のような動作で姿を現した。

「やぁ。志貴」

光るような青い瞳で殺人鬼が嗤う。影絵のように歪んだ怪異な笑み。
七夜は服が汚れる事も厭わずに彼の生首を胸元に抱き込むと、慈しむように血で固まった髪を撫でる。

「猫を被っていても流石は『俺』だ。この御仁、お前が眼を付けただけ有って、実に解体し甲斐のある良い獲物だったよ」

惨殺の愉悦を反芻しながら、志貴の表情を目に留めた七夜が笑みの質を僅かに変える。

「獲物を盗られて悔しかったか? それは残念だな」
「……違う」

呻くように答える志貴に見せ付けるように、ナイフを逆手に握ったままの指先が生首に伸びる。爪が目玉をかり、と掻き、そのまま眼窩をつぷりと抉る。

「だが、お前は最初から『こう』する心算で御仁に近付いたんだろう?」
「違う……!」

眼窩をぐるりと掻き回し蹂躙した指を引き抜き、赤く濡れた指先で、首の頬に涙の跡のような線を描く。

「嘘を吐くなよ。何時もそう言う目で見ていたじゃないか。性欲にすり替えて誤魔化そうとした所で無駄なんだよ。お前はずっと、こうしたかったんだ」

生首を弄びながら、七夜は朗々と語る。その声を遮るように、志貴は叫ぶ。

「違う! 違う! 違うっ!!」
「―――だとしても……どの道お前は遅かった」

七夜が、パッと首を手放す。志貴の視線の先で重力に従い首は真っ直ぐに落ちて、板張りの床の上で粉々に砕け散った。



喉を裂いて魂を裂いて、それでも足りない程の叫びが溢れた。
黒い線が壁と言わず天井と言わず走り、普通なら見る事のできない物の死を見る負荷が酷い頭痛をもたらす。
寝具を蹴り除け、咄嗟に枕の下からナイフだけを掴み出すと、志貴は眼鏡も掛けず寝巻のまま、窓を開け放ち遠野の屋敷から飛び出した。

「……ちょっと、やりすぎたかしら」

志貴の慟哭に思わず肩を縮めたレンが、屋根の上で呟く。

「あはははっ! ははっ! はははははは!」

その隣で上がる哄笑。

「いやまさか! 完璧な舞台だったじゃないか! 見たかアイツの慌て腐った顔!!」

腹を抱えて笑いながら、七夜が答える。

「ほら見ろ名無し。身体も揺らがないし影もしっかりしている。うん。触っても良いんだぞ」

七夜は浮かれきった様子で後ろから二人を見張っていたネームレスを振り返り、苦い顔をした彼に笑み掛ける。場にそぐわない酷く無邪気な笑み。

「……お前達は一体、何をしたんだ?」

走り去ってしまった遠野志貴の背を視線で追いながら、ネームレスは尋ねる。

「悪い夢を見せたの。私の力で」

雪のように白い少女が答えた。

「俺は元々、遠野志貴の恐怖から生まれた」

夢魔の少女の後を継ぐように、七夜が口を開く。

「でもこの世界ったら無いよな。化け物が当たり前に日の下を闊歩して、不可逆である筈の死すら無かった事になる。全く無粋だ。お陰ででアイツは死を怖がらなくなって行った」

恐怖を克服したのさ。と忌々し気に七夜は吐き捨てる。

「だが、遠野志貴に取って、『殺人』とは決して取り返しの付かない、忌むべき行為で無くてはならない」

と、そこで七夜は自分の掌を見詰め、正直、少しヤバかったんだ。と呟く。
ネームレスはここ数日、七夜が姿を見せる回数が減っていた事を思い出した。

「アイツが気まぐれにでも、俺に菓子を寄越す程度の畏怖を俺に抱いているのなら、それでも良かったんだがな……」

揺らいだ自身を補填する為に、七夜が遠野志貴に悪夢を見せ、その結果が先程の慟哭だったとして。それでも七夜を責める積もりになれないと言う事に気付いて、ネームレスは遠野志貴に対して苦い罪悪感を覚えた。

「……甘いものなんて、持っていなかったんじゃないか……?」

僅かでも気を紛らわせようと呟いてみる。

「いや、持ってる筈だろ。今日は。都古とか真祖とか、菓子を強請りそうな奴はいくらでも居るんだから」

返しながら、七夜は相変わらず浮かれたように、月が照らす自身の影を眺めたり、確かめるように肩から指先へ腕をなぞってみたりして、

「畏れを忘れたなら牙を剥く。怪異斯く有るべしだ」

不意にネームレスを見詰めて何時もの人を喰った笑みを浮かべる。
月光に照らされた輪郭は、確かに何時もの儚さや危うさを減じている。抱きしめたら、力強く抱きしめ返してくれるだろうか。等と考えてしまって、ネームレスはその思考を振り払うように七夜から目を逸らす。
その視線の先で、白いスカートを翻したレンが屋根から庭木を伝って下へと飛び降りる。ちりん、と鈴の音。
人と違う時間を生きているとは言え、年端も行かない少女に気を使われた事に恥ずかしさを覚えて俯く。

「……全く。お前みたいな役者に出会っちまったから、一幕限りと決めていたのに、次の公演が欲しくなちまったんだ……」

その頬に手を添えて、七夜はネームレスの顔を上げさせる。
ネームレスはグローブを着けていない方の手で、その掌に触れる。体温の低い。けれど確かな存在感を持って、彼はそこに在った。
唇を寄せ掛けて、七夜は不意に動きを止める。

「……どうした?」

尋ねると、七夜はふい、と視線を逸らし、

「あー……そう言えば、泡食って飛び出したのに任せちまったが、あんな夢見て反転しかけているアイツと、夢とは言え殺されて気が立っている御仁を会わせても大丈夫だったかな、と……」
「お前っ、それを先に―――待て、七夜。お前、脇腹どうした?」

咄嗟に遠野志貴の後を追おうとし掛けた所で、身体を寄せた事で七夜の異常に気付く。

「あぁ。悪夢と言えど、流石はあの御仁だよ。中々良いのをざっくり貰っちまってね」

軽く腕を上げて晒して見せた脇腹に赤黒い染み。夜気に漂う血と肉の焦げた臭い。
被害者二人に取っては夢の出来事でも、加害者である白昼夢の少年に取ってはただの夢では済まされなかったらしい。

「〜〜〜ッ!! お前は医者に行け! 俺はあの二人の様子を見てくる!」

突然積み上げられた緊急事態に歯噛みしながらも、冷静に判断を下したネームレスに対し

「おいおい。アイツの見物に行くなら俺も行くに決まっているだろう」

軽薄な調子で七夜が返す。

「お前っ」
「大丈夫だ。ハイポーション買って置いたから」
「じゃあ真っ先に飲め!」
「いやあ、何か痛みも楽しくて、つい忘れてた……しかしこれ、微妙な味だよな」
「良いから飲め!」

その日何度目かの誰がしかの叫び声が、ハロウィンの夜に響いた。

このページへのコメント

345JPw Great article. Great.

0
Posted by stunning seo guys 2014年02月06日(木) 15:59:01 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます