588 :実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー:2014/10/29(水) 12:59:47.51 0
団長がすごくw応援されている中一旦ザトワラで失礼いたしますー定期的にザトワラ書きたくなる病
あとK’×一方通行への暖かい反応ありがとうございますw怒られなくてほっとしてますw

何故か斧ロダにアップロード失敗するんだけどなんでだろう、普通に使えてたのに
別のところでうpさせて貰ったけどロダってここだめとかありましたっけ・・?


URL:www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5386943.txt.html
タイトル:無題
PASS: mugen
カップリング(登場キャラ): ザトー=ONE×ワラキアの夜
性描写の有無:R-18
内容注意:最初に投稿させて頂いたザトワラの続きっぽいですが別に読んでなくても話は通じるかと思います
     そしてキャラ崩壊・・というかワラキアについての捏造あり


メルブラショックを未だに引きずってます・・本家もGiGもkioifもやってみたいなぁ
ところでアトラス山脈と言われると考古学と生物学の聖地ってイメージが強くて生物学者ワラキーとかいうのを思い付いたけどパロをやりだすときりがないなと思い止まりました。

>586
拙作ですが喜んで頂けたなら嬉しいですー!
あと勝手に作品内のネタをリスペクトしてすみませんでしたwwあんまり可愛かったのでつい(開き直る)



【ご注意】
・ザトー=ONE×ワラキアの夜です
・男性同士の恋愛、性描写を含みます
・キャラクターの口調・性格には正直自信がありません
・謎の捏造設定が入ってくるかと思います
・キャラクターの口調・性格には正直自信がありません(二回目)
・注意書きでNG要素がありましたら、ファイルと記憶を削除して頂けるとありがたいです










***




心地好い安寧から浮上していく感覚は、もう少しと勿体無いの狭間で揺れ動く。
未だ微睡みの中、ぼんやりと意識をたゆたわせていたワラキアは、
伸ばした手の先に触れた感触で、横に寝そべるザトーの髪がまだ結われたままであることに気が付いた。

少し前にザトーの髪を結うことをねだったのは自分の方だ。
その後縺れ込んだベッドの中で戯れながら髪を解いてからというもの、ザトーはワラキアに髪を結わせること、
正確に言えば髪を結わせて、それをベッドの上で解かせることが気に入ったようだった。
良い趣味だと自分の事は棚に上げて思ったりもするのだが、唯一無二と定めた相手に求められるのは満更でもない。
だからこそワラキアは髪結いをねだられた分だけ答え、いつしか髪を結うこと自体がその後の行為への合図となっていた。


しかし今日は、寝乱れてこそいるものの、ザトーの髪は結われたままだった。
さて何故かと考えを巡らす。
別に大したことではないのだろうが、気になったからには追求せずにはいられないのが、生まれ持ったワラキアの性だった。
ぬくぬくとしたシーツに手足を伸ばし、途中激しい情交のせいで欠落のある夜の記憶を辿っていく。
そうして初めまで遡り、そういえば昨日は主に後背位で交わっていたのだった、と思い至った。
正直なところ、行為自体は嫌いではない。
むしろ好むところであるのだが、何が悪いのか、先に思考も体もどろどろになるのはワラキアの方だった。
身長も体重も然程変わらないのに、行為の最中体力が尽き、先に音を上げるのはいつも自分なのがどうにも釈然としない。
与えることも与えられることも、等しく大切にしたいのに、これでは与えられる一方のような気がしてならない。


昨日も後ろから攻め立てられ、腕の力が抜け切ったところでひっくり返されて首に腕を回すことも出来ず、
それを察したザトーに思い出すのも憚られるような体勢で貫かれたのだった。
そのせいで髪を解く余裕がなかったのか、と原因に思い当たり、求めた解を得たというのに、ワラキアは複雑な気持ちになる。
そんなことを悶々と考えながらザトーの頭を撫でていると、それまで一定だった安らかな呼吸が僅かに乱れ始めた。
「おはよう、今日もいい朝だよ」
「……お前が言うのか、それを」
寝起きの掠れた声で笑って、ザトーはこちらに手を伸ばす。
言いはしないが、その掠れ声もワラキアの特別な気に入りの一つだった。
頬を撫でられるのだろうかと手の行く先を見つめていると、そのまま手はワラキアの頭に伸び、ゆっくりと髪を梳く。
「洗濯物がよく乾くのはいいことだろう?」
その掌に頭を擦り寄せて微笑みかけると、「それはまあ違いないな、」と、先程よりもだいぶ覚醒した声でザトーも笑った。

「さて、それで今日のご予定は?私は洗濯と掃除を済ませてしまうつもりだが」
「特にないな。手伝おう」
そう言いながら半身を起こしたザトーが、ワラキアの頭の横に手をついて、顔のあちこちに軽いキスを落とす。
正しく鳥が啄むようなバードキスにくすくすと笑いながら、だいぶ崩れているし結び直そうと、手を伸ばして髪のリボンを解く。
降り注いだ髪がワラキアの頬や首筋を悪戯にくすぐる感触にまた笑いながら見上げると、何故かザトーが動きを止めていた。
「……? ザトー、どうかしたのかね?」
ぴくりとも動こうとしない様子に首を傾げて、ワラキアは問う。すると、ゆっくりとした動作でザトーの唇が降りてきた。
未だ疑問は感じつつ、拒む理由もないのでそれを受け入れ、唇を合わせる。
寝起きのかさついた唇ではリップ音がしないのが寂しくて、少し離れた間に舌で湿した。
役目を終えて口内に舞い戻る舌を追い掛けるように、唇がまた降ってくる。
今度はちゅ、と僅かな音が響き、一人満足していると、僅かに開いていた唇の隙間からザトーの舌が捩じ込まれた。
「っふ、ぁ、」
突然のことに応じることも忘れ、思わず固まるワラキアを余所に、強引に舌を入れたザトーは奥にあるワラキアの舌を絡め取って擦り合わせる。
角度を変え、更に深くなったキスによって溢れた二人分の唾液を喉を鳴らしてワラキアが飲み込むと、銀糸を繋いでザトーの唇が離れていった。

「っは、ぁ、突然何を、」
先程まで爽やかな朝の気配で満ちていた部屋の空気は、いつしか慣れ親しんだ淫靡なものに変わりつつある。
ワラキア自身も今の口付けで、夜に散々可愛がられた体の熾火がほんのりと燻り始めていた。
別に嫌な訳ではないが、どうしてこうなった、とワラキアが困惑していると、ザトーがワラキアの腿に腰を押し付ける。
脚に触れた明らさまな感触に、思わず息を飲みそうになるが、ここで流されては思うつぼだと顔を見上げた。
「思うにそれは、朝の生理現象ではないかと推測するのだが」
朝っぱらから行為に耽るのもやぶさかではないが、このままほいほいと流されるのは癪に触る。
何より、突然の暴挙にある筈の理由が気になった。
「何を言う……髪を解いただろう、ズェピア」
それを問い質すべく、向こうからは見えないだろうがじっと顔を見上げていると、ザトーはワラキアの隆起した喉仏を親指でそっと押さえた。
「誘ったのはお前だ」

とんだ言い掛かりだ、と言おうか迷ってワラキアは、シーツに放り投げておいた両腕を目の前の首に回した。




思わせ振りに二三度肌を撫でてから腿を掴む手に、逆らわず素直に脚を開く。
機嫌良さげな風でくつくつ笑うザトーに、喉元へ噛み付いてやろうかと考えて、自分で自分の首を締めることになりそうだったので我慢することにした。
そっと蕾を撫でて、まずは一本、指が胎内に入ってくる。
昨夜、というか少し前まで散々酷使されたそこはまだしっとりと綻んでいて、然したる抵抗もなくその侵入を受け入れた。
「っふ、ぁ……」
体の内側を異物に探られる違和感と、それを上回る穏やかだが確かな快感に、吐息に近い声が漏れる。
夜にしつこく甚振られた酷く感じる場所を避けて、内部を確かめるような指使い。
それに微睡みに近い心地好さすら感じて、ワラキアは陶然とその感覚に酔う。
続いて人差し指が挿入されて、それでもゆっくりと、まだ柔らかい中に遊んで、拡げるように指を開いた。
くち、と微かな水音が、体を伝わって響く。
そのまま、鮮烈な刺激を避けるよう、落ち着いたペースではあるが動き続けていた指が、突然止まった。

人に指を突っ込んだまま、何故か固まっているザトーに問い掛けようか考える。
と、胎の奥から何かがじわじわと流れ出てくる感触に、ワラキアは身を震わせた。
「……極力掻き出したんだが、奥にまだ残っていたのか」
呟くような声に、ああやはり処理をされていたのだな、とワラキアは他人事のように考えて、それを全く覚えていない事実に眉根を寄せた。
今日に限らず、身体中どろどろになるまで交わっていたのに、
決まって爽やかな目覚めを迎えることになるのは、やはりザトーのおかげによるものだったらしい。
受け身に回ることに異存はないが、これは色々と沽券に関わる気がする。
「気にすることはないよ、腹を壊す訳でなし」


そうフォローを入れつつ心中複雑なワラキアをよそに、ザトーはおもむろに漏れ出た夜の名残を指に絡めると、先程までは避けていたしこりを刺激し出した。
鋭敏な器官に無遠慮に触れられ、咄嗟に反応も出来ず、身を強張らせる。
二本の指は挟む込むように弄り、揃えた指で表面をそっと撫でた後、悪戯に爪を立てた。
神経を直接弄ばれているのではないかと思いたくなるような衝撃に、息が詰まる。
瞼の裏がちかちかと、白く光っている。
快感と言うには強すぎ、痛みと言うには甘すぎるその感覚に、身も世もなく悶えた。
ザトーは晒されたワラキアの喉元へ顔を近付けると、呼吸をする度に忙しなく動く喉仏に軽く噛み付いて、舌で押さえ付ける。
急所を捕らえられて竦む身を自覚して、こんな体にも動物的な本能があるのかと、ワラキアは場違いにも笑いを溢したくなる。
尤も、喉を押さえられていては、そんなことは不可能だから諦めたのだが。

胎内の指が、しこりを押し潰すように甚振る。
先程より激しく動かされ、下から聞こえてくる水音が酷くなった。
そうして中の指は動かしたままザトーは器用にも、陰茎と後肛の間、表から中のそれを刺激出来るその場所を、親指でぐっと押し込む。
中から外から遠慮なしに刺激され、喉元を押さえられているせいで体を動かして衝撃を逃がすことも出来ず、
ワラキアはただただホワイトアウトした視界を感じていた。




一瞬遠退いていた意識が漸う戻ってきた頃には、胎内から指は抜かれ、脚を高く持ち上げられていた。
膝の内側に唇が落とされ、そのまま力の抜けた両脚を肩に担ぎ上げられる。
押し当てられた屹立が、殊更ゆっくりと、形を思い知らせるように挿入されていく。
「っ、ぁ、ああ……ッ」
何度夜を重ねても、本来違う場所に挿入するのだから、解してあろうが初めの抵抗はどうしようもない。
それでも一番張り出しているところさえ入ってしまえば、残りは案外簡単に沈んでいくものだった。
壁を擦り、しこりを抉り、肌が擦れ合うまで押し込まれた切っ先が、奥の奥まで中を充たす。
どんな行為であっても、能動的に行うものにはそれぞれに意味がある。
殊更こういう行為に於いては、全ての動作によって感情が形作られる。
その中でも、胎内にザトー自身が収められたこの瞬間が、ワラキアにとって何よりの充足感をもたらすものだった。


収めきったところで動きを止め、深く息を吐きながらこちらが慣れるのをただ待つザトーに、また笑いが込み上げてくる。
朝っぱらからいちゃもんをつけて組み敷いてきた癖に、こんなところで紳士ぶられても困る。

「っふ、あ……全く、君はいい趣味をしている」
肩に掛けられた脚を軽く揺すってやると振動が伝わったのか、眉を顰めながら「、お前がそれを言うのか」と返された。
「殊此方に関しては、私などはとてもとても……ぁ、んんっ、こら、人が話している時に、っあ、」
此方が喋るのを妨害するように腰を揺らめかせるザトーを、一応形だけは咎めながら、煽り立てるよう意識して後ろを締め付けてやった。
突然の刺激に喉の奥から音を漏らすザトーをしてやったりと下から見上げる。
と、先程の揺らしたせいでずり下がりかけていた脚をしっかりと肩に掛け直しながら舌打ちされた。
前触れなく芯が引き抜かれ、とうに馴染んでいた中を容赦なく抉る。
そのまま始まった荒々しい律動に、どうやら余裕は引っぺがせたらしいと満足しながらワラキアも溺れた。
抜けるぎりぎりまで引き抜かれては最奥をつつかれ、背骨を抜ける激しい快感に、意識していなくとも背が反ってしまう。
自然浮き上がる胸元へ上体を倒したザトーが口づけるのを感じて、お互い体は柔軟な方で良かった、なんて考えながら、与えられる刺激にただただ喘いだ。


此方のたちの悪い悪戯のせいで余裕を失い、いつになく荒い動作で腰を動かしていても、暴力的なまでの快楽以外が齎されることはない。
意識しているのか無意識なのか、それとも此方が慣らされたのか。
そういえば、初めて体を重ねた時も、違和感とぎこちなささえあれど痛みは然してなかった。
成る程体の相性かと考えて、自分の考えの俗っぽさに内心笑った。
よくザトーはワラキアに感化されたと言うけれど、それを言うならワラキアこそザトーに感化されている。
そも自分が個の形に拘らざるを得ない状況に追い込んだのはどちらなのか。
ワラキアがズェピアとして振る舞うことの意味を、恐らく理解はしていないのだろうなと思いつつ、
まあ別に然したる問題でもないので、とりあえず床にでも放り出すことにした。

最中、此方の気が逸れていることに気が付くのが抜群に上手いザトーが、先端の張り出した部分でしこりを引っ掛けるようにして弄る。
「ひ、っああ!そこっ、は、あっ、ん!」
奥を刺激されるのとはまた違う、此方の意識を根こそぎ拐ってしまう快感。
シーツを引き裂かぬよう、爪を立てないように気を使いながらしがみ付いていたのに。
徐々に思考が白くなっていく過程がいつも恐ろしくて、ワラキアはむずがる子どものように髪を振り乱す。
何も憂慮することなどないと分かっていても、分割された思考が機能を停止して考えが纏まらなくなっていくのは、
錬金術師として、そして何よりワラキアにとって、酷く恐ろしいことだった。




第六法に挑んで千千に引き裂かれ、自我を喪いながら消え失せていく記憶は、生々しい感覚を残してワラキアの中にある。
誰にも悟らせるつもりはないし、現にワラキアの夜として対峙した自分の子孫にも悟らせはしなかったが、
タタリとしてではなく、ズェピアとしての弱味は、間違いなくそれだった。
だというのに、ザトーは行為の度にワラキアが思考を手離すことを望み、毎度荒っぽい方法でそれを達成させる。
殊更弱い部分を暴きたて、それを無遠慮に弄び、正体を無くした此方を愛でるような行為は、やはり趣味が悪いとワラキアは思う。
ザトーからしてみれば、そもそも弱味を握られているのはお互い様だし、
弄びたいのではなく、それを安心して晒して、分かち合えるようになりたいというだけなのだが。
尤も、付属してついてくる痴態を期待していないと言えば嘘になるので、ワラキアにはそれは告げず、
言われなければそんなことは、ワラキアの預かり知らぬことだった。




まともに考えることも出来ず、ただ与えられる感覚を享受しては反射のようにそれに対しての反応を返す。
喉から勝手に溢れる嬌声を他人事のように感じながら、体に降り注ぐ快感は確かに他人事ではなかった。
そうしてしこりを弄んでは時たま奥まで貫き、小刻みに刺激してみたり。
かと思うとゆっくり長いストロークで抜き差しをして腰を回すように動かしてみたりと、
趣向と技巧を凝らしてワラキアを苛んでいたザトーが、ふと体位を変え始めた。

肩に掛けられ、律動の度に揺れていた脚の膝裏と腿の間辺りをしっかりと掴むと、体を折り畳むようにして脚を持ち上げていく。
「っぐ、あ、・・・・・・っ、」
挿入されたまま体勢を変えられたせいで、拡げられたとはいえ別に広い訳ではない内部がより狭くなり、圧迫感が増していく。
やがて膝が顔の横に付くのではという程に押し曲げられ、腰どころか背まで丸まり、シーツから浮いた。
眼前で、触られてもいないのに芯を持ち、先端から滴を零すそれが揺れて、時折ワラキア自身の腹部に擦れる。
酷く屈辱的な、それこそこんな無体を強いているのがザトーでなければ、今すぐ文字通り骨と皮だけにしてやりたいような恰好に、
溶けてしまった思考でも流石に羞恥心を感じ、馬鹿みたいに喘ぎ声を漏らす喉を諦めて不自由な身を捩った。
それがどう映ったのかなど知らないが、改めてしっかりと脚を持ち直していたザトーが「っ、煽るな、」と身に覚えのないことを言うと、
上から下へ、まるで突き刺すような動作でワラキアを再度貫いた。


「――――ぁ、ああ、」
内臓を押し潰されるような酷い圧迫感。
狭くなった内壁を無理やりに抉じ開けられ、腹側のしこりを刺激しながら進んで、一番奥を押し上げる。
ずるりと引き抜かれる時も、体位のせいで内壁を引きずるように刺激され、体が跳ねる。
そのまま始められた律動は、緩やかで大きな動作から、やがて半ば以上を埋めたままの小刻みなものに変わっていく。
無理な体勢で物理的に圧迫される肺と、内側から幾度となく押し潰しては捏ね繰り回すように刺激される内臓の圧迫感に、息をするので精一杯だった。

揺さぶるというより、正しく貫くという風に突き込まれて、いよいよ限界が近い。
いつもならタイミングを合わせるよう訴えること位は出来るのに、ひっきりなしに齎される快感に射精感が込み上げ、
ぐらぐらと回る視界がぱちんと音を立てて白く弾けても、碌に声すら出せなかった。
ふわふわと、思考が飛んでいる。
微睡んでいる時と酷似したその感覚に身を委ねていると、唐突に胎内で熱が弾けた。
体の奥まで熱い何かが注がれる感触に、強引な目覚めのように一気に思考が引き摺り戻される。
いつの間にか手離され、顔の横まで下がっていた脚の間から仰ぎ見たザトーは、何故か項垂れ、肩で息をついていた。
これだけのことをしておいて何を今更、と漸く繋がりを取り戻してきた頭で考えていると、顔に違和感を感じた。

何か、粘着質な液体が、降り注いでいるような。

と、依然顔を俯けたままのザトーが、前触れ無く欲を吐き出し切ったそれを引き抜いた。
「んっ、あ……」
胎内を埋めていたものが無くなる感覚に喪失感を覚えて、いくらなんでも頭が煮え過ぎだと自己診断を下していると、
これまた何故かしげしげとワラキアを見下ろしていたザトーが上体を倒し、ワラキアの顔に自身の顔を近づけた。
キスでもされるのかと思いつつ、応える気力どころか指先一本すら動かすのもだるくて、まだ芒洋とする視線をザトーに向ける。
そうして顔を近づけたザトーは、徐にワラキアの顎の辺りを舐めた。
意図が掴めずただじっとしているワラキアに好都合とばかりに、顎から頬へ移り、鼻の先にと、
丹念に、むしろ執拗に何かを舐め取っていく。
その動作と漸く機能を取り戻しつつある鼻に届いた匂いで、自分の顔に降り注いでいたものの正体が分かってげんなりとした。
体を折り畳まれた状態での律動によって揺すられたワラキア自身から零れた蜜が、どうやら顔に掛かっていたらしい。
というかタイミング的に、ワラキアがうっかり自分自身の顔に射精してしまった姿を見て、ザトーも限界に達したらしかった。

これは、自分のことを棚に上げるまでもなく、満場一致で悪趣味ではないのか。


そんなことを思いながらも、熱心に舐め取っているザトーを見ていると、初めに考えたことも相まって思っていることとは別のことが口をついて出た。
「パブロフの犬というものを知ってはいるかね」
「ベルに対する条件反射か。というか、人を犬に例えるな」
依然顔を埋めたままのザトーが答える。
「おや、違ったのかね?執拗に舐め回されるものだから、つい」
ほんの少しの皮肉を込めてワラキアが言うと、何がおかしいのかくつくつと笑い出した。
「ならば旨そうに見えたから、つい、な。成る程確かに私は犬かも知れないが、まさかリボンがベルだとは思っていなかろう?」
そのまま腕を回して抱き締めてくるザトーに、いい加減脚を降ろさせてくれたまえ、攣りそうだ、と訴えると、あっさり体を放された。
漸く脚を伸ばせることに妙なまでの開放感を感じつつ、何の未練も感じさせずに離れた体温を不満に感じていると、
寝そべる形に戻ったワラキアの上にザトーが覆い被さる。
縛るものが何もない髪は、いつぞや例えた天蓋の様にワラキアと世界を隔絶した。

正しく二人だけの世界。
「リボンではないというなら、君のベルは一体何なのかな」
どこかで答えを予想しながら、ザトーの閉じた瞼をそっと撫ぜる。
「知れたことを。……言わせたいのか?」

いくら濃厚な交わりをしていたとしてもまだ昼には遠い時間なのに、もう体のあちこちが痛む。
それでもその痛みに確かな幸福を感じながら、ワラキアは微笑んだ。
「ああ、是非君の口から」
盲目である筈なのに。ワラキアの小さな表情の変化に敏いザトーが、同じように微笑む。
「私のベルはお前自身だ、ズェピア」
そうして降ってくる唇に今度こそキスの気配を感じて、ワラキアは微笑みながら小さく零した。
「……全く、君はいい趣味をしている」














「ところで中のものを掻き出さなければいけないな。さてズェピア、もう一度脚を上げて貰おうか」
「掻き出すだけなら開くだけでいいだろう。……全く、私は洗濯をしたいのだがね」
「洗い物が増えるなら、一度に纏めた方が楽だろう?」
「……ふむ、それは確かに道理だな。ならば仕方ないとも。だろう?」
「ああ全く、仕方ないな」

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます