37 :名無しさん@ビンキー:2010/02/08(月) 18:27:20 0
流れを読まずにすいません。
スレで飛竜×スペランカーの話題が出ないことと、
スペランカー萌がマッハになってつい書いてしまった。
なんという俺得w




#注意#


・『主l人l公l連l合lvlslボlスl連l合l対l抗l多l人l数lチlーlムlトlーlナlメlンlト』ベース
・「飛んだら死ぬ」チームの飛竜×スペランカー
・はぁとも出てきます。
・それぞれのキャラクターが違う気がする…(特に飛竜)
・誤字脱字、誤変換があるかもしれない。

・以上、少しでも苦手なものがある場合は、このファイルを削除願います








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目を開けたまま目を瞑る。
矛盾しているように思える事だが、全てに備えるにはこの状態が最も適していた。
目を瞑れば、確かに神経はさらに鋭利となり、全方向の気配をまるで見ているかの様に感知する事が出来る。
しかし、それでは感知する事が出来ないモノがあった。
気配で見るには、ある程度の質量もしくは、殺気等の意思による生きている気配が必要である。
例えば、歩いていて蹴り上げたなどと、他の意識が混ざらずに小石やゴミなどが飛んできたとしよう。
目を瞑った飛竜が、それを感知する事は出来ない。
しかし、それは感知せずとも良いものである。
なぜなら、その様な意識を含まぬ小さなものが、危害を与える事は殆どない。
しかし、胡坐をかいた飛竜の太ももを枕に、安らかな寝息をたてて眠っている人物には、十分死因になりうるものである。
故に、飛竜は瞳を開き、視覚でも警戒をおこないながら、
目を瞑っている時のように、全方向へ意識を拡大させて、気配の感知も行っていた。
すべては、理不尽ともいえる死に安さを誇る、チームメイトの安眠を守るためである。
別に、もう一人のチームメイトである愛乃はぁとに、言われたわけではない。
これは、飛竜が自ら望んだ事である。
下手すれば、安眠がそのまま永眠となる彼を憐れんだわけではない。
彼は己の体質を、一つも悲観してはおらず、それを同情する事は失礼にあたる。
なにより、その体質で挑む事を止めない、彼の姿勢を飛竜は好いていた。
ただ飛竜は、彼が眠ってる間ぐらいは、その安眠を守りたいと思っただけだ。
この事をはぁとに言うと大変うるさいので、彼女には修行の一環だと言っている。
事実これは、十分な修行になっているわけだが、はぁとは『やっぱ愛だよね!』と騒ぐ事を止めない。
実にうるさいと、飛竜は思っている。

「ん…」

太ももを枕して眠るスペランカーが僅かに身じろいだ。
寝返りでも打つのかと少し警戒をするが、少し体を動かしただけで、そのままの体勢で眠り続けている。
赤い布の下で、僅かに息を吐く。
スペランカーが眠る時は、さすがのはぁとも気をつかってか、控え室を空けることが多い。
彼女がいたのでは、ゆっくりと眠る事もできない。
眠るスペランカーの言葉を借りれば、はぁとは元気が売りなのだ。
飛竜にとっては、騒がしいだけなのだが…
とにかく、彼女が居ない今、控え室はとても静かであった。
聞こえる音は、微かな寝息か、扉の向こう側から時折聞こえてくる断末魔ぐらいである。
神経を最大限に尖らせ、意識を広げている状態だというのに、飛竜は不思議と安らぎを感じていた。

「んー…ひりゅう君」

下から聞こえてきた声に、意識を通常の状態に切り替える。

「起きたか」

視線だけ下に向けると、まだ瞳はうつらうつらとしていたが、それでも、昼寝を終えたスペランカーの姿が確認できた。

「いつも、すまないね」
「これも修行の内だ」

素っ気無く返すが、スペランカー自身が動き出すまで、飛竜は動こうとはしなかった。

「うん。でも、ひりゅう君のおかげで、よく眠れたよ」

ニコリと笑いながら、飛竜の脹脛を越えようとしたスペランカーを、
飛竜は無表情のまま、両手で持ち上げ、ゆっくりと地面に置いた。

「そうか」

体を伸ばすスペランカーの背を暫く見つめた後、飛竜は任務完了の合図の様に目を瞑った。
自分の守護する時間は終わったのだ。
どんなモノであろうとも、抹殺する己の腕が、まるで玩具の様に壊れ易い者を、ひと時であれ、守る事となろうとは思いもしなかった。
そして、それを心地よく思う己も。

「はぁと君は、食堂かな?」

室内に居ないチームメイトの行方を尋ねながら、あたりを見回している。

「知らん」

そんな事より、昼寝のために外していたヘルメットやリュックを装着するべきだと飛竜は思ったが、口には出さなかった。

「はぁと君は転びやすいからなー」

やっと、ヘルメットを着け始めたスペランカーに、若干ホッとしながら、飛竜は控え室の扉を見た。
飛竜には、扉の向こうから聞こえてくる慌しい足音が聞こえていたからだ。

「先生!パフェ食べませんか!?パっ…!!」

バンッ!と、壊す勢いで扉を押し開け帰ってきたはぁとだったが、
入ってきた瞬間、はぁとの足先が妙な形で着地し、そこから体のバランスが崩れていく。

「あっ」

バランスを崩したはぁとの体は、自己の安全を得るために、自然と手からパフェが抜け、空を飛ぶ。
スペランカーが倒れ行くはぁとと空を飛ぶパフェに、小さく声を上げた頃には、既に飛竜は動いていた。
まず左の手で2つのパフェグラスを掴み、
もう片方の手で、小さなカップに入ったパフェとスプーン2本、それから小さなプラッチックのスプーンを掴んだ。
はぁとの方は自業自得なので、そのまま置いておくと、べちゃり、という音と共に地面と抱擁した。

「うぅ〜」

地面と親友になりながら、呻くはぁとに呆れたように息を吐いた飛竜は気が付かなかった。
キャッチしたパフェの頂上から、生クリームがズルリとすべり落ちたことに…
そして、その生クリームの落下地点に、スペランカーがいる事にも。

「あ!」
「なっ…」

てんて れんて てんて れんて てってって〜

後はいつも通りの流れであった。





「先生は、蝙蝠のフンでも死んじゃうもんね〜」
「ヘルメットがなかったら即死だった」

視線の先では、風呂上りのスペランカーと、はぁとがパフェをつついている。
はぁとのパフェは通常サイズだが、
スペランカーのパフェは、小さな体に合わせて小さなカップにはいったミニパフェだ。
そんな二人をひとまず背景にし、飛竜は自分の目の前に置かれたパフェに目をやった。

「あれ、ひりゅりゅん食べないの?融けちゃうよー」

腕を組んだままスプーンさえ握ろうとしない飛竜に、はぁとが口の端にクリームをつけながら問いかけてくる。

「その呼び方はやめ…」
「生クリームないから嫌なの?」

わざとではないかと思えるほど、絶妙なタイミングで、はぁとは飛竜の痛い所を突いてきた。
もちろん、生クリームがないのが嫌だという訳ではない。
飛竜の目の前に置かれているパフェの生クリームは、先ほどの騒ぎでスペランカーに落下した為にないのだ。
防げなかった飛竜にとって、それは指摘されて気持ちのいいものではない。

「それは、すまなかったねひりゅう君。はぁと君、私の生クリームをひりゅう君に…」

加えて、スペランカーのこの言葉だ。
飛竜は意を決して、口元を覆う布をずらし、黙々とパフェを食べ始めた。

「あぁ、ひりゅりゅん、そんなアイスだけ先に食べたら、最後のほうでコーンフレークまみれになっちゃうよ〜」
「うるさい、黙って食べろ」

飛竜のきついとも思える言葉に、はぁととスペランカーは顔を見合わせ、楽しそうに笑った。
何故なら、そんな言葉はパフェを食べながらでは少しも迫力がないからだ。
また再び会話を始めた二人のそばで、飛竜はただ黙々とパフェを食べ続けた。



=おわり=

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Posted by utcnfb 2013年11月20日(水) 04:46:26 返信

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Posted by kuyzdsiwh 2013年11月15日(金) 02:35:26 返信

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