402 :名無しさん@ビンキー:2010/02/16(火) 18:06:05 0
>>399
お宅にお呼ばれイイ!覚醒しないと全然手が出せない甘酸っぱさがたまらないなw
住人数の割りに投下が多いのは他に語り合える場所が無いからか・・・ほんとここは天国です
ってことで鍋の一連の流れに滾って常識人コンビのクロスオーバーカプ投下さしていただきます。勢いって怖い
楓→汚忍気味?

原作で猛威を振るいまくったツンデレ拳王が相思相愛の幸せを手に入れたらどうなるかかなり気になるw
相方限定で力強すぎるデレ100%になるんだろうか


■注意
鍋動画 楓と汚い忍者
楓→汚忍っぽいですが実質何もしてません



「ひゃっはー!肉が無い!肉が足りなーい!」
「あんたが煮る前から食うからだろ、はいこれ追加。肉ばっか滅ぼしてないで野菜も食べろよ」
「ウォオオオオオオ!」
「ゆっくりぃーー!」
「はいはい元気で良いな、鍋ひっくり返すなよ」
「悪夢のようだろ・・・・・・」
「そっちの鍋肉入れたばっかりだから取るのもう少し待てよ!
 あ、フェルデンクライスさん蟹食べ終わったならその皿ください、片付けます」
「ごめんなさいデス忍者さん、任せっぱなしで」
「気にするな。蟹は充分食べれたかフェルナンデス?」
「給仕役が板に付きすぎですねぇ忍者さん、ところで鍋の後の雑炊用に白米が一山怖いところなんですが」
「あと5分で炊き上がるってさ。鍋が空いたら持ってきてやる
 つーか天狗・・・後で覚えてろよ。忍者が1人忍者が2人・・・」
「自分から近づいて来るとは良い度胸だ!このバレッタ様を絶壁よわばりした時点で貴様の死は確定事項だぁー!」
「ファイナル分身!サタンさん薬味持ってきましたよ」
「あ、ありがとう・・・ところで君大丈夫なのか・・・?」
「ちぃっ!攻撃が当たらない、空蝉か!」
「ふっ、煩い小物がいない今こそ邪魔な野菜を排除するまたとない機会・・・」
「さくやさん、そのちびっこがちゃんと食べてるか見張りお願いしまーす」
「やー!」

「汚いなさすが忍者きたない、鍋6つ同時に回すとか明らかに効率厨のやることでしょ」
「それで成立してしまうのがなかなか凄いがな。さっきから動きにほとんど無駄が無い」
ともすれば阿鼻叫喚寸前の宴会場をほぼ独力でさばく汚い忍者を遠目でにらみつけて謙虚な天人がこぼす。
同じ人物を目で追っていた最強の尖兵が感心したように同調した。
楓もつられて忍者を見て、その見事な立ち回りにため息をついた。
手の中にある取り皿には上手そうに茹で上がった具が盛り付けられている。
現在食べごろの鍋はほとんど汚い忍者1人で仕切っているのだ。
最初はフェルナンデスやヨハンと言った他の面々も手伝っていたのだが、
ブラコン兄貴につかまって人前であーん☆という羞恥プレイをせまられたり
牧師に捕まって半泣きになったりといった経緯で脱落してしまい
気づけば楓自身も忍者に促され、ジェネラルの横に陣取って鍋をつついている始末。
凄いと言うなら鍋奉行が減っても減った分だけ効率的に動いて場を仕切る忍者が凄い。
天子が蔑む「効率厨」という形容詞もある意味褒め言葉ではないのか。
(いつもなら世話を焼くのは僕の役目なんだけど・・・・・・)
たまに迷惑そうな顔をしながらも飛んでくる要望を某カード仕分け人のごとく次々捌ききり、
楓にはほとんど回してこない、汚い忍者の姿は頼もしかった。
面倒ごとを負担してくれているのは本当にありがたい
ありがたい・・・が、何か落ち着かない気分だ
貧乏くじポジションに慣れすぎたためか、汚い忍者が好意で仕切り役を引き受けてくれたのに
なんだか仕事を取られたような気になってしまう。
汚い忍者がどうしても対処できずに仕事――天子の相手――を楓に頼んできた際など
嫌がるどころか逆に嬉しいと感じた自分に気づいて少々落ち込んだ。
その天子も今のところは鍋に満足したのか、大人しく箸を進めている。
楓は無言のままよく火の通ったネギを口に放り込んだ。
「・・・おいしい」
「お、ちゃんと食べてるな」
「!?」
急にのぞききこまれて思わず口に入れたばかりの具を飲み込んだ。
熱い塊が喉につかえて盛大にむせる。
「うわ!?悪ぃ、おどろかすつもりじゃなかったんだけど」
「大丈夫ですか、お茶飲みますか?」
「げほっ、げほっ・・・だ、だいじょ、ぶ、です・・・」
どうにか飲み込んで息をする。
背中をさすっているのが汚い忍者の手であることに気づいて、頬が熱くなるのを感じた。
「食事中に後ろからおどろかすとかあもりにもひきょうすぎるでしょう」
「るせーナイトもどき!そんなつもりじゃなかったんだよ!」
汚い忍者は楓をはさんで向かいにいる謙虚な天人とにらみ合った。
どうにも忍者が苦手な人に天子が似ているらしく、さっきからお互いやたらと衝突している。
「悪いな楓、こんな面倒な奴の相手任せちまって・・・どうにも苦手なんだ」
「いつもの事ですから。忍者さんこそ全然食べてないんじゃないですか?」
「俺は隙見て食べてるから大丈夫。
 どうせ後片付けも俺らでやるはめになるだろうし、今のうちに楽しんどけよ」
「はい、でも・・・」
楓が言い終える前に忍者はさっさと立ち上がって行ってしまった。
手にしているのは空になった平皿。
よく見ると楓達が囲む卓の具材が補充されている。
「・・・文句無しに仕切り役だな彼は」
「完全に全部の鍋の動向を把握して動いてますねぇ」
十数秒で具の補充をしただけで行ってしまったのは謙虚な天人から離れたいだけか、
はたまたここの卓は楓や舞織に任せておけば平和だと判断したためか。
向こうの方でまたしてもどらごんを捕まえて火の通った肉を皿に盛り上げる作業に入ってしまった。
ジェネラルが腰を落ち着ける前で問題を起こす度胸のある者が少ないのか、ここの卓は比較的平和である。
必然的に、問題対処に追われる汚忍が来る回数も時間も段違いで少なかった。
もう少しこちらにも来てくれれば良い
いやむしろ忍者も一旦休憩してこの卓に加われば・・・と思いかけて楓は愕然とした。
(いや待て、僕は何を考えてるんだ!?まるで忍者さんに構ってもらいたいだけみたいじゃ・・・)
顔が熱くなる。
鍋の湯気のせいだけではない。
先ほどから感じている物足りなさは、やることが無いことだけが原因ではない。
汚い忍者が楓に話しかけて来る回数が減ったせいもあるのではないか。
共に鍋の用意に追われていた時には忙しい中でも何かにつけてお互い声を掛け合っていたのに、
楓が大人しく食卓についてからは、忍者は他の戦争状態の炬燵の面倒を見るばかりで寄り付きもしない。
さっきみたいに来たとしても、天子と相性が悪いため長居どころか座ることさえせずに行ってしまう。
(天子がいなかったら一緒にゆっくり鍋を食べれるんじゃ・・・じゃなくて!ああもう!)
楓は猛然と立ち上がった。
最強の尖兵が少しびっくりしたように見上げてくる。
「・・・お腹いっぱいになりましたし、座りっぱなしじゃ落ち着かないので手伝いに行ってきます」
「まだそこまで食べてはいないだろう?もっとのんびりして行ってもバチは当たらないと思うが」
「いえ、ゲストの忍者さんにばかり仕切ってもらうわけにはいけませんし。
 また一段落したら戻って来ますよ」
いそいそと戦地へむかう楓の後姿を見て、ジェネラルは密かにため息をついた。
その背中は、平和に鍋を囲んでいたときより明らかに生き生きとしていた。
「仕事のおしつけられると苦労するに仕事が無いと不安になる見事な苦労人だと感心が鬼なった」
「心の底から苦労人気質が染み付いている様子ですね」
「哀れな・・・」

具を補充し、各鍋の火力を調節し、偏食する奴の皿に食べごろの野菜をつっこみ、乱闘が発生したら誰かを向かわせる。
宴会場の皮を被った世紀末鍋会場は相変わらず仕事が山積みだった。
炬燵の間を駆けずり回る内、同じく仕事に追われる忍者とすれ違う。
「楓、もういいのか?もっとゆっくり食べても・・・」
「こんな大騒ぎをバックに落ち着いてられませんよ。あんまり食べると後片付けが億劫になりますし」
「そりゃそうだな。実は1人だと結構厳しかったんだ、助かるぜ」
両手に皿をかかえた楓を見て汚い忍者は苦笑した。
人いきれと鍋の熱気に当てられたのか、困ったような笑みを浮かべる顔はすこし赤らんでいる。
会場中で自由を謳歌し、問題行動を起こしては忍者に説教をくらっている面々には決して見せないであろう表情。
数瞬、その姿に見ほれた。
(こんな風に笑う人なんだ・・・)
楓が正気になる前に、どこかの卓からの呼びかけに応えて忍者は去って行った。


具の追加を取りに奥へ引っ込むと、壁一枚隔てた廊下で忍者とばったり出会った。
壁を背にし、乱波半首を外して額に浮かんだ汗をぬぐっている。
調理のために手甲と手袋こそはずしているが、他はかっちりと乱波装束を着込んだままだ。
暖房の温度に熱気が足された会場では熱くて当然だろう。
「忍者さん」
「おー、お疲れー」
楓に気づいた忍者がまた笑みを見せる。
静かな廊下、会場の喧騒は別世界のように遠い。
防具を外したその笑顔は、先ほどとはまた違った柔らかさがあった。
「そろそろうどんかと思ったら肉追加だとよ、あいつらどんだけ喰う気だよ」
「しかも雑炊作る気満々の人もいますね」
「この期に及んでさらに穀類喰うのか、どんな胃袋してんだ・・・」
上の空で会話に相槌をはさむが、忍者の表情から目が離せない。
「?どうした、ぼーっとして。やっぱり働きすぎじゃねーのか?」
「働きすぎは忍者さんの方だと思いますよ。疲れてませんか?」
「こんなのHNM狩りに比べたらどうってことねぇよ。幸い今日はむかつくナイトも来てないしな。
 代わりにあいつにそっくりな奴がいるけど・・・」
天子のことだろうか。
汚い忍者が唯一対処に困って楓に相手を頼んできた問題児だ。
「どうせ無礼講の宴会だ、他の人なら多少無理言われても気にならないんだけどな。
 楓があいつを引き受けてくれて助かったよ、ありがとう」
「いえ、そんな・・・忍者さんの作業量に比べたら僕なんて全然仕事してないし」
「いやいや、ほんと凄いありがたかった。
 あいつの言葉遣いする人間がいるだけで俺の精神披露度が激増するだよマジで」
なんだろう、せっかく忍者と2人っきりで話しているのにまたもやもやする。
忍者が話題に出すのは謙虚な天人と彼女に似ている誰かばかり。
目の前にいるのは楓だけなのに
「・・・・・・お前本当にどうした?やっぱり疲れてるんだろ。
 あいつの相手丸投げして悪かったな」
忍者の表情が怪訝に曇る。
違う、見たいのはそんな顔じゃない
他の人の話なんてしたくない
忍者と視線を合わせたまま距離を詰めた。
「どっか他の部屋開けてもらって休・・・・・・!?」
気づいたときには相手の体を抱きすくめていた。
表情を見るのが怖くて、忍者の肩口に顔を埋めて抱く両手に力を込めた。
忍者は全く動かない。戸惑っているのか、呆れているのか。
何も考えずに抱きついてしまったが、時間が経過するにつれて理性が戻って来た。
ヒットしていた脳が徐々に現状を理解し始める。
「〜〜〜〜〜!すみませんなんか勢いで・・・っ!」
慌てて体を離そうとした所で、背に相手の手が回っているのに気づいた。
駄々っ子をあやすように、忍者の手が軽く楓の背をぽんぽんと叩く。
「愚痴聞いてくれる相手いないのか?あんまり溜め込むなよ」
年上風を吹かせる忍者の身長は楓よりわずかに下、見上げてくる顔は優しい笑顔だった。
見たかった表情、楓の問題行動を見事にスルーしてくれたのもありがたい
・・・が、いきなり抱きしめたのを全く意識されていない事実が悔しくもある。
(――ってそうじゃない!セーフだ!忍者さんが気にしてないのは残念なんじゃなくてセーフなんだ社会的に!)
「あ、あの、すいません、なんかその、ちょっとなんだかぐっと来てしまって・・・」
「あんまり背負い込むなよ?俺なんかで良かったら愚痴聞いてやるから」
「あ、はい、願ったりです・・・じゃなくて!すいません本当に!」
「? よく分からないけど無理はするなよ」
忍者が体を離し、乱波半首を付け直した。もう会場へ戻る気なのだろう。
常識人2名が会場を後にしてまだ数分だが、居並ぶ顔ぶれを考えれば宴会が武道会に代わるのに充分な時間だ。
楓に軽く会釈を残し、賑やかな戦場へ戻る忍者の姿は、息を呑むほどかっこよく見えた。
「・・・忍者さん!」
「ん、どうした?」
追いついて、防具をつけていない無防備な手を取る。
「僕は・・・僕も、多少忙しかったり仕事押付けられるくらいなら平気です。全然疲れてなんかいません。
 ・・・忍者さんと一緒に仕事できるのが嬉しいから・・・」
「なんだそりゃ」
腕を引かれて振り返って、忍者がまた笑う。
「嬉しい事言ってくれるじゃん、可愛い奴だな。俺もお前と一緒に仕込みするの嫌いじゃねぇよ」
間違いなく自分に向けられた言葉
この瞬間は自分だけに向けられた笑顔
忍者が何気なく発したセリフが、楓の中の何かに火を付けるのを感じた。
握りしめた手を持ち上げ、自分の方へ引き寄せる。
「楓・・・?」
「可愛いのはあんたの方だよ」
手の甲へ恭しく口付け、上目遣いににやりと笑ってみせる。
予想外の行動に忍者がうろたえるのが分かった。
嫌悪の表情ではない、ただ困惑する様子にますます抑えが利かなくなる。
「警戒されないってのは役得だけどちょっと癪だな。俺があんたを見てた意味、ほんとに分かってないのか?」
「何を・・・ってか金髪・・・」
「あんた忍者のくせに無防備すぎるよ」
ぐいと力任せに引き寄せるだけで、望む相手は簡単に手元に収まった。
まだ呆然としている様相の忍者の頬に手をかけ、顔を寄せる。
先ほど同様忍者が全く抵抗しないのを良いことに唇を重ねようとしたその瞬間
「破滅のブラストスクリーム!」
ドアを突き破って見慣れたビームが廊下を明るく照らした。
室内に響き渡る『K.O.』のアナウンスが廊下にも届く。
破壊されたドア(跡地)から、黒焦げになった牧師がよろりと倒れる。ついでにDMPと粗井さんも。
どういう経緯でこのメンツになったのか、チーム分けが非常に気になる所だ
「やべぇ、食料が尽きたか!続きは後だ楓、台所から肉持てるだけ持ってきてくれ!
 俺は先に戻って時間を稼ぐ、急げ!」
「は、はい!」
先に我に返ったのは忍者だった。
何事も無かったかのようてきぱきと指示を出し、会場へ向けて走っていってしまう。
楓自身も驚いた拍子に覚醒が解けてしまったため、素直に忍者の指示に従い走り出した。
顔が熱い。鼓動が速い。
覚醒状態の自分の行動は奔放すぎる。
あと数秒猶予があれば―――
(だから僕は何を考えてるんだ!!あんなの未遂で済んで良かったに決まってる!忍者さんだって・・・)
ふと忍者の去り際のセリフを思い出す。

―続きは後だ―

顔から火が出るかと思うほど熱くなった。
あれは会場の騒ぎに気を取られて無意識に発したセリフなのか、それとも全部分かって言っているのか・・・
十中八九前者だろうがちょっぴり後者も期待してしまう、
複雑な心模様のまま楓は両手の皿いっぱいに肉を盛って修羅が跋扈する鍋会場へと走った。

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oiwPSj I really enjoy the blog.Really looking forward to read more. Want more.

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Posted by watch for this 2013年12月19日(木) 23:40:30 返信

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