354 :名無しさん@ビンキー:2009/07/16(木) 01:32:36 0
暴l君lのl嫁l探lしでヴぁ忍
一応>>320の続き
>>341に触発されて書いたのは確定的に明らか




※『暴l君lのl嫁l探lし』準拠のヴぁーん×汚い忍者SSです。

※男性同士の性描写があります。苦手な方はご注意ください。

※前回のSSの続きです。

※ギャグ分、メンナク分ともにかなり少ないです。お好きな方には申し訳ない。

※エレガントに舞い、クレイジーに酔う。


====================================================================================


「……戻ってない、かぁ」

ハウスシェアをしているメンバー達が思い思いに出かけていって、自分一人になった家の中。
汚い忍者は、昨日の夜に整えられたまま使われた様子のないある人物のベッドを見てため息をついていた。

「ヴぁーんさんどこ行ってんだろ」

いつもなら朝日と共に、どこで稼いだのかよくわからない大金を持って帰ってくるのに。
何かあったんじゃないかと不安がよぎるが、あの人に限ってそれはない、とすぐに考えるのをやめた。

「連中のいないうちに掃除でもすっか」

ひとつ伸びをしたところで、随分と所帯じみてしまった自分に気付き愕然とする。

同居人はどいつもこいつもフリーダムで、汚い忍者の心労は日増しに募るばかりだった。
廃赤猫は装備もできやしないレア武器や防具を大量に持ち込んで部屋を占拠。
赤猫はその廃人姉に吹き込まれたことを何でも疑いなく信じ込んで実践し、二次災害。
猫忍は無尽蔵の食欲でエンゲル係数を天元突破させ家計を圧迫。
内藤は何かやらせようとしても「無理wwwサポシwww」で全て拒否。
リューサンはペットの飛竜「Mikan」のことばかり気にかけて家のことは全くしない。
ブロントは汚い忍者の言うことは頑なに拒んで、先日もゴミ当番が嫌でとんずら。
エース達もそれは同様で、何故だか汚い忍者を目の敵にしてくる。もちろん家のことはしない。
ヴぁーんはどこに行っているやら、そもそも家にいることが少ない。

ゴミ出しやら掃除やら洗濯やら炊事やら、すっかり有名無実となった当番表が哀愁を漂わせる傍らで、
仕方なく黙々と家事をこなす汚い忍者。完璧に主夫である。誰だ彼を汚いなどと言ったのは。
内藤にママ呼ばわりされたのも、今となっては笑えない冗談だ。

たまった汚れ物を洗濯機に放り込み、時刻は昼の11時。
一息つこうとコーヒーを淹れて、居間のソファに座る。
テレビを点けると、ゲージMAXシングルトーナメントの様子が映し出された。

(ゲジマユの『ユ』ってどっから来たんだろ……)

そんなくだらないことを考えながらド派手なゲージ技の応酬を見るともなく眺めていると、
玄関から物音がして。

「ん……いたのか、汚い忍者」
「ヴぁーんさん。おかえりなさい」

ヴぁーんが、いつもどおりの様子で唐突に帰宅した。
もちろん、どこで手に入れたかよくわからない大量のギルを手土産に、だ。

「いつも助かるんですけど、一体どこで?」
「漆黒に選ばれし男の体制への逆襲」

当然の疑問を汚い忍者が口にすると、ヴぁーんはいつものように適当にはぐらかした。
踏み込むのを拒まれているようで、汚い忍者は少しだけ寂しくなる。努めて顔には出さない。
釈然としないが、これがないと家計が立ち行かないのも事実なので、深くは考えないようにする。
ヴぁーんが汚い金を持ってくるような人物だとも思っていない。

さてここでひとつの問題が汚い忍者の頭に浮かんだ。
一人だから適当でいいかと思っていたが、ヴぁーんが居るならば話は別で。

「……昼飯、食いました?」
「いや」
「何がいいです?」
「あり物で構わない」

熟年夫婦のような、と言えなくもないやりとり。
食事は準備したぶんだけ残さず綺麗に猫忍が平らげてくれるので、冷蔵庫に残り物らしいものもなく。
今日は暑いし素麺でも茹でるか、と思考を巡らせる汚い忍者。
その横をすっと通り抜けて、ヴぁーんが居間を出ていく。
なにごとかとその背を目で追った汚い忍者の耳に、しばらくして浴室からのシャワーの音が届いた。

二人では広すぎるダイニングテーブルの隅に、向かい合って座る。
風呂上りにガウン姿のまま席に着いたヴぁーんは、
食事中でもあるし髪も乾いていないから、当然普段の兜はしていない。
汚い忍者がヴぁーんの素顔を見るのはこれで二度目になる。
記憶が鮮烈すぎて、まるで昨日のことのようにはっきり思い出せた。
あの日初めてその美貌を目にする栄誉を賜って。
そして。
そのあと。

思い出すどころか、片時だって忘れられない。

「どうした」

箸が止まっている汚い忍者に、ヴぁーんが声を投げる。汚い忍者は俯いたまま。

「……ヴぁーんさん、その」

汚い忍者は、やっと、といった体で口を開く。
どこを見るでもなく視線を泳がせる。顔が熱い。
あのときはからかわれただけだと分かっている。でも、それ以上に大事なことに気付いてしまった。
男にキスされたのに、どうしてか嫌じゃなく、それどころか。

「あのときの……続き、してくれませんか」

もっともっと触れてほしいとすら願っている。
精一杯の告白。顔を上げた汚い忍者は、震える唇をきゅっと引き結んだ。

「続き?」
「……っキスの先、も」

自覚しているのかしていないのか、ヴぁーんは意地の悪い問いを返す。
わざわざ汚い忍者の口から言葉を引き出したいかのように。
ヴぁーんの唇が綺麗な半月型を描く。妖艶としか表現しようがない、笑み。

あっという間だった。
ヴぁーんが席を立ち、汚い忍者を軽々と抱えあげて、居間のソファの上まで運ぶ。
何が起こったのか一瞬把握しきれず、目を瞬かせる汚い忍者。
その顎をヴぁーんが優しくつかまえて、言う。

「目を」

閉じろ、と。瞼にキスを落とす。
素直に聞き分けてぎゅっと目を伏せる汚い忍者の姿は、
普段のブロントやエース達との騒がしいやりとりからは想像もつかない。

「んっ」

ヴぁーんは汚い忍者の喉仏に軽く吸い付いて、顎のラインに沿って舌を滑らせ、耳朶を甘噛みする。
背中に回した手を背筋にそってゆっくり撫で下ろし、自身のそれよりは幾許か細い腰を抱える。

「ヴぁ、ヴぁーんさん……」

ヴぁーんは慣れた手つきで、巧みに汚い忍者の快感を引き出していく。
服の上から撫でて追い詰め、汚い忍者がたまらずに身体を強張らせるのを満足そうに眺める。
ヴぁーんの手が服の中へ滑り込み直に肌に触れると、汚い忍者の爪先が跳ねた。
撫で上げる指が焦らすように服を脱がしていく。
汚い忍者に男に抱かれた経験などないが、不思議と怖くはなかったし、痛みもない。
どんどん思考が快感に蕩けていくのが分かる。
身体が震えるのは、ただ与えられる快感を享受しているためで。

「……んっ、うぁ……くっ……」

ヴぁーんの指が前を後ろを弄る間も、違和感はあれど嫌ではなかった。
押し込められた指は中を探るように動いて、そのうちに本数を増やして抽挿が始まり。
汚い忍者は唇を噛んで必死に媚態を押し殺した。
そうしないと、普段と違う女々しい変な声が出てしまいそうで。
けれど、そんな努力もすぐに霧散する。

「っあぁ!」

中で蠢いていた指がある一点に触れると、堪え切れず声が漏れてしまった。

「……ッすいませんヴぁーんさん、俺いま、変な声……っ」
「堪えなくていい」
「っぁ」

ヴぁーんが汚い忍者の髪を撫でて、唇を啄ばむ。
汚い忍者も、ヴぁーんに髪を撫でられるのは好きだった。
不思議と安心するのだ。他の相手じゃ、触ろうとしてくるだけで嫌なのに。

「も、もっと、触ってくださ、い」

何度も唇を食まれながら、吐息が混じって途切れ途切れになる声。
応えるように、指が、唇が、汚い忍者本人すら知らなかった快感の在処を探り当てていく。

「あ、ぁっ、ヴぁーん、さぁんっ」

気持ちよくて声が抑えきれない。目尻に涙を溜めて、もっともっと触ってほしいと訴える。
既にがちがちに前が張り詰めていた。絶頂が訪れようとしているのが分かる。
もう少しだけ強くされたら、すぐに。

けれど、あと少しというところで愛撫は止んだ。

「あ……」

やめないで、という哀願が汚い忍者の口から漏れるより早く、
名残り惜しそうにひくつくそこへ、熱いものがあてがわれる。
ヴぁーんは汚い忍者の両膝を抱え上げて引き寄せると、体重をかけて一気に貫いた。

「ひっ、うあああっ!!?」

痛みで悲鳴が上がった。
指などとは比べ物にならない質量のもので奥まで穿たれて、
溶かしバターみたいにどろどろになっていた汚い忍者の思考が引き戻される。

「い、痛、ぁッ、はっ」
「息を」
「ふ、ぁ」
「息を吐け、食い千切られそうだ」

苦痛で僅かに眉根を寄せたヴぁーんの表情が、汚い忍者の視界に飛び込んでくる。
その表情はまるで完璧な彫刻に綻びを見るかのようで、
完璧な人を、憧れの人を、崩してやったという歪んだ幸福感を汚い忍者にもたらした。
ヴぁーんの熱い吐息が顔にかかる。眉に、鼻に、頬に、耳に、沢山のキスが降る。
そのうちに、痛みも快感もない交ぜになって。
どちらからともなく、腰を揺らし始める。

すがり付いて広い背中に爪を立てると、ヴぁーんが少しだけ顔を顰める。
それがたまらない満足感を汚い忍者に与えてくれる。
快感と苦痛とが混ざって細められた双眸に、上気した頬。
肩に顔を埋めた汚い忍者が、目の前に揺れたヴぁーんの耳に反射的に噛み付くと、
ヴぁーんの唇から押し殺した声と吐息が漏れる。

「っ……おい、何を」
「ヴぁーんさんも、気持ちよくなってくださいよ」
「生意気、だな」

翻弄されているばかりではないと、汚い忍者が笑みを作ってヴぁーんを挑発する。
ヴぁーんは鼻で笑い飛ばしたが、その表情に普段の余裕はほとんど残っていなかった。
ソファの軋む音が、互いの吐息が、こすれ合う音が、全て混ざって耳を犯す。

「……っヤバ、イきそ、う」

先ほど直前で止められてしまった疼きが、再び腰をじわりと侵食し始める。
熱い滾りが立ち上ってくる。堪えられない。早く。早く吐き出してしまいたい。
出入りしているものは先ほどよりずっと質量も硬さも増して、
中でびくびくと脈打ち、限界が近いのだと訴えている。

「ヴぁーんさ、ぁんっ、もう、俺っ……い、一緒に……ッ」
「……っ、クッ」
「っう、あぁあ!!」

どうしようもなく気持ちよくて。
行き場をなくした快感が白濁の液体に変わって、思考と共に弾け飛んだ。





本日二度目のシャワーを浴び終えたヴぁーんが、
すっかり放置されていた食事の片づけをしていた。
汚い忍者はというと、腰の痛みを訴えて
ヴぁーんに運んでもらってやっとシャワーを浴び、今は自室のベッドに横になっている。

「平気か」
「超いたいです、立てそうにありません」

様子を見にきたヴぁーんに対して、
本当は痛みを我慢すれば立てなくもないが、大げさに言ってみせる汚い忍者。
こんな他愛のない嘘はお見通しなのだろうが、ヴぁーんは苦笑するだけで追求はしない。
真摯にとりあわないことで、汚い忍者の感情をかわそうとしているようで。

「ヴぁーんさん」
「?」
「俺、本気ですからね」

子供扱いしてあしらおうとしたって、そう簡単にさせるものか、と。
真摯な視線を受け止めると、ヴぁーんの顔から笑みが消える。
彼が汚い忍者の言葉をどう受け止めたのかは。



「……秘めた野生の解放が俺を1人の獣に変える」

一人呟く声は、誰の耳にも届くことはなく。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます