563 :名無しさん@ビンキー:2010/03/14(日) 15:28:31 0
スレに出てきたバルさんの「ずっとメット被ってろ!」を見て
激流に身を任せ同化した結果、バルジャギSSを書けましたので投下します。
バルさんなのに何か甘めになってしまった。不思議!




−注意−

・妄想、捏造要素が多くキャラが別人状態である
・ジャギ様とバルさんが同棲中、バルジャギである
・ジャギ様がめんどくさい、バルさんが狂戦士じゃない
・男性同士の恋愛、性行為描写を含む
・その他おかしい部分がある



以上の点を踏まえ、こまけぇこたぁいいんだよ!!と言う方はスクロールして下さい。













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「ふぅむ…少しはやるな」

テレビの中継画面を見ながら、バルバトスは呟く。
バルバトスは格闘試合を見ることはほぼ無いのだが、今日の試合はジャギが出場するためチェックをしていた。
ジャギと手合わせをすると大抵の場合は一撃でジャギを
ぶっ飛ばして終わりなのだが、バルバトスにとってそれは不満なのである。
そのため、少しくらいは強くなっていればと期待を込めてジャギの試合を眺めていた。

「アイテムを使ってねえのは感心だな」

試合は五分五分、力で押す相手にジャギ側は立ち回りで対抗していた。
ジャギ自身もバルバトスが見ていると意識しているのか、ガソリンなどは用いていない。
攻防の最中、相手の攻撃を避けカウンターを決めるジャギ。

「一応強くはなったか、今度は二発くらいぶち込んでも問題ねえな」

カウンターから星を奪い、相手に一撃必殺技を決めて勝利したジャギ。しかしその一瞬、バルバトスは違和感を覚えた。

「………?」

何処かと考えて、トドメの際にジャギはメットを外していた事に気付いた。
炎の中で見え辛い状況、感付いた人間はほとんど居なかったかもしれないがバルバトスは見逃さなかった。
ただ、顔がハッキリと見えた訳ではなくメットを被っていなかったと分かっただけではあったが。

共に生活をしている中で、ジャギは決してバルバトスの前でメットを外そうとはしなかった。
無理に外そうとしようものなら、全力で抵抗したあげく逃走するほど。
そのジャギが、自分からメットを外していた。

「………」

バルバトスは不愉快そうにプツリとテレビの電源を切る、その顔には小さな嫉妬が入り混じっていた。

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「いい加減メットを取れ!」
「嫌だっつってんだろうが!」

バルバトスが不機嫌そうな声でそう言うと、声を荒げてジャギは否定した。
バルバトスは端から見て分かる程に苛ついており、その威圧感からかジャギは目を合わせない様に顔を逸らしている。

試合が終わりジャギが部屋に戻ってきてから、かれこれ三度目のやり取りである。
ジャギはこれまでバルバトスから触れる事が無かった、メットの話が急に出た事に狼狽しながら拒否し続けている。

瞬間湯沸器並みと言って良い程短気なバルバトスが、ジャギに対して執拗にメットを外せと
言い続けている物の、そろそろ我慢の限界なのかバルバトスの額にはうっすらと血管が浮かび始め
二人を挟んだテーブルはバルバトスの腕力にミシミシと悲鳴を上げている。

「貴様ァ…試合の時にはさっさと外す癖に俺に見せられねえってのか?」
「!…それとこれとは別だろうが!」
「何が別だ!嫌だと言ってる割にあぁ言う時には見せてんじゃねえか!」
「うるせェ!テメエなんかには見せたくねェんだよ!!」
「なぁんだと!?」

あくまで強気にジャギは突っぱねるが、その声にはどこか怯えの色が含まれていた。
だが、苛立ちで冷静さを失ったバルバトスにはジャギの真意を理解する程の余裕は無く、カッと目を見開いて叫んだ。

「よぉく分かった!貴様がどう思っているのかがな!!もういい、ずっとそのメットを被ってろ!!」

部屋全体が震える程の怒声を上げテーブルに拳を叩き込むと、バルバトスは部屋から出て行った。
玄関のドアが乱暴に閉められ大きな音が上がり、部屋にはジャギが一人残された。

「…………ちくしょう…………」

先ほどまでの態度が嘘の様に沈み、ジャギは膝を抱えてうずくまった。

「俺が……どう思っているのか……知らねェ癖によォ……!」

まるで、母親とはぐれてしまった子供の様に。

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「ふざけやがってえ…一体なんだってんだ…」

拒絶された事が余程癪に障ったのか、バルバトスは眉間に皺を刻んだ表情のままアテもなく歩いていた。
通りすがる人はその顔を見た瞬間、露骨に距離をとっているが本人は全く意に介さない。
家を出てから時間が経った物の怒りは収まらないらしく、道端にあったスチール缶を力任せに踏みつけ真っ平らにした。

バルバトスの頭には、ジャギの拒んだ声が響き続けていた。
日常生活でバルバトスの行動に対しジャギが抵抗することは時々、いや頻繁にある事だ。
だが何が起きてもジャギが折れて、バルバトスに従う事がほとんどであった。
ここまで抗われたのは今までに一度も無かった、だからこそ。

「気に食わねえな…!!」

俺の前では見せられない癖に、試合なら良いのか。
むしろ俺だからこそ嫌で、他の奴には気兼ねなくメットを外せるのか。

俺相手だと外す事に何か問題でもあると言うのか!

そこまで考え、頭に一つの可能性が過ぎる。
ジャギはもしかしたら、俺にずっと怯え続けていたのではないか。
本当は逃げ出したかったが、そんな事をしたらまた殴り倒されるだろうと。

「………」

バルバトスはジャギに対して執心している。
彷徨う亡霊と化したバルバトスにとって、帰る場所と待つ相手が居る事。
そして、独占出来る存在。傍らに居るジャギに、いつしか入れ込んでしまっていた。

俺だけの物であって欲しい、いや、何があろうと俺の物にしてやると。

ジャギへの粗暴な行動はその独占欲から来る物であったが、これではあの時と同じだ。
"英雄"を目指し行ってきた事が、周りから恐れられた原因。
理想を抱いて行動した結果が、負の方向へと向かっていったあの時と。

俺は何をしてやったのだろうか。自分の意に沿うよう、ジャギを無理矢理従わせていただけでは無かったか。

「…クソッ」

ピタリと足を止め、やや急ぎ足になりながら家へと足を向けた。
日頃の彼からは想像が出来ない、気遣わしげな表情を浮かべながら。

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ジャギは口論の後、覚束ない足取りで自分の部屋へと戻りそのままベッドへドサリと倒れ込んだ。

「……………」

メットの下に隠した醜く歪んだ素顔は忌むべき物であった。
しかし、忌むべき物ではあったがここまで素顔を見せる事を拒絶する事は無かった。

バルバトスだから、怖い。
ジャギは、バルバトスに対して依存し始めている事に自覚があった。
バルバトスは乱暴な振る舞いをするが、自分を認めてくれる。
すぐに居なくなるのではと思っていたが、家に帰ってきてくれる。そして、逞しい腕で抱きしめてくれる。

雄々しいバルバトスに、ジャギは惚れ込んでしまっていた。だからこそ素顔への劣等感が膨らんでいく。

こんな薄気味悪い物を見られてしまったら、きっと俺は見捨てられてしまう。また、否定されてしまう。
次にバルバトス会う時、どうしたら良いのか分からない。
もし無理矢理メットを取られてしまったらと思うと、心の奥に嫌な物が溜まっていく。

起き上がり、メットを外して鏡に自分の顔を映すジャギ。そこには何も変わらない、異様な形相があった。
バルバトスの整った顔とは違う、二目と見る事が出来ない醜悪な顔が。

「……はは……」

口を開くと乾いた、諦めと切望が入り交じった笑い声が出た。
ジャギはメットを被り直し、そのままベッドの中に深く潜り込む。
バルバトスに受け入れて貰えなかったらと言う不安は、ジャギの頭にこびり付いて離れなかった。

「…俺に…どうしろって言うんだよ…」

ジャギの声が溜息の様に漏れた。

「俺は…嫌われたくねェよ……」

呟いた言葉は誰にも聞こえることはなく、ジャギは眠ってしまった。
目覚めた時に、鏡に映る素顔が変わっていればと願いながら。

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窓の外が暗くなり始めた頃、ジャギは目を覚ました。
暖房も入れていなかったため、部屋はひやりとしている。

「…こんな時間まで眠っちまってたか」

ジャギは食事の支度をしようとゆらりと体を起こした。
あれだけ短気なバルバトスが起こしに来ないなら、まだ帰っていないのだろうと思いながらドアを開ける。

「随分ぐっすり寝てたようじゃねぇか」
「んなぁッ!」

予想外の事に、ジャギは思わず声が出てしまった。
あれだけ怒っていたバルバトスが、落ち着いた様子で座って待っていた。

「な、なんだよ…帰ってるんならそう言え!」
「どうせ何も食べていないだろう。そら」

そう言うと、ジャギに向かってぽいとカロリーメイトを放り投げる。

「……………これで済ませって言うのか」
「別にいいじゃねえか」
「良くねェ、俺は腹ァ減ってんだよ!」

文句を言いつつもカロリーメイトは食べ、そのまま台所に向かおうとするジャギ。
すると、バルバトスも立ち上がりジャギへと近寄っていく。
ジャギはメットの事でまた何か怒られてしまうのか、それともぶん殴られるのかと身構える。

「………フン」

そのまま、バルバトスは優しく包み込む様にジャギを正面から抱きしめた。
今までされた事が無い形の抱擁に、ジャギは戸惑いを隠せなかった。

「お、おい!?何してんだいきなり!」
「ジャギ」

バルバトスの響く低い声で、静かに名前を呼びかけるとジャギは大人しくなった。

「ジャギ」

もう一度そう呼び、ジャギを少し強く抱きしめる。
するとジャギもバルバトスの背中におずおずと手を回す。

「………なんだよいきなり、らしくねェな」
「黙ってろ。…俺は、理由を聞いていなかった」

ジャギはその言葉が聞こえるとビクリと震えた。

「俺はジャギを知りてえんだ、メットを外さねえ理由を教えろ」
「……………」
「…教えろ」
「………俺は、俺は………」

一呼吸置き、ジャギは何かを覚悟した様にバルバトスを抱きしめる腕に力を込めた。

「俺の顔は…とても見れた、物じゃねえんだ。見た奴の中には、悲鳴を上げた奴だって…居たくらいだ」

自らの胸の内を一つずつ告げるジャギの声は、怯えていた。

「バルバトスには…バルバトスだから、一番見せたく、ねえんだ。
 見せちまったら、もしかしたら、同じような反応、されちまうかも、しれねえから…」

ジャギはバルバトスに回していた手を降ろし、バルバトスから離れ一歩距離を置く。

「だから、だから…今までは、外さなかった。……見ろ……」

ジャギは震える手でそろりそろりとメットを外した。
隠していた素顔を現したが、ジャギは目を瞑り俯いたままである。

「………俺は、こんな、醜い顔なんだ………。
 見られちまったら…もしかしたら、バルバトスに、嫌われちまう、かもしれねェ…」

時折言葉が詰まりながら、ポツリポツリと話していく。
話を聞いているバルバトスの腕に力が入り始めていることに気付かないまま。

「こんな顔を、見せて、見捨てられちまう、かもしれねェ、なら絶対外さな」
「こおおぉぉぉのぉお大馬鹿野郎があああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
「ぬおぉぉッ!?」

喋っている途中で渾身の一撃がジャギの腹に叩き込まれる。
無論、そんな攻撃が飛んでくるとは考えもしなかったジャギはそのまま吹っ飛ばされてしまう。

「くだらねえ、くだらねえ!そんな理由で俺に見せなかったってえのか!?」
「ゴホッ…くだらねえ、とは、なんだ…俺に、とっては」
「阿呆が!そんな事で見捨てたりする訳ねえだろうが!!貴様はもう俺の、俺だけの物だ!!!」

ジャギの腕を掴み、無理矢理引っ張り上げてバルバトスが叫ぶ。

「そんな小せえ事で、貴様を捨てるほど俺はつまらん男じゃねえ!!」
「…………」
「分かったか!?もうそんなくだらねえ事なんぞ考えるんじゃねえ!この馬鹿が!」

ぽかん、と口を開けてジャギはバルバトスの言葉を聞いていた。意味を理解したのか、ジャギの頬に涙が流れ落ちる。

「…何だよ、ずっと、心配、してたのによ、本当に俺、馬鹿じゃねェか…」
「大馬鹿だ。俺が貴様を捨てるなんぞ、金輪際あり得ん事を考えやがって」
「…うるせェ」

そう話しながら、バルバトスはジャギを引っ張り何処かへ向かおうとする。

「…どこ行くんだ?」
「風呂だ。一緒に入るぞ」
「いやいきなりすぎんだろ!待て、流石にまだ見られ続けんのは…!」

バルバトスが聞き入れる訳もなく、ジャギはずるずると圧倒的な腕力に引き摺られ風呂場へ向かっていった。
ジャギは受け入れられた嬉しさと、気恥ずかしさに顔を赤くしていた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−

「二人で入ると結構狭えな」
「…………」

バルバトスはジャギを抱え込む様な形で風呂に入っていた。
ジャギが何度も顔を見られ続けたくないと言ったため、譲歩としてこうなった。
しかし、ジャギの尻にバルバトスの股間が当たり続けるため余計に落ち着かなくなってしまった。
更に、バルバトス自身の固く屹立した感触が伝わってくる。

「…なあ、すっげえ当たってんだが」
「ん?何が当たってんだ?」

バルバトスはニヤリと笑い、意地悪くジャギに問いかける。

「いきなりギンギンにしてんじゃねえよ」
「何言ってやがる、貴様の全部を初めて見て勃たねえ訳があるか」
「…今日はヤらねえぞ」
「フン、明日はその分楽しませてもらうぞ」

余計なことを言ったか、とジャギの顔が引きつる。
そんな反応を楽しみながらバルバトスはジャギを自分の方へ引き寄せた。

「思い切り甘えても構わんぞ、今日の俺は紳士的だからな」
「本当かよ、いきなり殴ったりしねえだろうな」
「無論だ、ジャギ」

真っ直ぐバルバトスに見つめられ、ジャギの顔が朱色に染まる。

「…キス、してくれ」
「どうして欲しいんだ?」
「……………優しく」

バルバトスは愉快そうに笑い、そのまま唇を重ねた。ジャギの口内にバルバトスの肉厚の舌が入ってくる。

普段のバルバトスがする口付けは貪る、欲求がそのまま解放されたような物だった。
だが今日のバルバトスは愛撫するかの様に舌を絡め、舐め回し、唾液を飲み込んでくる。
あまりの差にジャギは驚きを隠せなかったが、ゆっくりと撫でる様に絡み合う淫靡な行為に興奮し始めていた。
ジャギの頭はぼんやりと霞み、力が抜けて体が少しずつバルバトスにもたれ掛かっていく。

口が離れ、混じり合った唾液が糸を引く。
名残惜しいのかジャギが再び口を付け、二人は向き合う姿勢になり腕を回して抱き合った。
ぴちゃりと水音が風呂場に響き、ジャギは何度も強請るようにバルバトスの舌に絡んでいく。

「ん、んぅ………あ、は…」
「おい、今日はヤらねえんじゃなかったのか?」

バルバトスは大きく反り返ったジャギ自身を擦りながらにやりと笑う。
触られた瞬間ジャギはぴくりと肩を震わせ、物欲しそうな顔をしたがゆるゆると頭を横に振った。

「はぁ、あぁ……ヤらねえ…今日は…ずっと、キスだけしてェ…もっと、もっとしてくれ…」

ジャギはトロンと潤んだ目で、再びバルバトスに強請り始める。
息が乱れ、紅潮した顔はメットを外す前には見ることが出来なかった姿。
ジャギの淫蕩な甘え方に、バルバトスはゴクリと喉を鳴らした。

こんなにも艶めかしいジャギが居るのに、今日は我慢すると言ってしまった。
ここまで警戒もせずじゃれついてくるジャギに、ねじ伏せて蹂躙する事はバルバトスには出来なかった。

「ん、んむぅ…ふ、んん……ぁ…はぁ…」
『…クソ、生殺しも良い所だ…』

心の中で、バルバトスは嘆いた。


そして次の日。
我慢していた影響でバルバトスの性欲が恐ろしい程に高まり、ジャギは5連続でする羽目になったのはまた別の話。

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