796 :名無しさん@ビンキー:2010/07/06(火) 17:37:08 0
投下の流れに遅れた上に今の流れとも違ってすみませんが投下
スレ>>711、718さんのネタから生まれた名状しがたい何かです
URL: ttp://www1.axfc.net/uploader/File/so/47002
タイトル: モルグ内のののワ
PASS: mugen
ネタ元&設定等:た○お氏、ト○氏、師○代の人他多数 原作ネタ、スレネタあり
あくまで「ネタ」としてお借りしているだけなので、元動画とは一切関係ございません。
>スレ711さん、718さんのネタで書いてみようと思ったら、なぜかチンチラがののワさんになってしまった…
勝手な改変、大変申し訳ありません。
カップリング:(カムラナート←ロア前提)ロア、ののワさん&+α
(名前・気配のみ)ネロ、エルドナーシュ、カムラナート、ジlェlラlーlト、独l眼lちlゃlん、バルバトス、ゲーニッツ
性描写の有無: 全年齢
内容注意:
最重要!:やたらののワさんが出張ってます。
原作ネタ・二次創作ネタ多め、かつ本筋ではない部分ですが捏造設定入りなので、
     わからない箇所が多々あるかもしれません。そういうのが駄目な方は回避、大丈夫な方は
     ふいんき(ryと思って判らない処は読み飛ばしてください。

とりあえずロアさんぽく菌糸風味を出そうとして見事に玉砕した 反省はしている




1.起



――――暇だ。

塒としている洞窟に寝転がり、地面の冷たさを満喫しているロアの脳内には、先程からずっと
その一言がループしていた。

元の世界の人間とも殆ど交流がなく、しかもmugen入りしてから日が浅い彼には大会の無い日にはすべき事や予定などないに等しい。


――――次に出られそうな大会でも探すか、とやる気なく大会のパンフレットをめくりだした所で、
突如として、静寂で満たされていた孔の中に鈴の音が響き渡った。


それすなわち「警戒用の結界に何者かがひっかかった」という証拠である。


来客である可能性はない。数少ない友人である混沌や、古代の機械を供に連れた少年ならそんなヘマはしないからだ。


「――――誰だ?」

魔術の構成を練り上げながら、低く誰何する。
空間に満ちていくイオン臭と殺気に耐えられなかったのか―――侵入者は、ゆっくりとその姿を現した。


「・・・・・・・・・・・・は?」

彼が素っ頓狂な声を上げて、思わず魔術の構成を解いてしまったことを責められるものはおそらくいないだろう。


・・・・・・現れたのは、世にも奇妙な生き物3匹(?)だったのだから。




2.承




思わず間抜けな反応を返してしまったロアだが、次の瞬間には平静を取り戻していた。

ツインテールに髪?をまとめた紫色の生き物や、蒼い髪?をした灰色の板状の何かは何者か見当もつかないが、
一番前の全体的に肌色な生き物には覚えがあった。確か・・・




「――ののワ、とか言ったか。・・・・・・こんな場所に何しに来た」


こちらの問いに対し、何か考えるようにもごもごと動いた後小さな声で「ヴぁい」と答える。


「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・?」


回答?した相手が無反応なのを怪訝に思ったのか、ののワさんがことりと首を傾ける。


「いや、さっぱりわからねえよ?むしろ何を判れっつーんだ、あの3文字で」


氷使いの少年や白い饅頭的戦国武将は普通に会話をしていたので、この鳴き声?にはテレパシー的な何かがあるのかと思っていたが・・・・・・まさか本当にこれだけだったとは。
あいつらいったいどうやってこれを解読しているのだろうか。


とりあえず長居されても迷惑だし、運営にでも引き取りにきてもらおう。


そう結論付けて、大会参加者に無償配布されている電子端末を起動する。
迷子のお知らせ欄に飛ぼうとしたところで、でかでかと表示されたインフォメーションに気がついた。


---------------------------------------

「Mission:   ―無口なアイツを喋らせろ!―」

・ミッション時間内に、次のリスト内のターゲット何人かに
 ある特定の「キーワード」を喋らせて下さい。

・ミッション時間中、最初にその「キーワード」を喋らせた挑戦者にのみ得点が入ります。
 終了時間までに、最も高得点を得た挑戦者が優勝!!

・「キーワード」が何なのかはターゲット本人も知りません。
 また、「キーワード」はターゲットごとに違うため、一人ひとり聞き出す必要があります。

・誠に申し訳ございませんが、今回は不正防止のため
 「世界法則を越えられるレベル(神キャラ以上)」の参加者はおことわりさせていただきます。


・賞品:ホテル「有頂天」最高級スイート(貸し切り露天・朝夕ビュッフェ付き) 二泊三日ペアチケット


・キーワード対象者:・・・・・・

---------------------------------------


「・・・・・・なるほど、そういうことか」


普段無口な者、つまり「高得点源」のリスト内に、目の前のナマモノの名前をみつけて納得する。
『ペアチケット狙いの狂キャラ・強キャラどもに追い回され、たまらず人気のない場所に逃げ込んだ』という所だろう。


事態をさとったのか、ナマモノ達はじりじりと後退を始めた。
半泣きで震える紫の小動物と反応の読めない灰色のまな板とを背後にかばい、
変化のない顔のまま、短い腕を広げてこちらに対峙している。


・・・・・・「こいつらがここを訪ねてくる」という発想自体、元の世界の連中はおろか、おそらく参加者全員にないだろう。
なにしろ自分がここに住み着いてこのかた、ここへの来客回数は片手より少ないのだから。



「――――まあ、五月蠅くしない限りはここでタイムリミットを待っても構わん」


そうつげると、(変化はないので、なんとなくだが)ぱっと明るい表情になり、ぺこりとおじぎをしてきた。
軽く手を振って「何もないが、そのへんで適当にくつろげ」と告げ、再びごろんと寝転がる。



・・・・・・・・・混濁した意識の中から、小さい頃は引っ込み思案だった妹を庇っていた「自分」や。
妹を庇って地獄に身を堕とした少女の記憶が浮き上がったから、というわけでは、おそらくない。






----------------------------






「・・・・・・しかし、逃げ込むにしても何だってこんな洞窟に来たんだ?お前らの保護者の白饅頭とその連れはどうした」
「ヴァイ!」
「うん、わからん」


相も変わらずコミュニケーションが不可能なことを理解したのか、彼女?は足元の小石を拾い、地面に何かを描き始めた。


「『1』、えー、これが白饅頭て事は・・・『最初に独眼の所に逃げたら』、何だこのワカメと斧は・・・ああ、あの戦闘狂か。
 それに爆発と非常口の絵で『狂戦士が襲って来たので、急いで逃げて』・・・・・・これは・・・・・・判った、氷使いのガキだな。
『に逃げ込んだら、』・・・ナルト?・・・いや、竜巻であの神父か!『が来たので、逃げて』、『ここに来た』・・・」


わかった?という風に首をかしげる生き物を思わずしげしげと見やる。


「地味に大変だったんだな、お前ら・・・・・・」


あの連中にハケッハクンダッされたら、たとえ強キャラ上位でもきついものがあっただろう。
頭に手を載せて、わしわしとかき混ぜると、こころなしか迷惑そうだったがおとなしくしていた。
紫色の小さい方がちょこちょこと駆寄り、何かが書かれた紙を手渡してくる。
・・・・・・どっから出した?と突っ込む気力は無かったので、無言で紙を開いた。


---------------------------------------
これを誰かが読んでいる、ということは、僕はおそらく彼女達との合流に失敗し、
黒子さんの手当を受けている最中でしょう。

この紙を渡された貴方、どうか、心からお願い致します。
あるミッションが終了するまで、彼女たちを匿って下さい。
ささやかですが謝礼も用意してあります。

※なお、大変お手数ですが、彼女達と過ごすにあたり、次の三つのことを必ず守ってください。

1.直射日光に当てない。
2.日没を過ぎたら飲食物を与えない。
3.真水を与えない。また、真水が体にかからないようにする。

これを守れず
惨事(と書いて、横線数本で消してある)
困った事態になった場合は、お手数ですが下の電話番号まで連絡お願い致します。
0XX-XXXX-XXXX  Gelato
---------------------------------------

「・・・・・・いちおう、庇う努力はした訳だな」

すぐさま洞窟の入り口と懐中時計で日没には時間があることを確認したのちにそうつぶやくと、
三匹のナマモノは揃って頷いた。




3.転




外の猛暑を反映してか、流石に洞窟の中も蒸してきた。

以前参加賞に貰った桃缶を開けてやり、ついでにパックの緑茶を渡してやると仲良く分け合って食べだしたので、
自分も地下水に突っ込んでおいた缶コーヒーのプルタブを引いた。


再び暇になってしまったので、先程つけたままの端末を手に取り、大会の生中継を視聴しはじめる。
てきとうにチャンネルを回していたところで、画面内にある男の姿が大映しになった。

思わずチャンネルを止める。とそこに、食べ終わったらしいナマモノ達が近づいてきた。
再びひょこりと頭を下げた後、空の缶とパックを掲げて首を傾げる。

「そこのビニール袋に放り込んどいてくれ」

画面から目を離さずにそういうと、理解したのか気配が離れていく。


画面に映っている豪奢な金髪の男は、亡者のような白い肌の従者たちと共に、以前と変わらず対戦相手を蹂躙している。
静かに見入っていると、ふたたび近づいてきたののワさんがシャツの裾を軽く引いた。


「・・・・・・何なんだ。さすがにこれ以上なにかやる気はねえぞ」


こちらの言葉に首を振ると、器用に端末を指差したのち、後ろについてきていた灰色のまな板的ナマモノを振り返る。
それを合図に、彼女?の長く蒼い髪・・・?が、端末の接続端子に入り込んだ。


「おい、コラ一体なにを・・・!」


み゛っ。


なんとも言えない効果音ののち、灰色のナマモノの目と思しき場所から、端末の映像が大写しで空中に投影される。
どういう仕組みか画質も格段に上がっていて、どこからともなく映画館顔負けの音響効果までついてきた。


「・・・・・・桃缶の礼、てことでいいのか?」


深く考えると頭痛が起きそうなので、そう尋ねると、動けないまな板以外が頷いた。
そうかいありがとよ、と返し、何となく二匹を抱きかかえる。もちもちひんやりで心地よい。

今度は抵抗がないのを良い事に、リボンで飾られた頭に顎を載せ、ぼよんぼよんと弾ませながら画面に見入る。
どうやら勝ちぬき形式だったらしく、男は次はスーツの男が繰り出すカードの乱舞を巧みにいなしていた。


「強いな」


ぽつりとつぶやくと、腕の中からもごそごそ動いて同意があった。


こちらの世界に来たばかりの時に、「基礎知識を叩きこむ」という名目でいっとき行動を共にしただけの男。
どうしようもなくブラコンで、部下の人望もないくせに傲岸な男だったが――――責任感は厚く、面倒見の良い男だった。


「なんであんなのに惚れたんだろう」


再び呟くと、ちいさい方がびしりと固まった。鉄板と大きい方は「そうなん?」とでも言いたげに首を傾げる。


「ああ、癪なことにそうらしい」


抱きしめる腕の力が知らず強まっていたらしく、腕をぺしぺしと叩かれる。「悪い」と言って緩めると、小さい方がするりと抜け出した。
残ったののワさんの頭をもふもふしながら、大きなため息をついた。


「――――好きなんだけどな」


かたや10年前に発売され、未だに人気を保っているゲームのラスボス、それにひきかえこちらは今年ようやく日の目を見た元・人気投票0票である。


「・・・・・・まあ、言えねぇよな」


そう言って、再び肌さわりの良い髪に顔を埋めようとしたとたん。
ピンクのリボンが巨大な拳と化し、音速で顎を打ち上げられた。


「・・・・・っいきなり何しやがる!」


車田落ちのあと、顎をさすりながら怒鳴りつける。
見ると、3匹揃って(手足の無いのもいるが)短い手足ともちもちの腹を仁王立ちの姿勢に構えていた。・・・・・・何やら怒っているようである。



「ファイトファイト!」
「くっ」
「うっうー!」


――――さっぱり判らんのだが、お前らそれは俺を励ましてると取っていいのか。
――――というか、残りの二匹も声を出せたのか。
――――そもそも、わざわざ殴る必要はあったのか。あとお前ら全体的にどうなってんだ。


もはや何から言えばいいのか判らなくなり、がっくりと肩を落として項垂れた。

と、そのときである。


『Mission Clear!
 Mission Clear!!  2 combo bonus!!
 Mission Clear!!! 3 combo bonus!!!』


「あ」


色々考えているうちに、こいつらがここに来た訳をすっかり忘れていた。


「・・・・・・どうしろっていうんだ、これ」


中空に浮かんだ
『TIME OVER & CONGRATULATIONS!!』
の文字とともにひらひら落ちてきた豪華な装丁の封筒をつまんで、ロアはひとり頭を抱えた。

 






4.結





「よお、そこの変な前髪」
「誰が変な前髪だ」


後ろからかけられた声に、ややむっとしながら振り返る。
予想した通り、声の主は以前数日ともに過ごした吸血鬼だった。
相変らず服をだらしなくはだけ、軽薄な笑みを浮かべている。


「何の用だ。よもやまた知識の無さを責められたなどという話ではなかろうな」
「まさか。これでも魔術師の端くれだ、そうそうそんな無様を晒す訳にもいかねえだろ?
・・・・・・ああ、話題がずれる所だった。 唐突ですまんが、あんたとあんたの兄貴、来週末はヒマか?」


「本当に唐突だなそれは。・・・・・・そうだな、来週は兄さんも俺も予定はない。だからと言って、お前に裂く時間はないが」


答えを返すと、一瞬表情が消えた――――が、次の瞬間にはまた軽薄な笑みが戻った。


「そうかい、それは好都合だ。――――ほらよ、こないだの授業料だ」


ひらりと渡された華美な封筒と、それに書かれた文字に目を見張る。


「おい、これは」
「色々あって、棚ぼた的に手に入れたシロモノでな。・・・・・・兄弟そろって暇なら丁度いい、二人で行くがいいさ」


それじゃあな、と手を振り足早に立ち去ろうとする首根っこを咄嗟に掴む。


「おい!」
「いってェな、何なんだよ!?」
「何なんだよじゃない、どうしてこんな高級な物を俺に渡す!?」
「こないだの礼だっつってんだろ?――大体、こんな所一人で泊ったって空しいだけだろうが、言わせんなこの野郎!」


――――ああ、もう。何だって物を渡して責められなきゃならんのだ。

力ずくで掴んだ手を振り払い、再び大股で離れようとする男の胸倉を掴んで引き寄せる。


「馬鹿か!?一人が嫌だというなら、人に渡す前に誰か誘ってみる努力をしたらどうなんだ!」
「そのアテが無いっつってんだろうが!」
「いいやある!」
「ほーう?俺も気付かん当てがあるっていうのか?んじゃあ言ってみろ、つまらん答えならLAするぞ」


「・・・・・・・・・おまえの目の前にいるだろうが」



「・・・・・・・・・えっ?」







END?






おまけ

「お、ののワちゃん!なにか良い事あったのかい、嬉しそうに腕組みして頷いて」
「ヴァイ!」
「『一人の男が片想いから一気におとまりフラグで進むことが出来た』って?そいつぁめでたいや!
それじゃあ、新しい恋の門出を祝って、いっちょう一緒に祝い酒といこうか」
「ヴァイ!!」

このページへのコメント

感想有難うございます!
ののワさんとロアさんは並ばせると
妙にかわゆいので出来ればまた続編を書きたいです

0
Posted by 作者 2011年06月07日(火) 03:03:44 返信

この間の話から、また読み返しに来ました。
静かな洞窟が見える様な、ほのぼのとした話で大好きです。

0
Posted by 名無しの一人 2011年05月09日(月) 13:31:18 返信

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