951 :名無しさん@ビンキー:2010/03/22(月) 01:22:16 0
投下の流れ…乗るしかない!!
刹那←ロックで馴れ初め話のなりそこない。覚醒楓が出ばる。

中途半端に原作再現しようとした結果がこれだよ!
ちなみに自分、去年まで月華のキャラと言えば鷲塚Bスタと裏骸、原作再現の雪姉さんを連想していました。
作中のロックの台詞にそれが反映されていたり。許せッ!



※注意!
これは「力が・・・勝手に・・・トーナメント(無印)」と「天下一MUGEN大会Z」をネタにして、妄想と捏造で書かれています。
刹那←ロックです。馴れ初めのようなものを考えていたら脱線しました。微妙に楓→汚忍(?)要素が入った気がします。
メタ発言、中途半端な原作設定の取込み、カニミソ成分が含まれますのでご注意ください。


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第一印象は「近づきにくい」だった。
それはネームレスに対しても同じだったんだけど、刹那にはもっと強くそう思った。暗い目をしてさ、雰囲気が針みたいで、何にも言わねえのに全力で「近寄るな」って意思表示をしてきた。
感じの悪い奴、って七夜に話したら、拒絶するのがあいつの役割なのさって訳わかんねー返事が返ってきたよ。
特殊ルールの大会に出ると、理解度の高い奴と明らかに向いてない奴がはっきり分かれるよな。刹那は向いてなかった。正直、本番までは俺が今回のかませ役だと思ってたのに。(まあネタ要員ではあったんだけどな、分身したり色々と)
たぶん刹那も解ってたんじゃねえかな、向いてないって。わざわざ恥をさらすために戦うなんて冗談じゃないと思ってたんだろう。だから思い切って声をかける事にしたんだ。

「なあ、刹那!」
結果発表が終わり、顔を伏せて足早に立ち去ろうとする刹那の背中に、ロックは呼びかけた。
「…何の用だ」
振り返った刹那は、仇でも見るような眼でロックを睨む。今にも刀を抜きかねない険呑さに一瞬身構えたが、意を決して言葉を続けた。
「あんた、ここの主催の大会は初めてだったんだろ」
「憐みなら必要無い」
切り捨てるような言葉に、次の言葉を見失った。
「違う、違うって。そういう事じゃなくてさ…あんたこういう改造系の大会に慣れてないから戦績を気にしてるだろうけど、ほら、こんな無茶なルールに勝ちも負けもあるかよ。だから…その…」
しどろもどろに言葉をつなごうとするが、的確な言い方が見つからない。黙ったままの刹那の視線が突き刺さるようだ。
「あれだ、笑わせた者勝ちなんだよ!」
自分で言っておきながら、この表現はどうなんだろうなとロックは思った。
「………それなら」
すると、不意に刹那が口を開いた。
「笑わせた者が勝ちなら、貴様が一等だろうな」
「えっ。そ、そうか…?」
思いがけない言葉にロックはきょとんとし、それから極まり悪くて頭を掻いた。
「どれだけ滑稽だったか、他の二人に聞いてみろ。ええと…ロック・ハワードだったな」
名前を覚えられていた事に、ロックは少し嬉しくなった。
「ああ、そういえば、あんたの出身まだ聞いてなかったっけ」
「出身?」
「俺は餓狼MOW。あんたは?」
ああそういう事かと刹那は納得した風だ。
「月華の剣士第二幕」
「月華!月華ってあの幕末かよ!?」
ロックがあまりに驚くので、刹那は呆気に取られた顔をした。
「な、なぜそんなに驚く?」
「だって、幕末って言ったらマスターなんたらとかご乱心とか永久とか、世紀末チャンバラだって聞いたぜ」
それを聞いた刹那は、ぽかんとして瞬きを繰り返し、深くため息を吐いた。
「…………とんだ偏見だな」
「え、あ、ごめん」
不用意な発言だったと気づき、ロックは慌てた。貶めるつもりはなかったのだが、そう取られたかもしれない。刹那の顔色をうかがうと、眉はひそめられているが、先程まで纏っていた針のような気配はすっかり成りを潜めていて、ロックはあれっ、と思った。
「いや…そうか。ここじゃそんな風に思われているのか…」
刹那の肩が震え、眉間の皺がほどける。ついに彼は堪え切れずに吹きだした。
「はは、傑作だ!その顔から聞いたとなると尚更だ。あははははっ!」



「…へえ、それが馴れ初めか」
ベンチの隣に座った、ロックとよく似た顔が相槌を打つ。ロックは手にしたココアの缶に口を付けた。中身のほとんど残っているそれは、だいぶ冷めてきていた。
「馴れ初めっつーか、あの時のやり取りが無かったら絶対仲良くなってなかったな」
ふーん、とつぶやいて楓は紅茶の缶を飲み干し、側の屑かごに放り込んだ。試合が終わって結構な時間が経つが、大会で受けたギミックの影響か、まだ覚醒したままだ。
「俺はあいつがそんな風に笑ったってだけで驚きだよ。あの根暗野郎がなぁ」
「そうなのか?」
「ああ、天地がひっくり返ったって有り得ないと思ったぜ。まさか刹那がまともな友達付き合いをしてて、挙句男に惚れられてるなんてさ!」
「ちょ、楓!声でけーって」
声高に言う楓をロックは慌てて制した。辺りを見回したが、幸い声の届きそうな範囲に人の姿は無かった。
「で、なんでそれを俺に言うんだ?恋愛相談なら他の奴でも良いじゃねえか」
楓に顔を向けられて、ロックは俯きながら言った。
「だって七夜に言ったら絶対にお節介焼かれてロクな事にならねーだろうし、テリーには気が引けたし、親父は…」
論外、の一言をココアと一緒に飲み込んだ。想像しただけで恐ろしい。
「それに、お前に相談するのが一番良いような気がしてさ」
初対面の時あれだけ拒絶的な態度を取られたのは、自分が楓とよく似ていたからだったんだろうと、今のロックはそう考えている。
青龍と同じ顔に笑いかけられると妙な気分になると、刹那は以前そう言っていた。その目の色が敵意でなく好意なのは違和感がある、とも。最近はそんな風に言う事はないが、以前はロックが話しかけて笑う度に戸惑いの色をにじませていた。
「…あいつ、俺の事ちゃんと見ててくれてんのかな」
「そりゃ見てるだろうさ。顔は似てても赤の他人なんだから。まあ…意識するな、って言うほうが無理ってもんだろうけど」
「そうだよな…」
難しい顔をして、二人は黙りこんだ。
空は晴れ渡り、吹き抜ける風が二人の金髪を揺らした。

「ま、ここでうだうだ考えててもしょうがない話だ。ロック、告白はするんだろう?」
「え?えーと…」
急に戸惑いだして目線を泳がせるロックに、楓は怪訝な表情を浮かべた。
「なんだよ、まさか言えねぇって訳じゃねえよな」
「だ、だって…無理だ。男から告白なんて絶対引かれるって」
その一言を聞いて、楓の目が細められた。
「てめぇ…よりによって俺の目の前でそんな口を利くのかよ」
楓の声が低くなる。肩を強く掴まれてロックはたじろいだ。
「なっ…」
「んなもん言ってみなけりゃ判んねえだろうが!この臆病者!俺だって…」
凄まじい剣幕は急速に引いてゆき、後には泣き出しそうな赤い瞳が残った。
「俺だってさ…」
肩から手が離れ、俯いてしまった楓の姿は、覚醒状態とは思えないほど頼りなく見えた。図らずも同じ悩みを抱えていたのだと知って、胸が締め付けられるような気がした。
「ごめん…そうだよな、言ってみなきゃわかんねーよな」
「………絶対逃げんなよ。俺も逃げねえから」
「次会う時までには良い報告できるようにする。絶対に」
「約束しろよ」
「ああ」
そうして顔を上げた楓は、いつもの強気な笑みをたたえていた。

「…あとさ、一応言っとく」
ため息とともに楓が言う。
「?」
「七夜にはバレてるぜ。たぶん政宗とか、その辺りにも」
「なっ!?」
ロックは思わず飛び上がり、そのままグンと宙に浮いた。はずみで落とした缶が地面を転がった。
「わ、わあっ」
「おいおい…何やってんだよ」
楓に引っ張り下ろされ、ロックはベンチへ元通りに着地した。舞空術のギミックはどうもロックには馴染まないようで、宙に浮くとどうにも居心地が悪い。
「ば、バレてるって!?まさか!」
「お前さ、自分の胸に手ぇ当ててみろよ。見え見えなんだよお前の態度。それで隠してたつもりか?」
胸に手を当てると、心臓がうるさいくらいに鳴っていた。顔は火がついたように熱い。
「嘘だろ…刹那にも?」
「そこまでは知らねえよ。ま、あんな風に接してて気が無いって言うほうが無茶だと思うぜ?」
「うわあ…」
頭を抱えてしまったロックをよそに、楓はベンチから立ち上がった。
「じゃ、そろそろ帰る」
「ああ。…今日はありがとな、楓。そっちも頑張れ」
「どういたしまして」
黒髪を風になびかせ、楓はにっこりと笑った。


そうだ、悩んでいても始まらない。まずは行動しなければ結果なんて見えてこない。
足元に目をやると、さっき落とした缶が転がっていて地面に茶色の染みを作っていた。
立ち上がり、空き缶を拾う。
「やるしか、ねぇよな」
そう呟いて、握りしめた空き缶を力いっぱい放る。
派手な音を立てて、缶は屑かごの真ん中に収まった。








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とりあえずロック、自社の作品のキャラぐらい把握しとけよw

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