682 :実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー:2011/10/09(日) 23:30:26.99 0
話の流れを切って失礼します。
秋と言えば食欲の秋。
食欲の秋といえばこの二人という事で、デスカビデスのほのぼのを書かせて頂きました。
短いですが、皆様に楽しんで頂けば幸いです…

URL :ttp://www1.axfc.net/uploader/File/so/70130
タイトル: 食欲の秋
PASS: mugen
ネタ元&設定等: キャラ崩壊。
カップリング(登場キャラ):デスカビデス だけどフェルナンデスの片思い気味
性描写の有無: 全年齢
内容注意: 特になし。ほのぼの。

秋の夜長に何か起きればいいのにね!←




[注意]

・デス→カビ気味
・キャラ崩壊
・ほのぼの。誰かこの二人にFUKENZENを…(ぇ
・誤字脱字などに注意。


納得出来ない方はゴミ箱にポイして下さいませ。

その他色々な事を納得出来る方はこのままお進み下さいませ…







――――――――――


秋と言えば何の秋になるだろう。
読書の秋。食欲の秋。スポーツの秋。
他にも様々な秋があるだろうが、少なくとも彼らの間では食欲の秋になる事は間違い無いだろう。

これはある気持ちのいい秋晴れの日の、ちょっとしたお話。





「フェールナーンデース!」
秋晴れの空の下、フェルナンデスを呼ぶ大きな声が聞こえる。
この声の主は誰なのかは分かった。
ピンクの悪魔とも呼ばれる、フェルナンデスが想いを寄せる小さな可愛い人物。
そう、カービィである。
「フェルナンデスー!」
声の主の姿を確認しようとフェルナンデスがくるりと振り返ると、カービィはこちらに向かって走ってきていた。
そして近づいて来たと思ったら、そのまま飛びついて来たのだった。
「一体何なんデスか、カービィ」
ごろごろと猫の様に体を摺り寄せて抱き着いて来るカービィを見て、相変わらず元気だなあと思いながら用件を尋ねる。
こうしていきなり抱き着いて来たりするのはカービィにはよくある事なので、この程度では既に動じない。
フェルナンデスはカービィの頭をよしよししながら、のんびりとその返事を待つ。
頭を撫でられて嬉しそうな様子を見せながら、ようやくカービィはフェルナンデスに顔を向けた。
「あのねあのね、今って秋でしょ。秋と言えば実りの秋だよね!」
瞳を爛々と輝かせながら、カービィは喜々としてフェルナンデスに語りかける。
カービィの性格から次に何の台詞が出て来るかの予測は付くが、そうデスねと答えて続きを促す。
「そして、実りの秋とくれば沢山の食べ物だよね!」
更に気を良くし、より一層その瞳をキラキラさせながらカービィは締めに入った。
このまま飛んで行ってもおかしくない勢いデスねぇと考えながら、のほほんとフェルナンデスは最後の答えを待つ。
「そして食べ物とくれば…そうっ!食欲の秋っ!!」
さも凄い事だと言わんばかりに、カービィは高らかに宣言する。
手を合わせながらくるりと回転してまで。
本当に嬉しそうな様子のカービィに、何だかこちらまで嬉しくなりそうになる。
にっこりとしながら確かにそうデスねと言えば、でしょでしょ!と元気な同意が返って来る。
もうここまで来れば、カービィが何をしたいのかは言わんとも分かる。
二人で秋の味覚を堪能しよう。つまりはそういう事なのである。
大体、食べ物関連の事をカービィが見逃すはずが無いのだ。
好きなものが暴飲暴食なだけに、自分もそれなりにその手のイベント事には敏感だが、カービィのはそれは自分を遥かに上回る。
こと食に関してだけならカービィの方がまさに悪魔と呼ばれるに相応しい執念を持っている。
「それで、どんな秋の味覚を堪能しに行くのデスか?」
その言葉を聞き、カービィは待っていましたと言わんばかりに再びフェルナンデスに近寄る。
「あのね、焼き芋とかどうかな〜?って思ってるんだけど、フェルナンデスは焼き芋好き?」
小首を傾げて無邪気に尋ねるカービィに胸打ちぬかれながら、フェルナンデスは首を縦に振る。
別に美味しい食べ物なら何でも好きだし、カービィと一緒に食べる食事が不味いはずが無い。絶対に。
「フェルナンデスも焼き芋好きなんだね! 良かった〜♪」
そう言って本当に嬉しそうにカービィは笑う。
どうやらカービィなりに不安に思っていたようである。
そしてフェルナンデスの好きなのかどうかを気遣ってくれていたようである。
カービィには傍若無人な一面があり、今回の様な事なら何も聞かずにさっさと連れて行ってしまいそうなものである。
それをわざわざ同意を求めて来たというのは、カービィの気遣いに間違い無い。
自分の事を考えてくれた。
それがフェルナンデスは何より嬉しかった。
「それじゃあ早速レッツゴー♪」
「ちょっ…ちょっと待つデスー!」
フェルナンデスの同意を得て、意気揚々とカービィは駆け出していく。
その後ろを出遅れたフェルナンデスが慌てて追い掛ける。

一体どこに向かうのかはフェルナンデスには分からない。
だがカービィの事だから、間違いなく沢山のサツマイモが実った畑に向かうだろう。
カービィとの道中の会話や、沢山の焼き芋に胸躍らせながら、フェルナンデスはカービィと一緒に駆けて行くのだった。


そんな調子で雑談しながらサツマイモ畑に向かい、到着した二人は早速収穫を始め、そのまま焼き芋を始めた。
カービィのファイア能力で焚き火を作って、そこで雑談しながら芋を焼き、一緒に食べる。
時折焦がしたり炭に近いものを作っては、何してるだとケラケラ笑う。
そしてたっぷりと焼き芋を食べ、だがそれだけでは飽き足らず、他の秋の味覚を収穫に行く。
一体どうやって見つけてくるのか、カービィは次々と秋の味覚が収穫出来る場所に案内した。
様々な秋の実りを堪能し、気持ちのいいそよ風吹き渡る草原でごろりと横になる。
夏の強い日差しは和らぎ、秋晴れの空から降り注ぐ陽光はとても気持ちいい。
そうして一緒になってすやすやと眠る。まさに幸せな時間そのもの。

しばらくの間お昼寝を共にし、ふと目覚めた時には、高かったはずの日はすでに落ち、夕闇が迫り始めていた。
「早いデスね〜…」
秋の日は釣瓶落としとはよく言ったものである。
夜が来るという事は、カービィとのお別れの時間が来るという事。
結局昼寝した分だけ話す時間が短くなってしまたなと若干後悔するが、過ぎた時間が戻るはずも無い。
またいつでも会えるし、カービィとのお昼寝タイムは幸せそのものだったのだからそれはそれで良しとしようと思い直し、
フェルナンデスは未だ隣で眠り続けるカービィを起こしに掛かる。
日が暮れ始めると、途端に寒くなりだすのが秋の特徴だ。
このままではカービィが風邪を引いてしまうかも知れない。
「カービィ、起きるデス。もうすぐ日が暮れるデスよ」
ゆさゆさと眠るカービィの体を揺する。
しかしむにゃむにゃと寝言を返すだけで全く起きる気配が無い。
「全く、幸せそうデスね…」
寝返りを打ったカービィの顔は幸せいっぱいの笑顔だった。
心がほっこりしながらも、フェルナンデスはゆさゆさと揺らす。
「む〜… おはよう〜…」
「やっと起きたデスか」
目をゴシゴシと擦りながら、寝ぼけ眼でフェルナンデスに手を振って返事を返す。
「まだ眠たい〜…」
「はいはい、おんぶしてあげるから帰るデスよ」
駄々を捏ねるカービィを宥めて背中に負ぶり、二人で帰路につく。
もうすっかり日は沈み、きらきらと星が輝き始めた。

結局また保護者然としたやり取りに終始してしまったなと、今日一日を振り返りながらフェルナンデスは溜め息をつく。
この想いがカービィに届く日は一体いつ来るのか。そんな事を考えると気が遠くなる。
天衣無縫なのは良い事だが、カービィはあまりにも色事に疎い。
フェルナンデスなりにカービィに色々仕掛けているが、カービィは相変わらずそれに気付く気配が無い。
「まあ、急ぐ気は無いデスが」
すやすやと背中で眠るカービィの体温を感じながら、フェルナンデスはポツリと零す。
確かに色事には疎いが、フェルナンデスの好意に気付いていない訳では無い。
他人からすれば分からないかも知れないが、最初に比べればカービィの態度は随分違っているし、優先順位を変わって来ている。
少しずつ。本当に少しずつだが前進している。
「だから、別に構わないのデス」
いつかこの想いがカービィに届くなら、時間なんて幾ら掛かっても構わない。
そうしていつか恋人同士として付き合う日が来るのなら。
「それまでは、大切な“友達”デス」


この想いがいつか実りますように。
夜空に流れた一筋の光に願いを託し、フェルナンデスは家路へと急ぐのだった。


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