247 :実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー:2011/06/24(金) 23:57:14.86 0
話の流れ切って失礼します。
ロック誕生日おめでとう!という事でハワード家のほのぼの話を書かせて頂きました。
突発で書いたので粗だらけで短いです。
ちょっとした暇つぶしにどうぞ…

URL:ttp://www1.axfc.net/uploader/File/so/65062
タイトル: 誕生日
PASS: mugen
ネタ元&設定等: ネタ元特に無し。 ロック誕生日のハワード家の一コマ。キャラ崩壊有り。
カップリング(登場キャラ):ロック、ギース、カイン、テリー、七夜
性描写の有無: 全年齢
内容注意: ほのぼの

なんとか間に合ったよー!!





[注意]

短いです。
ロック誕生日話。
ほのぼの。一部キャラ崩壊。
カプは特に無し。

乱文、その他諸々の粗に超注意


こんなもんでも読んでやろうという優しい姐さん方はこのまま進んで下さいませ…


―――――――――――



日付が変わると同時に携帯が震える。
大会の疲れから眠りに落ちかけていたロックは、うとうととした状態で手探りで携帯を探す。
探し出した携帯を確認すると、何件もの大量のメールが知り合いから届いていた。
中身を一件一件確認すると、その全てに必ず同じ文面が載っていた。
『誕生日おめでとう』

そう、今日は6月24日。ロック・ハワードの生まれた日である。


「寝過ごした…」
朝起きてすぐに目覚まし時計を見て、ロックは思わず溜め息をついた。
予定していた時間よりも一時間も寝過ごしてしまったのだ。
お祝いメールの返信に時間を取られ過ぎたかなと原因を考えてみたところで、過ぎた時間が戻る筈も無い。
溜め息をまた一つ吐き、ロックは慌てて準備を始めた。

今日はロックの誕生日。その誕生日を祝う為にと、今日は色々な所からお呼ばれされていた。
しかしロックは、その殆どに丁寧に断りを入れていた。
今日この日は、ずっと前から一期生のメンバー全員でのんびり過ごすと決めていたからだ。
しかし流石にギースの誘いを断る事は出来なかったので、朝一番にギースとのパーティーを済ませる予定だったのだ。
しかしそのホームパーティーの開始時間をもう過ぎてしまっている。
一通りの準備を済ませ、ロックは急いで部屋を飛び出し、リビングへと向かった。

「悪い、遅くなった」
謝罪の言葉と共にリビングに顔を出すと、すでに席に座り、にっこりと笑うギースと目が合った。
あまりに普段の表情とは掛け離れた笑顔に不気味さを覚え、ロックは思わず視線を彷徨わせた。
彷徨わせた視線の先に居たテリーに無言で助けを求めると、テリーは喉の奥で笑った。
しかし笑いながらもロックの助けには応じ、笑顔のギースに近づき二言三言話した。
その結果、ようやく緩みっぱなしだったギースの表情がマシになった。
それでもまだ普段よりは緩んではいるものの、先ほどよりは随分マシだ。
「サンキューテリー」
「気にすんなって」
目の前通り過ぎて席に戻るテリーにお礼を述べると、ギースとは比べ物にならない爽やかな笑顔が返って来た。
「さて、そろそろ君も座ったらどうかな?」
一連のやり取りを無言で見守っていたカインが、ようやく終わったかと言わんばかりにロックの席に着くように促す。
悪い悪いと言いながら、用意されていた席に座る。
それを確認したギースが胸を張り、どこか仰々しい素振りを見せた。
「さて、主賓も席に着いた事だし、パーティーを始めるとしようか…」
それぞれの目の前に用意されたグラスを手に取り掲げる。
「それでは、ロック・ハワードの誕生日を祝って… 乾杯!!」
カチンとグラスを鳴らし、ロックの誕生日を祝うホームパーティーが始まった。

グラスを置き、ロックは改めてテーブルを見渡す。
目の前のテーブルに並ぶのは、この日の為にと主にギースが用意した品々。
普段は見ない豪華料理の数々に、煌びやかなデザート。
見ているだけでも楽しめるものになっているものも多い。
口に運べば思わず舌鼓を打ってしまう様な料理が殆どだ。
実際に、テリーは旨い旨いといいながらがつがつと料理を平らげ、これは貴様の為に用意した訳では無いぞとギースから釘を打たれている。
カインにしても、その優雅な所作や態度は崩さないものの、明らかに美味しそうに料理を食べている。
そんな豪華料理の中に明らかに手作りと思われる品を見つけ、傍目では気付かない程微かにロックは微笑んだ。
以前からこっそりと誰かが台所を使っているのは知っていた。
そしてその犯人をテリーから聞いた時は本当に驚かざるを得なかった。
材料の形も歪なそれは、ギースがロックの為にと作った料理。
あのギースが自分の為にわざわざ台所に立ったのだ。
料理が得意でも無いだろうギースが奮戦している所を想像しては、その奇妙な光景に笑ってしまいそうになる。
しかし同時に暖かいものを感じた。
この料理に込められているのはギースがロックを想う気持ち。真心が込められているのだ。
あんなに嫌いだった父親だが、こういう一面もある事を知ってしまうと以前ほどの嫌悪感も無くなってしまった。
だがこれまでの事もあり、そう簡単には素直になれない。
あのギースに向かってお礼の言葉を言うなんて、そんな事出来るわけが無い。
だが、今なら何と無く言える気がした
「ありがとう」
ポツリと、そう呟いた。
「ロック、今何と言ったのだ…!?」
ギースが物凄い勢いと形相で迫って来たが、さあなと言って流し、思いっきり無視した。
尚も食い下がるギースを完全無視しながら食事を続けるが、食べているものに気付いたギースは追求を止めてまたにっこりと笑った。
ロックが食べていたのは、ギースお手製と見られる例の料理。
にこにこしながらこちらを眺めてくるギースの視線に何と無く気恥ずかしくなったロックは、顔を背けながら食事を続ける。
「…ったく、お前も素直じゃ無いよな。いい加減素直になってみたらどうだ?」
「…うるさい」
そんな光景を見たテリーが、笑いながらからかい混じりにロックに話し掛けるが、幾らテリーの言葉といえどもそれには頷けない。
ロックは赤らめた顔を背けながら再び食事を再開した。
顔を背けた先にはカインが居て、ちょっと呆れる様な仕草をしたがカインはロックの顔を見ても敢えて何も言わないでいてくれたので、内心ホッとした。


ギースが何か色々言っているのをロックが無視し、それに落ち込んだりするのをテリーが宥め、カインはそれをひたすらに傍観するという、ちょっと奇妙なホームパーティはしばらく続いた。
家族で行う誕生会のホームパーティーにしては口数も会話も少ない。
だがそれでもどこか温かみを感じるものがあった。
(こういうのも、いいな…)
確執が完全に消えた訳でも無い。まだ家族だと完全に認められた訳でも無い。
だがそれでもこうして自分の誕生日を祝う為に家族全員が集まってくれたのだ。
これはとても大きな前進。これこそが、今の自分達に取って最高の誕生会の形。
いつかもっと会話に溢れた、普通の家庭の誕生会の様になるのだろうか。
そう考えてロックは首を横に振った。
自分もそうだが、ここには素直じゃない人間が多く存在している。
楽しい会話が飛び交うなんて、今の所全く想像出来ない。
(でも…)
もしかしたら、万分の、億分の一の可能性があるかも知れない。
ゆっくりと交流を重ねていけば、いつかギースとの間に出来た蟠りも無くなるかも知れない。
そんな有り得ない様な事まで考えてしまう。



「んじゃ、行って来る」
誕生パーティーも終わり、大方の片付けを済ませたロックは、一期生仲間に会う為に出掛ける準備を済ませて玄関にやって来た。
今日のロックの見送りには、珍しく全員が揃っていた。
「ああ、気を付けてな。楽しんで来いよ!」
「帰る時間はまた連絡してくれ」
「…早めに帰って来い」
出掛けの挨拶をすると、三者三様の答えが返って来た。
それに若干苦笑しつつ、ロックは玄関を開け、ハワード家を後にした。
「さてと…」
携帯を取り出し、七夜に連絡を取る。
数回のコールの後、七夜が電話口に出た。


「ああ、七夜。俺だ、ロックだ。
 こっちの誕生会、ようやく終わったからさ、今からそっちに向かう」
七夜が出たのを確認して用件だけを伝えると、七夜から労いの言葉と質問が返って来た。
『お疲れ様。 そっちの誕生会、もう良かったのか?』
「別にいいさ。親父と面向かってパーティーなんて疲れるだけだしさ。
 それよりも、早く七夜達に会ってゆっくりしたいぜ…」
ちょっと疲れたようにそう言うと、お前って奴はと笑い声と一緒に返された。
『ははっ、そうかいそうかい。その調子じゃ、あんまり楽しく無かったのか?』
「いや、そんな事は無かったさ… それなりには…」
疲れるってのも本当の事だけど、別にそれだけじゃ無かった。
そう、
「楽しかったさ…」
楽しかった。確かにそう感じたのだ。あの誕生会を。
『…そうか』
そう言った七夜の声はどこか感慨深いものだった。


そう、楽しかったのだ。あの誕生会が。
もしかしたらギースとだって普通に会話出来るかも知れないと。
極普通の家族になれる日が来るかも知れないと。
そう思ってしまった程に。


俺はきっとこの日を忘れない。
本当に些細な事だった。
でもとても楽しくて嬉しかった。
この誕生日を…

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます