12 :名無しさん@ビンキー:2010/06/12(土) 20:20:05 0
>1乙です!!そして保管庫保存の方もお疲れ様です!
色々ありますが、みんなで楽しく萌え語りしたいですね!!

そして早速ですが、投稿させて頂きます。
簡単に読めるのでお暇潰しにどうぞ。

蒼炎で相互片思いのシリアス独白短文です。
妄想率100%の作品で、キャラ崩壊に注意。
ttp://www1.axfc.net/uploader/File/so/45421
パスはmugen

中々進まない別の小説の気分転換にカッとなって書いたが、後悔はしていない。
今スレも、沢山の投稿がありますように・・・





【注意】

・妄想成分100%です。
・蒼炎でそれぞれの、相互片思いシリアス独白です。
・友人以上恋人未満の関係。一歩手前で踏み止まってます。
・キャラ崩壊。(精神的に)すごく・・・弱いです・・・

以上の様な事柄をクリア出来る方はお進み下さい。
作者の妄想に嫌悪を示す方は即リターン、即削除。見なかった事にするのが一番です。

よろしいですね?それではどうぞ・・・


――――――――――


夢を見た。とても暖かな夢を。
愛する人と一緒にいる夢を。その横で自分が笑顔で笑っている夢を。
そう、夢を見た。

しかし、現実はそんなものではない。

深い眠りの水底から覚醒の水面に向かって、意識が浮上していく。
水に差し込む光に触れた瞬間に、瞳の中に飛び込んで来たのはどこか朧げな朝の光。
「夢か・・・」
そうぼんやりと呟きながら、先程までの幸せで明るい夢を思い出し、カインは溜め息をついた。
現実はその様に明るく無い。窓から見える外の景色ですら、雲に覆われ灰色掛かっている。
カインにとって、世界はただ黒く塗り潰されているのみ。ゆっくりと目を閉じ、闇を見つめる。
闇の中に揺らめく影。そして浮かび上がる白。白の影を見つけた瞬間に歪な音が聞こえた。

ギシリ。どこかで何かが軋む音がする。
ギシリ。それは己の胸の内から。
ギシリ。それは己の心から。

想いが胸を重くする。
いつかそれに耐えられなくなり、潰れてしまいそうだった。

自分の感情を制御する事は出来る。
否、出来ていた。
振り回される事は無い。
否、翻弄されている。

こんな事は今まで無かった。感情に心と思考が掻き乱される。
心を掻き乱す想いの名前は愛情。愛する人に届けるもの。

しかし、届ける事は出来ない。
届けられぬ想いは募り、心を乱して傷つける。
けれど友情以上の親愛を抱いてはいけない。彼とは“ただの友人”なのだから。

そう、あれは夢。ただの夢。眠る自分が見た幻。
現実のものでもなければ、叶えるものでもない。

夢など見ない。
そう自分に言い聞かせる。
けれども思う。
ああ、こちらが夢ならよかったのにと。
あの暖かな夢を思い出しながら。

どこまでも燻り続け、心を傷つける想いを抱え、カインは今を生きるしかなかった。
現実は、どこまでも残酷であった。


――――――――――


“もしも”と仮定する。

“もしも”隣に愛する人がいたら、どれだけ幸せだろうかと。
“もしも”共に歩む事が出来たら、どれだけ喜ばしい事だろうかと。
“もしも”この想いを告げて、相手が受け入れてくれたらと。

しかし“もしも”は仮定に過ぎない。

実際に隣には誰もいない。
実際に共に歩んでなどいない。
実際に想いを告げてなどいない。

仮定を繰り返しても、所詮それは現実などではない。
所詮はただの夢。儚い願望に過ぎない。

「ふぅ・・・」
灰色の空を見つめながら、嘉神は溜め息をついた。
いつまでこんな事ばかり考えているのだろうかと。
自分はそんな夢など捨てた。愛する人と共にいるという夢を。
彼とはただの友人。それ以上の感情は必要ない。
そう言い聞かせた。言い聞かせようとした。
しかし心は求める。愛する人を。

ふとした瞬間に探してしまう。
彼と同じ金糸を、その姿を。
ふとした瞬間に辺りを見回す。
自分を呼ぶ声が聞こえた気がして。

けれどどこにも姿は見えない。
声など聞こえていない。

彼の幻想を追い求めては、ありえないと思い直す。
それなのに、心はどこまでもその幻を追い縋る。
探し続けている。想いの在処となる、その人物を。

捨てたはずの夢と、伝えられぬ想いを胸に秘め、嘉神は彷徨う。
人の夢と書いて“儚い”と読んだのは一体誰だろうか?


――――――――――

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