415 :名無しさん@ビンキー:2010/04/18(日) 01:54:43 0
流れ切ってすみません、バルジャギ書けたので投稿。


甘々でエロいのが書きたかったんだ……でも浴衣でエロもいいよね。
どのカプも着衣エロすればいいと思うよ。







※甘々バルジャギR18。
※普通に同棲中。
その他諸々のお約束を守れる方は↓スクロールで。




















 まるで試合中に相手からダウンを取るような勢いでベッドに叩きつけられて、受身を取った体の下でベッドが盛大に軋み抗議の声を上げる。
 起き上がろうとした肩へ手の平が押し付けられて、そのままシーツへ縫い付けられた。
 眦を上げて怒声を発しようと開いた口へ噛み付くように口付けられ、ガチリとぶつかった歯に顔を顰める。
 食われていると錯覚するような口付けに抵抗するけれど、しつこく口内を侵されて結局は応じてしまうのだ。
 風呂上りで濡れた太腿を撫でられて、畜生、と、胸中で罵声を吐き出す。

 ―――何てことはない常通りの展開……なのだが、擦りあわされる舌から這い登る快感に思考力を奪われつつも考えずにはいられない。
 偶にはもっと、優しくしてくれてもいいんじゃねぇのか。
 ………女々しい考えだと自覚しつつも、ジャギは不満を抱かずにはいられなかった。

 互いに愛し合っていて、一つ屋根の下に住んでいて、しかも関係を持って随分経つと言うのに、行為の始まりは大体がこんな、一見して強姦かと思うような乱暴極まりないものなのだ。
 ジャギの意思は関係なく、バルバトスがシたければ朝だろうが昼だろうが有無を言わせず押し倒される。拒否しようが抵抗しようが結果は変わらない。……そんな強引さに惹かれたとは言え、理不尽である。
 唐突に、舌を強く甘噛みされてバルバトスへと意識を戻したジャギはあからさまに不機嫌な紫色とぶつかって、しまったと顔を顰めた。
 透明な糸を引きながら唇が離れる。真上から見下ろされて、影の中で鈍く光る双眸や自分の顔の横へ流れる青銀色の髪に、何より、男が纏う色香に一瞬だけ呼吸を忘れた。

「――何を考えていた。」
「…………る、せぇよ。いいだろ、別に、どうだって。」
「どうでもいいと思う事をこの俺がわざわざ尋ねるとでも思っているのか? 言え。」
「言ったところでどうせ、テメェは俺の意見なんぞ聞かねぇだろうが。」
「俺は言えと言っているんだが、ジャギ?」
「…………、」

 言え、と命令されると今度は反抗心が首をもたげてきてジャギは口をつぐんだ。それに何より、女々しく甘ったれた願いを言葉にするのは抵抗感がありすぎる。
 ふいと顔ごと目を横へ逸らせば、バルバトスの双眸がゆっくりと細められた。が、ふっと唇から笑みが零れる。
 唇をジャギの耳元へ寄せ、バルバトスは甘く獰猛に囁いた。

「――ジャギ、」
「ッ」

 名を呼ばれただけだというのに、ビクリと身体が震えるほどの快感が背筋を駆ける。

「ジャギ。」
「ン…ッ」

 名前を呼ばれているだけだ。ただそれだけなのに、ジクジクと思考力が奪われていく。
 間近で聞こえる呼吸の音や、小さく笑う吐息に中心が熱を帯びて膝を閉じようとしたけれど、足の間にはバルバトスの身体があるので叶わなかった。
 ハ…ッ、熱く吐息したジャギにくつくつと笑い、唇を押し付けるようにしてバルバトスは囁いた。

「ジャギ?」
「ッッ、わかっ、も、いうから、やめ…!」
「ククク……良い子だ。」

 漸く唇が耳元から離れて、バクバクと激しく鳴る心臓の音と沸騰した血液に顔が燃えるように熱かったが安堵の息を吐き出した。
 本当に、バルバトスに調教され済みな自分の身体が憎い。
 無音で促す視線から目を逸らしつつ、ジャギはヤケクソ気味に吐き捨てた。

「別にっ、いっつもこんな…だから、偶には、その、あー………や、優しく抱いてくれてもいいのに、って、思った、んだ、よ……うあああ畜生やっぱり無しだッ!!! 今の無しッッ!!!! 何でもねぇから忘れろッ!!!!」

 ―――吐き捨てた筈だったのだが、やはり言葉にした思いは恥ずかしくてジャギはこれ以上なく顔を赤くし両腕で顔を隠し叫んだ。が、既に紡いでしまった言葉を無しになどできるわけがない。
 ジャギの言葉に目を瞠り驚いていたバルバトスは、やがてその意味を理解すると口角を吊り上げた。
 「ふ…くくくく……」愉快そうに笑う声が降って来て、どうしようもなく羞恥心が駆け上る。

「笑うなッ!! 無しだっつってんだろうが、笑うんじゃねぇよ、クソッ」
「クク…そりゃあ笑いもするってぇもんだろうが。惚れた相手の、こんな可愛い姿みせられちゃあな。」
「――!? か…!? な、ば、ハァ!?」

 およそ自分からかけ離れているだろう評価に思わず奇声を発しつつ羞恥心も忘れて腕を下ろし、気でも触れたのかとジャギはバルバトスを見つめた。にやにやと笑う紫色には醜く崩れた顔の男が驚愕を顕わにして映っている。
 顔を顰めて、呟いた。

「目が腐ってるのか頭が沸いたのか、どっちだ。」
「どちらも違うなァ。……俺はただ、貴様に狂っているだけだ。」
「は―――」

 馬鹿じゃねぇのか、と、笑おうとした筈なのに言葉が出ない。
 欲に熟れたバルバトスの目をまともに見ていられなくて、ジャギは目線を泳がせた。
 ふいに、バルバトスが起き上がる。どうしたと思って視線を向ければ腕を引かれてジャギもまた起き上がらせられて、二人向き合って座る形に疑問符を浮かべた。

「おい…?」
「優しく、だな。」

 言いながら右手に指が絡められる。何を、と思う間に引き上げられて、バルバトスの身体が前へ傾いだ。
 手の甲へ落とされた口付けに、一瞬ジャギの思考が止まる。

「……、!?」
「ジャギ、」
「な、なん、何やって、」
「テメェが、好きだ。」
「ッ!!?」

 パニくる寸前に滑り込んできた言葉に目を瞠る。さらに引き寄せられて今度は手の平に舌が這って、びくりと肩が揺れた。

「お前が欲しい。何度抱いても、痕をつけても、足りねぇ。次から次に欲しくなる。満たされるのは、貴様をこの腕に抱いている間だけだ。
 ――ジャギ、俺の渇きを、癒してくれ。」
「―――、」

 ごくり、と、唾を嚥下する。何か答えなければと思うのだけれど、壮絶な色香と告白に頭が真っ白に染まっている。
 気の利いた言葉一つ思い浮かばなくて、ジャギは言葉を捨てた。
 腕を伸ばす。バルバトスに拘束されているのとは反対の腕。バルバトスの頬を捕まえて、自分から唇を寄せた。
 舌を伸ばし、絡める。応じる舌にいつもの性急さや獰猛さは無く、愛撫するような深い口付けに痺れが走った。
 絡んでいた手が離れ、肩に添えられたと思えば労わるように腕を撫でられる。反対の手で腰を撫で上げられて僅かに身を捩ったけれど、ジャギは口付けをやめなかった。
 滑り降りた右手が下着の上から中心を撫でて、じわじわと生まれる快感に吐息が熱を帯びる。数度擦られればソコは下着を押し上げて存在を主張しだして、痺れるような緩やかな快感にうっそりとジャギの双眸が眇められた。
 離れたバルバトスの濡れた唇がジャギの鎖骨へ吸つく。噛み付かれるかと条件反射で身を強張らせたけれど、そんなジャギを喉で笑いながらバルバトスはうっすらと痕が残る程度に甘噛みし、舌を這わせた。ゆっくりと、かけられる体重に逆らわずベッドへ背中をつけると胸の突起へ吸い付かれて体が震える。「ンッ」鼻にかかるような甘い声に気分を良くしたのか、満足げに双眸を眇めるとバルバトスは舌で硬くなったそこをこねくり回し出した。押しつぶしたり、甘噛みしたり、形を確かめるように舐めたり、吸ったりすれば、その度に我慢できずに甘い声が零れる。
 そうしながら中心を擦られれば切なげに腰が揺れてしまって、そんな顕著なジャギの反応にバルバトスが喉で笑った。
 ふぅっ、と、熟れた突起に息を吹きかけられてゾクゾクと痺れが駆け抜ける。

「ンンゥ…ッ」
「良い反応だ。」
「ヒッ、あうッあ…!」

 言いながら左手で反対の突起を摘まれ悪態も吐けずに息を詰める。人差し指と中指で挟んで擦られればむず痒いような刺激に腰が浮いて、その間にも中心を扱く手は止まらない。
 限界近く膨れ上がった欲は布越しの緩やかな刺激では物足りなくなってきて、快楽に蕩けたジャギはバルバトスの手の平に自分のものをこすり付けるように腰を揺らした。が、するりとバルバトスの手が離れて思わず非難の視線をバルバトスへ向ける。
 愉しげに笑うバルバトスは、宥めるようにジャギの眉間へ唇を落とすと囁いた。

「まだ、だ。今日は”優しく”して欲しいのだろう? 俺も我慢しているのだから、お前も我慢しないとなァ?」

 言って、ジャギの頬を右手で包むと額へ舌を伸ばした。「ッ!? や…ッ!」反射的に抵抗し押しのけようとするけれど乳首を強く抓まれて悲鳴が零れる。その間に拘束具のプレートに沿って古傷をねっとりと舐め上げられて、ビクビクと身体を震わせながらジャギは目尻に涙を溜めた。

「ヤメ…! そこ、は…嫌、だ…ァ!」

 細く抗議するけれどバルバトスは意に返さない。プレートと傷痕の間へ舌を差し込むようにしてなぞられれば、嫌悪感と恐怖と僅かな快感に大げさなほど肩が跳ねる。そんなジャギの反応を楽しむように強弱をつけて古傷を弄られて、眦から大粒の涙が零れ落ちた。

「……この傷をつけたのが俺だったらな。」
「は…ッ、何……」
「胸の傷もそうだ。俺以外の野郎を思ってつけた傷だと思うと、腸が煮えくり返る。」
「なん……バル、バトス……?」

 零された昏い呟きに、背筋を快感とは違う、冷たい何かが走った。
 名前を呼べば唇が離れ、顎を捕らえられて視線が絡む。―――引きずり込むような闇に、息を呑んだ。

「―――過去は取り戻せん。だから、過去はアイツらにくれてやるしかない。腹立だしいがな。
 その代わり、”今”の貴様は俺のモノだ。俺だけのモノだ。だから、俺といる時に余所へ気を取られることは許さん。」

 ……それが、行為の前に考え事をしていた事を示していると気が付いてジャギは気まずさに視線を泳がせようとした。
 けれど、紫色に釘付けられた視線は動かない。
 ふ、と、目元で微笑んだバルバトスがジャギの唇を舐めた。

「望みがあるなら、言え。貴様が望むなら、俺が全て与えてやる。」

 ―――世界さえもお前の為ならば。
 そう告げるバルバトスに眩暈がした。その言葉は冗談や単なる睦言ではない。告げる瞳はどこまでも本気だ。
 カァアアッと、顔に熱が篭る。心臓の音が煩い。

「ば……馬鹿野郎…」

 腕を伸ばす。バルバトスを掴んで、抱きしめた。

「テメェ以外、何にもいらねぇよ。」

 囁けば、一度身体が震えて、強く抱きしめ返された。
 骨が軋む音に顔を顰めたけれど、離せとは言わないし思わない。
 ふいに腕が緩み、顎を捕らえられて唇に噛み付かれた。目の前の紫色が欲望にギラついていて、どこまでも自分を求めるその眼差しにぞくりと痺れが生まれる。
 応じれば腰を撫でた手が下着の中へ滑り込んで、自身を握りこまれ肩が揺れた。取り出され、激しく扱き始められてくぐもった嬌声が互いの口の中へ零れ落ちる。
 舌を絡めながら先端を爪で潰されて、強すぎる刺激に耐え切れずジャギは悲鳴を上げた。

「ハッ、ひ…ッ! バッ、”優しく”してくれるんじゃなかったのかよッ!!!?」
「―――チッ、そうだったな。」

 そのままイかせるつもりだったのか何なのか、忌々しげに舌打ちしたバルバトスは労わるように先端を指の腹で撫でると手を離した。ギリギリで放り出された形になるジャギは抗議するようにバルバトスを睨んだけれど、その手が下着を掴んで合点がいった。腰を浮かし、足を曲げて脱がせるのを手伝う。
 一糸纏わぬ姿になったジャギの後孔へバルバトスの指があてがわれた。

「ちょ、待て! 指ほとんど濡れてねぇだろうが!」
「それがどうした?」
「痛ぇんだよ、いつも言っているだろうが…!」
「いつも途中からよがっているがな。それで、どうする。舐めるか?」

 何処をだよ、と、胸中で突っ込みはしたが薮蛇だろうと思ったので口には出さなかった。

「………ちょっと待ってろ。よっ、と…、」
「?」

 身体を起こし、捻ってベッドサイドの棚へ手を伸ばす。上から三番目の引き出しを開けて筒状の入れ物を取り出した。

「手ェ出せ。」
「……何だこれは。」
「ローションだよ、まさか知らねぇのか?」
「そういう事を聞いているんじゃねぇ。何で持ってる。それに、随分と中身が減っているようだが?」
「………………、……あー……」

 別にどうでもいいだろう、と、誤魔化したかったがそれをするにはバルバトスの瞳が真剣すぎた。
 視線を彷徨わせて言いよどんだジャギは、結局諦めて口を開く。

「……自分用だよ。テメェがいないときに、一人でするときとかに使ってんだ。」
「ほお…?」
「い、いいから続きシろよ! ローション落ちるだろうが!」
「ふん、確かにな。――ヤりながらでも聞ける事だ。」
「なッ、ちょ、――ンッ、」

 反論する前に後孔へ濡れた指が添えられ、予告もなしに埋め込まれ息を詰めた。
 ズリズリと、内壁を押し開きながら指が侵入ってくる。その生々しい感覚に身体が震える。本来の用途とは違う用途を強要されるソコは、既に雄の味を占めていて抵抗感や嫌悪感よりも快感ばかりを生み出しては律動を繰り返して指を内へ内へと導こうとする。
 二本目が入ってきてナカを擦れば、期待感に腰が揺れ、背が撓った。
 くつり、と、バルバトスが哂う。

「テメェでスるときも、こうやって指突っ込んでよがってんのか?」
「ヒッ、あ、ン、それは…!」
「それとも別のモンでも突っ込んでんのか、あ?」
「うあッあ! ハッ、あァッ」
「例えばそうだな……クローゼットの奥にある、あの玩具とか。」
「ヒッ!?」

 指を三本に増やされながらの言葉にギクリとジャギの心臓が跳ねる。思わずバルバトスを凝視すれば意地の悪い笑みを浮かべていて、顔が引き攣った。
 ――が、三本の指がナカでバラバラに動き始めてすぐにその顔は快楽に染まる。

「うあ!? あ、あ、テメ、ェッ、なんっンンッ、し、って…!」
「フン、気づいていないとでも思ったか? どうせ貴様のことだ、いつか意趣返しに俺に使ってやろうとでも思っているのだと思っていたが……まさか、自分に使っていたとはな。」
「るせ、ぇ、ッ、ハァッ、あ、ぐ、ンンッンッ、あ、あッ」
「ククク……まぁ、折角あるんだ。今度はアレも使って楽しむか?」
「ぁ、ンッ! 冗談、じゃ、ンンッ、ねえッ!!」

 嬌声に混ぜて怒鳴ったけれど、前立腺を強く擦られて情けない悲鳴が漏れた。
 満足げに微笑んだバルバトスが一気に指を引き抜いて、ズボンの中から自身の猛った雄を取り出した。見慣れている筈なのに見慣れないソレにごくりと思わず唾を飲む。
 自身で数度扱くと、バルバトスは完全に立ち上がった肉棒をジャギの後孔へ埋め込み始めた。

「う、あ…ッ」

 肉棒が内壁を押し広げながら奥へと入ってくる。
 自分の体内で脈打つ熱にぞわぞわと背筋を痺れが走り、慣らされた孔内はいやらしく絡みつき律動してバルバトスを奥へと導いていく。
 膝裏へ手を差し入れられて足を大きく開かされ、根元まで埋め込まれる。荒い呼吸を繰り返したジャギは、唐突に肉棒を入口近くまで引き抜かれて背を撓らせた。
 再び、今度は一気に最奥までを穿たれてゾクゾクと全身が快楽に震える。後ろの刺激にすっかり慣れ、与えられる全ての刺激を快楽に転換してしまう自分の身体に羞恥心が這い上がってくるけれどソレさえも快楽を増長する役目しか持たない。
 臀部がぶつかる激しい音と、それに混じって聞こえる生々しい粘着質な音に、何よりも内側を穿つ陰茎に、止め処なく嬌声が飛び出しては室内を満たす。
 こんなに喘いで、まるで女じゃねぇかと恥辱に顔を歪めるけれど、押し上げるような快楽に追い詰められて声を押し殺すことが出来ない。
 咄嗟に噛んだ腕はすぐにバルバトスに見咎められて纏めて掴まれ頭上に縫い付けられた。
 深く繋がりながら視線が絡む。情欲に染まった紫色に舐めるように見つめられて、視線でまで犯されているような錯覚にドクリと一際強く心臓が脈打った。合わせてひくりと脈動した内壁に、バルバトスの眉間へ僅かだが皺が寄る。
 その表情に見惚れた時、亀頭で前立腺を激しく攻め立てられて瞼の裏で火花が散った。
 奇妙な浮遊感に安定を求めて足先がシーツを突っ張る。

「ひッ、あ、あああああッッ!!!!?」
「く…ッ」

 一際高く嬌声を迸らせてジャギは限界を迎えた。
 締め付ける動きに逆らわず、バルバトスもまたジャギの体内へ熱を放ったのだった。

 
 








+++++
「―――で、感想は?」

 にやにやと、意地悪く笑みを浮かべてうつ伏せて横たわるジャギの短い頭髪を指で遊ばせながらバルバトスが尋ねる。
 問いかけられたジャギはと言えば、枕に顔を押し付けたまま低く唸り、答えた。

「結局ぶっ通しで4回もヤってんじゃ、いつもと変わらねぇだろ……」
「”嫌だ”とも”止めろ”とも言われなかったが?」
「ぐ……」
「ククク…」

 詰まったジャギに愉しげに笑ったバルバトスは上体を浮かすと剥き出しの肩へ唇を落とした。ビクリと震えたのに気分を良くし、ジャギの向こう側へ片手をつくと背中へと唇を寄せ、甘噛みし、舐めては軽く音を立てて吸い付いた。まだ行為が終わってそう時間も経っておらず、敏感な身体はその度にびくびくと震え、快楽を示す。
 覆いかぶさるような体勢に位置を変え、腰を撫で上げれば「んぅ…ッ」枕でくぐもった甘い声が聞こえて、身体の深い部分がぞくりと脈打った。
 朱色に染まった顔で眦を吊り上げ、ジャギが睨む。

「馬鹿野郎…! まだヤる気か!」
「いいや。貴様がその気になったなら話は別だがな。」
「なるかッ!」
「今は、ジャギ、お前を味わっていたい。」
「ッ、」

 囁きに、かぁああっとジャギが耳まで赤くなってくつりと笑った。

「嫌なら、止めるが?」
「……………………か……勝手に、しろ、馬鹿。」
「だったら勝手にさせてもらう。」
「ん…ッ」

 腰を撫でていた手を下し、足の付け根を撫でれば鼻にかかった甘い声が漏れ、慌ててジャギが枕へ顔を押し付けた。
 喉で笑いながら肩口を甘噛みし、赤い耳へ唇を寄せる。

「優しくして欲しいなら、言えば幾らでもそうしてやる。ただ、俺は壊すことしか知らんし、出来ん。コレが俺の愛し方だ。―――貴様が嫌だといっても、俺は貴様を手放さんぞ。」

 ……かつて、その不器用さで己の夢も幸せも壊してしまったバルバトスは、囁く。
 そんな言葉に、ジャギは僅かに枕から顔を上げると振り向かないまま、言った。

「んなこたぁとっくの昔に知ってんだよ、馬鹿野郎………俺だって、テメェを手放す気なんざさらさらねぇよ。」
「フ……それでいい。」

 満足げに笑って耳裏を舐めれば隠しそこなった嬌声が聞こえて、双眸を眇めたバルバトスは足を撫でるのとは反対の手をジャギの胸へ伸ばした。
 ――――二人の夜は、まだ長い。





END…?

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