日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼2006年の珠海航空ショーで展示されたFT-1(上)、FT-3(下)。

▼FT-1

▼FT-3


性能緒元
全長
直径
翼幅
重量
射程7〜18km
誘導方式GPS+慣性航法誘導方式
命中精度CEP:30m
装備機種J-8IIJ-10J-11BFC-1JH-7H-6など

FT-1/3誘導爆弾(飛騰1型/3型)は、中国運載火箭技術研究院が開発した誘導弾である。既存の通常爆弾の尾部にGPS誘導装置と慣性航法装置を搭載した誘導・制御装置を取り付けることで、精密攻撃兵器としての能力を獲得している。この方法は、アメリカのJDAM(Joint Direct Attack Munition:統合直接攻撃弾薬)で実用化された手法である。FT-1/3の設計においては、先行するJDAMの存在が大いに参照されたものと思われる。

FT-1は500kg通常爆弾をベースとしており、FT-2はそれより小型の250kg通常爆弾を弾体として採用している。いずれも、爆弾後部に制御翼付きの誘導・制御モジュールを装着している。制御翼の枚数は、FT-1が尾部に4枚、FT-3が、中央部と尾部にそれぞれ4枚ずつ。

FT-1/3の誘導には、民生用GPSと慣性航法装置が併用される。民生用GPSは、アメリカ軍が使用している軍用GPSに比べて、情報更新速度が遅く(10秒に1回)GPSの精度自体も落とされているため、単体で誘導に使用するには問題がある。また、妨害装置によってGPS信号を受信できない可能性も存在する。これらの問題に対処するため、中国運載火箭技術研究院ではGPSと慣性航法装置と併用することで、必要とされる命中精度を確保している。

目標への投下前に、目標の座標や飛翔コースなどの作戦情報の入力が行われ、慣性航法装置の位置整合などが行われる。高度5,000〜12,000mで投下後、慣性航法装置により航法を行い、GPSによる位置情報の更新を受けて誤差を修正し、制御翼を作動させて目標に向けて誘導を行う。命中精度は、半数必中率(CEP: Circular Error Probability)換算で30m。これはアメリカのJDAMの数値(慣性航法装置のみでCEP30m、GPSとの併用で14m)と比較するとやや劣っている。投下後の母機からの誘導は不要であり、母機は直ちに非難することが出来る。FT-1/3は、自力で飛行する能力は無く、滑空しながら目標に到達する。射程距離は7〜18kmとされる。FT-1/3は、「打ちっ放し」能力と、敵の対空兵器の攻撃圏外から目標を攻撃するスタンドオフ能力を得ていることになる。

命中するまで目標に対してレーザー照射が必要なLT-2レーザー誘導爆弾(雷霆2型)などのセミアクティブ・レーザー誘導弾と比較すると、GPSと慣性航法誘導を利用するFT-1/3は、悪天候で目標の姿が確認できなくても攻撃を行うことが可能であり、完全な全天候性能を有している。(ただし、位置が特定できない移動目標への攻撃は不可能。)

FT-1/3は、JH-7での運用試験が既に実施されており、試験での命中精度は開発時の想定以上であったのこと。

【参考資料】
呉思「九天落雷終有時-中国精確制導炸弾的発展與最新動向」(所載:『現代兵器』2006年12月号/中国兵器工業集団公司)
黄国志、曹励雲「笑看風雲際会時-第6届中国珠海国際航展側記」(所載:『現代兵器』2006年12月号/中国兵器工業集団公司)
『ミリタリー選書8-軍用機ウエポン・ハンドブック』(青木謙知/イカロス出版/2005年)

中国空軍

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