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▼「车载火炮--PCL-161 122毫米车载榴弹炮 122MM Vehicle-mounted Howitzer--PLA‘s PCL-161」 PCL-161装備部隊の訓練を記録した動画。


性能緒元
重量20t程度
全長8.3m前後
車体長7.76m
全幅
全高2.8m前後
エンジンCA5DL2-35E3Rディーゼルエンジン(最高出力348hp)
最高速度90km/h
航続距離600km
武装122mm榴弾砲×1(搭載弾数/装薬:30発/30筒)
最高発射速度4〜6発/分
俯仰角度
方向射界
装甲均質圧延鋼装甲
乗員4名

PCL-161車載式122mm自走榴弾砲(中国語だとPCL-161型122毫米车载炮)は、中国軍で山地や高原での作戦を担当する山岳合成旅向けに開発されたガン・ポーディ式装輪自走砲。2020年に部隊運用が確認されている[1]。なお、制式名であるPCL-161のPCLは、Pは火砲(中国語では炮páo)を表す略号とPLA=人民解放軍の英語略称のPも兼ねている。Cは車chēのピンイン表記の頭文字で、Lは榴弾砲(中国語では榴弹炮Liúdànpào)を意味しており、PCLは合わせて「車載榴弾砲」を表している[2]。

【開発の背景】
中国軍では、すでに122mm榴弾砲を装輪車輌の荷台に搭載した自走砲として09式122mm装輪自走榴弾砲(PCL-09)の配備を進めていた。PCL-09は砲兵部隊で広く用いられている延安SX250(SX2150)野戦トラックをシャーシとして、こちらも標準的な牽引砲である96式122mm榴弾砲(PL-96/D-30)を搭載することで開発期間と取得コストを抑えて実用化された車載式自走砲であった。これは、調達コストを抑え、装備の共通性を確保し、整備性を向上させるなど多くの利点があった[3]。安価に調達できるPCL-09は軽型合成旅と山岳合成旅の主力支援火砲として配備が進み、牽引式の96式122mm榴弾砲(PL-96/D-30)の多くを更新することに成功した[3]。

好評を持って迎えられたPCL-09だが、運用の中でいくつかの問題点が浮上してきた。一つは、車載式自走榴弾砲に最適化された設計ではない野戦トラックをシャーシに用いたことによる問題で、連続して射撃を行った場合、車体の金属疲労をまねく危険性が存在した[3]。そして車体への負担を抑えるため砲撃可能な射角が制約されることも運用上の問題であった[3]。さらに、急速に進む中国軍の情報化の進展にPCL-09の装備では追いつかないことも判明していた[3]。

中国軍ではこれらの運用実績をもとに、第二世代の車載122mm自走榴弾砲の開発検討に着手した。そこで決まったのは、軽型合成旅向けの自走砲と山岳合成旅向け自走砲を別途開発するという方針であった[3][4]。軽型合成旅向けの自走砲は「猛士」装甲車をシャーシに採用し、山岳合成旅向けのものはMV-3中型高機動野戦トラックをシャーシとすることが決定された。

軽型合成旅向け自走砲はPCL-171として制式化されたが、山岳合成旅向けの自走砲は二種類の競争試作が行われた模様[5]。一つは砲架全体を地面に下ろして射撃する方式の「落地」式[5]。これは砲の反動を地面が吸収するので車載状態よりも砲が安定し、全周射撃が可能という利点があった。もう一種類は、砲は車載したまま折り畳み式の駐鍬を設置させて安定を確保する「後撐(「後ろで支える」という意味)」式であった[5]。こちらは射界という点では遜色があったが、即応性では勝っていた。既に、PCL-181でも実証済みだったことも功を奏してか、選定されたのは「後撐」式であり、「落地」式は輸出向けにCS/SH4型122mm車載榴弾砲の名称を与えられて海外市場への売り込みが図られることになる[5]。

「後撐」式設計案は最終的にPCL-161として制式化にこぎつけ、山岳合成旅向けの自走砲として採用された。軽型合成旅向けのPCL-171は、「猛士」由来の高い機動性を有し、「猛士」を標準装備とする軽型合成旅に適した自走砲と言える[4]。それに対して、新型のMV-3野戦トラックベースのPCL-161は良好な機動性とトラック由来の搭載力を兼ね備えており、搭載砲弾数でPCL-171に優位に立っており、補給の面で条件の厳しい山地での持続的な戦闘に向いている[3]。ただし車体の大きさ故、空輸の手軽さではより小柄なPCL-171に劣っている[4]。PCL-171とPCL-161は、それぞれ軽型合成旅と山岳合成旅への配備に適した装備として採用されたのである。

【性能−車体】
PCL-161のシャーシは、中国軍の新世代野戦トラックであるMV-3中型高機動野戦トラックのファミリーの一種であるCTM-133型(積載量3.5t級、4×4駆動、4人乗りキャビン)中型高機動汎用戦術車両を用いている[5]。MV-3はエンジンの後ろにキャビンを配置しているが、CTM-133はエンジンの上に乗車スペースが乗ったキャブオーバー型を採用しており外観はかなりの相違がある。

CTM-133型の構造は、車体前部が動力部とキャビン、車体中央は砲弾や関連機材の搭載区画、車体後部が榴弾砲積載区画となっている。総重量は20t程度とみられている。車体長は7.76mで、駐鍬などを加えた全長は8.3m程度と推測されている[6]。

エンジンはCA5DL2-35E3Rディーゼルエンジン(最高出力348hp)を搭載し、変速機は半自動式[6][7]。野外走破性を高めるため、足回りは独立懸架装置を採用し、タイヤの空気圧の中央調整機能を備えている[7]。高温や寒冷下での運用に備えて、油気圧系統や水加温機能を備え、零下41度でも問題なく運用できる能力を備えている[7][8]。近年の戦場の情報化に対応して、情報システムを充実させ対電磁波能力にも配慮を加えるなどの工夫が施されている[7]。これらの工夫により、CTM-133を含むMV-3シリーズは気象環境の厳しい高原地帯での特殊作戦で求められる特性を備えることに成功[7]。山岳合成旅の砲兵部隊では、PCL-161だけでなく、122mm多連装ロケットやHJ-10対戦車ミサイル6連装発射機を搭載した支援火力車輛のシャーシについてもCTM-133で統一することで、砲兵部隊の車両の共通性を高め、整備や教育の負担軽減に努めている[7]。

乗員は合計4名で、車体中央の装甲キャビンに乗車する。キャビン両側面にそれぞれ二枚ずつドアがあり、迅速な乗り降りを可能としている。PCL-161の装甲は、小銃弾や砲弾の弾片から乗員を保護するレベルのものを備えている。

【性能−砲システム】
PCL-161の主兵装である122mm榴弾砲は車体後部に砲架ごと搭載されており、走行時には前方に向けてトラベリングロックで固定される。装甲キャビンと榴弾砲の間は、砲弾/装薬ラック、制御パネルなど各種装備の搭載区画とされている。

PCL-161の122mm榴弾砲は全体的な形状はPCL-181 155mm車載式自走榴弾砲のミニチュア版といっても過言ではないほど類似性が多く、両者の技術的関連性を感じさせるものとなっている。砲口には多口式マズルブレーキを装着。砲基部の駐退復座機は弾片被害を防ぐために装甲板で覆われており、その上部右側には砲口初速計測用レーダーとみられる機材が積まれている砲尾左側には、照準器、旋回機構、入力装置など操砲機器が纏められており、砲尾右側には装填補助装置を配置している。

旋回用ハンドルの上には照準器が配置されており、目視照準の場合はこちらを用いて諸元を算出するが、通常は射撃統制システムを使用して各種諸元を自動的に算出する。砲弾の装填には装填補助装置が用意されている。装填手が砲尾右側に装備された装填ラックに砲弾を置くと、以降の装填作業は自動で行われる[9]。砲弾が装填されると装填手が装薬を手動で装填して発射準備が完了する。

使用可能な砲弾は96式12mm榴弾砲のものと共通しており、榴弾、ERFB(Extend Range Full Bore:低抵抗)弾、ERFB-BB(Extend Range Full Bore-Bass Bleed:低抵抗ベースブリード)弾、ERFB-BB-RA(Extend Range Full Bore-Bass Bleed Rocket Assisted:低抵抗ベースブリード/ロケット推進)弾、照明弾、発煙弾、誘導砲弾など各種122mm砲弾の射撃が可能。最大射程は、ERFB弾で18,000m、ERFB-BB-RA弾で30,000m[3]。

近年の中国軍の自走砲の類に漏れず、PCL-161の射撃統制システムも、衛星位置測定システム、車輌位置測定装置、統合型データリンクシステム、弾道計算機、制御システムなどで構成されており、自部隊での照準のみならず、データリンクを活用して上級の砲兵指揮所、他部隊、他軍種と情報を共有し、統合運用下で砲撃を行うことも想定されている[9]。

PCL-161が射撃を行う場合は、車体下部中心線上に二基配置されている油圧式底板と車体後部の駐鍬を地面に接地させて射撃プラットフォームとしての安定性を確保する。その後、諸元を算出して砲を操作して任意の方位/仰角にしたのちに、装填手が砲弾と装薬を装填して射撃準備が完了する。発射速度は毎分4〜6発とされる[9]。

車載式自走榴弾砲であるPCL-161は、走行状態から、短時間停車して数発の砲撃を打ち込むと、直ちに陣地転換を行う運用に適している[9]。これは対砲兵射撃の脅威が高まっている近年の砲撃戦に対応した能力である。中国軍では榴弾砲による直接射撃任務も重視されており、PCL-161も間接射撃のみならず砲を水平にして目標を直接照準して砲撃を行う能力を有している[9]。

上記の通り、PCL-161は省力化と自動化を進めたことで、乗員4名で迅速な展開-射撃-陣地転換の一連の過程を終えることが出来る[9]。これを牽引式の96式122mm榴弾砲(PL-96/D-30)と比較すると、96式は砲一門につき8名の要員を必要として、展開-射撃-陣地転換に30分を要するのに対して、PCL-161は、その半分の人数ではるかに早く一連の過程を終えることが出来、従来型の牽引砲に対する優位性は明らかである[10]。

PCL-161は、車体中央に二箇所の砲弾ラックを配置しており、左側ラックは19基、左側ラックは41基が用意されており、合計30発の砲弾を発射することが可能となっている。この搭載弾数は、車体が小さいため搭載弾数では劣る軽型合成旅向けのPCL-171(発射可能砲弾16発[3])を上回っているだけではなく、更新対象であるPCL-09(発射可能砲弾20発[11])に対しても優位に立っており、必ずしも補給が容易ではない山岳地での戦闘における独立・持続的な作戦遂行に有利となっている。


山岳合成旅の一個砲兵営(大隊に相当)は、PCL-161×6〜9と各種支援車両から構成されており[9]、PCL-161と同じくMV-3系シャーシを用いた自走122mm多連装ロケットや自走HJ-10対戦車ミサイル車両と共に、山岳合成旅の支援火力任務に充当される[7]。

【総評】
PCL-161は山岳合成旅の主力支援火砲として配備が進められている。以前に配備されていたPCL-09と比較すると、同レベルの砲撃能力を保ちながら、搭載弾数を増加させ、砲撃プラットフォームとしての安定性を高め、野外機動力を大幅に改善したと評価されている[3]。山岳合成旅では、砲兵部隊の基幹車両をMV-4系で統一することで、装備共通性を高め整備性や兵士の教育面での省力化・合理化が進められた。PCL-161はMV-3譲りの高い路上走行性能に加え、空軍のIL-76MD輸送機やY-20輸送機、Y-9輸送機(運輸9)Y-8輸送機(運輸8/An-12)による空輸が可能で、優れた緊急展開能力を発揮するポテンシャルを備えている。

PCL-161とPCL-171という似かよった性能の自走砲を並行配備するのは、装備の共通性という点では不利に働くが、軍隊の規模が大きく、国土が広く各地域の気象条件や地形に大きな偏差のある中国では、無理に装備の共通性を追求するよりも、それぞれの部隊や地域の特性に見合った装備を並行して開発・配備することに一定の合理性があると考えられる。

【参考資料】
[1] ChinaArms「China’s PCL-161 truck-mounted howitzers conduct exercises in Tibet」(2020年10月22日)https://www.china-arms.com/2020/10/china-pcl-161-h...
[2]壹讀「解放軍PCL-181火炮的PCL什麼意思?」(2020年7月24日/來源:一條魚)https://read01.com/7RQdzJP.html
[3]听箭「装甲“猛士”车载炮– PCL-171型122毫米车载榴弹炮」『兵工科技2021.1 2021中国新兵器』(兵工科技杂志社)23-26ページ
[4]马克「全域作战机动火力 – 171E型122毫米车载榴弹炮」『兵工科技2021.19 2021中国珠海航展专辑(下辑/室内展品)』(兵工科技杂志社)10-14ページ
[5]每日頭條「又一款車載炮露面,三型國內重點車載火炮武器系統這就齊活兒了」(2019年4月5日/喜之狼的札記)https://kknews.cc/military/gjb282y.html
[6]雪球「【神州军工】猛士3代车载122mm榴弹炮亮相,变身轻型旅打击利器,猛士底盘体系化」(2020年8月27日)https://xueqiu.com/7956505474/157694842 ----
[7]搜狐网「宋楠:解读一汽解放MV3型第三代通用军车」(2016年10月19日)https://www.sohu.com/a/116513867_117833
[8]知乎「西藏军区轻高机旅列装新型模块化轮式火箭炮(图) 」(2021年1月11日)https://zhuanlan.zhihu.com/p/343844674
[9] Military-Today.com「PCL-161 Self-Propelled Howitzer」http://www.military-today.com/artillery/pcl_161.ht...
[10]鼎盛中华论坛-军事天地「还是PLC171-122mm车载榴弹炮好!」https://top81.ws/show.php?f=1&t=2055134&m=17939847
[11]知乎「车载战神传奇——PCL-09式122mm车载榴弹炮」(2022年5月1日/闪电猎手)https://zhuanlan.zhihu.com/p/507990104
[12]今日头条「新122毫米卡车炮亮相,将加强到合成营,火力打击直接登顶」(2020年08月11日)https://www.toutiao.com/article/685965085222371380...

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