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第五十景 契り桜 (ちぎりざくら)

あらすじ

右のかじきを地面に叩きつける牛股、そこから飛び散る肉片や石が清玄に襲い掛かる。助太刀衆の頭部を切断する清玄だが、その隙を逃さず左のかじきが清玄の胴体を真っ二つにした。

土と肉の散弾にて逆流れをはね上がらせ、二の太刀でしとめる。これが権左衛門の導き出した必勝の法。思い描くように、かじきを地面に叩きつけた牛股。そしてその通りに肉片や石が清玄に襲い掛かるも、はっきりと区別し肉片が直撃しても、逆流れを放たなかった。左のかじきを倒れこむようにかわしたい清玄は、同時に逆流れを牛股の顔めがけて放った。そのとき、気絶していたと思われた源之助が、この両者の交錯を凝視していた。倒れこむ清玄、立ち尽くす牛股、その先にいるいくの姿を見て、ふくの面影を重ねた。心の中で幸せな暮らしをする家族。牛股はその場に倒れ、ほぼ同時に源之助の手から太刀が離れた。
茂助と大坪が声を上げ清玄に切りかかる。清玄は片膝のまま両者を一閃、そのまま三重を峰打ちで倒した。一人立ち尽くす清玄を見つめるいく。その目には涙が流れた。見分席でも、備前守はこの現状に震え悲しみ、検校は阿呆の如く笑い踊った。

討たるる者の子葉ども敵討を願うに 簿に記し願うに任すべし

領民たちはほうけたまま去り、仇討場には死者だけが残った。敵討試合が終了したとき、完全に日は落ち辺りは闇に包まれた。肉片と化したかに見えた石田凡太郎並びに、賎機家助太刀衆の遺体は思いのほか原形をとどめていた。
残った片目を開いたまま地面に伏せる牛股は何を見ているのか。
舞台
掛川仇討場?、尾州加賀野?(記憶)
道具
かじき?日本刀?懐剣?
主要単語
無明逆流れ、流れ、子葉、敵討
詳細

掲載ページコマ文字
チャンピオンRED 2007年11月号
単行本10巻
36ページ91コマ文字

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最終15巻

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