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第四十四景 牛鬼 (うしおに)

あらすじ

若先生が敗れた?大坪の声が震えた。その時、清玄は笑い出した。こみ上げる喜悦を悟られぬよう、清玄は手で面を覆った。宿敵の出血の音が停止したのだ。わが剣は呪われ、虎眼はおろか若き虎源之助も切りはたすとは。やるせなきとしゃべりながら、源之助に近づく清玄。いざ止めという場面で、地面が揺れた。背後には助太刀の牛股権左衛門。権左は虎眼の子にも等しき間柄であり、源之助の兄も同然の者、助太刀の資格は十二分と備前守。雪千代は源之助はすでにといいかけるが、備前守はあの太刀を話さぬうちは源之助は死んでおらぬと言い切った。やおら賎機検校が席を離れ、右手を天にかざした。すると十一名の槍持ちが整然と現れた。助太刀人数は清玄を定められておらず、故に敵討は二十人対三十人など、合戦の様相を呈することも稀ではなく、その結果一族が根絶やしになる悲劇も記録されている。清玄の縁者などは皆無であるから、これは検校が金で雇った手練である。この者らの全身は、公儀によって取り潰された大名の馬廻役・槍組。その任務は藩主の警護にあるのだから、技量の確かなことは語るまでもない。対する岩本家の布陣は、老いた中間の茂助、目録の大坪。あの藤木源之助が敗れることなど、誰が想像し得よう。牛股が十一本の槍によって串刺しとなった後には、三重が命を散らすことになる。助太刀衆が牛股に抜けと叫ぶが、その男の両の手には武具として利用できぬ重量の木剣、さらに焦点は定かならず。先陣をきった三人が突きを繰り出した瞬間、木剣が太刀の如く襲い掛かった。木剣で人を一刀両断、その上半身は竹矢来の外や、見分席まで吹き飛んだ。助太刀衆は怯み、領民たちは恐怖で叫ぶ。

この物ちから強くして執念ふかく 勢い大磐石を覆すがごとし 往来の人を採食し

 牛馬六畜を爪裂く牛鬼といふもの 名よりも見るはおそろし
舞台
掛川敵討場?
道具
日本刀?かじき??柄杓?
主要単語
無双、敵討、助太刀、合戦、公儀、馬廻役、槍組、藩主、中間、目録、磐石

詳細

掲載ページコマ文字
チャンピオンRED 2007年5月号
単行本9巻
36ページ93コマ文字

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最終15巻

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