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第六十景 男女(つがい)


あらすじ

海を眺めている清玄といく、落ち果てた源之助のことを知りもう二度と会うことはないだろうとつぶやいた。清玄は、忠長の客人として厚遇を授かり、武士として洋々たる将来が約束されていた。後方には駿河藩より使わされた、清玄のための護衛が二名控えている。

そのころ、粟本村の源之助は水を張った桶に右腕を移し、その水面に移った左腕を見て幻肢痛を癒していた。三重は、明日の調印の日に備え買い物に出かけると告げた。乙女が買い物に出ると半日は戻らぬことが常であり、日増しに帰りは遅くなる一方だった。源之助はそれを見送り、カジキを担ぎ外に出た。村人たちはその姿に恐怖慄いたが、威嚇ではない。左腕の喪失した新たな重心を肉体に覚えさせているのである。
再び三重、帰りが遅れるのには理由があった。落ちぶれた虎の娘に村のものは一切口を聞かず、素性を知る市中の物売りは法外な品代を要求した。やむなく乙女は粟本村から三里も歩き、掛川宿の旅人にまぎれて買い物をするしかなかった。打鮑を見つけ買おうとしたところ、値札の十倍の品代を要求された。その物売りの顔は伊達だった。
源之助は何度もかゆを温めなおし、乙女の帰りを待った。ようやく納屋にたどり着いた三重の籠の中は空。
そして、調印のため駿府へ発つ日。三重は四方膳を用意したが、そこに打鮑はない。源之助は口を器用に動かし、鮑を食べる振りをした。その顔は血が通っており、虎は復活しつつあった。

岡倉木斎邸では、いくの前で刀を構える清玄の姿がある。その無明逆流れの構えは以前とは若干違い、さらに鍛えられた右足が刀身をつかんでいた。
登場人物
伊良子清玄いく藤木源之助岩本三重徳川忠長(名前のみ)、岡倉木斎(名前のみ)
ほか清玄護衛二名、粟本村村人、伊達姿の物売り
舞台
遠州灘??、粟本村?納屋?掛川宿?岡倉木斎邸?
道具
???かじき?打鮑??線香?打ち掛け?四方膳?日本刀?
主要単語
伊達?納屋?剣名?厚遇?幻肢痛?虎眼流?四方膳?
詳細

掲載ページコマ文字
チャンピオンRED 2008年9月号
単行本12巻
32ページ113コマ文字

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最終15巻

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