「久しぶりの桜華の料理、楽しみだなあ」
「ふふ、期待しててくださいね」
 ありのまま今起こっていることを端的に話すぜ! 『桜華がかわいすぎていろいろとヤバイ』
何を言っているのかはわからないと思うが頭(正確には体の一部)がどうにかなりそうだ。
朝チュンだとか弾道アップだとかそんなチャチなもんじゃあ断じて済まない。

 端的に言えば、俺は今現在桜華の家にいる。昨日、甲子園の決勝戦で十三番高校と対決して勝利し、
浅井さんやミーナさんの助力のおかげで、桜華は無事に救出された。
 優勝記念に、ということで俺は桜華と二人で小さな祝勝会を開くことにした。
そのため、今から料理を作り始めるのだが、桜華は一人で作ると言い出したのだ。
 以上、プロローグ終わり。
何にせよ彼女は長いこと誘拐されていたのだ。その疲労は相当のものに違いない。途中で倒れたりしたらいけないし。
「桜華、俺にも手伝わせてよ」
「そ、そんなに気を使わなくてもよろしいですのよ。もう体力も十分回復しましたし、1人で大丈夫ですわ」
「いいんだよ。提案したのは俺の方からだし、祝勝会とは銘打ってるけど実際は桜華が無事に戻ってきてくれたことも含めて
全部祝おう、ってことで思い立ったんだよ。それなのに俺もやらなくてどうするんだ、ってこと」
「そ、そういうことでしたら……」
「うん!」
 そういうわけで、シンプルシリーズ THE 料理の達人の始まりである。無論そんな名前のゲームはない……よな。

 野菜類の皮をひと通り剥き終わり、今から切る作業に入る。実を言うとさっきから桜華が気になって何度か指を切りかけたため、
桜華に疑惑の目を持たれたが、現在は正気を保つことに成功している。
 俺とて包丁を扱うときに集中を途切らすほど愚かな人間ではない。一切の邪念を払い料理に集中する。
おかげで綺麗に切ることはできたが、代わりにフラストレーションという名の煩悩が溜まっていった。
全ての野菜を切り終えると、今度は魚を捌くことになった。傍から見れば落ち着いてやっている様に見えるが心中は穏やかではない。
当然、原因は桜華だ。2ヶ月も会ってなかったため、俺の中にいろんな煩悩が詰まっている。桜華をぎゅーっと抱きしめたい。
服の上からもふもふしたい。綺麗でサラサラとした髪に触りたい。ほっぺたをぷにぷにしたい。小さなかわいい手を握り締めたい。
そんな煩わしさをグッと耐えて、俺は無我の境地に達したかのように静かに魚を捌いていった。

 ようやく与えられた食材を切り終えた。よく上手に切れたと自画自賛したいくらいだ。
「ありがとうございます、小波。後は簡単な作業なので、貴方はゆっくりしていってください」
「あ、ああ……うん」
 ぎこちない返事をしてしまった。恐らく煩悩が溜まりすぎているからだろう。
 桜華はそのままエプロンをヒラリと舞わせて踵を返した。その小さな背中も可愛らしくて愛らしい。このままぎゅっと後ろから抱きしめたい。
とにかく抱きしめたい。その締まったウエストに腕を回したい。なんでもいいから抱きしめたい。

 「抱きしめたい」と心のなかで思った瞬間(とき)、その時スデに行動は終わっている。
「きゃっ」
 桜華が可愛らしい声をあげた。
「い、いきなり何をしなさるの!」
「えへへ。だって桜華が可愛いんだもん」
「だ、だからといってその、こんなに密着されては……」
 戸惑いと照れとが混じった表情が可愛くて意識が昇天しそうになる。
「少しの間でいいから、こうさせて欲しいんだ」
「……し、仕方ありませんわね。少しだけなら……」
 心の中で思い切りガッツポーズを取る。歓喜の渦が俺の体内をめぐった。最高にハイってヤツだ。
脳味噌が沸騰した状態のまま、何を考えたのか―――否、実際はわかってやっていたが―――腕をそのまま上方へスライドさせた。
そのまま彼女の胸まで手を移動させて、エプロン越しに桜華の胸を触った。
「ひゃっ! そ、そんなところをいきなり触らないでください!」
 桜華が上げた声は、俺の衝動を動かすには十分なほどに色気のある声だった。
「桜華……ごめん」
「あ……い、嫌と言っているわけではないのですよ?」
「俺、もう我慢出来ない」
 俺はすぐに服の中に手を入れて、ブラをずらして胸を直接揉みしだいた。二の腕が胸の感触と似ているなんて言われているが、あんなのは嘘だ。
比べ物にはならないほど、本物は柔らかい。俺はしばらくその柔らかさと心地良さに酔い痴れた。
「こ、小波! ああっ! は、激しすぎですっ……!」
「桜華、お前が好きだ! 大好きだ! 桜華の喋り方も! 髪型も! 顔も! 身体も! 匂いも! 抱きしめたときの心地良さも!
お前の全部が好きだ! 桜華の何から何まで大好きなんだ!」
「っ……小波……ひあっ!」
 俺は右手を彼女のスカートの中へと侵入させた。そこから、下着越しに彼女の秘所を刺激する。
「桜華が失踪していた間、桜華のことばかりを考えていた。ずっと桜華が恋しかった。だから、もうあんな思いはしたくない。
今、いや、これからも桜華が一緒にいるという証がほしい!」
「はっ、あっ、ああっ……小波……私……変、に……」
 限界が来そうだったので、彼女の秘所を思い切り強く刺激した。途端、桜華は大きく仰け反った。
「―――っ!!!」 
 甲高い嬌声をあげて、彼女はそのままぐったりとした。息切れしている桜華をみて、少し我に帰った。
「あっ……ごめん、桜華。いきなり、こんなことしてさ」
 桜華は肩で呼吸をしたまま何も答えない。俺は両手の動きを止めた。
「でも、今言ったことは本当だ。俺は桜華が好きだ。……会えずにいて、ずっと寂しかった。だから、今すぐにでも桜華の存在を感じたい。
桜華と愛し合いたい。桜華と一つになりたい。桜華と繋がりたい。……俺は、桜華とセックスがしたい」
「そ……そんなにハッキリとおっしゃらないでください!」
「俺は本気だよ。下心が無いと言ったら嘘になるけど、俺が桜華としたいという気持ちはそんな単純なものじゃない」
 桜華は顔を真っ赤にしているが、決して怒る素振りは見せない。
「その……もし、私が嫌だと言ったらどうするおつもりで?」
「桜華が嫌がるならしないよ。……さっきのは、その、調子に乗っちゃったけど……」
 俺がそう言うと、桜華はモジモジと躊躇いはじめた。彼女は俺の方に身体を向ける。
「あ、の……さっきあなたにされているときから、変な気分になって……ですから、その……」
 桜華の頬がどんどん紅色に侵食されていく。上目遣いで、俺の目を見て。
「……こんな気分にさせた責任、とってくださいね」
「……うん」

 俺は桜華をその場で押し倒した。彼女の顔を見つめる。柔らかい肌。サラサラとした髪。小さな唇。いたいけな瞳。
どれも俺には不釣合なほど素敵なものだった。
「今日も、これからも、いくらでも桜華だけを愛してあげる」
「小波……」
 エプロンを外し、服を上げる。彼女のブラジャーは白で、中心に小さなリボンが付いているのが可愛らしい。
情けないことにホックの外し方がわからないので、そのまま上にずらすことにした。
 彼女の豊満な胸が露になる。色白な肌の中に、ちょこんと乳首が立っている。俺は、そいつを指先で突っついた。
「ひぁんっ!」
 桜華がビクンと反応する。固くなっている乳首を、今度は舌と指の両方で攻め立てる。コリコリとした感触が心地良い。
「桜華の乳首、こんなに勃ってる。さっきのですごく興奮してくれたんだね」
「あ、あれは、あっ、貴方が無理やり……んっ……」
「でも、興奮したのは事実だよね」
「……そんなこと、聞かないでください……」
 彼女の胸の柔らかさと味を堪能しながら、俺は彼女の下半身へと手を移し、スカートを捲り上げた。白と水色のストライプが眼に入る。
「あ、あの、この下着、少し子どもっぽいと思います? その、周りの子はあまり履いていないように見受けられるので……」
 意外といえば意外だ。やはり父親の影響だろうか? そうならば、桜華の父親に感謝しよう。
「いや……むしろそれがいい!」
 俺はそのきれいなぱんつに手をかけて、ゆっくりと脱がしていった。次第に顕になった彼女の秘所は、きれいなピンク色をしている。
ぱんつを片足に残したところで、彼女の秘所をもう一度見る。
「桜華のここ、すごく綺麗だ」
「……もう、そんな恥ずかしいことを……」
 陰毛は生えておらず、一度も男の侵入を許したことのないだろうこの場所は、とても美しかった。その美しさに、つい生唾を飲んでしまう。
意を決して、俺は彼女の秘所へ舌を侵入させた。
「はぁ……ふ、んっ……んん……ぁん……」
 小さくではあるけれど、喘ぎ声を漏らした。それがたまらなくて、もっと速く舌を動かした。
「あ……は、んっ……ふぁっ、ああんっ、はぁっ……!」
 桜華の息が荒くなっていく。そこで、俺は彼女の陰核を軽く吸い付けた。
「ひゃぁぁぁあっ! はぁ、はぁ、はぁ……」
 突然、大きな嬌声をあげた。その姿も大変可愛らしくて、今度は指で強く挟んだ。
「あああああああああああああっ! ひぁっ! はああああんっっ!」
 愛液がどんどん溢れでてくる。たぶん、前戯はもう十分だろう。それに、俺の下半身で大きなテントが形成されている。
こいつを苦しみから開放してやるため、俺はズボンを脱ぎ逸物を外へ開放した。

「桜華……もう、挿れていいかな。はやく、桜華と繋がりたい」
「ん……そ、そんなに大きいものが、私の中に……?」
「うん。……もう一度聞くけど、本当に、いいのか? 恐いなら、やめても……」
「いえ。か、覚悟は、出来ています。だから、私に構わずに……してください」
「それじゃあ、挿れるよ……!」
 俺は彼女の秘所に狙いを定めた。この美しい場所を最初に壊すのは、俺だ。それは仕方のないことかもしれない。
俺の逸物は、彼女の秘所へと侵入していった。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」
 彼女の悲痛な叫びが、俺の心に突き刺さる。だけれども、俺は無我夢中に彼女を貫く。
最初こそスムーズに入ったが、途中から膣壁がぎゅうぎゅうと俺の逸物を締め付けている。
「ぐ……き……つ、い……」
「い……痛い……あ、あ、いっ……」
「桜、華ぁ……、はぁっ、はあっ、大丈夫、か……」
 俺は腰の動きを止めた。しかし、桜華は不満気な表情で俺を見た。
「お、お構いなくと……いった、はずで、す……このまま、貫い、て、ください……!」
「う、うん……!」
 桜華は口では強がってはいたが、俺の服が破けそうなくらいの強い力で掴んでいた。どれほどの痛みが彼女を襲っているのだろうか。
それでも彼女に応えなければいけない。俺は一旦腰を引いて、その反動で彼女を再び貫いた。そして、ついに彼女の最も奥まで辿り着いた。
彼女の太もものに血が垂れているのが見えて罪悪感を覚えたが、この気持よさの前に吹き飛んでしまった。
「はあっ、はぁ……桜華、俺たち、繋がってる……一つに、なったよ」
「わ、私も、あなたが、中に、いるのが、わかります……な、中で……もっと、大きくなって……」
 どうやら、俺の知らないうちに俺の逸物はどんどん元気になっているらしい。まあ、無理もない。
「んんっ、はぁ、そ、それじゃあ、動くよ……」
 そこからは、ただ快感に身を任せた。腰の動きが知らない間に激しくなっていく。
「んん、ふぁっ、お、桜華っ! 気持ちいいよっ! すごくッ!」
「ああっ、あああああんっ!! ひあぁっ、わ、わたっ、はあっ! おかしく、なり、そ、う……!」
 俺の身体の中にある熱い何かがドロドロに溶けていく感覚が、俺達の行為の終焉が近付いていることを示していた。
「桜華、もう、はぁっ、すぐだっ、もうすぐ、終わる、よっ!」
「ふああああああああっ! 小波っ! わた、私、どうにか、なっ、て……!」
 いままで味わったことのない快感が、俺の体中を支配している。もう、後はすべてを吐き出すだけ。
「桜華っ! もうっ! 俺っ! 出るっ! 出すよっ!」
「わた、はぁ、はぁ、もう……! お願い、しま、す、私、はっ……」
「桜華ああああああああああっ!」
「小波っ! 小波ぃっ!!!」
「ふあっ、あっ、う、うああああっっ!!!!」
「あっ、はぁっ! ああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」
 俺と桜華は、同時に果てた。ありったけの白濁液を、俺は桜華の中へぶち込んだ。逸物がドクドクと脈を打っている。
桜華の膣内も、俺の精液を搾り取るかのように俺の逸物を締め付ける。全てを注ぎ終わると、体中の力がへなへなと抜けていった。
 しかし、俺以上に桜華は大変なことになっているかもしれない。意識ははっきりしているようだが、完全に力が抜けている。
「はぁ、はぁ、はぁ……桜華、大丈夫?」
「だ……大丈夫、ですわ。ちょっと、力が入らないのですけれど……」
 桜華は俺以上に息が切れている。顔中が汗にまみれている。その姿は俺にとって、この世で最も美しいものだ。
「桜華、すごく綺麗だよ。今まで見たことのないくらいね」
「そ、そんなことを言われると照れてしまいますわ」
「だけど、このいちばん綺麗な桜華は、俺だけのものだ。誰にも見せたくない。……っていうのは、ちょっと傲慢かな」
「小波……いいえ、私は貴方だけの女ですわ。だから貴方も、私だけの……男になってください」
「ああ、約束するよ」
 俺は射精後の余韻に浸りつつ、桜華とキスをした。一度だけでは飽き足らず、二度三度、口腔をじっくりと味わった。 
「あなたのキス、とても素敵なものですわ。いつも、私を気持よくさせて下さる……」
「そう? だったら、なんどでもやってあげる」
 ……まだ料理は完成していないけれど、もう少しだけこのままでいさせて欲しい。
俺は少しだけ、我侭な願い事をした。

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