日本警察の階級

警察法第62条により9階級に区分される。

警察法第62条

警察官（長官を除く。）の階級は、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査とする。

長官は階級を持たないため階級章がないが、警視総監の階級章より日章が1個多い計5個の日章を配したものを「警察庁長官章」として規定し、肩章として着用している。

巡査部長への昇進が困難な巡査（昇進を望まずあえて試験を受けない者も含む。）のうち一定の条件を満たすものを「巡査長」に任命する制度がある。職責や待遇は巡査より上がり巡査長としての階級章も付与されるが、国家公安委員会規則で設けられた制度のため正式な階級ではなく、法律上は巡査である（正確を期す際は「巡査長たる巡査」などという）。

警視監、警視長、警視正の階級にある者のうち警察庁（管区警察局を含む）に勤務している者は国家公務員であるが、都道府県警察に勤務する者（警視総監も含む）も国家公務員であり、この場合特に地方警務官と呼ぶ。警視、警部、警部補、巡査部長、巡査（巡査長を含む）の階級にある者のうち警察庁（管区警察局を含む）に勤務している者は国家公務員だが、それ以外の都道府県警察に勤務する者は地方警察職員と称される地方公務員である。

そのため、警視以下の階級にある場合、国家公務員なら警察庁警視、警察庁警部など、地方公務員なら～県警視、～県警部など（東京都の場合は警視庁警視、警視庁警部など）と称するのが正式な官名である。

階級と主な役職の関係図

階級＼所属	警察庁	警視庁	県警本部	所轄署	例
---	長官	---	---	---
警視総監	---	警視総監	---	---
警視監	次長、局長、審議官	副総監	本部長	---	浅見陽一郎（浅見光彦の兄）
警視長	課長	部長	本部長、部長	---
警視正	室長、理事官	参事官、課長	部長	署長
警視	課長補佐	管理官、課長	課長	署長、副署長	室井慎次（「踊る大捜査線」シリーズ）、真下正義（「踊る大捜査線」シリーズ）
警部	係長	係長	課長補佐	課長	十津川（省三）警部、狩矢警部、杉下右京（「相棒」シリーズ）、目暮警部（「名探偵コナン」シリーズ）
警部補	主任	主任	係長	係長	古畑任三郎、矢部謙三（「TRICK」シリーズ）
巡査部長	係	係	主任	主任	亀山薫（「相棒」シリーズ）
巡査	---	係	係	係	今泉慎太郎（「古畑任三郎」シリーズ）

※例は主な階級を表しているのみであり、昇進や降格している場合もある。

キャリアとは

国家公務員Ⅰ種試験の合格者から、将来の幹部候補生として警察庁が採用したエリート達のことをいう。
キャリアとは警察庁だけでなく、各省庁同様の呼び名である。

キャリアは警察庁に入庁した時点から、いきなり警部補からスタート。キャリア組には昇進試験などはなく、入庁後、警察大学校で幹部となる帝王学を学び、警察署で見習い期間を経るなどしたのち、警部に昇進する。
ここまで１年というハイペース。その後、警察庁で２年勤務し、再び大学校で教育を受ければもう警視。
25～26歳で所轄の警察署長になり、ここからは警察庁や都道府県警察などを行き来し、その間に階級や役職も上がり、出世街道をひた走る。

ノンキャリア

ノンキャリアは巡査から始まり、警部までは階級ごとに昇進試験を受け合格しなければ、出世の道はない。
大卒の場合、実務経験１年（高卒なら４年）で巡査部長への受験資格を得られる。合格すれば、さらに１年（高卒は３年）で警部補の受験資格。そしてそれに合格すればさらに４年（高卒も同じ）で警部の受験資格を得る。順調に合格していけば30歳で警部になれるが、現実はそう甘くはない。
ましてや、ノンキャリアが定年までに警視以上になることは、至難の技に近いそうだ。

参考資料

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