[418] ゲリラ兵 ◆aoh7uwFueg sage 2007/12/26(水) 06:46:37 ID:pL+mLWM2
[419] 〜リインフォースに花束を〜 ゲリラ兵 ◆aoh7uwFueg sage 2007/12/26(水) 06:48:24 ID:pL+mLWM2
[420] 〜リインフォースに花束を〜(3/3) ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE sage 2007/12/26(水) 06:49:20 ID:pL+mLWM2

 うっかり森の中で未解読の召喚魔法をこっそり試してみたら、超かっこいい銀髪のお姉さんがでてきてびっくりー!
――なんて浮かれている場合じゃないよね……と目の前の現状を見つめなおすキャロ。
まさか自分の目線より遥かに背の高いお姉さんに、貴方は私の使い魔ですか?と問うわけにも行かず見上げたまま固まっていた。
しかし茶色い大きな本を持った黒いぴったりとした腕の見える衣服と長さの違う黒いソックスのその人の第一声は、意外なものであった。
「貴方が私のマスターか?」
「は、はい……?ま、マスター、ですか……」
「そうだ……呼び出したのは貴方では?」
「あ、はい、そうですけど……貴方は?」
「私の名前は、リインフォース」
「え?リィンさん……?はやてさんのところの?」
「……!?何故その名前を」
「この間まで同じ部隊に居ました!私は、キャロ・ル・ルシエ。アルザス出身の竜召喚師です」
「なるほど……。主は、壮健であられるか?」
「はい。とっても元気です!色々お世話になりました」
「そうか。しかしその様子だと私を呼び出した理由がよくわかっていないようだが……」
「は、はい……実は良くわからない召喚魔法を見つけて、試してみたくて、その――」
その答えを聞いて、咎めるように一度だけ瞼を閉じて開いた。
「よくわかりもしない魔法を試しに使ってみるなど感心しません。
特に召喚魔法であれば制御できない魔物を呼び出してしまう可能性もあることは召喚師であれば、最低限の心得として教わったことでしょう?」
「は、はい……ごめんなさい」
いきなりお説教されてしまうが、非が自分にある上に説得力もあって素直に受け入れるしかなかった。
素直に謝った可愛らしさに微笑むと、そこで片膝をつく。
下から見上げられる赤い目はとても優しくて安心感があって、キャロは怯えずに済んだ。
「貴方は私を呼び出してしまった以上、選ぶ権利があります。他の参加者を私を使役して全て倒して望みを叶えるか、
辞退して生き延びるか――それは自由です」
「他の参加者って……?」
「今貴方が私を呼び出せたという事は、近い世界――もしくは貴方に関係する人達が似たような状況になっているはずです。
その人たちと戦って、最後の勝利者となればありとあらゆる望みを叶える事ができる、と言われています」
「そ、そうなんですか……よくわかりませんけど、私は特に望みは――」
それを聞くと、残念そうに少し俯いた。
「そうですか……できれば再び主の所へ戻りたかったのですが、それでは仕方ありませんね」
「あ、あああ!待って待って!」
「え?」
「私、お手伝いしましょうか?」
「……いえ、でも貴方を危険に晒すわけには」
「でも、リインさんは、八神部隊長――えとはやてさんのところへ戻りたいんですよね?」
「それは、そうですが」
「だったら私、お手伝いします!やらせてください!」
真っ直ぐな瞳に少し悩んでしまう彼女であったが、立場は一応呼び出された側であるから意思は尊重しなくてはならなかった。
「わかりました――。そこまで仰るのでしたら、お願いいたします。ですが、危険を感じたら、すぐ棄権をしてください。これだけはお願いします」
「はい!」
「それで、私のクラスなのですが――」
「クラス?」
「役職といいましょうか、この戦いにおける呼び方のようなものです」
「ほえ?」
????をいっぱい浮かべる彼女に説明は諦めて、そっと立ち上がってから自分の割り当てのみを告げる。
「私は――バーサーカーのようですね。今は十分制御できていますが――生前の行いのせいかもしれません」
「バーサーカー、ですか……強そうです」
「そうですね……強さよりも相性が大事なのですが。とりあえず過去や未来の時を止めて呼び出されていますから、魔法も蒐集されたものが使えそうです。
少なくとも主に会うまでは、負けるわけには行きません。行きましょう」
「はい!」


 そしてほぼ同じ頃、同じようにうっかり森の中で――しちゃったルーテシアの目の前には、超おばさんの癖に胸の開いた派手な服の
杖を持った感じが悪く目つきの鋭い魔導師がいた。
「え、えと――」
「なに?貴方?私を呼び出してくれたのは」
「は、はい多分……」
「ふん、キャスターね。まあいいわ。私はプレシア・テスタロッサ。お前は?」
「わ、私はルーテシア……」
「そ、まあいいわ、名前なんて」
とどこからか丸い武器を取り出していきなり長い紫色の髪の少女に突きつける。
「え、え!?」
「私は向かう、アルハザードへ!そして取り戻すのよ、全てを!」
「ぎゃああああああああああああ!?」

――ルーテシア&プレシア組――契約破棄によりリタイア


 そしてほぼ同じ頃、うっかり転送魔法の術式を間違えたフェイトの目の前には、雑な赤い髪の長身の男性が現れていた。
手に持つはどうみてもストラーダ。BJもさすがにズボンの裾は長くなっているが自分の意匠と良く似た元ライトニング隊のもの。
そして、真っ直ぐな瞳は間違いなくエリオであった。
「え、エリオ?」
「ふぇ、フェイトさん!?」
「うわあ、うわあ!すごい、背私より高い!かっこいい!」
「え、え?あ、あのその、僕は、あのランサー、らしいのですが」
「ん?あ、とりあえずちょっとお茶しながら話そうか」
「あ、はい……」
(わー、すっごい素敵になってる、どうしよう、どきどきしてきた)
お茶の後、映画を見て、食事に行って――本来の目的はあっという間に忘れ去られたとか。

――フェイト&エリオ組――目的間違えてリタイア


 そしてほぼ同じ頃――したエリオの目の前には、ザンバーフォームのバルディッシュを携えた、エリオと背丈が同じぐらいのフェイトが現れていた。
「え、え……?」
「貴方が私のマスター?」
現在とは違い、BJも随分色っぽい意匠で目もきりっとしている癖に可愛らしいが――どうみてもフェイトであった。
「ふぇ、フェイトさん?」
「え?何故私の名前を……」
「あ、えーっと……僕は、エリオ・モンディアルといいます。いつも、フェイトさんにお世話になってます」
「そ、そうなんだ。ごめんなさい、それは多分未来の私だから――」
「あー、なるほど……」
少しだけ申し訳なさそうに瞳を伏せた、その金髪の少女はとても儚げで可愛らしくて、思わず見つめてしまう。
「えと、それでね。私はセイバーみたいなんだ、エリオ……君」
「は、はい……フェイト、さん」
「呼び捨てでいいよ」
「あ、じゃ、じゃあ……フェイト」
「うん」
そこでにっこりと微笑まれて、その笑顔にとくん、と胸が脈打つ。
(すごい、可愛い……)
「とりあえず、色々説明するね」
「う、うん……」

――ちっこいフェイト&エリオ組――多分成立


 とある訓練場でウィングロードを起動したはずのスバルであったが、何故かぴっちぴちのピンク色のボディコン服姿の
ウェンディがボードを持って現れた。
「あ、あれ?ウェンディ?」
「およ?スバルさんちわっす!」
「なんでウェンディが出てくるの?私魔法間違えた?」
首を傾げるスバルに簡潔に説明する。
「離島にいる自分は私とは別物っす!とりあえず戦って勝てばOKっす!あと私はライダーっすからよろしくっす!」
「うーん、よくわからないよ?」
「つまり姉と生き別れたり、身内にひどい目に遭わされたりする役回りっす!」
「別にギン姉と生き別れてないし、父さんにもひどいことされてないんだけど……」
「もしかしたらたゆんたゆんになれるかもしれないっすよ?」
「えー、たゆんたゆんになってもなあ……」
「じゃあ、暴走したスバルさんをギンガさんが命がけで止めるとかどうすっか?」
「おお?それなんかかっこいいかも。どういうこと?」
「つまりっすねー……」

スバル×ウェンディ組――成立したけど勘違いしてそう


 そして――休憩室でコーヒーを飲んでいたティアナの目の前のソファーに、何故か天井を突き破って赤い長いコートを羽織った黒い服の男性が
ふてぶてしく――はなく、割と楽しそうに足を組んで座っていた。
ただ、その挑発的な金色の瞳と紫色の髪は、どっからどうみてもドクター・ジェイル・スカリエッティーであったが。
「え、えと……私が、ツインテでツンデレだからってのはまだわかるんだけど、アーチャーならシグナムさんとかなんじゃないの?
どうしてあんたがでてくるのよ……」
「いや、ほら、あれだ。私の開発コードネームはアンリミテッド・デザイア。彼の固有結界もアンリミテッド――」
「そっちかー!」

――ティアナ&スカリエッティ組――成立


 それから紆余曲折を経て、元フォワード隊4人はそれぞれの相棒を引き連れて、立会い役と呼ばれる人の存在を探し出し、
聖王教会に属する片田舎の教会へと足を踏み入れると、祭壇の前に立っていた神父服姿の茶色いサイドポニーの人が振り返った。
「ようこそ!迷える子羊の諸君!求めるは贖罪かね、断罪かね――それとも戦いかね」
随分劇画チックな台詞ではあるが、まあどっからどうみてもなのはさんなのであるが。
ティアナが代表して突っ込みを入れる。
「あ、あのーなのはさんが、立会い役なんでしょうか……?」
「うん、そうだよー。私が見届ける役なのー。怖くなったら棄権して保護を求めてここにくればいいのー」
「は、はあ……」
「で、最後に残った人が、前回の優勝者と戦うのー。つまりラスボスね」
「え、前回の優勝者って誰ですか?」
「それは私なの!」
「スバル、エリオ、キャロ」
「うん」
「はい」
「はい」
「「「「棄権します」」」」
「えええええええ、ちょ、ちょっと待ってー!そんなー!全ての世界の本のオリジナルを収めた無限の書庫の出番がー!」


――魔法少女リリカル聖杯戦争――完



著者:どっかのゲリラ兵

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