[421]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:21:53 ID:SXllk9SZ
[422]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:24:00 ID:SXllk9SZ
[423]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:27:01 ID:SXllk9SZ
[424]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:29:15 ID:SXllk9SZ
[425]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:32:09 ID:SXllk9SZ
[426]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:34:28 ID:SXllk9SZ
[427]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:37:10 ID:SXllk9SZ
[428]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:40:15 ID:SXllk9SZ
[429]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:42:38 ID:SXllk9SZ
[430]Three lovers night<sage>2007/09/02(日) 19:45:03 ID:SXllk9SZ

 機動六課の訓練場では、今日も今日とて隊員達による訓練が行われている。
 桃色の魔力光が複雑な曲線を描いて飛び回り、金色の閃光がその隙間をかい潜って射撃主に肉薄
しようとする。スターズとライトニングに別れての模擬戦。
 そんな様子を、ユーノとクロノは訓練場対岸から見ていた。
 本日は無限書庫の仕事が奇跡的と言っていいほど少なく、定時よりだいぶ早く終わった。無限書
庫の整理自体は大分前に終わっており、書きかけの論文等も特にない。
 やる事が無いという何年ぶりかの状態に何をしようかと考えていると、アルフが提案したのだ。
『なのはの仕事場にでも言ってきたら?』
 機動六課については恋人から色々と話を聞いているため、部外者と思えないほど内部のことには
詳しいが、実際に行って見たことは一度もない。行こう行こうと思いつつ、仕事にかまけて機会が
なかったのだ。
 周りの職員もそれがいいと口をそろえて賛同し、背中を押される形で定時より二時間も早く仕事
場を出ることになった。
 うちの職員は他人の恋愛事となるとなぜああも一致団結するのか、と愚痴りながら来てみれば、
入り口でクロノとばったり出くわした。
 聞いてみればこちらは休日で、昼過ぎまで惰眠を貪って体力回復に努め、起きてから特にやる事
もなかったためフェイトの職場見学に来たらしい。
 かくして男二人並んで恋人の仕事風景を眺める、というけったいな状況が出来上がったのだ。
「君も混ざってきたらどうだ?」
「最後に実戦をやってから何年経ってると思ってるんだ? 無限書庫に詰めっぱなしで、すっかり
体力も勘も鈍ったよ。君こそフェイトと一緒に教えてやれよ」
「負けたら恥ずかしいからやめておく」
「そんなこと、どう間違ってもありえないと思ってるくせに」
 クロノが艦内では提督服ではなくバリアジャケットを着ていることが多いのは、服飾に無頓着なだ
けでなくいつでも前線に立つという覚悟の現れであり、そのための鍛錬を欠かしてないことをユーノ
は知っている。Bランクの新人相手なら、万に一つも負けやしないだろう。
 こいつ変わったな、とユーノは思った。以前なら、冗談でも自分が負けるなどとは言い出さなかっ
たはずだ。性格が少し軽くなったのは、生涯隣にいてくれる人が出来たからか。
 なら自分も変わりつつあるのか、とユーノがぼんやり考えていると、第三者の声がかけられた。
「あんたら、六課の関係者かい?」
 振り向けば、管理局の制服を着た男が立っていた。がっしりとした体つきで、髪の毛に白いもの
がだいぶ混じっている。六課の制服を着ていない二人を面妖に思い、声をかけたのだろう。ちなみ
にユーノは一度自宅に帰ったので、二人とも私服である。
 男性にユーノは見覚えがなかったが、クロノは知っているのか敬礼した。
「ゲンヤ・ナカジマ三等陸佐ですね。お初にお目にかかります。戦艦クラウディアの艦長を務めて
いるクロノ・ハラオウンです」
「おっと、これは失礼しました。陸士108部隊長のゲンヤ・ナカジマ三等陸佐です」
 男も敬礼を返して、改めて名乗る。名前には聞き覚えがあった。たしかなのはの同僚であるスバ
ル・ナカジマの父親だ。

「提督は六課の後見人をされておられましたね。今日はなにか御用で?」
「今日は休みで、プライベートな用事です。ですから敬語は結構です」
「しかし」
「年上から敬語を使われるのは慣れてますが、あまり好きではないので」
「……分かった。だったらお言葉に甘えて、楽にしゃべらせてもらうぜ」
 堅苦しい性格ではないのか、敬礼を解いたゲンヤはあっさりとクロノに提案に従った。
 その視線が、それであんたは誰だいとユーノに向いた。
「僕は……」
 ユーノも自己紹介しようとしたところを、クロノが割り込んだ。
「こちらは高町一等空尉の使い魔です」
「おい!?」
「今は人間の姿をしていますが、正体はフェレットもどきです」
「君はまだそのネタを引っ張るのか!? もう十年は続いてるぞ!」
「事実だからしかたないだろう」
 にやりと笑うクロノ。やっぱりこいつは変わった。ろくでもない方向に。
「それを言うなら君は妹に手を出したシスコン犯罪者だ!」
「悪いがもう妹じゃない。婚約者だ」
「むかつくなあ、そのいい笑顔!」
「えっと……つまりメガネの兄ちゃんはあんたの友達か?」
「無限書庫司書長のユーノ・スクライアです!」
 今度はクロノに邪魔されまいと、ユーノは早口で名乗った。
「こっちも偉いさんだったのか。あんたにもこういうしゃべり方でいいかい?」
「僕もプライベートで来てるんで、構いませんよ」
「そういうナカジマ三等陸大佐は何の御用で?」
「こないだ合同捜査みたいなことをやったんだが、それに関する書類にちょいと不備があったんで
な。ついでに、娘の様子を見とこうっていう親馬鹿だ」
 他にも野暮用が色々あるけどなと言いながら、ゲンヤは訓練場に目をやった。そちらでは、スバ
ルのウイングロードが宙に綺麗な線を描いている。
「まだ続きそうかい?」
「暗くなるまでやると思いますよ」
「だったら先にこっちの用件済ませておくか」
 じゃあな、と去っていくゲンヤ。その後姿に目をやりながら、ユーノはクロノに訊ねた。
「君ははやてとナカジマ三佐が付き合ってるのは知ってるかい?」
「ああ、フェイトからそう聞いてる」
「あんなに年が離れてて、大丈夫なのかな?」
「はやてはしっかりしてるし、ナカジマ三佐も悪い噂は聞かない。二人が愛し合ってるなら、それ
でいいだろう」
「妹と交際してる奴が言うと重味があるね」
「だからもう妹じゃないと言っているだろう」
 軽口を叩きあいながら、二人はまた模擬戦の観戦に戻った。
 いつのまにか、夕陽がビルの影を伸ばし始めていた。


       Three lovers night   ユーノ・スクライアと高町なのはの場合


「よし、終わった」
 画面を閉じて、ユーノは一つ大きく伸びをした。時計を見れば、日付が変わっている。広い仕事
部屋には、ユーノ以外誰もいない。
 模擬戦を終えたなのはを出迎えてみれば、これから書類仕事がだいぶあると言う。
 なら時々無限書庫の手伝いをしてくれるお礼に、と今日はユーノがなのはの仕事の手伝いを申し
出て今に至る。本当は完全な部外者に手伝わせるのは問題ありなのだが、部隊長が「ええよ」の一
言で許可した。ついでに「あんまりいちゃつかへんようにしいや」と茶化された。
 ふわ、と一つあくびをすると、顔の横にカップが差し出された。
「ご苦労様、ユーノ君」
 ユーノより十分ほど早く仕事を終え、なにか飲み物を持ってくると給湯室に行ったなのはだった。
 どうも、と渡されたコーヒーをすする。自分の仕事場でも散々飲みなれたインスタントの味で正直
うまくもなんともないが、なのはが淹れてくれたというのがうれしい。
「それにしてもずいぶんな量だったね。これじゃ、なのは一人だとあと三時間はかかってるよ」
「うん、そうだね。私はフェイトちゃんみたいに早くないから」
「なのはは平均的だよ。フェイトの早さがおかしいんだ」
 元義兄仕込みであるフェイトの書類決済スピードは、六課最速と言っていい。
 二人でコーヒーを飲みながらの語らい。まったりとした心地よい気分に浸りつつあったユーノは、
ふと気づいた。なのはが話しながら何度か軽く首を回すのだ。そのたびに、小枝を折るようなポキ
ポキという音がする。
「なのは、肩こってる?」
「うん、ちょっとなにか乗せてるみたいに重い感じがするの」
「じゃあ揉んであげようか」
「ええっ、悪いよそんなの。お仕事手伝ってもらったうえに肩揉みなんて……」
「いいから。ほら、座って座って」
 遠慮する恋人をやや強引に椅子に座らせ、背後に回って肩に手を置く。適当な場所を指で押して
みれば、ずいぶんと強張っている。
「このへんでいいかな?」
「うん、ちょうどいいよ」
 始めてみれば、なのはも案外素直に肩揉みを受け入れた。よっぽど肩がこっていたのか、それと
もユーノが自分のためになにかしてくれるというのがうれしいのか。
 力を入れすぎないように気をつけながら、固まった筋肉を揉みほぐし始めた。


 この時点で、ユーノに下心は欠片も無かった。なのはがリラックスしてくれればいいという純粋
にそれだけの考えである。
 しかし事態は思惑の斜め上をすっ飛んでいく。


「ふはぁっ…………そこ、もっとおねがい……」
「…………」
「んんっ! 気持ちいいよ、ユーノ君……」
「…………」
 いつまにか、ユーノはだらだら汗をかいていた。空調の故障などではなく、なのはのせいである。
 声が艶っぽすぎる。おまけに口から出る言葉が、肩を揉まれている時ではなくベッドの中にいる
時に言いそうなことばかりである。
 冷静に分析してみれば、マッサージの時に言ってもおかしくない言葉ばかりなのだが、一回意識
してしまえばそこで終わり。もうどうやっても喘ぎ声としか思えなくなる。
 始めこそ邪なことを考えてはいけない、と自分に渇を入れていたユーノだが、今は男性ならこう
いうこと考えるのが普通だよね、という方向に心が傾きだしている。理性がだいぶ危ない。
 もういっそこの場で押し倒してしまいたいが、神聖な職場でそんなことするのはいけないという
ことで、なんとかユーノは己を保っていた。
「……ユーノ君」
「な、ななななにかな」
 いきなり声をかけられ、まさか邪念を見破られたかと慌てふためくユーノ。
「首の後ろもお願いしていいかな」
 そんなことはなく、ただのリクエストだった。
「あ、うん、くび。くびのうしろね」
 とちりまくりながらそちらにかかろうとしたユーノの目に飛び込んできたのは、眼前にありなが
ら今の今まで気づいていなかったもの。なのはのうなじだった。
 栗色の髪の生え際から服の襟までに存在する、もう一つの絶対領域。外での活動が多いのに日焼
けせず、真っ白でほっそりとした首筋。そこに、たらりと一滴流れ落ちる汗。
 ごくりと生唾を飲み込む。まだ肩に置きっぱなしだった手に、思わず力が入った。
「あはぁぁん!!」
 ツボを強く刺激されたなのはが上げた声は、ユーノの耳から脳に達し、わずかに残っていた理性を
粉々に叩き壊した。

「…………なのは」
 猫なで声で、ユーノはささやいた。
「首筋よりもね、もっといいところがあるんだよ」
「どこなの?」
「耳さ」
 言葉を続けながら、指をなのはの耳に持っていく。
「この間、読んだ本にあったんだ。耳を刺激することで、全身の血行を良くする方法があるんだっ
て。ためしにやってみていいかな?」
「かまわないよ」
 全く疑いもしないのか、うなづくなのは。かすかに罪悪感が芽生えたが、もはや頭の九割を占め
る欲望に蹴飛ばされてどこかに消えた。
「じゃあやるね」
 ユーのは耳の輪郭を指でなぞりだした。触れるか触れないかという絶妙の加減を保って外側、続
いて内部に指を這わす。
「……そんなのでいいの?」
「ツボを押すわけじゃないからね。ただ、耳たぶだけはちょっと強くするんだけど」
 言いながら、耳たぶをふにふにといじる。搗きたての餅のように柔らかい。
 そうやってすること五分。なのはに変化が現れた。呼吸をする回数が増え、横顔がほんのりと染
まる。耳をすましてみれば、息にはかすかに艶が混じっているのが分かる。目論見どおりになった
ことに、ユーノは内心にんまりと笑う。
 なのはは耳が弱いのだ。乳首や秘芯といった直接的な性感帯を除けば、その敏感さは身体の他の
部分と比べ物にならないほどに。以前、試しに耳だけ徹底的にいじくりまわしてみたところ、それ
だけで達してしまったぐらいである。
 自分でも気づかないまま、少しずつ高ぶっていく恋人を冷静に観察するユーノ。そして次の段階
に進んでもよいと判断した。
 触れているのと反対側の耳に、ふっと息を吹きかける。
「ひゃん! な、なんなのユーノ君?」
「ごみがついてたんだ」
 しゃあしゃあと嘘を言いつつ、そのまま口を耳元に近づけた。
「夜もふけてきたね。みんな寝ちゃってるだろうな」
「そうだね」
「もうこんな所に来る人なんていないだろうね」
「……うん」
「きっと朝までいても、誰も来ない。二人きりだ」
「…………」

 これから起こる事を想像するようにしむける言葉を選び、なのはの耳に送り込んでいく。
 ユーノが一言つむぐたびに、なのはの頬の赤みが加速度的に深くなる。予測よりもずっと早い。
 もう少し色々しようと思っていたが、これは一気に最終段階に行ってもいいかもしれない、とユー
ノ考える。考慮が決断になるまで、さほど時間はかからなかった。
「最近はなかなか会えなかったね」
「…………う、うん」
「寂しかったよ。なのははどう? 僕と会えなくて寂しかった?」
「わ、私も寂しくて……」
「一人で慰めてたりした?」
 話題の唐突すぎる飛躍。驚いたなのはの顔がこちらを向く瞬間を狙いすまして、強引に唇を奪っ
た。
「むぐぅ!?」
 間髪いれず舌をねじ込む。同時に左手を胸元に回して、服の上から胸を揉みしだいた。
 反射的になのはが暴れるが、そうはさせじと右手で肩を抱き締め動きを止める。
 たっぷり口の中を舐め回してから唇を離した。
「ユーノ君! いきなりなに……」
「僕はしてたよ、一日一回。なのはのエッチなこと想像しながら」
「え、ええ……?」
 混乱している恋人の顔にぞくぞくしながら、ユーノは口を休めない。手も止めない。
「僕はそんなになのはのことを想ってたのに、なのははしてないなんて薄情だね。僕のこと嫌いに
なった?」
「わ、私、ユーノ君のこと嫌いになれるわけ……」
「じゃあしてたんだ?」
「それは……」
「こんなふうに?」
「んはあぁ!!」
 手の平で、胸の頂点付近を強くこすった。服と乳首が擦れ合わさるように。
 そうしながら、口は再度弱点の耳を責める。耳の穴にねっとりと舌を入れる。
「してなかったって言うんなら、溜ってるよね。たっぷり可愛がってあげるよ」
「駄目……だめだよユーノくぅん」
 口ではそういうなのはだが、身体はしっかり反応している。服とブラジャー越しでも分かるほど
に乳首は固く隆起していた。
 自分では小さいと気にしている胸だが、周りに規格外が多いだけで十分に大きい方である。なに
より、ユーノの手の平にぴったり合うサイズなのがいい。
 すっぽりと手で覆って、指を動かす。さっきの肩揉みの要領に近いものがある。違うのは、こち
らは揉めば揉むほど乳房に張りが出てくることか。

 スカートのスリットから手をもぐりこませてみれば、すでに濡れ始めている。触ればショーツの
上からでも割れ目がくっきりと浮き上がっていた。
 ショーツごと、指を裂け目の頂上から侵入させる。指先に捻りを加えながら愛液を掻き出してや
れば、喘ぎが悲鳴といっていいほど高くなる。
「い、いや……さ、触らないで……んあぁ!」
 静かな部屋に響くのは、なのはの嬌声のみ。
 ただ一人その音色を楽しむユーノの頭は沸騰しそうになり、はやく恋人と一つになりたいとも股
間も猛っている。
「やだあ……はぅん! ……だめなのぉ」
 なのに、なのはは頭を振って駄目を繰り返すだけである。
(強情だな。いつもなら、そろそろねだってくるはずなのに)
 手についた愛液をねぶりながらユーノは考える。やはり場所が場所だからか。真面目ななのはに
とって、仕事場でするというのだけはどうあっても譲れない一線らしい。
 半分うわ言みたいなものであるし、このまま強引にやってしまってもなのはは流されるだろうが、
ここまで頑なになられるとどうしてもその意地をへし折って、自分から求めさせたくなってしまう。
(ふむ……)
 なのはを陥落すべく、色々と計略を考えるユーノ。このまま身体を責め続けるのはたぶん効果的
ではない。やるなら搦め手でいかねば。
(ちょっと賭けになるけど、これでいこうか)
「わかった。やめる」
 策をまとめたユーノは、いったん全ての行動を止めてなのはを解放した。
「ふぇ……?」
 まさか本当にやめるとは思ってなかったのであろう。なのはは蕩けた顔をこちらに向けて呆然と
している。
「どうして……」
「やめてって言ったのはなのはじゃないか? おっと、もうこんな時間だ。早く帰らないと」
 時計を見て白々しくつぶやき、荷物をまとめだす。
「じゃあおやすみ、なのは」
 ひらひらと手を振って、ユーノはドアに向った。
 こうすれば、身体が火照りきっているなのはは間違いなく呼び止める。しかしそうならなかった
場合は、今晩の相手は彼女から右手にランクダウンしましたという情けない結末が待っている。ま
さにのるかそるかの大博打。
 十中八九なのはは引き止めにくる、とユーノは見ていた。だがドアを出るところまで来ても、恋
人は無言のままである。
 これはしくじったか、と内心頭を抱えた時である。
「…………待って」
 かすれたような小さな声がした。
 心の中の自分がガッツポーズを取った。なぜかフェレットモードで。

「うん? なにか用?」
 それでも言葉はなお白々しいまま、ユーノは振り返る。
 椅子から立ち上がったなのはの表情は、お菓子を食べてる最中に取り上げられた子供のように半
泣きだった。しかし子供と違い、顔に浮かべた感情の半分は淫欲である。
「ひどいよユーノ君……こんなにして、そのまま置いていくなんて……最後までちゃんとしてよう」
 スカートの股間部分は、ショーツを濡らしきった愛液で染みが出来ている。放っておけば、腿か
ら垂れてきそうだ。
「最後ってどこまで?」
 だが、まだユーノはなのはをいじめる。本当に、心の隅々まで堕とすために。
「さっきみたいに、胸を揉んだりあそこを触ったりするぐらいでいいのかな」
「…………もっと」
「もっとって? ちゃんと言ってもらわないと分からないよ?」
「……ユーノ君の……私に挿入れて。最後まで、イカせて……」
 もうちょっと直接的な言葉が欲しいところだが、こんなもんでいいだろう。なにより、ユーノも
いいかげん我慢の限界に来てる。
「分かった。なのはの望みどおりにしてあげるよ」
 ユーノの言葉で、なのはの顔が笑顔になる。いつもの太陽のような笑みではなく、蕩けた淫卑な
それに。
 部屋の中へ戻り、その笑顔に口付ける。
「机に手をついて。……もうちょっと前の方に」
 なのはに指示を出し、ユーノが望む体勢を取らせる。机の奥に手をつかせ、ほとんど腹這いにな
る形。必然的に突き出されたお尻のスカートをめくりあげる。
 ショーツも脱がせる手間も惜しかった。ジッパーを下ろして引き出した男根を、ショーツの横か
ら突き入れた。
「はっ、ああぁああんっ!」
 それだけでなのはの全身が痙攣する。
「もうイッちゃった?」
「だって、ユーノ君が途中で止めたりするから……」
「いくらなんでも早すぎるよ」
 そう言いながらも、実はユーノの方もかなりやばい。入るのは容易いくせに、その後信じられな
い強さで締めつけてくる膣壁。その強さがいつも以上である。気を抜けば一発で放ってしまいかね
ない。
(そういえば、前に外でやった時もこんなんだったっけ)
 誰かに見られてもおかしくないという状況が激しくなのはを興奮させ、その内部までも変質させ
ている。
 とりあえずこのきつさに慣れるべく、小刻みに出し入れする。
「あっうっ! やぁっ……」
 その程度のことでも、今のなのはには過敏な刺激になるのか、引き抜こうとするたびに無数の柔
肉が陰茎に絡みついて引き止めようとする。突き入れれば、ねとりとまとわりついてくる。
 これでは慣れる前に射精してしまう、と判断したユーノは、逆に腰の動きを加速させた。こうな
れば、自分よりも早くなのはをイカせるしかない。
 そのためには、もっとなのはを追い詰めなければいけない。

「そういえばさ、なのは」
 啼き続ける恋人の耳元に口を寄せた。
「部屋に戻る時、鍵をかけ忘れたんだ」
 ユーノの言葉に、びくりと快楽とは違う理由でなのはが大きく震えた。
「防音結界も張ってないし、誰か声を聞いて来ちゃうかもね」
「そんな……」
「そういえば、さっきドアが開く音がしたような気がするなぁ」
 無論、そんな音はしていない。だいたいドアが開けばなのはも気づくはずだ。しかしいっぱいっ
ぱいな状態のなのはには、ドアが開いたのが事実のように思い込んでしまうはずだ。
「誰かに見られてたら大変だね」
「あは、ぁ……ん、そんなの、そんなの……」
「だけど、なのははそっちの方がいいんだよね」
「えっ」
「だって見られたかもって言ったら、なのはのここ、すごい締めつけてきたんだけど」
 それは事実である。噛みつかれたかと錯覚したほど、なのはの膣内が絞り上げてきた。予測して
いなかったら、間違いなくぶちまけていたところだ。
「見られた方が興奮するなんて知らなかったよ」
「く……う、あ……ぁ、そんなことない!」
「今度は昼間の公園で抱いてあげようか。きっとすごい事になるだろうね」
「違う! 違うの! わたし、そんな変態じゃないぃぃ……!」
 髪を振り乱して泣き叫ぶなのは。だがその意思とは逆に、身体はますますユーノを貪り喰らうべ
く締めつける。
 射精を我慢し続けたユーノの腰は、痺れて感覚がなくなりかけている。最後を迎えるべく、ユー
ノはなのはの上に覆いかぶさるように身体を伸ばした。
「変態でもいいんだよ」
 恋人の目尻の涙を舐め取ってやり、用意しておいた言葉をそっとささやいた。
「どんなになろうが、君はユーノ・スクライアが愛してる高町なのはだ」
 性交を始めてから初の優しい言葉。それが、なのはを絶頂へと導いた。
「あ、ああああああ……!」
 亀頭に浴びせられる潮。その感触で、ユーノは精液をなのはの胎内に注ぎ込んだ。
 腰から脳天まで電流が走る。ひっきりなしに感じていた快感を軽く上回る刺激。
 がくがくと腰を震わせながら、最後の一滴が出終わるまでユーノはなのはから離れなかった。

(……やりすぎた)
 一発出して頭と股間から血の気が引いたユーノは、己の所業を思い出して今更ながらに青くなっ
ていた。
 はたから見れば、嫌がる彼女を卑怯な手口で篭絡したあげく仕事場で犯した、ということになる。
(そういえば、安全日かどうかも聞いてなかった……。)
 数分前の盛っていた自分をぶん殴りたい。
 なのはも相当ショックだったのか、机に突っ伏したまま顔をあげようとしない。
「……なのは?」
 声をかけても返事がない。本気で泣かせてしまったか、と慌てたユーノは顔をのぞきこみ、次の
瞬間そのことを後悔した。
「……ユーノ君」
 なのはは泣いてなどいなかった。代わりにその目には、爛々とした淫欲が宿っていた。
「寂しかった、って訊いたよね」
「う、うん。訊いたけど」
 唇からちろりと舌をのぞかせて、なのはが起き上がる。逆にユーノは退がる。
「寂しかったよ、本当に。何度もユーノ君のこと想って自分でいじったりして、でも全然満足でき
なくて」
「…………へ、へえ」
 頭が冷えたユーノとは逆に、なのははスイッチが入ってしまったようである。
「だから、私が満足するまでつきあってもらうけどいいよね? 答えは聞いてないけど」
 これが出して終わる男性と出されて始まる女性の違いか、と的外れなことを考えながら、ユーノ
は床に押し倒された。
「朝までつきあってもらうから…………ね?」


     続く

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目次:Three lovers night
著者:サイヒ

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