338 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:00:49 ID:/6vr7dO3
339 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:02:12 ID:/6vr7dO3
340 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:03:53 ID:/6vr7dO3
341 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:05:05 ID:/6vr7dO3
342 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:05:55 ID:/6vr7dO3
343 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:07:02 ID:/6vr7dO3
344 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:08:00 ID:/6vr7dO3
345 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:09:24 ID:/6vr7dO3
346 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:10:20 ID:/6vr7dO3
347 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:12:16 ID:/6vr7dO3
348 名前:おっぱい禁止令[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 23:13:11 ID:/6vr7dO3

 我が子が無心で乳を吸っているという光景は、心和むものだった。
 フェイトとクロノの愛の結晶である息子、クロードは元気良くフェイトのおっぱいにしゃぶりついて母
乳を吸っている。
 だが突然、こくこくと動いていた喉の動きが止まった。母乳が出なくなったらしい。
 もうちょっと出ないかと粘って乳首をしゃぶる息子に、フェイトも乳房の根元を揉んで手助けしてみる
が出る気配はない。
 フェイトは反対側の胸もはだけてクロードに与えるがまたすぐに母乳は途切れ、空腹の収まらないクロー
ドの顔がだんだん泣き顔に崩れてくる。

「ごめんアルフ、粉ミルク溶かしてくれないかな」
「またおっぱい出なくなったのかい?」

 家事スキルについてはフェイトの数段上をいくようになっている使い魔は、手早く常備してある粉ミル
クを湯で溶かし人肌温にまで冷まして持ってくる。
 省エネモードのため五、六歳程度の身長しかないアルフだが、しっかりとフェイトからクロードを受け
取って哺乳瓶を口に当てた。
 たちまち泣き顔を引っ込めたクロードは、嬉しそうに哺乳瓶に吸いつきごくごくと飲みだす。

「なんか周期があるみたいだね。そういう症状の病気は聞いたことないけど」
「う、うん……」
「一回シャマルのとこで検査でも受けた方がいいんじゃないかい?」
「そ、そうだね。今度の休日にでも……」

 気遣いしてくる使い魔に生返事を返しながら、アルフには見えない角度でフェイトははだけたままの乳
首の脇に触れる。
 そこには、ぽつりと赤い歯型がはっきり残っていた。

(やっぱり……これのせいだよね)

 指でなぞりながら赤面するフェイトをよそに、哺乳瓶のミルクを全部飲み干した息子は気持ちよさそう
なげっぷをしていた。



          あの日見上げた空に 外伝  『おっぱい禁止令』



「だから、しばらくおっぱい触るのも吸うのも駄目」
「……そういう理由なら仕方ないけど」

 その夜、自室で二人っきりになったフェイトの宣言にクロノはあっさりと頷きはした。しかしすぐに問
うてくる。

「けど、君は我慢できるのか? いつもいつもあんなに悦んでたのに」
「あうっ……」

 クロノに問われて、フェイトは顔を赤らめる。
 フェイトの母乳が時々出なくなる理由は病気でもなんでもなく、夫婦の営みの際クロノにあげているか
らクロードの分が無くなっているだけである。
 性交の最中に母乳が出ると、フェイトの官能はとんでもなく刺激されるのだ。
 赤子のひ弱な吸い方ではなくクロノの吸引力で根こそぎ吸われるのも、無骨な指で力強く母乳を揉み出
されるのも、出産前の交わりでは不可能だった快感を与えてくれてフェイトは積極的に頼んでクロノに飲
まれたり搾られたりしていた。さすがに、息子に吸われた時もいやらしい気分になったりはしないが。
 クロノも母乳の味が気に入ったらしく、これまで止めようと言い出したことはなかった。

「……平気だよ。別に、胸を触らないっていうだけで、他のことはちゃんとするんだから」
「粉ミルクでも別に栄養値的には問題ないと思うんだが」
「だって、育児書に母乳を与えた方が自然に母子の愛情が育ちますってあったから」

 フェイトにとってプレシアが母親として欠落した部分の多すぎた人物だっただけに、余計フェイトは親
子の絆を大切にしたかった。大量の育児書を買うだけでなく、リンディやレティから実体験に基づいた知
識を聞いてノートにまとめたりもしている。
 なによりもフェイトにとって母乳を与えるということは、自分がちゃんと人の親になれたという証のよ
うに思える重要な行為だった。

「とりあえず、お互い自重するということでいいか」
「うん」
「なら、しゃべるのはこのへんにして……」

 頷いたフェイトに、クロノの顔が近づいてくる。
 キスしながらゆっくりと押し倒されていき、シーツの上に横たわる。いつもならパジャマのボタンが外
されるところだが、クロノの指は下半身に向かってズボンと下着を引っ掛ける。膝の辺りまでずらすと、
そのままクロノは顔を埋めてきた。

「い、いきなり舐めるの?」
「胸を揉めないんだったら、他にやり方が無いだろう。……それとも、こっちがよかったのか?」

 後ろの穴をちょんちょんとつつかれ、フェイトは菊座に舌が入ってくる時の感触を思い出す。指には及
ばない浅さだが、クロノの舌が腸壁を這いずると背筋がぞわぞわして全身が痙攣するぐらい気持ちいい。
記憶を反芻しただけで思わず括約筋に力が入って、肛門がきゅっとすぼまった。

「……やっぱりこっちを舐めて欲しそうな顔してるな」

 早くもスイッチが切り替わったらしく、黒い笑みの混じった声を合図に舌が一度離れて腰が持ち上げら
れる。
 だがクロノの舌が向かったのは尻穴ではなかった。前と後ろの穴のちょうど中間地点。蟻の戸渡りと呼
ばれる部分であった。

「ひゃん! くすぐったい……よ」

 湿った舌に敏感な部分を舐められ身をよじるフェイトだったが、身体が震えるのはくすぐったさだけで
はない。
 すぐ近くにもっと直接的に愛撫できる場所があるため滅多と触れられることはないが、クロノに舐めら
れている部分はしっかりと感じる場所の一つである。
 皮膚のすぐ下にある性感神経が、舌で優しく触れられて微弱な電流を頭に送ってくる。
 後ろの指も徐々に深く進んでくるがまだほんの入り口までで、硬く閉じた秘門をほぐしてリラックスさ
せようという動きだった。
 腰で隠れているためクロノが具体的に何をやっているのかフェイトには分からず、その分だけ神経が過
敏になり、じんわりと股間が濡れてくる。

「お尻、もっといろいろしてくれても、いいよ」

 蕩け出した声で囁くフェイト。許可のような口調だが、実態は己の欲望を形を変えて伝えただけである。
もちろんクロノもそこは心得ていて、やや奥深くまで抜き差ししながら肉壁を擦る。
 尻から上がってくる刺激にいっそう顔を緩ませるフェイトだったが、いきなりぴりっと胸の先から快感
が走った。
 思わず我に返って胸に眼をやると、自分の右手がゆっくりと乳首を転がしていた。完全に無意識下の淫
らな行動に、フェイトの頭はかっと熱くなる。
 幸いクロノが気づいた様子は無い。慌てて手を引っ込めるが、どうしても突き出した乳首に眼がいって
しまう。
 思い返せば、これまでクロノに性器を舌で愛される時は体勢上どうしても胸がお留守になってしまい、
必ずと言っていいほどフェイトは自分で自分の胸を慰めていた。
 それ以外の場合でも、抱き合う時はクロノに揉まれたり吸われたりされなかったことなど無い部分であ
る。なのに今夜は指一本触れられはしないとなると、逆に禁止を破って思うさまいじってみたいという思
考が沸いてくる。
 今もフェイトが息をする度に、柔らかく大きな双丘と中心に咲いた花は触って欲しそうにふるふると揺
れている。

(だめだめ! 自分から触っちゃいけないって言ったんだから、我慢しないと)

 頭を振って、胸への欲望を追い払う。
 フェイトの葛藤など知らぬクロノは、順調に愛撫の段階を上げていく。

『そろそろ、こっちも欲しそうにしてるな』

 念話と同時に、舌が逆戻りして秘裂に攻め入った。
 焦らされることなく、溢れる愛液がすすられ舌が突き入れられる。単純に入れるのではなく、丸めるこ
とで厚みと尖りを持たせてフェイトの蜜壷が味わわれている。さらに歯が硬くなった淫核を甘噛んだ。

「ふぁ、っあぁ……!」
『そういえば、お尻にもいろいろしてよかったんだっけ』

 ぐいっと指が押し込まれる。
 もう撫でる程度だった最初の優しさはどこにもない。根元まで突っ込まれた指が、容赦なく尻穴をえぐっ
て引っかき回す。舌を越える激しさでフェイトの後ろの穴を侵略し尽くす。
 かと思えば、いきなり指も舌も抜いてクロノは顔を寄せてきた。

「ほら、前も後ろもこんなに濡れてる」

 クロノの口の周りは明らかに唾液とは違う液体でてらてらと光っており、目の前に出された指も腸液で
ねっとりと濡れていた。
 自分の分泌した恥ずかしい液体を見せられて、頬を染め反射的に顔を背けるフェイトだが、クロノの唇
が追ってくる。
 唇が重ねられ、舌を絡め取られる。自分の愛液がたっぷりとついて汚れたクロノの舌だが、まさぐり合っ
てクロノの唾液を飲むうちにそんなことはどうでもよくなった。
 その間も右手は尻に戻り、残った左手は秘裂に二本まとめて差し込んで指の腹を使って膣壁をなぞり上
げる。

「指と舌、どっちがいい?」
「どっちも、気持ちいいよ。もっとして、クロノぉ……!」
「お尻も?」
「うん、指ももっと挿入れて……ひぁっ!」

 前と後ろの指が、相反する動きを取り出した。
 秘裂の指が前後して奥底を突けば、尻の指は腸壁を擦ったり引っかいたりしてくる。
 かと思えばその数秒後には後ろが抽迭を始め、前は親指で秘芯が捏ねくり回される。
 両方からくる快感の種類が目まぐるしく変化し、フェイトに息を吸う暇さえ与えず絶頂へと引っ張り上
げられていった。

「ああ、気持ちいい……! 私、イッちゃうぅ……っ!」

 一際強く淫核を押し潰された瞬間、全身の筋肉に力が入り秘裂と尻穴がぎゅっと締まってクロノの指を
強く噛んだ。
 完全な受身での半強制的な絶頂だったが、そんなことは快感の大きさの前には些細なことだった。
 フェイトが果てるのに合わせて尻の指は抜いたクロノだが、前はなおしばらく動かしてフェイトを高み
からゆっくりと下ろしてくれる。
 喘ぐフェイトに満足そうな視線を落としながら、クロノもパジャマを脱ぎ去って、いきり立っている性
器を握った。

「じゃあそろそろ、始めようか」
「……うん」

 身体が貫かれる衝撃と快感を思い出しながら、フェイトは自分からゆっくりと股を開いて、溶けなぐら
い熱を帯びた身体をクロノに差し出す。
 だが胸の奥にだけ、ほんのわずかな切なさが残っていた。



          ※



「二回目、出すぞ……!」
「あ、はぁあ……! あ、熱いぃ!」

 ごぽごぽと音を立てて、子宮に入りきらなかったクロノの欲望が結合部から滴り落ちていく。
 犬のように四つん這いになって背後から抱かれていたフェイトも同時に達し、絶頂の陶酔に涙と唾液を
流す。下の口からも、白濁液の後を追って新しい愛液が洪水のように流れ落ちていた。
 激しく喘ぐフェイトだったが、官能が満たされたわけではけっしてない。
 クロノの倍以上の回数絶頂に達し、たっぷりと精液を注がれてなお、フェイトの身体は乾いていた。

(おっぱい……触ってほしい……)

 前戯の段階から不満を訴えていた乳房は、もう媚薬をたっぷり塗り込められたかのようにじんじんと全
体が疼いていた。
 どれほど激しく達しても、すぐに胸の感触に引きずられる。イキたいのにイけない生殺しの状態に極め
て近い。

(先っぽだけなら……おっぱい出ないよね)

 クロノの肉棒はまだ硬さを保ったままフェイトの胎内にあるが、休憩中なのか特に動きもせず尻や背中
を撫でたり髪の毛をいじくったりして遊んでいる。
 クロノの様子を窺いながら、フェイトはそろりと折りたたんだ右腕を胸の先端へと持っていく。
 胸中の血が集まったように尖りきった乳首をきゅっと捻った瞬間、頭がずくんと痺れた。

「あぐぅ!?」

 背後でクロノの呻きが上がる。快感に反応して膣の具合が急激に変化したのが、両者にとって予期せぬ
不意打ちになったらしい。
 だが、クロノに気づかれたかもしれないという懸念など、フェイトの頭の中にはなかった。

(乳首が、すごく気持ちいい……!!)

 強く愛撫されるのを待ちわびていた胸にとって、軽い愛撫でも十分すぎる刺激になった。
 片手だけでは足りない。反対側の乳首にも手を伸ばし、フェイトは夢中になって乳首をいじくり続けた。
 しこった乳首を徹底的に揉みほぐし、爪で引っかき、思い切り引っ張る。
 その一つ一つの行為が肉棒で突かれるぐらいに気持ちよく、全身が悦びに打ち震えじりじりと肉体の限
界へと引き金が引かれていく。
 フェイトは確信する。このまま乳首を触っているだけで自分は膣内射精に匹敵する絶頂を迎えられると。
 乳首だけでこれなら、母乳を搾ればどれだけの快感が待っているのか、予測がつかない。

(一回だけ。一回おっぱい出すだけなら、クロードの分も残ってる、よね?)

 答えの分かりきった自問自答を終え、フェイトが自分の乳房を握ろうとした時だった。
 ぐいっと強く両手首が掴まれる。はっとして首を回せば、唇の端を吊り上げてクロノが笑っていた。

「僕には触るなと言っておいて、自分であれこれするのはルール違反なんじゃないか」
「こ、これは、そうじゃなくて…………きゃっ!?」

 言い訳など聞く耳持たぬとばかりに、乱暴に上体が起こされる。そのまま激しく何度も腕が引っ張られ
た。

「ひぁっ! あふんっ! や、めて、クロ……はぁぁぁん!!」

 上半身の振動が下半身にも伝わって、繋がったままの膣がかき回される。
 だがそれ以上に、揺らされる乳房からの刺激がフェイトを悶絶させていた。勢いよく左右に身体を揺ら
されると、乳房同士が軽くぶつかり合う。たったそれだけの小さな衝撃が、胸の神経を通る間に何十倍に
も増幅されてよがり声を上げさせた。
 一度自ら禁を破った身体は、あっという間に理性をかなぐり捨ててクロノに懇願した。

「クロノっ、お願いだからおっぱい触って揉んで吸って、気持ちよくして……!」
「明日クロードにおっぱいやれなくなっても、いいんだな?」

 クロノの言葉にほんの数瞬だけ母性が甦り、否定の声を出そうと口を開く。
 だがすぐさま浅ましい雌の本能が取り代わり、欲望の示すがままにフェイトは叫んだ。

「いいからぁ、私のおっぱい絞って……いっぱい出してぇ!!」

 手首の拘束が解かれ、布団の上へと墜落するようにフェイトの上半身は落下する。
 胸に手が回り乳房をぐっと強く握られた瞬間、三種類の音がした。
 胸からは、母乳が吹き出す小さな音。
 股間からは、溜まった愛液が肉棒と秘裂の隙間から噴出する音。
 そして最後が、フェイトの口から漏れた絶叫だった。

「は、ああああぁぁぁん!!!!」

 がくがくと全身を痙攣させながら、尾を引く叫びをフェイトの喉は上げ続ける。

「くっ……また締まる……! 一回搾られただけで、イッたのかフェイト」
「だってぇ、だってぇ……!」

 半開きの口から涎と意味の無い言葉を垂れ流しながら、クロノの手のひらに乳房を押しつけてフェイト
は催促する。
 何度もフェイトの乳を搾り慣れているクロノは、絶妙の指遣いで胸を揉み母乳を搾り取っていく。あっ
という間に、眼前のシーツが白く重く濡れそぼった。
 一度先端から母乳が滴る毎に、フェイトは絶頂に襲われ意識を飛ばしかける。同時に、流した分だけ別
の白色の液体を求めようと膣が収縮しながら蠢いた。

「もうちょっと、力を抜いてくれ。このままだと……挿入れてるだけで出しそうだ……!」

 クロノの頼みを聞き入れることなどなく、鼻腔から入ってくる乳臭さに脳髄までも犯されたフェイトは、
逆に自分の堕落した願いだけを口にした。

「私のおっぱい、搾るだけじゃなくて……飲んで。でないと、クロノの精液このまま枯れるまで全部出さ
せちゃうんだから……!」
「それは困る、なっ!」
「ひゃああん!?」

 身体が引っ張り上げられ、胎内をえぐり続けていた肉棒の角度が変わる。
 一気に後背位から背面座位に移行したクロノは、すかさずフェイトの右胸を強引に歪ませて乳首を口に
含んだ。
 肺活量だけでなく乳房を揉みあげる握力も加わり、あっという間にフェイトの母乳は吸い取られていく。
逆の胸を揉む手も止まりはしない。途中に乳首を歯で挟むことも忘れない。

「あ、ひあああっ!! もっといっぱい吸って!!」
 
 自分の体内で作り出した液体を、最愛の人が極上の美味として飲んでいる。
 その一事だけで、恋愛心・母性・肉欲といったフェイトの中のあらゆる要素が歓喜の悲鳴を上げて肉体
を打ち震えさせた。きっとクロノの精液をフェイトが飲んでいる時も、クロノは近い気分になっているの
だろう。
 小水のように蜜を垂れ流して感じながら、フェイトはこの交わりに唯一足りていない物を求める。

「全部っ、私の全部クロノにあげるからっ……! クロノもちょうだい!!」

 ありったけの力できつくクロノの分身を包みながら、同時にフェイトは腰を捻った。
 肉棒が激しく痙攣したかと思うと、どっと切っ先から灼熱の液体が発射され子宮を直撃する。

「はあっあああっああああぁぁぁぁんん!!!!」

 フェイトの身体も視界も真っ白に染まった。
 半分意識を失ったまま前のめりに倒れこめば、母乳を吸ったシーツがべったりと頬に張りついた。

          ※



(…………う〜〜〜〜)

 事が終わって意識が回復し頭が醒めると、フェイトはあまりの自己嫌悪に寝台の隅っこで頭からシーツ
にくるまり呻いていた。
 自重しようと思っていたのに、結局は肉欲に負けて母乳を絞り尽くされてしまった。明日もクロードの
ご飯は粉ミルクだ。

(母親失格かな……)

 落ち込んで涙ぐみかけているフェイトに、クロノが声をかけてくる。

「すまない。我慢できなかった」
「…………クロノは悪くないよ。先にして欲しいって言ったのは、私なんだから」
「だけど僕も自重すべきだった。……まあ、君に喘ぎながら絞って欲しいなんて言われて、我慢できる訳
がなかったか」

 クロノの言葉でついさっきまでの痴態を思い出し、赤面したフェイトはますます強くシーツを引っかぶっ
てしまう。
 そんなフェイトの身体をあやすように、シーツ越しにクロノが優しく撫でてくれた。

「なんだったら、君の母乳が出なくなるまでこういうことするの止めようか?」
「……我慢できる? 溜めちゃうの、身体に悪いよ」
「妊娠中はずっとしてなかっただろ。一回やったら、二回目は簡単だ。期間も短いだろうしな」

 背中を撫でていた手が止まり、優しくフェイトを抱きしめてくる。

「するかしないかは、君に任せる。母乳は僕やクロードの物である以前に、君の物なんだから」
「……明日の夜までに、考えとく」

 考えると言いはしたが、心が多少は平静を取り戻し母乳の甘ったるい匂いとクロノの温かさに包まれて
いるうち、どちらを選ぶか全く決まらぬままに性交の疲労からフェイトの精神はゆっくりと眠りに落ちて
いく。

(……明日もクロードにおっぱいあげれないから……その分いっぱい抱っこしてあげよう)

 歌を歌ってあげて、絵本を読んであげて、母親が子供にして上げられることをいっぱいしてあげよう。
 それだけはちゃんと決めて、フェイトは緩やかに瞼を閉じた。



          終わり


          おまけその一「スクライア家」



 どろりと、三度目なのに濃さの薄れない液体が舌に零れた。舌の上でたっぷりと味わいつくしてから喉
に送って、熱さと粘りを内臓の感覚で愉しむ。
 最後の一滴まで飲み干してからなのはが顔を上げれば、口淫を受けていたユーノも満足そうな表情を浮
かべている。
 だが同時に、どこか満ち足りない色も顔に表れていた。

「ねえなのは。口も気持ちいいんだけど、そろそろ本番したいなぁって……」
「駄目だよ。今晩は口だけでしかやってあげない」
「ええっっ、なんで!?」
「昨日私のミルクいっぱい飲んだんだから、今日は私が飲ませてもらう番なの」
「……ひょっとして、昨日ユーナの分まで飲んじゃったこと……怒ってる?」

 無言のままにっこり笑うと、ユーノの顔色が面白いように青ざめた。そのくせ肉棒は張り切ったままな
のが少し滑稽である。
 笑顔のまま唇から舌を覗かせ、亀頭をつんつんとつついている時だった。部屋に置いている端末が鳴っ
て、よく知ったデバイスの声を発する。

『マスター、ユーナお嬢様が起きられました。空腹かおしめが原因かと思われるのですが』
「分かった。今いくね」

 ちゅぽんと口から出して、なのはは若干乱れた服装を整える。

「えっ、まさか僕このまま放置プレイ!?」

 股間を露出したまま情け無い声を上げているユーノを置き去りにして自室へ戻り、ベビーベッドの隣の
机に置いてある愛機になのはは軽く礼をする。

「レイジングハート、お守りご苦労様」
『お気になさらず。アイナさんがおられない時に面倒を見るのは私の義務ですから。ヴィヴィオお嬢様は、
妹の面倒を見るにはまだ幼いですし』

 ぐずっているユーナを抱きかかえてはだけた胸元に近づけてやると、すぐに元気よく吸い始める。
 やがて乳首を口に含んだままことりと眠りに落ちた娘を下ろしユーノの部屋へ帰ると、夫がベッドの上
で土下座していた。

「お願いだから挿入れさせて」



『マスター、またお嬢様が起きられたのですが』
「あ、はぁぅん、レイジング、ハート……あと五分だけ……くぅんっ! ユーノ君、そこ、もっと!」
『了解しました。では僭越ながら私が子守唄など。ぼうや〜良い子だねんねしな〜。い〜まも昔も……も
う眠られましたか。本当に空気の読める良い子ですねお嬢様は』



          まだ続く


          おまけその二「八神家」



「最近、トウヤが不満あるみたいなんです」
「何に対してだ?」

 夜更けに自室へとやってきた妻に、ゲンヤは服を脱ぐ手を止めて訊ねた。
 誕生したばかりの息子の異常は、どんな些細なことでも気にかかる。
 だが一足先にベッドの上で全裸となって三角座りしていたはやての言葉に、ゲンヤは思い切り拍子抜け
した。

「私のおっぱいに」
「…………へぇ」
「私のおっぱい飲み終わった後は必ず、シグナムやらスバル見てあっちの方がうまそうやって顔してるん
です」
「生まれたばっかりのガキがそんな顔するか」
「けどこないだ試しにシグナムのおっぱい吸わせてみた時は凄かったですよ?」
「吸わせるな」
「ちなみにヴィータの胸も吸わせてやろうとしたらトウヤめちゃめちゃ嫌がりました」
「…………だからあいつ部屋の隅でいじけてたのか」

 息子の将来が本気で心配になるゲンヤだった。我が子は間違いなく、母親最大の悪癖である乳への妄念
を受け継いでいる。

「だからせめてもうちょーっとだけ自分の胸を大きくしてやりたいな、と母親として思うんです」
「どうやってだ? シリコン入れたりするのか」
「まさか。周りのバスト成長に貢献し続けた私が断言します。そんなニセチチ手術せんでも、乳は揉まれ
て大きくなる。……だから」

 胸の前で脚を抱いていた腕をほどいたはやてが、猫のような姿勢と笑顔でにじりよってくる。

「現状、私の乳を揉む唯一の権利者である旦那さんに頑張ってもらいたいなぁと思ってるわけですよ」
「……ああ、つまり」

 遠回しすぎる誘いの意味を遅まきながらもようやくゲンヤは悟り、残っていた服を手早く脱ぎ捨て、は
やてを膝の上に抱き上げる。

「今夜はいっぱいしてほしいってことか?」

 ゲンヤの回答に、はやてはたいそう嬉しそうな顔でこくりと頷いて、口づけてきた。

「トウヤにけっこう飲まれましたけど、まだ二口ぐらいはゲンヤさんの分、残ってますよ?」



          まだまだ続く


          おまけその三「二十年後のクロード・T・ハラオウン宅」



「よあ〜けのない、世界なんてな〜いから〜」


「なんかあの歌、聞いたことあるな」
「第九十七管理外世界の歌。この間実家に帰った時に、母さんがクロナに子守唄で歌ってた。ユーナも教
えてもらったんだろ」
「言われてみりゃ歌詞が日本語っぽい気がするな。……子供で思い出したが時にクロードよ、お前を一児
の父親にして俺の親友と見込んで訊ねたいことがある。正直に答えてくれ」
「なんだ?」
「母乳って美味いのか?」
「ぶっっっ!?」
「やっぱり由緒正しき二代目乳揉み士としては、揉んだら出る物の味も知っとかないとな。避妊具無しで
初体験に臨んで見事にホールインワン達成したエロード大先生だったら、母乳プレイの一回や二回やって
んだろ?」
「エロード言うな! そ、そ、そんな非常識なこと、やってるわけないだろう!」
「お前ってさぁ、嘘つく時必ず天井見るわどもるわで丸分かりだよな」
「う、うるさいっ! いくら親友だろうが答える義理はない! 自分で結婚相手を見つけて確かめろ!」
「そんな理想の相手が見つからないから訊いてんじゃないか」
「ハードルを下げろ。はやてさんぐらい料理上手でシグナム先生ぐらい胸があってシャマルさんぐらい優
しくてヴィータさんぐらい強い女性なんているわけないだろ」
「いいや、絶対いるはずだ! レトルト食品しか作れなくて胸がAAカップで優しさの欠片も無くて運動
神経ゼロな女が身近にいるんだから、その逆もこの世のどこかにいるに違いない! だいたいお前なんか
昔は理想の女性はフェイトさんだって言ってたくせに貧乳のユーナ……」
「 ふ た り と も ?」
「うわっっ!?」
「ユ、ユーナ!? お前いつからそこに……」
「お酒は飲んでもいいけど、あんまり騒ぎすぎてクロナが起きたりしたら…………怒るよ?」
「す、すまない! 静かに飲むから!」
「お、俺もぼちぼち帰るから!」
「静かにしてくれるなら、泊まっていったってかまわないよトウヤ君。私はもう寝るから、お皿とグラス
は水洗いだけしといてね。じゃあ、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ。…………なんか最近、あいつキャラクター変わってないか? こう、笑顔に凄い迫力
があるっていうか」
「たしかに結婚したあたりからちょっとずつなのは義母さんに似てきてたような……」
「高町の血が今頃になって覚醒してんのか。そしてお前はどんどん尻に敷かれていってると」
「まあ、僕の知り合いで奥さんの尻に敷かれてない人なんていないし……」
「例外はうちの親父ぐらいか。なんでこんなに男が肩身の狭い思いする家ばっかりなんだろうなあ」



 その頃、教会にて。

「母乳と血液の成分はほぼ同じ。ということは、授乳行為とは言葉を変えれば吸血行為でもあるというこ
と。親子関係とは麗しき捕食関係でもあるのですねえ」
「…………フレイヤ、あなた何を突然?」
「いえ、お母様がコーヒーにミルクを入れているのを見て、ふと思いついただけのことです。うふふふふ」
(……本当にこの娘、苦手だわ)

 いつもの胡散臭い笑みを顔に貼りつけたままブラックコーヒーに生チョコのすり下ろしを浮かべて優雅
に飲んでいる養女を眺めつつ、カリムもコーヒーを口に運ぶ。
 ミルクも砂糖も入れたのに、やたらと苦かった。



          今度こそ終わり


目次:あの日見上げた空へ
著者:サイヒ

このページへのコメント

子守唄がPRAY!!

0
Posted by ヤマト 2009年11月09日(月) 00:05:10 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メンバーのみ編集できます