[333] なのはとユーノが大喧嘩 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/10/07(日) 15:46:52 ID:4b9TZzQp

「ユーノ君こんな事するなんて酷いよ!!」
「酷いのはなのはの方だろ!?」
一体何が理由なのかは分からないが…ある日突然何の前触れも無くなのはとユーノが
大声を張り上げながら大喧嘩を繰り広げていた。
つい先日まで見てる側の方が目が痛くなってしまう位にバカップルぶりを
全力全開で発揮していたと言うのに何がどうしたのかと周囲の者も疑問に感じていたのだが…
「ユーノ君なんか大っ嫌いディバインバスター!!」
「僕の方こそなのはなんかもう要らないよチェーンバインド!!」
「ギャ――――――――!! そういうのは外でやれ―――――――――!!」
挙句の果てには周囲の被害を気にせずに戦闘にまで発展する程であり、
なのはの魔力砲とユーノの魔力鎖が飛び交い、その流れ弾によって
周囲にいた者達が散り散りになって逃げ惑う事態になっていたのだが
その状況に一人笑みを浮かべる者の姿があった。
「これでなのはとユーノの仲も終わりか…。私にとって都合の良い状況になって来たじゃない。」
彼女の名はフェイト=T=ハラオウン。なのはに対して親友以上の感情を抱いていた彼女が
この状況を面白いと感じないはずが無い。しかもフェイトが手を下すまでも無く
なのはとユーノの仲が勝手に崩れて行くのだから。この状況を美味く利用して
フェイトはなのはを手に入れるつもりだった。愛さえあれば性別の壁なんて関係ない。
そう考えていたフェイトであったが…
「けど…ここはあえて静観して二人が自然に別れるのを待った方が良さそうだよね…。」
と、フェイトはあえて二人の喧嘩に介入する事はしなかった。
もし今この状況でフェイトが割ってはいる様な事をすれば二人の仲を余計にこじらせる所か
逆に仲直りさせてしまうかもしれない。今までの傾向から考えてこういう事態が発生する事は
容易に想像出来た。それは何としてもフェイトにとってやりたくない事だった。
だからこそフェイトは知らない振りをしてその場から立ち去った。
元々なのはとユーノの大喧嘩は二人が勝手に始めた事なのだから、このまま放っておけば
勝手に二人の仲は破局してしまうに決まっている。そうなればなのはも男が信じられなくなって
フェイトにすがり付き、なのは×フェイトの関係は完璧な物となる。フェイトはそう考えていた。

数時間後、フェイトは食事を取る為に局内食堂にやって来ていた。
「さ〜て…今日は何を食べよう。今日は金曜日だからカツカレーあたりにしようかな?」
と、独り言を言いながらカウンターでカツカレーを注文し、出来たカツカレーをトレイに乗せて
テーブルの方へ向かっていたのだが…
「アハハハハ! もうユーノ君ったら〜!」
「そんなに面白かったかい? 僕の話!」
「え…………………。」
そこには先程大喧嘩しまくっていたのが嘘の様に笑顔で仲良く雑談しながら食事をしている
なのはとユーノの姿があり、フェイトは思わず絶句していた。
「あ…あの〜…二人とも…喧嘩してたんじゃなかったの?」
思わず目を点にしながら二人に尋ねてしまうフェイトだったが、二人は笑いながら答えた。
「ああそれならもう終わったよ! お互い大人気なかったって事で…。」
「で、結局私達って何が理由で喧嘩してたのかな?」
「そんなの今になってはどうだって良いよ!」
「そうだよね〜!」
「え………………………。」
何と言う事であろうか…フェイトがあえて無視していた数時間の間になのはとユーノは
互いに喧嘩を自己完結させ、仲直りし、あろう事か喧嘩以前より遥かに全力全開ブラスターモードな
バカップルぶりを発揮していると言う絵に描いた様な雨降って地固まるを体現していたのである。
「そ…そっか…仲直り出来て…良かったね…。」
フェイトはうな垂れながら席に付いてカツカレーを黙々と食べた。
                       おしまい


著者:◆6BmcNJgox2

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