915 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2[sage] 投稿日:2009/03/30(月) 00:49:08 ID:k2Cp/ZRs
916 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2[sage] 投稿日:2009/03/30(月) 00:49:45 ID:k2Cp/ZRs
917 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2[sage] 投稿日:2009/03/30(月) 00:50:17 ID:k2Cp/ZRs
918 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2[sage] 投稿日:2009/03/30(月) 00:50:52 ID:k2Cp/ZRs
919 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2[sage] 投稿日:2009/03/30(月) 00:51:22 ID:k2Cp/ZRs
920 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2[sage] 投稿日:2009/03/30(月) 00:51:56 ID:k2Cp/ZRs
921 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2[sage] 投稿日:2009/03/30(月) 00:52:30 ID:k2Cp/ZRs

 はやてが病気で倒れたのは、六課解散直後のことだった。
 まず下半身が突然麻痺して、そして数時間としないうちに突然の意識不明。
 あまりのことにシャマルとリインのフォローも間に合わず、クラナガン中央病院へ搬送されることとなった。
 過去に全くデータのない症例のため、特殊な魔法によるものではないかという疑いがもたれ、即座にシャマルを中心とした医療チームが結成された。

 そして、一週間が過ぎた。
 はやての状態は変わらない。悪化こそしていないものの、快方に向かっているわけではない。

 シャマルは各界の権威に意見を求めることにした。医学から魔法まで、少しでも関係あると思われる相手にデータを見せて尋ね回るのだ。
 それでも思わしい結果は上がらず、いよいよ最後の手段を執ることになる。

「本当ならこんな事はしたくないのだけれど」
「仕方ないよ」

 シャマルに付き添うフェイトは、慰めるように言う。

「私も多分、シャマルの立場なら同じ事をすると思う。ううん、今でもそうだよ。他にはやてを助ける手段がないのなら、仕方がないよ」
「ありがとう、フェイトちゃん」

 二人から話を聞いた権威は頷く。

「それは光栄だね。よりによって、八神はやての懐刀であるヴォルケンリッターがこの私の力を認めてくれるというのか」

 医学と魔法の二つの権威、ジェイル・スカリエッティである。

「余計なことをしたらどうなるかわかっていますね?」

 フェイトの冷たい言葉に、スカリエッティはさらなる冷笑で応える。

「デバイスで私をいたぶるかね? それとも電撃でもあびせるかね?」
「それもいいかも知れませんが」
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官ともあろう者が、拷問で脅迫かね。見損なったよ」
「いいえ。拷問なんてしません」

 フェイトは静かに首を振る。
 そしてフェイトは冷淡に事実を告げた。

「貴方の明日の……いえ、この直後の食事のメニューから、イチゴゼリーが消えます」
「なんだって!?」
「それだけではありません。オレンジゼリーも」
「なっ!」
「そしてプリンも」
「……馬鹿な……」
「くわえて冷凍ミカンも」
「くぅっ……」
「さらにはコッペパンに付けるピーナッツクリームもです」
「デザートだけに飽きたらず、主食のパンにすら鉄槌を下すというのか!? なんということを……」
「それが嫌なら、治療に全面的に協力してもらいます」
「くっ……君は、それほど破廉恥な真似……脅迫をしてまで八神はやてを助けたいというのか」
「その通りです」
「……し、しかし、私にもプライドというものがあってね」

 なんとか己のプライドを保とうとするそのとき、スカリエッティはフェイトの目に気付いた。

「あ…あの女の目……養豚場のブタでもみるかのように冷たい目だ。残酷な目だ…。
『かわいそうだけど 明日の朝には お肉屋さんの店先に並ぶ運命なのね』ってかんじの!」

 フェイトの瞳はさらなる冷たさを帯びる。

「パン食の時のフルーツ牛乳とコーヒー牛乳も無くなります。全て、白牛乳になります」
「そ、そんなぁあああ!!!」
「ご飯の時のふりかけは全てごま塩です。のりたまとたらこはもうないと思ってください」
「なぁああああああっ!!??」
「そして……」
「ま、まだあるのか……」
「バナナは現行の二本から、二分の一本になります」
「のぉおおおおおっ!!!」
「カレーは辛口から甘口になります」
「今すぐカルテを持ってきたまえ! このジェイル・スカリエッティ、無限の欲望の名に懸けて八神はやてを治療しよう!」

 翌日、スカリエッティからフェイトに連絡があった。
 すぐに、ある二人を連れてきて欲しいと。

「……はやてちゃんのためならリインは何でもするのです!」
「どうして、私なのかね?」

 リインとグレアムが、フェイトに連れられて軌道拘置所へと向かう。

「すでに連絡を受けていると思いますが、スカリエッティからの指名です」
「……リインは、はやてちゃんとは一心同体ですから何となく理解できるです。だけど……」
「……私はデータを持ってきて欲しいと言われたよ。まあ、私に連絡したのだから、このデータに用があるのは当然だろうがね」
「そうですね」

 フェイトはどこか遠くを見る、懐かしそうな目で頷いていた。
 はやて自身を除けば、「闇の書」に一番詳しいのはギル・グレアムをおいて他にないだろう。
ヴォルケンリッターたちは当然「闇の書」に最も近しいが、詳しいわけではない。

「しかし、はやて君の治療のためにこんなものが必要だとはな……」

 グレアムがその手に持つデータディスクにフェイトは目を留めた。

「闇の書のデータですね」

 心外だな、と言うようにグレアムは笑う。

「そんなものはとうに管理局に没収されたよ。第一、これはそんな無粋なものではない。もっともっと、可憐で美しいものだよ」
「……はやてが九歳の頃の盗撮写真とか言いませんよね?」
「ははは。まさか」
「そうですよね」

 馬鹿なことを言ってすいません、とフェイトは頭を下げる。

「七、八歳の頃のものだ」
「リイン、やっていいよ」
「はいです! フリジットダガーです!」

 いやいやいや、とスカリエッティは必死で抗弁する。

「当時の八神はやてのデータが欲しいのにはちゃんと理由がある。決して私の趣味ではない」
「なんで盗撮写真がいるんですか?」

 フェイトは真ソニックフォームでザンバーを構えていた。

「当時のデータが欲しいのだ。ちゃんとしたフィジカルデータが今更入手できるわけないだろう。次善の策として外見データが欲しいと言うことだ」
「本当に歪んだ趣味ではないの?」
「私に幼女趣味はない! 第一、そんな趣味があったらナンバーズは全員チンク体型になっているはずだろう!」
「……確かに。それは認めます。ウーノの体型を見る限り、貴方が幼女趣味とは思えません」
「当然だ。そもそも高町教導官の幼い頃の盗撮写真を保持している君に言われたくない」
「な、なんでそれを!?」
「……私の勘も捨てたものではないな」
「バルディッシュ、スカリエッティの勘とやらを摘出するよ?」
「Yes,Sir」
「待て。物理的に摘出できるわけが……ザンバーはやめろザンバーは!」

 そんなこんなでスカリエッティはようやくはやての病気の原因を特定する。

「アレルギーだな」
「アレルギー?」

 シャマルとフェイトは顔を見合わせる。
 いったい何のアレルギーと言うつもりなのか。

「アレルギーとはいわば例えだ。別の言い方をすれば、『闇の書』に浸食されていた後遺症と言ってもいいだろう」
「治療法は?」
「端的に言えば簡単だ。『闇の書』に対なす魔道書のエキスを取り込めばいい」
「『蒼天の書』!? でも、どうやって」
「『蒼天の書』を擬人化したような存在がいるじゃないか」
「それって、まさか……」
「そのまさかだよ。リインフォース・ツヴァイ、八神はやてが彼女を取り込めばいい」
「取り込むってどういう意味ですか? まさか同化しろと?」
「そこまでは言わないよ。彼女のエキスの一部を八神はやてが吸収すればいいだけだ」
「どうやって……」
「とりあえず、しゃぶるとか?」
「は?」


「はやてちゃんのためです。リインは平気です」

 病室に呼ばれ説明を受けると、そそくさと服を脱ぎ出すリイン。

「はやてちゃんにしゃぶってもらうです」

 ヴォルケンリッター一同とフェイト、そして念のため後ろ手に縛られ、さらにラバーマスクを被せられて椅子に縛り付けられたスカリエッティが病室に集まっていた。
 ちなみにボールギャグも噛まされている。
 そのスカリエッティの後ろに立って監視しているのは当然フェイトだ。

「んっんっんんんんーーー(どうして執務官がこんなものを持っているんだろうか? 普段使ってるのか? 教導官か!? 高町教導官なのか!?)」
「ちなみにその器具諸々は、貴方達のアジトを調べた時にクアットロの部屋から見つけたものだから」
「んんんんんんんっ!!(クアットロか。納得したよ、あの子にも困ったものだねぇ)」
「ちなみにボールギャグの唾液反応はディエチのものだったよ」
「んんんんんんんんっ(ふむ。ならばディエチと間接キスかね。悪くない)」
「ちゃんと洗っておいたから。あと、洗った後うっかり落としたら、ザフィーラがくわえて拾ってくれた。その後は洗ってないよ」
「んんんんんんんん!!!!!(やり直しを要求する!!!!)」

 リインは全裸になって、はやての枕元に立つ。

「これで、はやてちゃんの中に入ったらいいんですか?」

 不安そうな佇まいのリインを、シャマルは優しくその手で包んだ。

「リインちゃん。私たちの分まで、はやてちゃんのために頑張って」
「はいです。シャマル、お願いするです」

 シャマルはリインの身体をそっとはやての口元に持っていく。

 ずぼっ

 リインの下半身がはやての唇に挟まれた。
 リインの上半身を支えるシャマルが、ゆっくりとその身体を上下させる。

「ん……なんだか……くすぐったいです……」
 
 柔らかい唇に挟まれるリインの腰。そして、はやての舌が無意識にリインの足に触れている。

「ひゃ……温かいものが……」
 
 ヴィータが問う。

「なあ、これいつまでやるんだ?」

 シグナムが答える。

「リインのエキスを主が摂取するまでだ」
「リインのエキスってなんだよ。はやてが飲んだってどうしてわかるんだよ」
「飲めば治る。つまり、治れば飲んだと言うことだ」
「治るまでリインはあんなことしてるのか?」
「まあ、あまり続くようならば休憩は必要だろうがな」

 シャマルは一心不乱にリインの身体を上下している。
 リインは苦しげに眉を寄せては、解放されたように息をつく。その繰り返しで肌が上気したように赤くなっていった。

「は、は……はぁ、はぁ」

 リズミカルな動きに合わせる吐息は、熱を帯びてどこか淫靡なものへと。
 赤く染まる頬は見る者に疼きすら感じさせる官能的なものへと。
 くすぐったさでもじもじと摺り合わせる足は内股に刺激を与え、それは付け根のさらに内側、秘部にリインの意識を向けさせる。

「あ、あ……シャマルぅ、なんだか、リイン、おかしいですぅ」
「我慢するのよ、リインちゃん。はやてちゃんのためよ」
「は、はいですぅ。我慢するですぅ……ふっ……はっ……あっあっあっ……」

 短く切った息が続き、まるで自慰をしているかのような息づかいと表情に、見ているヴィータたちが却って顔を赤らめている。
 リインは足を摺り合わせているうちに、はやての舌に足を絡めてしまう。
 はやては無意識にリインの足を捕らえ、さらに舐め立てる。

「あ、ああああ、駄目、駄目です、はやてちゃん、そんな……そんなところ舐めたら……あ、ああ……駄目ですぅ!」

 がくん、とリインの顎が上がる。
 そして、目を大きく見開いて息をつく。あたかも、絶頂を感じたかのように。
 次の瞬間、リインは叫んだ。

「駄目、駄目ですぅ、シャマル、出してくださいです!」

 リインの必死の口調に何を感じたのか、シャマルは急いでリインを引き上げる。
 一瞬遅く、引き上げる寸前にリインは下半身が緩むのを感じていた。
 持ち上げられたリインの股間から零れる湯気の立つ液体にヴォルケンリッターたちは息を呑み、スカリエッティはにやりと笑ってフェイトに殴られた。

「何があったんや?」

 翌日、何事もなかったかのように回復したはやての質問に答える者はいない。

「なあ、リイン。私が倒れてる間に何があったん?」
「し、知らないです! リインは何も知らないです!!」
「リイン?」
「知らないです! 本当に何も知らないのです!」


 その頃、拘置所では。

「約束通り治したじゃないか。まあさすがに、リインフォースツヴァイの小水=エキスだとまでは思わなかったが、しかし結果オーライだ。これで文句はあるまいね」
「ええ、食事はこれまで通りよ。約束は守ります」
「報酬くらいもらっても罰は当たらないだろうと思うが」
「何が欲しいんです?」
「月に一度のソフト麺を週一にして欲しい」
「いいでしょう。それくらいなら妥当です」
「さすがは執務官だ。度量が広い」
「ところで、確認しておきたいことが」
「何かね」
「ドクターは当然、プロジェクトFの権威ですね」
「何を今更」
「私がはやてと同じようになれば、ドクターに依頼が行っても当然ですね」
「あり得るだろうね」
「食事にデザートが二人分つく可能性を考えてみませんか?」

 スカリエッティはにやりと笑った。

「ふむ。もし、君が八神はやてのような症状になれば、治療には第97管理外世界の同じ年頃の女性のエキスが必要だろうね。無論、病み上がりの八神はやては論外だ」





 翌週、フェイトが倒れたという。


著者:野狗 ◆NOC.S1z/i2

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