[419]アルユノ (アルフ)<sage> 2007/03/09(金) 09:39:27 ID:NioYkPeh
[420]アルユノ (ユーノ)<sage> 2007/03/09(金) 09:42:04 ID:NioYkPeh
[421]アルユノ (ユーノ)<sage> 2007/03/09(金) 09:46:12 ID:NioYkPeh
[422]アルユノ (アルフ)<sage> 2007/03/09(金) 09:59:16 ID:NioYkPeh
[423]アルユノ (ユーノ)<sage> 2007/03/09(金) 10:05:53 ID:NioYkPeh

「ユーノぉ・・・どこ?」
この身体だと世界がちょっとだけ狭いんだ。元々の姿だともっと見てる所は低いけど。
まわりのみんなの歩くスピードがすごく速い。アタシが置いていかれるような気分になる……
「……ユーノなら、こんな事無いのに」
置いていったりなんか、しないのに。
いそがしくて、いつも迷惑事に巻き込まれてて、断われば良い事まで引き受けて…

優しい。暖かい。意地っ張り。ちょっと子供っぽい。怒らない。怒っても怖くない。
フェイトよりスベスベしててサラサラしてる。眠くなると髪の毛を弄る。
果物は種のある物のほうが好き。辛い物はあんまり好きじゃない。寝るときは髪の毛解いてる。

アタシは色んなユーノを知ってる。きっと誰よりユーノを知ってる。
でも、みんなユーノがどれだけ頑張ってるのか知らない。ユーノにどれだけ世話になってるか知らない。
アタシもユーノの手伝いするまで戦いしか分からなかったけど、戦うよりもこっちのほうがずっと大変。
怪我する危険はないけど、その分ずっと疲れるし、休憩も少ないし……みんなから褒められたりする事も無いんだ。
――――――――あんなに頑張ってるのに。

気に入らない。
なのは達よりずっと頑張ってるのに。
今アタシの側に歩いてる奴らなんかよりずっとずっと頑張ってるのに。
思いっきり殴りたい。殴り倒して踏みつけてやりたい。
だけど、この身体じゃそんな事できない。できたとしても、フェイトやクロノに迷惑をかける事になるから……

「ユーノ、どこかな……」
変な気持ち。
ずっとユーノを追いかけてる感じがする。身体も心も何かが足りないって言ってるみたいにウズウズする。
お腹が減るのとは違う。いっぱい動き回れなくてイライラするのとも違う。
戦いの時にどうにもならなくてウズウズしてる・・・のに一番近いかな?

でも、何か楽しい。

ずっとずっと変な気持ち。楽しくてウズウズしてイライラして……落ち着かないんだ。
ユーノに会えたら止まる?
ユーノならこの変な気持ちが何か分かるよね?
「ユーノ、どこにいるんだろう……?」

カタ、とコーヒーを横に置く。こんな物好きじゃないはずなのに飲んでる。
正直寝不足だから仕方ない事ではあるんだけど、健康に悪いよね。
大人になる感覚、ってこんな感じなんだろうか。
子供がどんなものなのか分からないまま、もうすぐ15歳になろうとしてる。
……15歳、とは言っても生まれた日はおろか月さえ分からないけれど。
別にそれで困りはしないからどうでも良いんだけど、みんなには色々言われる。
曰く、「子供ができた時にどうするんだ」
曰く、「自分がどれくらいの年齢なのか知らなくていいのか」
困りもしないし、悩む事でもないと思う。
でもリンディさんやレティさんには溜め息を吐かれる。
「もっと子供らしくていいのに」って。
理解できない。どういう事なのか、どうすればいいのか。
「・・・・・不味い」
苦い。砂糖を入れると苦さが際立つから要らない。
ミルクもあんまり入れない。そうしないと眠いから。

「やほー!ユーちゃん♪」
「元気かーユーちゃん?」

……来た。
見間違えようの無い猫耳と尻尾。喋り方も顔も違うのに同じ雰囲気の声と表情。
あとユーちゃんって呼ばないで下さい。

「リーゼ、さん……」
「一緒くたにしないでくれないかなー?」
「そうそう。失礼だよ」
いえ、だって貴方達目的同じじゃないですか。2人位しか座れない椅子にどうして3人で座ろうとするんですかボク挟んで。
「元気無いよ?」
「ん〜?お姉さん達に話してみ?お代はユーノの身体でいいよ♪」
「……なんでもないです」
そんな無茶苦茶高い代価は払えません。否、払いたくありません!!払ったらある意味人生終るじゃないか!!

「つれないなぁ・・・あ、ひょっとしてチェリー捨てちゃった?」
「部屋に連れ込んで部下の女の子食べちゃったとか」
「……それじゃボク行きますんで♪」
「「うん、それ無理♪」」(ガシッ×2)

(リーゼ達の自室)

結局吐かされた。
相談じゃなくて尋問だとしか思えない有無を言わさぬ勢いで。
「なぁんだ」
「たったそれだけかぁ・・・フェイトも短気だね」
「それだけ、って…本気で殺されかけましたけど」
フェイトがプレシアに似てきたなぁとか冗談抜きで思ったよ。
明るくなったと言えばそうなんだろうけど…女性らしさからは遠ざかってる。

「違うよロッテ。私が言ってるのはそっちじゃなくてアルフの方」
「へ?」
「あ、そっち?」
「何でフェイトも気付かないかなぁ…ひょっとしてまだ女の子の証来てないのかな?」
「まさか14歳でそれは無いでしょ。でもそうだとしたら不幸中の幸いじゃない?」
言ってる意味が分からない上にお互いだけで意思相通されるからワケが分からない。
そして何故ボクを挟んで前後に(つまり、今ボクはアリアさんに座らされててロッテさんに圧し掛かられてる)いるんだかサッパリ分からない。
…この人達の頭の中を見てみたいような見たくないような。

「ユーノってホントそっちには疎いね。色々長くなるから要約するけどアルフはユーノに発情しちゃった…というか結構我慢してたみたいだね」
「最近さ、アルフにやたら擦り寄られたり、逆にツンツンされたりとかしなかった?」
「発情って…そんな風には」
「アルフ自身始めてだったんじゃない?だからどうしていいのか分からないままどんどん溜まっちゃって…何かの拍子にぷっちんと」
「ユーノも2次性徴始まってきてオスの匂いが出てきてるんだよ?アタシ達もちょっとつまみ食い、って程度じゃ止まれなさそうな位にね」
…何か、ものすごく嫌な予感。遅すぎるのかもしれないけれど。

「でも残念だよねー、ロッテ」
「そうだね…でも憶えて無いなら好都合だよ」
「そうだね…♪」
「ユーノが悪いんだからね……?」
ざらっ…としたヌルヌルな2つの感触が首を這っている感触。いつの間にか腕と脚が重くなってる。
目の前にいるロッテさんがいつもの元気一杯な表情とはまったく別の笑顔を浮かべて見上げてきて。
ピチャピチャと自分のうなじをヌルヌルしたザラザラが…
「放してください!!何するつもりですか!?」
予想はつくけど、言葉が先に出る。

「さっきも言ったでしょ?」
「女の子が男の子を押し倒さないなんて常識は男の子だけの常識。綺麗なお姉さん達が自分の部屋に入れる事がどんな意味か分からないの?」
「無理矢理連行したじゃないですか!!」

「イヤならイヤって言えばいいんだよ。ユーノはそこが問題だね」
「言っても言うまでしちゃうけど♪ズボン越しでも分かるなんて、おっきいモノ持ってるんだね〜」
言いながらボクの服を嬉しそうに脱がしていく2人(匹)。・・・・・これって犯罪だよね?
体が目以外殆ど動かせない状態になってるし……助けてと叫んでも誰も来るはずもないし、この2人に勝てるのはなのは達くらいだ・・・

でも、嫌だ。こういうのは間違ってる!!
……何でこういう時にアルフの裸を思い出してるんだボクは!?
ああもうボクのバカ!!!!

(ユーノの部屋)

「まだ帰ってない…う〜〜〜!!」
ベッドの上でむくれてみるけど誰もいなくて何かかっこ悪い。
シーツやなんかは全部洗われて今は干されてるから骨組みと板と薄いクッションだけ。
ユーノの上着が脱ぎ捨てられてて、何だかちょっと情けない。
…でも、いつものユーノの事を考えれば文句は言えない。
ユーノの手伝いをするようになったのは2年前。フェイトが小学校を卒業した頃。
何となく、アタシ自身の居場所が見つからなくて寂しかった。
はやての家にも誘われたけど、気が乗らなかった。
いじけてたんだ。誰も私が要らない様な気がして……すごく怖かった。
だから、リンディに相談したんだっけ。


(回想)

「フェイトも強くなっちゃったものね…
クロノの手伝いをしてもらうわけにもいかないしエイミィは・・・
・・・あ。だったらユーノ君のお手伝いをお願いできるかしら」
「ユーノの?」
「ええ。…正直、無限書庫の管理はユーノ君に殆ど任せきりなのよ。管理局の人材はそっちの方面は全然だもの。
なのはさん達みたいな戦力よりはずっとユーノ君みたいな人材のほうが欲しいんだけど・・・
上の人間も入ってくる子達も血の気が多いから。それに・・・・・それ以前にね…」
何故か、あの時とてつもなく重たい溜め息をリンディが吐いたのが忘れられない。

「スクライア一族の今の族長さんがユーノ君を弟同然に可愛がってた人でね…
前にユーノ君が疲れて倒れちゃった時に
『今度ユーノをそんな目に会わせたら全てのスクライアは今後一切時空管理局には協力しない。
ロストロギア管理権限も返して貰う』って…
もの凄い剣幕で怒鳴り込んで来て…まさか、なのはさんを叩きのめせる人がいるなんて思わなかったわ…
話がずれちゃったけど、そうでなくてもユーノ君を1人で仕事させてるのは心苦しいのよ」
「でもアタシ、ああいうの苦手だし…本とか辞書とか」
「側にいてあげるだけでもいいのよ。あんな所に1人でいたら精神的に参っちゃうでしょう?
それとも誰か推薦する人はいるの?」
「いないけどさぁ…ユーノは男なんだよ?」
「ユーノ君は大丈夫よ。ウチのクロノみたいに獣じゃないし、貴女だったら逃げられるでしょ。
じゃ、頼んだわよ♪」

(終了)


それからしばらく2人っきりで仕事してて…
ユーノの事を分かってきた頃にフェイトが遠くの次元世界に行くことが多くなって…
寂しくて、ユーノの部屋で寝ることも増えたんだったね・・・
ユーノが男のくせに身体と髪を洗って乾かすのにすごく時間かけてるのもその時知った。
帰ってきたフェイトに触ったらユーノよりずっとガサガサだった。
後で分かったことだけどユーノの肌も髪も、アタシの知ってる限りではすずかくらいしか同じくらいのレベルがいない。
なのはもフェイトもはやても薄情だよねぇ・・・すずか達に会いに行ってるのはアタシとユーノだけじゃないか。
エイミィも偶にいるけど。

………?
すずか達の事を考えたらノドがチリチリした。
きっとユーノがいても、そういう気持ちになる。最近誰がいてもそうなるんだ。
「ユーノのバカ……教えてよ……」
抱きしめた毛布からユーノの匂いがして、泣きたくなった。

カラダが熱くて…息が苦しいよ……早く来て…いつもみたいに頭撫でてよ…アタシの名前、呼んでよ……アタシを…

「さて、これくらいで良しとしますか」
「・・・・・はい?」
服を脱がされるのか、と息がも苦しくなって覚悟した時、上から(圧し掛かられてたから)声が降ってきた。

「まー、今回ばっかりはアルフに譲ってあげないとね。気持ちを分かってないウチにこういう事を本番までしたら可哀想だから。
ユーノもちゃんと性欲も性感もマトモって分かったから、何も問題無いって事も分かったし。……私としてはしたかったんだけどね」
「ロッテ、文句言わないの。ユーノ、今のアルフとユーノの関係、すごい意味を持ってるって分かってる?」
「アルフがボクの事を好きになった事ですか?」
後ろから抱きしめられながら返事をするしかないなんて、自分が情けなくてしょうがない。

「違うよ。使い魔が誰かを好きになるなんていうのは普通の事。
発情するのだって元々獣だったのが多いんだから当たり前。
今問題なのは、アルフは自分で自分の好きなユーノの為に発情してるって事だよ。
それがすごいって言ってるんだけど理解できる?
使い魔は一回死んじゃった身だから子供は作れない。主が死んじゃったら消えちゃう。
アルフもそれは分かってるだろうけど…
…それでもフェイトよりユーノを選んだ事がどれだけ重い意味を持つのか、ちゃんと考えてね」
「私達はもうすぐマスター変更するか、父様と最期まで一緒にいるか決めなきゃいけないけど。
それと同じくらい大きな問題だよ。……使い魔は子供も出来ない老化もしない。
主を変更していけばずっと生き続ける。
でも、心を持ってる私達は悩んだり苦しんだりする。恋愛感情を持たせた責任は大きいよ?
―――――――――――――と、重い話はここまでにしてさっさとアルフに会いに行ってあげなよ。きっと待ってるから」

「・・・・・いいんですか?」
「次は無いよ。容赦なく押し倒して黄色いどころか真っ白な太陽見せてあげる」
「アルフに振られちゃったらおいで〜♪骨の髄まで染めてあげるから。あ、でもユーノに才能があったら染められちゃうのは私達かも♪」
「全力で遠慮しますっ!!!!……その、ありがとうございました!!」



「・・・・・行っちゃったね」
「アリア、実はすごく悔しいでしょ。あーあ、食べ損ねちゃった」
「それはそうよ。私達の次の主になって欲しいくらいには信用してるんだから、繋がりが欲しいかなーって」
「・・・・・今久し振りにアリアと何も使わずに心が同じだって分かった」

「当然。私達は双子なんだから」
「ずっと、一緒だね。でさ、今度ユーノ襲う時は何時にする?私としてはやっぱり夜這いかな」
「セオリー通りも良いけど、シャワーに乱入とかどう?」
クス・・・クスクスクス・・・
「「むっはーーーーーーっ!!!ユーちゃん萌えーーー!!!!」」

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目次:アルフとユーノ(仮)
著者:ヘボ書きマン

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