641 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:42:07 ID:ubzIlDhp
642 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:42:40 ID:ubzIlDhp
643 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:43:12 ID:ubzIlDhp
644 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:43:45 ID:ubzIlDhp
645 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:44:18 ID:ubzIlDhp
646 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:44:51 ID:ubzIlDhp
647 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:45:23 ID:ubzIlDhp
648 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:45:56 ID:ubzIlDhp
649 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:46:29 ID:ubzIlDhp
650 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:47:09 ID:ubzIlDhp
651 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:47:41 ID:ubzIlDhp
652 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:48:14 ID:ubzIlDhp
653 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:48:47 ID:ubzIlDhp
654 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:49:20 ID:ubzIlDhp
655 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:49:53 ID:ubzIlDhp
656 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:50:24 ID:ubzIlDhp
657 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:50:57 ID:ubzIlDhp
658 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:51:30 ID:ubzIlDhp
659 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:52:03 ID:ubzIlDhp
660 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:53:12 ID:ubzIlDhp
661 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:53:44 ID:ubzIlDhp
662 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 2007/09/21(金) 02:54:19 ID:ubzIlDhp

- 「それじゃ、乾杯」
「か、かんぱい・・・」

キン、と二人の持ったグラスが鳴る
エリオとしては、軽く合わせるだけで割れたりしないか、落としたら大変だけどきつく握ったら割れるんじゃないかと、そんな心配が胸の中で渦巻いていた
グラスだけでは無い、皿一枚、スプーン一本を取っても、どれもこれも高価そうな物ばかりで、隊舎での食事に慣れ切っていた身としてはやりにくいことこの上ない
だが、グラスの向こうにいる、保護者で師匠で憧れの人は、そんな緊張を見透かすように微笑みを浮かべた

「エリオ、そんなに緊張してちゃ、美味しく食べられないよ。
お相伴に預かってる私が言うのも変だけど、ご両親の、折角のご厚意なんだから・・・ね」
「は、はい」

その返事に、フェイトはにっこりと笑顔を見せて、グラスに注がれた白ワインを一口含んだ
エリオも倣って、ワインを飲もうとして・・・喉を焼きながら流れ落ちてゆくアルコールの熱さ、その初めての感触に、小さく噎せた

「けほ、けほっ」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫です。少し、吃驚して・・・お酒の味って・・・やっぱり変な味ですね」

子供らしい感想である。フェイトもアルコールは少し苦手だが、今口にしているワインは素直に美味しいと思った。
グリフィスの母親:レティ提督に付き合わされた経験は一度や二度では無いし、割と酒豪なはやてとの宴会も何度か経験しているので、少しは強い方、と彼女自身は思っている

「やっぱり、ジュースの方が良かったね。でも、このワインはすごく美味しいワインだよ。将来の為に、味を知っておくのも良いんじゃないかな」
「将来・・・役に立つんですか?」
「きっと、損になるような事はないと思うよ。さ、食べよう」



○フェイトさんは大変な告白をされてしまいました


いただきます、と両手を合わせて、二人は改めて料理に向き直った
最初は、思い切ってコース料理なんてどうだろうか。と考えたフェイトだが、コースの内容を聞いて絶対に食べ切れないと判断し、一品料理を幾つか頼むという注文をしていた
褐色の透き通ったスープ、ナッツを散らした新鮮な野菜のサラダ、籠に盛られたパン、数種類のチーズ、茹で上げられたでっかいエビ、司厨長自慢の料理なのだという魚のムニエル
美食にはあまり興味を持たない二人である。隊舎の食堂で毎日腕を振るっているおばちゃんの料理を毎日3食食べていた身としては、スープ一皿を取っても驚嘆の味わいであった

「・・・このスープ、何味って言えば良いんでしょうね。美味しいことに間違いは無いんですけど・・・」

エリオがそんな感想を漏らしたスープは、何種類もの野菜や肉を何日も掛けて煮込んで、漉したり冷ましたり化学実験じみた手間暇を掛けて拵えられているのである
最初は少し気後れしていたのか遠慮気味だったエリオも、未知の味わいに舌鼓を打ちながら笑顔を見せた。そんな元気の良い食べっぷりにフェイトも釣られるように笑みを浮かべる

「エリオも、いつかテーブルマナーの勉強とかしないとね」
「えぇっ!?」
「もし、捜査官や執務官になろうと思ったら、必修科目なんだよ?」
「そ、そうなんですかっ!?」
「うん。こういう作法を身に付けておかないと、公式の場に出る仕事は務まらないし、潜入捜査の関係で会食に潜り込むことになる場合もあるしね」
「・・・そうなんですか。例えば、どんな作法があるんですか?」
「基本中の基本としては・・・食器で音を立てないとか、スープを啜らないとか、パンに齧り付かないとかだけど・・・」

その言葉に、エリオはぴたっと動きを止めた。大口を開けてパンにかぶりつこうとしていたのである
その姿を見たフェイトはおかしそうに笑って

「パンを食べるときはね、一口分ずつちぎって食べるんだよ。バターやジャムを塗るのも、ちぎった方に塗るの」

フェイトの言葉に従って、エリオはパンを千切って口に入れた

「そうそう。とにかく、あんまりガツガツした食べ方をしなかったら、それっぽく見えるよ。
私も、リンディ母さんに教えてもらうまでは、パンは囓ってたし、スープは啜ってたし、今思い出すと、ちょっと恥ずかしいな・・・」
「でも、そういう事を意識しだすと・・・ちゃんとしなきゃ駄目なように思っちゃいますね」
「今日は折角二人っきりなんだし、肩肘張らずに、楽しく食べよう」

そう言って、フェイトは嬉しそうな顔でパンに齧り付いた。不作法な筈なのだが、そんな姿も絵になって見えるのだから不思議である

「フェイトさん、ずるいですよ。自分だけ」
「私だって、たまにはお行儀なんて気にせずにご飯を楽しみたくなるのよ。あ、チーズ美味しい・・・ワインと良く合うわ」

気取った姿を見せるような必要がない間柄である。二人は満面の笑みを浮かべながら食事を楽しむことにした
パンにチーズを乗せて、大口でもってかぶりつく。ほこほこと湯気を立てている大きなエビの身を殻から外し、手掴みでソースを付けて口に持ってゆく
汚れた口元をぐいと拭い、フェイトがワイングラスを勢い良く干せば、エリオも真似をするように懸命に頑張っている
だが、アルコールは流石に駄目なようで、何度も噎せ返るようにしながらようやく一杯飲み干した。エリオの顔には、やり遂げました!+お酒はもう良いです。と書かれている

「けほ、けほ・・・やっぱり、味なんて良くわかりませんよ」
「流石に今からお酒の味が分かるようになるのはちょっと問題だけど・・・本業のソムリエさんなんかは、子供の頃にしっかり味覚を鍛えておくんだよ」
「そうなんですか・・・でも、僕には無理ですね。けほ」

あはは、と笑いながらフェイトは、ずい、とワイングラスを差し出した。エリオは、少しおっかない手付きでどぼどぼっとワインをグラスに注いでゆく
ちなみに、ワインのサービスを受けるときはグラスを持たずに受けるのが正しい作法です

そんな、不作法ながら楽しい食事が一区切り付くと、ワインの為か少し赤くなった頬に手を当てて、フェイトが小さく呟いた

「でも、何だか新婚旅行みたいだね」

エリオは噎せた。口に入れていたチーズの切れ端が鼻から飛び出すのではないかと思ったくらい、豪快に噎せた

「エリオ?大丈夫?」
「だ、大丈夫です・・・フェイトさんがいきなり変なことを言うからですよ」

咳き込みながら非難するエリオに、フェイトは少し頬を膨らませて、

「でも、こんなに良い部屋で、こんなに豪華なご飯だよ?夜景も綺麗だし、こんな機会、普通に考えたら新婚旅行くらいだよ」
「そ、そうかもしれませんけど・・・」

確かに良い部屋である。半端でなく良い部屋である
普通に考えれば、こんな部屋に宿泊する機会など、余程の富豪でなければそうそう有り得ないだろう

ベッドルームとダイニングに別れた部屋は、それぞれがエリオが自室としているアースラの個室4部屋分よりも大きいくらいだし、
調度品はどれをとっても高そう、という一言に尽きる。決して華美な装飾ではなく、全体的に瀟洒な雰囲気に収まっているというのが少々怖い。値段的な意味で
ベッドルームに至っては、天蓋付きのデカくて四角いベッドがある。エリオは産まれて初めて、正方形のベッドという物の存在を知った
カーテンを開ければ、眼下にはクラナガンの煌びやかな夜景。少しだけぽっかりと暗い部分があるのは修復中の場所だろうか

「それとも・・・エリオは、新婚旅行に行く相手が私じゃイヤ?」
「あの、フェイトさん、議論が、いや、論点がずれてます。っていうか話が飛んでます」
「6課の職員は、女性が多いから・・・ねぇ、エリオが一番好みな人って誰?」

小学校高学年くらいのお子様に母親が「クラスで一番可愛い子って誰?」と尋ねるという程度のテンションでご想像ください

「こ、好みって・・・だ、誰でも良いじゃないですか」
「えぇー。教えてくれないの?」
「お、教えませんよ。ご想像にお任せします」
「うん、じゃぁ勝手に想像するね。もし、エリオが将来新婚旅行に行くとしたら誰と行きたいか。えっと・・・」

満面の笑みを浮かべて頷くフェイトに、エリオはまた豪快に噎せた。咀嚼中だったムニエルを噴き出さなかったのは、汚したらヤバそうと思った彼の根性の賜である
赤くなった頬に指を添えて、酔っぱらいなりに真剣な表情をフェイトは作り、

「普通に考えれば、キャロかな。年も近いし、いつも一緒だし、名実共に良いコンビだし、フリードとも仲良しだよね。エリオ的には第一候補?」
「なっ、あ、いえ、そんな、その」

頬が赤くなるのを隠せないエリオである。確かに、キャロはライトニング小隊のコンビとしていつも一緒に行動していた
年が近いというのは言うまでもなく、プライベートでも一緒に過ごす時間は多かった。彼女は心を通い合わせることができた大切なパートナーである

「んー。じゃぁ、スバルやティアナかな。二人とも頼れるお姉さんだからね。
エリオは二人を上手くサポートしてるよね。スバルが突出した時は脇を固めてあげてるし、ティアナがリーダーシップを発揮してるときはいつも副官的な立場で意見を出してる。
・・・もしかして、二人共脈有りだったりするのかな。エリオはどう思う?」
「し、しりませんよっ」

何かと世話を焼きたがるスバルと、冷めているようでもいつも年下を気に掛けてくれるティアナの二人に憧れを抱いたことが無いのか。と問われれば、否、と答えるしかない

スバルの親しみを込めた、少し乱暴な肉体的接触にはドキドキしたし、“指揮官”ティアナの為に深夜まで勉強に励み、戦術眼を磨いた事もあった
一年間という短い期間の中でも、スバル達との絆は強いものだと、エリオは思っている

「ん、と・・じゃぁ、シグナム?何かと理由ばっかり付けて訓練に出ようとしなかったシグナムが積極的に参加するようになったのって、エリオの個人指導を受け持ってからだよね。
あれから、随分頑張ってくれてたし、食事の時にはエリオの成長振りをいつも褒めてたんだよ。あのシグナムが、いつか追い越されるかもしれないって言ったのは、エリオだけだし。
私なんかは幾ら頑張っても、まだまだ私の方が上だっ。とか言っていつも負けず嫌いだったのに・・・・・あれ、となると、シグナムはもう既にエリオにぞっこん?
一緒にお風呂にまで入ったっていうのも見過ごせないよね。エリオとしてはどうなのかな?」
「あ、う、いえ、あの、」

少し据わった視線が怖いですフェイトさん
しかし、シグナムの凜とした“騎士”としての姿は、エリオにとっては憧れを抱くものであり、同時に目標でもあった
いつかあの背中に追い付きたい。背丈は随分違うとしても、肩を並べられるようになりたい・・・そんな風に常々思い、シグナムとの訓練に打ち込んでいるエリオである
それだけではなく、時折見せるぶっきらぼうな優しさには先述とは違う意味の憧れを抱いたし、少し意地悪にからかってくるのも決して不愉快なばかりではなかった

「ん――――・・・じゃぁ、シャマル先生あたりはどう?
優しい医務室の先生ってポイント高いよね。怪我が多いとお世話になる事も多いし・・・ああいう、ふわふわした優しさって、私も憧れちゃうかな。

訓練で傷を負った時、実践で負傷した時、シャマルの治療には何度も助けられた
彼女の暖かい手で施される治療・癒しの魔法には、緊張にささくれ立った気持ちまで癒してくれるような不思議な力があったと思う
それは彼女の魔力故なのか、それとも彼女故の事なのか。シャマルの優しさと、笑顔にも憧れを抱いた物だった

「でも、お料理は未だにちょっと苦手にしてるんだよね・・・エリオは、奥さんの手料理を大好物にできるタチ?」
「え?あ、は、はい。多分」
「じゃあシャマル先生は除外されるね」

リンカーコアをぶち撒けられても不思議ではない台詞である
だが、フェイトはあっさりとシャマルの可能性を投げ捨て、しばらく考え込むような素振りを見せて・・・

「それじゃあ・・・あ、判った。ルーテシアちゃんでしょう?
あの子の事、放っておけないって言ってたしね。可愛いし、あの儚げな雰囲気はそれだけで守ってあげたい気持ちになるのはわかるよ」

ゆりかご事件の最中で巡り会った少女、ルーテシア
かつての自分のように冷たい目を彼女を放っておけなかった。キャロと共に説得し、何とかその心を救うことができて本当に良かったと思っている
今は保護施設に入所している彼女だが、フェイトとキャロと共に会いに行くと、少しだけ嬉しそうな笑顔を見せてくれた
もっとも、彼女が笑顔を見せる相手というのは、ルーテシアの守護者を自称する融合騎の少女:アギトと、エリオとキャロの3人しかいないのだけれど

「どうかな?正解はあった?」

笑顔で尋ねてくるフェイトに、エリオはじっとりとした顔を浮かべて、
おもむろにワインボトルを手に取るとグラスから零れるくらい乱暴な手付きでどばどば注ぎ、ぐびぐびと一気に飲み干した
突然の事に驚いて声も無いフェイトに、熱い吐息を胸の内から吐き出して、エリオは俯いたまま絞り出すような口調で言った

「・・・ありません」
「え?」
「正解は、ありませんでした」
「え?え?そうなの?」

狼狽えるフェイトに、エリオは腹を括って、顔中を口にするような大声で言い放った



「何でフェイトさんが入っていないんですか!!?」



「・・・・・え、えぇっ!!?」
「僕が・・・僕がずっと、一番憧れてたのはフェイトさんです!
あの研究所から助け出してくれた時から、病院で暴れた時に怪我をさせたのに抱き締めてくれた時から、ずっとフェイトさんに憧れてたんです!!」
「で、でも、私はただの保護責任者で」
「そんなの関係ありません!もしも、もしもこれが、その、新婚旅行だとしたら、一番一緒にいたいのはフェイトさんです!絶対に、その気持ちは変わりません!!」

エリオはそう言い切って、ぜぇぜぇと荒い息を吐いた

647 名前: フェイトさんは大変な告白をされてしまいました [sage] 投稿日: 2007/09/21(金) 02:45:23 ID:ubzIlDhp
酒の勢いを借りて口にした言葉だが、それは決してその場の流れで言った言葉ではない
ずっと、ずっとエリオはフェイトに憧れていた。だからこそ、10歳という若輩の身にありながら管理局員になり、機動6課に志願し、厳しい訓練を経て、少しだけ一人前に近づけた
“生き方”の大部分をフェイトに依存していたエリオにとっては、フェイトの存在は或る意味で彼が生きる理由そのものであり、全ての動機でもあった
キャロもスバルもティアナもシグナムもシャマルも、確かに憧れた女性(少女)である
だけど、フェイトは違う。そういう“憧れ”を軽く超越した存在だった

そんな、嵐のような告白を聞き終えたフェイトは席を立ち、エリオの傍らまで歩くと、ぎゅっとエリオの頭を胸に抱き抱えた
赤い髪を撫でながら、突然の抱擁に硬直するエリオに囁きかける

「・・・ありがとう、エリオ・・・ごめんね、からかっちゃって・・・エリオの気持ち、本当に嬉しいよ」
「フェイトさん・・・あの、ごめんなさい。急に、その、困らせるような事言って・・・」
「良いよ。エリオが素直に自分の思いを伝えてくれて、本当に嬉しかった・・・」

エリオの額に口付けを落とし、おでこ同士をくっつけて、フェイトは至近距離でにっこりと微笑みを浮かべ

「・・・それじゃ、しちゃおうか」
「え?」
「新婚旅行。今日が二人の新婚旅行にしちゃおう。ね、“あなた”」

その呼び掛けに、一瞬で耳の裏まで真っ赤になったエリオの顔に、フェイトは唇を寄せた

「んっ・・・」

心臓が破裂するのではないか。エリオは本気でそう思った
目の前にフェイトが居る。桜色に上気した頬。潤んだ瞳は伏せられている。少しだけアルコールの名残が残る柔らかい唇は自分の口元と重ねられている
触れ合うだけの接吻、お互いを確かめ合うような交歓に、エリオも引き込まれるようにその瞳を閉じた
瞼を閉じた暗い世界の中で、確かに感じる、フェイトの唇の温もり、少し甘く香るフェイトの匂い。ぎゅっと自分の体を抱き締めているフェイトの体の温もりと柔らかさ
触れ合った唇から、心臓の鼓動が伝わるのではないか。エリオはそんな事を考えながらも、初めて感じるキスの甘さに酔いしれるのだった

「・・・ん、ふっ・・・」
「・・・あ・・・」

唇が離されたことに、エリオは少し残念そうな声を出してしまった。そんな彼に、フェイトは悪戯っぽく微笑んで見せ、耳元でそっと囁く

「・・・気持ち良かった?」
「あ・・・はい。すごく」
「んふふ・・・でも、ね。キス一つにもまだ続きがあるんだよ、エリオ・・・」

そう言って、フェイトは再びエリオの顔に唇を寄せた
頬や鼻先、顔中に啄むように唇を何度も押し当てて、フェイトはエリオの唇に吸い付いた
触れ合わせるだけの接吻ではない。重ねられた唇の中で、フェイトの舌がそっとエリオの唇を舐めた
不意に襲ってきた熱くぬめった感触に、エリオは驚いて目を見開き、フェイトは予想通りの反応に目元を緩ませながら、舌を強引に唇に割り込ませた

「んうっ!?」

エリオの呻き声が聞こえたような気がするが無視する
口内に侵入した舌で、硬直しているエリオの舌をつつき、歯茎や頬の裏を舐め尽くす

(エリオ、舌を伸ばしてみて)

念話で一言そう告げると、返事は無かったが怖ず怖ずと舌が伸びてきて、フェイトの舌に触れた
先程一気飲みしたワインの味が微かに残る舌を絡め取り、ぴちゃぴちゃと水音がする程激しく絡め合わせる

「ん、ぐっ」

少し苦しそうなエリオの様子に、フェイトは唇を一度離した
熱烈な接吻であったことを証明するように、二人の唇の間を唾液が細く繋いでいた

「苦しかった?」
「す、少しだけ・・・その、ごめんなさい。頭が真っ白になりそうで・・・」
「良いんだよ、エリオ・・・上手なキスのコツはね、相手を思いやって動くこと。剣術の駆け引きに少し似てるかな?」
「・・・えっと、“押さば引け、引かば押せ”?」
「そうそう、シグナムに教わったの?」

「はい、そうです」
「・・・でも、こんな事までは教わっていないよね?」

フェイトは、じゃあ、もう一度、と呟いて、エリオの唇に再び吸い付いた
今度は、意外にもエリオの方から舌を伸ばしてきた。フェイトの唇をノックするように舌先でつつき、甘い唇を味わうように舐めてゆく
積極的な姿勢のエリオを嬉しく思いながら、フェイトは唇を這う舌を呑み込むように口中に吸い込んだ
唇で扱くように彼の舌を貪り、舌を絡め合わせ、今度はエリオの唇を割って舌を進ませる
エリオは先程の言葉を意識しているのか、自分の舌を引っ込めてフェイトの舌を呑み込んだ。フェイトがそうした様に、自分も同じように舌を扱う
意外な才能の発揮に、フェイトは思わず腰をくねらせながら、ぎゅっと抱擁を強くした

「・・・ぷはっ」
「ん、はぁっ・・・エリオ、どうだった?」
「あ、あぁ、その・・・なんだか凄くて・・・真っ白です。あはは」
「でも、私はキスだけじゃ嫌だよ・・・もっと私を感じて。ね、“あなた”」

ダイニングからベッドルームに舞台を移して、二人の営みはより一層熱さを増す
フェイトはベッドの上に横座りに腰掛けて、シャツのボタンを全部外して前をはだけさせた
エリオは、眩しいほどの肌の白さと、豊かな胸を覆う黒い下着のコントラストに目を奪われている
シャツを脱ぎ捨てて、上半身だけ下着姿になると、フェイトは同じくベッドに座っているエリオの肩に頭を乗せて、彼の掌を胸元へ導いた

「触って。エリオ・・・ゆっくり、ね」

下着越しでも、その掌が汗ばんでいて、熱くなっているのはわかる
エリオは導かれるままに、ゆっくりと乳房を撫で、指先を少し揉むように動かした

「んぅっ」
「あっ、ごめんなさい!痛かったですか?」
「もぅ、そうじゃないよ・・・気持ち良いと、つい声が出ちゃうんだよ・・・だから、あまり気にしないで。もっと、触って欲しいから」
「は、はい」

熱い吐息を首筋に感じて、茹で上げられたように真っ赤になりながらも、エリオはフェイトの白い肌に掌を滑らせていった

フェイトは、男ならば誰もが興奮を露わに貪り付きたくなるような肢体の持ち主だが、生憎エリオはまだ男未満の少年であり、気恥ずかしさの方が強かった
躊躇うように胸をさすっていた掌が、意を決したように、乳房を下から掬い上げるように持ち、ゆっくりと、豆腐で掴めるような手付きで揉み始めた
揉む、とは言えあまりに力加減が優しすぎるので、指先で撫でられているよう感じないが、ぞわぞわとした刺激が胸に広がってくる・・・とはいえ、少し物足りない

「ん・・・もう少し、強くしても平気だよ。エリオ・・・」
「わ、わかりました。それじゃあ・・・」

豆腐を握り潰せるくらいの力にはなっただろうか
成長過程の掌には余るほどの乳房を、エリオはゆっくりと揉む。自分の胸が形を歪める度に、甘い刺激が体の芯を走るのをフェイトは感じていた

「あ、あの・・・フェイトさん」
「なぁに・・・?

困った顔をしているエリオの視線を追ってみると、下着越しでも判るくらいにぷっくりと膨らんだ乳首が目に入った
エリオは、どうやらこの“異変”の理由がわからず、何やら重大な異常なのでは。と心配しているようだ

「これは、エリオに触ってもらうのが気持ち良いから、こうなっちゃったんだよ。触ってみて・・・敏感だから、優しく。ね」

フェイトの言葉に従って、エリオは下着越しに乳首をそっと指先で挟み、摘み上げるように擦り立てた

「んぅっ!・・・はぁっ・・・!」

ぴりぴりと走った電流の様な快感に、フェイトは思わず熱い溜息を吐いてしまった
エリオは、フェイトのそんな反応を心配げに見守りながらも、乳房を弄る手を止めようとはしない。魅入られたように、フェイトの体を蹂躙する
乳房を、パン生地を捏ねるように揉み込み、乳首を指先で弾く。その度に、フェイトは体をくねらせて反応した

「エリオ・・・ちょっと、待って。スカートも脱ぐから・・・あれ?ホック、うまく外れない・・・」
「こう、かな?」
「あ、外れた。ありがとう、エリオ・・・ん、ぃしょ・・・」

窮屈なタイトスカートをストッキングを一緒に脱いで、フェイトは下着だけの姿になって、広い、広すぎるベッドに横になった

全身を嘗め回すように見つめる視線を感じながら、フェイトは寝そべったままエリオの頬に両手を伸ばし、

「エリオ・・・エリオは、どうしたい?」
「え?ど、どうって・・・その・・・えぇと・・・」

真っ赤になって狼狽える少年の姿に、くすくすと笑いながらフェイトは呟いた

「良いよ。エリオのしたいこと、全部して。きっとどれも気持ち良いから・・・いっぱい触って、いっぱい感じさせて」

熱く火照った笑顔でそう言われて、エリオはごくりと生唾を飲み下し、寝そべっているフェイトの背中に手を回した

「ん、下着、外すのね。外せる?」
「やってみます・・・こうして。こうかな?」

ぷちっ、と言う音と共に、胸を覆っていた圧迫感が緩んだことに少し驚くフェイトである。予備知識もなく、ブラというのは外せるものなのだろうか?
ビギナーズラックという奴だろうか、それともこの少年には何やら大変な才能が宿っているのだろうか

「フェイトさん・・・取りますよ」

その言葉に、黙考は中断させられた。エリオがフェイトの体からするりとブラジャーを外すと、白い胸、頂の薄紅色をした乳首が姿を見せた
エリオも上着を脱いで上半身裸になると、フェイトの半身を起こして晒け出された彼女の胸に、ゆっくりと掌を重ねて行く

「フェイトさん・・・すごく、ドキドキしてますよ」
「うん・・・エリオの手、気持ち良いから・・・エリオもドキドキしてるでしょう?」
「は、はい・・・心臓が、破裂しそうなくらい・・・何だか頭がクラクラするくらい、ドキドキしてます」

エリオの汗ばんだ、熱い掌が乳房にしっとりと張り付いた
最初の様な遠慮は薄くなってきたのか、掌で乳房全体を撫でるように動かしながら、指先で軽く摘むように揉み始めた
一定のリズムを取るように、乳房を回すように揉みながら、人差し指がクリクリと乳首を弄る

「ん、はぅっ・・・あ、あんっ!」
「えと、こういうのが、良いですか?」
「ん、うん・・・すごく、気持ち良いよ・・・もっと、触って・・・」
「は、はい・・・」

自慰をするにしても、フェイトはソフトな刺激で済ませてしまうタイプである
自分で刺激することもあまりないが、エリオの愛撫からもたらされる快感は、今まで経験したことがないほどに強く、熱く、フェイトの体を淫らに蕩かせてゆく
まだ胸しか触られていないというのに、腰がくねるほどに気持ち良い。ショーツの奥が熱く潤ってきているのが自分でも判る
エリオの掌が乳房全体を挟んで持ち上げるように、たぷたぷと揉みながら、その頂に舌を這わせた

「あっ、ひゃぁんっ!!」
「うわっ、だ、大丈夫ですか?フェイトさん!」
「ご、ごめん・・・吃驚しちゃって・・・」
「すみません・・・その、キスの時、気持ち良かったから・・・こういうところも、キスすると気持ち良いのかもって思って・・・」
「うん・・・一瞬、目の前が真っ白になったよ・・・」
「・・・気持ち良かった・・・んですよね?」
「う、うん」

この、恐ろしく学習能力の高い少年に、こういう事を教え込んでも良い物なのかどうか
今更の様にそんな事も考えるが、この少年が自分の性感帯を全て把握し、自分が弱い責め方を全て憶えた時に、自分はどうなってしまうのだろうか
それが恐ろしいようでもあり、楽しみなようでもある。とにかく今は、この快感に溺れてしまいたい
エリオは乳房を揺らすような刺激を掌で送りながら、乳輪を中心に舌を這わせていった。時々、白い肌に軽く吸い付きながら、交互に舐めてゆく

「んっ・・・はんっ・・・んっ!?」
「フェイトさん・・・胸の、下の方を触った時に、反応が変わるんですね」
「う、うん・・・そこ、弱いから・・・すごく、感じるんだ」

胸の高鳴りを憶えながら、フェイトは弱点の一つをエリオに教えた
案の定、エリオは教えられた弱点を基点に、胸への責めを組み立てる。下から掬い上げる格好のまま、親指の腹で下乳の性感帯を擦りながら、胸全体にキスを降らせる
ちゅっちゅっちゅっちゅっ、という音と共に、リズミカルに乳房を小さくついばみ、口で刺激できないもう片方の胸は指先で乳首を擦り上げる

「ん、んっ・・・あっ、あっ、あっ・・・く、んぅっ・・・」

散々キスを降らせた乳房に、エリオはまた唇を押し当てた。今度は、固くしこり立った乳首を、唇で挟むように

「んぅっ!?」

上唇と舌とで挟み込むように、固くしこった乳首を柔らかく噛む。そうしながらも乳輪に舌を這わせ、もう片方の胸への刺激は忘れない
唇と舌で挟んだ乳首をしごくように刺激してくるエリオに、フェイトは唇を噛んで耐えなければならない程だった

確信を持つ。この少年は、“上手い”。相手を思いやる、慈しむような優しい愛撫と、相手の性感帯を見抜き、憶える学習能力と、不意に発現する“技”の相乗効果は、
ここまでくると才能としか言いようがない。ぎこちない愛撫をリードしてあげればいい。というつもりだったフェイトは、完全に目論見をひっくり返されていた
或る意味、嬉しい誤算とも言える

乳首に、軽く歯が当てられた。誰かに教わったわけでは無いだろうに、こういうのもエリオが不意に繰り出す“技”だった
今までの柔らかい刺激と違う、不意の硬質な刺激にフェイトは思わず胸に吸い付くエリオの頭を抱き締めた

「ん、やぁん・・・うそ、こんな・・・んうぅっ!」

思わぬ快感の波に翻弄されながら、フェイトは胸から広がって背筋を駆け上る快感に打ち震えた
既に、全力疾走を終えた直後のように息は荒く、顔中が熱くて、鏡を見なくても真っ赤になっているだろうというのがわかる
このまま、絶頂まで達してしまうかもしれない。そんな事を考えながら、与えられる刺激に抱擁をきつくしていると、ぴたぴたと背中が叩かれた
何だろうと思ってきつい抱擁を緩めると、

「ぷはっ・・・フェイトさん、苦しいですよ」

どうやら、豊かな胸に顔を圧迫されて、窒息し掛かっていたらしい。赤い顔で非難してくる少年に、フェイトは少し噴き出してしまった

「わ、笑わないでくださいっ。フェイトさんが、あんまり強く抱き締めるから・・・」
「ごめんごめん、あんまり、気持ち良かったから・・・つい、ね」
「・・・本当ですか?」
「本当だよ。エリオ・・・」

エリオの頬を両手で挟んで、その唇に、フェイトは貪るように吸い付いた
先程ダイニングで交わした接吻よりも、より深く、もっと熱く、更に激しく
不意打ち気味のキスだったが、それでも、徐々にエリオにペースを奪われてしまう。これでは、自分の方ががっついている様ではないか
だが頬を挟んでいた筈の手は、いつの間にかエリオの肩に掛かっていて、気が付けば自分が抱き締められている

深く口付けたまま、背筋に指を這わせ、空いた片手は胸を弄る
マルチタスクにも程がある。肩胛骨の間をエリオの指が押した瞬間、ぞくりと背筋に震えが走った
自分でも知らないスポットがあった事に驚いていると、至近距離にあるエリオの青い瞳と目が合った。『そこも弱いんですね』とその目が語っている
触られた快感よりも、その瞳に背筋を粟立たせながらも、フェイトは更に加えられる刺激に翻弄されるばかりだった
エリオは唇を解放すると、舌を伸ばしてフェイトの頬を舐める。汗ばんでいるために少し塩からい
そのまま、頬を通り抜け、下顎のラインを沿うように舐めてゆき、首筋に軽く唇を押し当て、丹念に舌を這わせていった
更に首筋から下に下って、首の付け根、肩、鎖骨までゆっくりと、熱いフェイトの体から熱を取るように舐めてゆく
背中に回っていた手は、背骨を伝ってうなじへと上がり、長く豪奢な金髪を梳くように撫でながら耳元が指先が撫でてゆく
耳たぶを指先が揉み、耳の内側をくすぐるような指使いをされた瞬間、またフェイトの体がぴくりと小さく跳ねた

「・・・そこも、気持ち良いんですね」

エリオは、半身を起こしているフェイトの後ろに回り込むような格好で膝立ちになると、長い髪に顔を埋めて、小さく鼻を鳴らして匂いを嗅いだ

「フェイトさんの髪・・・すごく良い匂いですね」
「そ、そうかな・・・自分じゃ、わからないよっ・・・ん、あぁんっ!!」

耳が唇に挟まれた。キスの時に口の中で舌を絡み合わせたように、エリオの口の中で耳が舐め上げられ、丹念にしゃぶられている
そうしている間にも、エリオの両手は胸を触り続けており、親指と人差し指に乳首が挟み込まれてこりこりと揉み転がされている。下乳を撫で上げるように残りの指が動いていた

もし、この少年が、女の最大の弱点を刺激することを憶えたら、その指使いはどれほどの物なのだろうか

それだけは教えてはならないとフェイトの一面が訴えるが、それを教え込むべきだと主張する一面もいた
上半身への刺激だけで、こうも自分を手玉に取る少年である。熱く潤った股間にその指が触れた時、自分はどうなるのだろうか
その好奇心に、フェイトは負けた

「エリオ・・・少し、離して。下も、脱ぐから・・・」

フェイトはそう言って、後ろから抱きかかえるような格好のエリオの拘束から身を離し、ぐちゃぐちゃになっているであろう自分の秘部を晒すことに羞恥を感じながら、
しかし、腰を浮かせてショーツを脱ぐ・・・脱ごうとした

「あ、あれ?やだ、腰に力が入らないよ・・・ん、ん、しょ・・・」

快感に負けた腰と膝は、どれほど力を入れようとしてもくったりとして動かない
どうにかして、下穿きを脱ごうと奮闘するが、エリオが悪戦苦闘するフェイトの正面に回り込んできて、

「あの、お手伝いしますね。横になってください」
「え、エリオ?あ、や、やだっ・・・」

ゆっくりと上体を後ろに倒されて、フェイトはベッドに寝そべる格好になった。口では抵抗の言葉を呟くが、体は少しも抵抗してくれない
エリオはショーツの腰の部分に手を掛けると、ゆっくりと爪先の方向にずらしてゆく

「エ、エリオ、その、あんまり見ないで・・・やぁっ・・・」

引き剥がされるショーツの間で糸を引くほどにフェイトの秘部は熱く潤っていた。目の当たりにしたエリオが驚きに目を丸くしたくらいである

「あ、あの、フェイトさん。これは・・・その、お漏らし、なんですか?」
「え、えぇっ!?ち、違うよっ!!これは、あんまり気持ち良いから、こんなに濡れちゃって・・・ぁ」

誤解をされないように慌てて言った言葉だが、それはこんな風に堂々と言ってしまっても良いことだったのかどうか

「え、えぇと、つまり、このえっと・・・お漏らし・・・は、気持ち良い証拠、なんですか?」
「だ、だから違うよっ。あ、いや、違わなくも無いんだけど・・・」

具体的にどういう生理現象なのかを説明するのは、流石に恥ずかしいのだが、

「こ、これはね・・・その、男の人を、迎える為の準備っていうか・・・女の人の体は、みんなこうなるものなんだよ・・・」
「そ、そうなんですか・・・」
「エリオの“ソコ”がおっきくなるのと同じだよ」

ズボンの上からでもわかるくらいに、エリオの股間も大きく膨らんでいた

「うあっ、い、いや、これは、その・・・」

真っ赤になって背を向け、なにやらもごもごと言い訳を募る少年の背中に、フェイトは少し呆れたような笑みを浮かべて、その背中にそっと寄り掛かった

「わかるよ・・・エリオも、ドキドキして、興奮したんだよね。そうなるのは、正常な反応なんだよ。
私も同じ、エリオの手や口で触られるのが気持ち良くて・・・それで、こんなになっちゃったんだ・・・」
「ふぇ、ふぇいとさん!?」

フェイトはエリオの手を取り、その手を後ろ手に・・・つまり自分の体を触らせるように回して、そっと背中越しに股間に触らせた
くちゅり、と湿った音が小さく、だがはっきりと二人の耳に届いた

「ね、エリオ・・・胸を触ってくれたみたいに・・・ここも気持ち良くして・・・」

そう言ってフェイトはまだ寝そべり、火照った頬を隠すようにシーツに顔を埋めた
エリオが振り返ると、そこには全裸のフェイトが寝そべっており熱い体をくねらせている。その股間は熱く潤っており、ひくひくと痙攣するように蠢いていた

「ここ・・・ですか?」
「そう、そこ・・・ん、んんっ」

ぴちゃ、とエリオの指先が熱いクレバスに添えられた

「胸よりも、ずっと敏感だから・・・優しくしてね・・・」
「は、はいっ」

エリオは、そっと割れ目に沿うように指先を滑らせた。それだけで、フェイトの体が小さく痙攣している事に驚きながらも、エリオは探るように右手の指先を進ませる
空いている左手でフェイトの引き締まった内腿を撫でながら、右手はそこだけが別の生き物なのではないかと思えるくらいに熱く滾った秘部をそっと撫で上げる

「・・・どう、ですか?フェイトさん」
「ん・・・うん・・・気持ち良いよ・・・そっと、指を入れてみて」

「指が、入るんですか?」
「うふふ・・・本当に欲しいのは、指じゃないんだけどね・・・ね、大丈夫だから・・・してみて」
「え、あ、はい・・・じゃぁ、いきますよ・・・」

エリオは、言われたようにそっと、だが乞われたように指を膣口に押し当てて、ぐっと押し込んだ
指先が、熱い秘肉に呑み込まれて、まるで食べようとでもしているかのようにもぐもぐと蠢いた
その熱さと感触に驚いたエリオが、少し指を曲げる。それは結果として、膣の中を指先で擦るように刺激するということで

「ん、あぁぁぁっ!!!!」
「フェ、フェイトさん!?」

突然の膣中で加えられた強い刺激に、フェイトは四肢を突っ張らせるようにして絶頂に達した
フェイトとしては待ち望んでいた絶頂だが、エリオとしては突然の狂態に戸惑うばかりである

「フェイトさん、大丈夫なんですかっ!?」
「はぁ・・・ん、うぅ・・・嘘・・・こんな、まだ、指先、だけだったのに・・・」

絶頂の余韻に全身を震わせながら、フェイトはくったりと力の抜けた体を抱えて呟いた

「はぁ、はぁ・・・・・大丈夫・・・でも、優しく、してって、言ったでしょ・・・我慢できなかったの?」
「ご、ごめんなさい・・・その、あんまり熱くて、動いてて・・・その、吃驚して・・・今度は、ちゃんとしますから」
「ん、あっ・・・エ、エリオ」

制止の言葉を掛けようとしたフェイトだが、失地回復に燃えるエリオは股間への愛撫を再開した
イッたばかりで全身が敏感になっているのは言うまでも事なのだが、エリオにはそんな性知識が無い
ゆっくりと、丹念に、秘部を撫でるエリオの指先に、フェイトの体はまた翻弄されてゆく
慎重に、ゆっくりと膣中に人差し指を挿し入れた。まずは、指先が埋まり込み、第一関節までがフェイトの膣中に沈んでいった

「フェイトさん、苦しくないですか?」
「ん、はぁぁ・・・だ、大丈夫・・・もっと深く、奥まで来て・・・」
「は、はい」

フェイトは、自分の手で乳房をまさぐりながら、エリオにそう懇願した
エリオは、命じられたままに指をゆっくりと押し進め、ついに人差し指がすっぽりと、根本まで埋まり込んだ
フェイトの膣中は熱く、エリオの指先をきゅっと締めるというよりも、もぐもぐと蠢いて奥へ奥へと引きずり込もうとする様だった
自分の体の浅ましさに頬を熱くするフェイトだが、エリオはフェイトの体の中に指を突き入れているという事実に緊張の真っ直中にあるだけだった

「エリオ・・・ゆっくり動かしてみて」
「は、はい・・・こう、ですか?」

くちゅり、ちゅぷり、そんな湿った水音を立てながら、エリオの指がゆっくりと前後に動き出す

「ん・・・はぁ・・・うん、上手だよ・・・エリオ。それで、今指を入れている所の上の方・・・小さいぷくっとしたのが、わかる?」
「・・・はい、コレ、ですか?」

何気なく、エリオはそれに触れた。指先が、くりっとそれを押し潰す

「やぁっ!だ、駄目っ!!ッ!!あっ、あっ・・・んぅぅっ・・・・」

その瞬間、フェイトは二度目の絶頂を迎え、指を入れていた膣口から愛液を噴出させながら体を震わせた

「エリオ・・・最後まで説明は聞かなきゃ駄目・・・」
「ご、ごめんなさい」
「もぅ・・・そこはね、く、くりとりす、って言って、女の人の体の中でも、すごく敏感な部分なんだよ・・・だから、触る時は、優しく触らないと駄目。
感じすぎるのって、少し怖いくらいなんだよ」
「はい・・・その・・・気を付けます」

エリオは秘部から指を抜くと、代わりに唇をフェイトの股間へと寄せた。エリオとしては、キス=気持ち良いことである
場所が、唇だろうが耳たぶだろうか乳首だろうが臍であろうが、膣口やクリトリスであっても。だ

ちゅっ、と音を立てて、エリオの唇がフェイトの下の口に口付けをした。それだけで、フェイトの体はびくりと跳ねる
愛液でしとどに濡れた股間に軽く吸い付き、そっとを舌を伸ばして舌先を埋め込ませる
熱くぬめった感触が膣中に入ってくる感触に、フェイトは背筋をのけぞらせるほどの快感を感じていた


ぴちゃぴちゃと音を立ててエリオは愛液を舐め取り、べたべたになった顔を上げて、

「少ししょっぱいです・・・汗に良く似た味なんですね」
「あ、味の報告なんてしなくてもいいからっ!ん、あぅぅっ!!」

これ以上無いくらい顔を真っ赤にしたフェイトが慌ててそう言うが、そんな彼女も濡れそぼった秘部へのクンニには耐えきれず、はしたない嬌声を上げてしまう
エリオは、先の反省を踏まえて、ぷっくりと勃ったクリトリスを、そっと舌先でつつくように触れた

「んっ!うっ!」

それだけなのに、フェイトの膣からは小刻みに収縮し、彼女の腰がくねるように動いている
エリオはそっと舌先でクリトリスを舐め上げ、唇の先で挟むように刺激した

「あっ、あっ、や、やだっ・・・腰、止まらないっ・・・ん、んっ」

擦られ、舐められ、吸われる度に、フェイトの腰は踊るように振り立てられ、その度に流れ落ちるほどの愛液がシーツに点々と染みを作った

「あ、あ、あぅぅ・・・エリオ、私、もう、駄目・・・我慢、できないから・・・頂戴、エリオの、お○○○ん・・・」
「え、えぇっ!?」
「ここ、指を入れたところを・・・埋めて欲しいの・・・ねぇ、早く・・・」

指で割り広げられたフェイトの秘裂は、ぱっくりと口を開けて、涎の様に愛液を垂れ流していた

「で、でも、そこは・・・指だけでもきつかったんですよ・・・まだ、指と大差ないかもしれませんけど・・・」

それほど卑下することはない、皮はまだ被っているが、10歳児にしてはなかなかのストラーダである

「大丈夫、女の人の体はね、そういう風にできてるから・・・だから、来て・・・エリオ」

上気した頬、快感に潤んだ瞳、汗だくの体、愛液にぬかるんだ秘部
それらが視界に収まった瞬間、エリオの股間も痛いほどに膨らんだ


今更のようにズボンを下ろし、パンツも脱ぐ。陰毛も生えていない股間だが、その性器は彼が雄であることを証明するように固く勃ち上がっていた
エリオは、どういう体勢になれば良いのかアレコレ悩んだモノの、仰向けに寝そべって大きく脚を広げているフェイトに覆い被さるような、正常位での挿入を決めた

「あの、フェイトさん・・・その、大丈夫、なんですよね・・・?」
「うん・・・大丈夫・・・」

安心させるように笑みを浮かべて、フェイトはエリオの頬にキスをした
エリオは、慎重に狙いを定めて、不器用な腰使いでフェイトの膣口に亀頭をあてがい、ゆっくりと押し進めてゆく

「ん、ん・・・はぁ・・・入ってきてるの、わかるよ・・・エリオ・・・」
「フェイトさん、すごく熱いです・・・それに、うあっ、な、だ、駄目ですよっ!」
「どうしたの?エリオ・・・」

意地悪な笑みでエリオを下から見上げながら、フェイトは腰に力を入れた
そうすると、膣がきゅっと締まるのである。勿論、エリオにはフェイトがそうしていることはわからないのだろうが

「エリオ、動いて。指の時みたいに・・・」
「は、はい・・・」

ゆっくりと、ぎこちなくエリオが腰を振り始めた
たどたどしい動きだが、膣中を小さな亀頭が引っ掻く度に、フェイトも腰を揺すって快感を貪った

「ん、う、あぁぁぁっ!!ふぇ、フェイトさんっ!
「はぁんっ・・ふぁっ・・・良いよ、エリオ。私もすごく、気持ち良い・・・ッ!!」
「フェ、フェイトさん。駄目です、何か、漏れちゃいそうで」

エリオがそう言って膣から性器を抜こうとしたが、フェイトは脚を折ってエリオの腰に絡みつかせるように巻き付けた
結果として、エリオは腰の動きを封じられて、より深く押しつけるような格好になってしまう

「フェイトさん!駄目です、離してください!本当に、漏れちゃいそうなんです!」
「良いから、そのままで居て・・・んっ、あ、あんっ」
「駄目です、フェイトさん、フェイトさんっ、フェイトさんっ!う、あぁぁっ!!」

甲高い、悲鳴のような声を上げて、エリオは腰をびくびくと震わせた。その度に、膣中で熱い精液が放たれているのを感じるフェイトである
しばらく膣中への射精は続き、不意にエリオの体がくったりと崩れ落ちた
フェイトは驚いて、慌ててエリオの体を抱きかかえて支えると、

初めての性行為に疲れ、射精の瞬間に緊張が切れたのか、エリオは寝息を立てていた

「・・・よく頑張ったね。気持ち良かったよ。エリオ・・・」

寝息を立てるエリオの額に唇を押し当て、フェイトはそっとエリオの体をベッドに横たえた

「・・・これが、本当の新婚旅行だったら、私も幸せだったんだけどね・・・」

独白を呟き、汗ばんだ頬を撫でてやる
その唇が、何事かむにゃむにゃと寝言を呟いた。その唇の動きに、フェイトは笑顔を浮かべて立ち上がった
汗だくの体のまま寝かせるのは可哀想だし、せめて体を拭いてやろうと思ったのである

「ねぇ、エリオ・・・いつか、本当の新婚旅行に行ったら・・・その時、隣にいてくれている人を大切にするんだよ・・・」



でも、寝言でまで私の名前を呟いてくれることに、私も少し期待して良いのかな?



そんな事を考えながら、フェイトはもう一度、寝ているエリオの頬にキスを落とした

翌日の事である

二人は、昨夜のことは忘れなくても良いけど、絶対に秘密にすること。と約束し、晴れ晴れとした顔でホテルをチェックアウトすることにした
朝食の代わりに料理の折り詰めを注文し、可能ならアースラまで届けて貰えるかどうかを相談したところ、“英雄の翼”とも呼ばれる(市民が勝手に呼んでいる)、
アースラの艦内に入れるのは、こちらとしても大変光栄だ。と快諾されてしまった

そんなこんなで、後顧の憂い無く“我が家”に戻った二人は、心配顔で待ちかまえていた6課隊員・職員一同に出迎えられ、事の顛末を報告した
モンディアル家にはいずれ戻ることになるが、それでも管理局を辞するつもりは無い。と
フェイトやはやてとしては、少し複雑な心境だったりするのだが、両親が許して、エリオが決めた生き方である。反対する理由は何もない
“部隊長”という立場から言えば、エリオを失うことなく、資産家:モンディアル家とのパイプができたことに万歳三唱したいくらいである
涙顔のキャロが、しゃくり上げながら尋ねてきた

「そ、それじゃぁ、エリオ君は、居なく、ならないんだね?」
「うん、そうだよ。僕は、まだ機動6課いるよ。キャロは大切なパートナーだし、勝手に居なくなったりしないよ。だから・・・これからも、よろしくね。キャロ」
「うん、うんっ・・・私も・・よろしく・・う、あ、わぁぁぁぁぁぁん!!!!」

嬉し涙を迸らせる少女に抱きつかれてしまい、大いに困惑したところを、目撃していた全員に冷やかされた少年が居たことを明記しておこう





「でも、エリオが“あの”モンディアル家の子供だったとはねー。偶然の一致じゃ無かったんだ。ルキノは気付いてた?」
「ううん、全然・・・でもモンディアル家って、あの、物凄い資産家で有名なあのモンディアル家だよね・・・ということは、エリオはすごい良家のお坊ちゃん?」
「しかも、管理局員の現役陸士で、シグナムさんに指導を受けるくらいの素質がある騎士の卵」
「最近は事務仕事も手伝ってくれてるし、優しくて気だての良い、良い子だよね・・・もしかして、玉の輿って案外夢じゃなかったりするのかな・・・?」
「や、やーねー!ルキノったらやらしーの。何考えてるのー?」
「ア、アルトだって、少しは考えなかった?本当に?ちっともそんな風に思わなかったの!?」
「そ、そんなわけ・・・無い・・・と言いたいけど・・・少し考えちゃったわよ」

ライバルは予想外に多いかもしれない。そう思ったフェイトであった


著者:26-111

このページへのコメント

フェイトそんの口調に違和感がありすぎ

0
Posted by A 2010年05月16日(日) 20:59:02 返信

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