[180] ユーノが盗った物 1 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/12/28(金) 13:01:11 ID:NX2EyCYH
[181] ユーノが盗った物 2 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/12/28(金) 13:02:55 ID:NX2EyCYH
[182] ユーノが盗った物 3 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/12/28(金) 13:06:11 ID:NX2EyCYH

「ユーノ=スクライア! 貴方を窃盗の容疑で逮捕します!」
突然何の前触れも無くユーノがフェイトの手によって逮捕された。
これで管理局全体が震撼しないはずはない。無限書庫司書長が窃盗によって逮捕されたのだ。
新聞社やTV局も大騒ぎ。翌日の新聞の三面記事のトップを飾るのはまず間違いない…が…
しかし、一つ解せない所があった。それは罪状が窃盗と言う事なのであるが、
具体的に何を盗んだのかと言う事が明らかにされていない所である。
「ユーノ=スクライア司書長が窃盗の容疑で捕まったとの事ですが、一体何を盗んだのですか?」
「そ…そういや何を盗んだんだろうな…。」
「え? 分からないんですか!?」
新聞社の記者が局員に質問をしても、肝心の管理局でさえ何を盗んだのか分からない始末。
あろう事か、むしろ何故ユーノが逮捕されなければならないのか理解出来ないと言う者も沢山いた。

「ユーノ君が逮捕されたって本当なの!?」
この騒ぎで彼女、高町なのはが動かないはずはない。そしてフェイトに手錠をかけられた状態で
連行されていたユーノの所へ駆け付けていたのである。
「僕は無実だー! 濡れ衣だー! 僕は何も盗ってなーい!」
「何を往生際の悪い。大人しく歩きなさい。」
ユーノ本人もまたワケも分からずに逮捕されて混乱しているらしく、涙目になりながらも
必死に無実を訴えていたが、フェイトは構わずに彼を連行していた。
「フェイトちゃん! ユーノ君が窃盗なんてやったのは本当なの!?」
「なのは…。」
ユーノが心配で仕方が無いなのはもまた涙目でフェイトに問い掛けるが、
フェイトは冷静な目でなのはを見ながら頷いた。
「そう。ユーノは無限書庫司書長と言う身でありながら窃盗を働いたんだ。」
「だから僕は何も盗ってなーい! これは濡れ衣だー! 本当信じてよー!」
「ユーノ君本当に何も盗って無いの?」
「そうだよ! 本当に何も盗って無いよ! って言うかいきなりフェイトに逮捕されて
僕自身ワケが分からないよ! 一体僕が何をしたっていうんだい!?」
ユーノは涙目でフェイトに再び問いかけるが、フェイトは厳しい目で答えた。
「だから窃盗の容疑があると先に言ったでしょ?」
「じゃあユーノ君は何を盗んだの?」
「そうですよ! スクライア司書長は一体何を盗んだんですか? まずそこが知りたいです。」
なのはの疑問の後で割り込んで来たのは周囲にいた名無しの局員。
確かに未だユーノが具体的に何を盗んだのかと言う事が不明のままである。
でありながらフェイトが突然ユーノを窃盗の容疑で逮捕したのだから、ワケが分からない。
管理局としてもまずそこはハッキリさせて欲しかった。だがそれだけでは無い。
「我々としても何を盗んだのかも知っておきたいですね。じゃないと記事に出来ません。」
「私達もニュースに流すには盗んだ品が何かも把握しておく必要があります。」
と、新聞社とTV局の人間もまたそう口を合わせて質問をしていた。
皆は知りたがっていたのである。何故ユーノが逮捕されなければならないのか? と言う事を…
「ほら、みんなもこう言ってるからフェイトちゃん教えて。ユーノ君は何を盗ったと言うの?」
最後にトドメとして再びなのはの口からフェイトに問い掛ける。そしてやっとフェイトの口が開いた。
「ユーノはなのはの凄く大切な物を盗んだんだよ。」
「え? ユーノ君が私の何を盗んだと言うの?」
「何も盗って無いよ!」
ユーノはやはり無実を訴えていたが、なのはも少々疑問に思った。
何しろ別に自分の持ち物で何か無くなったと言う事は全く無かったからである。
「別にお金が無くなったワケでも無し…貯金通帳や印鑑…カードなんかも無くなってないよ。
私の家には他に盗まれる様な貴金属品なんて無いし…あ! もしかして私の下着とか!?」
「そりゃ〜僕だってなのはの下着には興味あるけど…でもそんなの盗って無いよ!」
さりげなく爆弾発言かますユーノだが、それでも無実を主張。そしてフェイトは言った。
「そんな物じゃない。もっと大切な物だよ。」
「もっと大切な物?」
もっと大切な物と言われてなのはも首をかしげた。お金より大切な物とは一体何だろうと…。
レイジングハートは何時もの様に首に下げているし、娘のヴィヴィオに何かあったと言うのなら
それは窃盗事件では済まないはず。ユーノは一体何を盗んだと言うのか…
「分からないよ。フェイトちゃん良い加減に教えてよ。ユーノ君は何を盗んだの?」
「まだ分からないの!? ユーノはなのはの大切な処女膜を奪ったんだよ!!」
「エエ―――――――――――――――――――!?」
先程まで冷静だったと言うのに突然テンション高くなったフェイトの主張に皆は愕然とした。
むしろこれで愕然としないはずは無いだろう。
「そ…そんな事で!? そんな事で逮捕したんですか!?」
皆は大騒ぎである。そんなしょーも無い理由で逮捕されるのはいくら何でも
無理があり過ぎると言うのは誰の目にも明らかであるから…。
そして、それでも逮捕されるにはどういう事があるのかと考えた結果…
「なるほど! 分かりました! ですがその場合窃盗では無く強姦に当たるのでは?」
新聞社の記者の一人がそう質問をした。要するにユーノが逮捕されたのは
無限書庫司書長としての仕事の重圧やストレスが溜まり、若さと性欲余って
なのはを押し倒して犯してしまったのでは? と予想したのである。
「そ…そんな事無いよ! 私ちゃんとOKしたよ!」
そこで顔を真っ赤にしながらユーノのフォローを入れたのは当然なのはである。
確かになのはがユーノとやったのは事実であるが、強姦とかそういう事では無く
ちゃんとした双方の同意による物であるからして、逮捕される様な要素などありはしない。
「お二方ともに既に成人してますから、成人した大人同士の同意に基く物ならば犯罪では無いですね。」
「そ…そうだよ…そうなんだよ…。」
とりあえずその場の新聞記者やらTV局の人やらは納得してくれていたが、なのはは
死ぬ程恥かしかった。皆には秘密にしていたはずのユーノとの夜の行為が皆に広く知れ渡ってしまったの
であるから…。しかし、ユーノが不当に逮捕されてしまう事に比べれば…その位の恥は我慢出来た。が…
「いいや! これは十分に立派な犯罪だよ! なのはの処女は私が貰うはずだと言うのに
ユーノなんかがなのはを抱いてバコバコバコバコバコバコバコバコバコバコ(以下中略)
これが犯罪以外の何だと言う!? 私は認めないよ! よってユーノをなのはの処女窃盗罪で逮捕した!」
「エエ―――――――――――!?」
やはり凄いテンションで主張するフェイトに皆は愕然としてしまうが…なのはは引いていた。
「フェイトちゃん…それ絶対におかしいよ…。」
「なのは!?」
「女の子同士でそういうのって…やっぱり不味いよ…。」
「なのは! 何を言ってるの!? なのはは私が嫌いなの!?」
なのはに己の主張を否定されて涙目になるフェイトだが…なのはは厳しい目で答えた。
「そんな事は無いよ。私もフェイトちゃんは好きだけど…でもフェイトちゃんが考えてる様な
意味での好きは絶対に無いよ。それに…今回の事で少しだけ嫌いになっちゃったかも…。
やっぱり女の子同士でそういうのってダメだよ。どうして私がユーノ君好きになっちゃダメなの?」
「…………!!」
なのはの口から言われた否定の言葉はフェイトにとってどんな攻撃よりも大きな威力を持つ物だった。
「ユーノォ! これでまた一つ罪状が増えたぁ! まんまと盗みおって! 今度こそ逮捕死刑決定!!」
「エエ――――――――――――――!?」
なのはに否定された憂さをユーノにぶつけるフェイトに皆は又も愕然とした。
「ユーノ君は何も盗らなかったよ! 私の為に忙しい中を態々休暇まで取ってくれたのに…。」
「いえ! ユーノはとんでも無い物を盗んで行きました! 貴女の心です!」
「それの何処が犯罪なんですか? 普通に良い話じゃないですか…。」
結局この主張もまた皆にとって呆れざるを得ない物で、誰もが気まずい顔になっていた。
「いーや! これは十分立派な犯罪! なのはは身も心も私の物だと言うのに
それを盗んで行ったユーノの行為は即射殺されてもおかしくない大犯罪だよ!」
「はいはい大犯罪大犯罪。って事でそこでスクライア司書長は釈放しましょうよ。」

無論この事件はフェイトのお騒がせ事件として処理され、ユーノもまた
汚名を返上した後にその場で無罪放免、釈放となった。しかし…事件はまだ終わってはいなかった。
「とりあえず、アングラでは周知の事実と知られていたとは言え、一般的には暗黙の了解的に
無いと言う事にされていたスクライア司書長と高町教導官の交際が公式の物となったとして…
ハラオウン執務官はどうやってお二方の夜の行為を知ったのですか?」
「そう言えばそうだよ! フェイトちゃんはどうやってそれを知ったの!?」
確かに皆の疑問ももっともである。今回の事件の発端はフェイトがなのはとユーノの夜の行為を
何処かで知った事がそもそもの原因であるからして、どうやって知ったのか皆は気になった。
「決まってるじゃない! なのはに変な虫が付いたりしない様になのはの家の各所に
隠しカメラ仕込んでちょくちょく監視してたんだよ私は!」
「そっちの方がよっぽど犯罪じゃね―か!!」

この後、なのはの家を調べた結果、確かにフェイトの言った通りの隠しカメラが多数発見された。
そしてフェイトの家でそのカメラの撮影した映像を見る事が出来る様になっていたり、
映像を記録したディスクも多数発見されていたのであった。
無論その中にはなのはとユーノの夜の行為の映像も存在している。
「フェイトちゃん酷いよ! ユーノ君を変な理由で逮捕するだけじゃなくて
こんな事までしてるなんて最低だよ!」
流石に今度ばかりはなのはでも我慢は出来なかった。フェイトがディスクに記録していた
映像の中にはなのはの着替えやら入浴やら…果てにはトイレの中での映像も多数に
存在していた故にこれで怒らないはずは無いだろう。

翌日、『盗撮執務官逮捕!』の記事が各社新聞の三面記事のトップを飾った。
                  めでたしめでたし



著者:◆6BmcNJgox2

このページへのコメント

これ読んだら、フェイトは変態ストーカー執務官だったんだ。

0
Posted by 名無し 2013年02月14日(木) 14:43:20 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メンバーのみ編集できます