50 名前:リリカルクエスト [sage] 投稿日:2010/06/09(水) 14:47:01 ID:pf4ZQeNE [2/4]
51 名前:リリカルクエスト [sage] 投稿日:2010/06/09(水) 14:47:57 ID:pf4ZQeNE [3/4]

「あれ?ヴィヴィオ何やってるの?」

「ユーノ君に買って貰ったゲーム〜」




J・S事件から早一年。
高町なのはは久しぶりの休日を家で愛娘とともに過ごそうと、ミッドチルダにある家に居た。

ちなみにまだ独身である。
何故なら、


「ユーノ君、よかったの?」

「いいよ。ヴィヴィオの数少ないお願いだしね」


リビングにてヴィヴィオの隣にいる金髪の青年、ユーノ・スクライアとのもどかしい関係が続いているからである。
しかし周りから見るともう夫婦にしか見えないのはどういうことか。


ユーノが今日ここに居るのはなのはにお呼ばれしたからである。
幸いにも、というかユーノは無理矢理休暇を取らされていたので、お言葉に甘えてやって来た訳だ。

さて、昼食の片付けを終えてリビングに戻ったなのはが見たのは、薄いテレビの前に座るヴィヴィオとユーノの姿。
ヴィヴィオの手にはどこかで見たような灰色のコントローラーが握られており、画面には大文字で、


リリカルクエスト〜魔法使いの物語〜


とカラフルな文字で描かれていた。
その文字を見て、なのはゲームのジャンルに当たりをつける。
大方コマンド式のRPGだろう。勇者が魔王を倒すなどといったあれだ。
なのは、意外とゲーム好きである。


「それでね、これママ達をモチーフにしているらしいんだよ」

「へっ?どういうこと?」

「あれ?はやてから聞いてなかったの?」


なのはの問いかけにユーノが答える。
どうやらこのゲームのモデルはなのは達のようで、宣伝という意味合いもあるのだとか。
そういったことは全部はやて任せにしているため、なのはは全く知らなかったのだ。


「ストーリーもオリジナルが多いいけど共通している部分はあるよ。僕がなのはに助けを求める所とか」

「へぇ〜」

「いっけ〜!」


そんな話をしているとボス戦のようだ。
画面ではデッカイ龍が画面一杯を支配し、その目の前たった一人だけ立っている。
金髪のその少女は金色の長髪をなびかせて......


「あれ?これフェイトちゃん?」

「うん!フェイトママだよ!」

「ツインテールじゃないけどね。ヴィヴィオはフェイトの名前を入れてるみたい」


ユーノが言い終えると同時にコマンドを入力されたフェイトが動きだし、金色の魔力刃をドラゴンに向かって飛ばすが、


「ダ、ダメージゼロ!?な、なんで!?」

「あー、多分魔法が効かないタイブの敵だね。直接攻撃じゃないと」


なのはが経験からそう言うが、時すでに遅し。
相手からの尾の一撃を受けて防御力の低いフェイトは一発昇天。
ゲームオーバーの文字が画面に広がった。


「うぅ、負けちゃった......」

「ヴィヴィオどんまい」


不機嫌そうに悲しそうに唸るヴィヴィオの頭をポンポン、と撫でるユーノ。
なのははその微笑ましい光景を眺め、ふと思ったことを聞いてみた。


「あれ?今はフェイトちゃんだけだったけど他の人も居るんだよね?」

「うん!今のはイベントのせいでフェイトママだけだったけど......」


そう、これはパーティRPG。
フェイト以外にもちゃんとキャラが居る。

セーブデータをヴィヴィオが開き、パーティ整理の画面を開く。
そこにはキャラの外見と名前と職業が縦にずらっと並んであった。


ユーノ けっかいまどうし


「ユーノ君そのまんまだね」

「あはは。最初見た時僕も居るのかってビックリしたけど」


フェイト まほうけんし
シグナム まほうけんし


「この二人もだね。シグナムさんもポニーテールだし」

「一時期はフェイトの髪の色が青になる予定だったらしいよ」

「青髪のフェイトママ?ちょっと見て見たいかも......」


はやて けんじゃ


「はやてちゃん賢者かぁ......いいなぁ、かっこいい」

「確かに賢者ってなんかかっこいいよね」

「でもはやてさん、一人だと弱いよ」

「ヴィヴィオそこ言っちゃだめ!」


シャマル どじっこそうりょ


「シャマルさんのドジっ子ってなに?」

「......たまーに、料理を失敗するかららしいよ」

「......たまーに?」

「たまーに」


ヴィータ おんなせんし


「あれ?これ本当にヴィータちゃん?普通に十五歳くらいになってるよ?」

「本人がゲーム会社にお願いしたらしい」

「へぇー、ヴィータさんらしいや」


アルフ つかいま


「アルフさんは大人モードなんだね。久しぶりに見るよ」

「今は子供になって魔力消費を抑えてるからね」


ザフィーラ おおかみ


「......ザフィーラさん......」

「ゲームでも獣扱いか......」

「?ザフィーラはザフィーラだよ?」




ふと、ここまである程度見て、なのははあることに気がついた。


「そういえば私も居るんだよね?私はどんなのなの?」

「えっと、ちょっと待ってね」


ヴィヴィオはコントローラーを操作し、下にスクロール。
そしてお目当てのキャラを見つけた。
そのキャラは白い服に身を包み、赤い宝玉が付いた杖を持っている少女だった。


「あっ、これだよ!」

「小さい頃の私にソックリだなぁ......」

「本当だね」


なのはとユーノはその繊細なテクスチャーに関心しながら目線をずらし、キャラの名前を見る。

そこには、


















なのは まおう



「ちょっと待ってえええええええええええっ!?」


ミッドチルダ市街地に、女性の叫び声が響き渡ったそうな。





何処かのCM





魔法大戦リリカルクエスト!

第二部作〜夜天編〜!

主人公の魔王の称号を持つ少女を中心に巻き起こる事件!

魔王の力で全力全壊!

数々の出会いと別れを胸に刻み、少女は闘う!

パーティRPGならではの戦略の奥深さ!

最高級クオリティによるキャラ達が織り成す物語を見逃すな!


公表発売中!






その後なのはは魔王の部分を勇者に変えてくれと、ゲーム会社に頼み込んだそうだ。


お終い


著者:エクセリオン

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