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いきなりだが、in高町家のリビング。
時期は12月31日。大晦日。テレビでは年末恒例の歌番組がやっていて、『多けりゃ良いってモンじゃねーぞ』という感じのグループが歌っている。
しかし、そのテレビはここの住人に見られていなかった。
「ママー、さすがに飲みすぎだよー?」
「いいじゃなーい、こんなときには飲むしかないのー。」
テーブル上と足元にこれでもかというほど酒瓶が並んでいた。
ちなみに現在、高町なのは20歳と10ヶ月。すでに飲酒は合法である。
「ねー、ヴィヴィオー。やっぱ私は普通の扱いされないのかなー?」
「どうして?」
『魔王』を書かれた酒瓶を片手に持ち、机に突っ伏しながらなのはがヴィヴィオに切り出した。
その目は酔ってトロンとしている。
「だってさー、本編では鬼畜なキャラだし、同人……つか、今回の冬コミでは百合しかなかったし、
 2○ゃんと○コニ○動画では魔王か冥王だし、てか魔王・冥王はもうstsの私のデフォだし……。」
「ママー、お酒に酔って娘に愚痴るだけならまだしも、別次元の地球の話禁止ー。」
せっせと空いた酒瓶をキッチンの隅に運びながら、母に突っ込みを入れるヴィヴィオ、魔法学院2年生。
非常に出来た娘である。
「だってね、冬コミでわたしの相手がユーノ君って言う本は1サークルしかだしてなかったんだよ?しかもスレでユーなのは最近投下されてないんだよ?
 それでやっぱり冬コミは魔王・冥王か、ドS百合しか役回りが与えられなかったし……」
「ママー、しつこいー。」
この間にヴィヴィオが片付けた酒瓶の数
ビール大瓶1ダース
日本酒・焼酎一升瓶1本ずつ
ワイン3本
ウィスキー1本
350ml缶26本
ちなみにユーなの本の数は作者がゲットできた数である。
まだまだあったぞ!という情報をお持ちの方は教えて欲しい。
「今年度から内勤と軽い訓練だけの仕事で暇が増えたけどさ、ユーノ君が忙しくてなかなかデートできないし。
 フェイトちゃんとはやてちゃんは忙しいハズなのにちゃんとデートできてるのに……
 ていうか、はやてちゃんは『出来ちゃった』し、フェイトちゃんは家族5人で一緒に住んでるし……」
「ユーノパパもせめてお正月くらい休めばいいのにねー。」
時空管理局の情報処理を一手に担う無限書庫の、しかもその司書長ともなるとなかなか休みは取れない。

『いや、年末年始は日が変わったくらいには帰れるからラクだよ?』
とはユーノ談のではあるが、そもそも、その労働時間が異常なことに気づいて欲しい高町母娘。
他二人とは違い一緒に住んでいないのでまず会えない。
そもそも1時帰宅・5時出勤なので一緒に住んでいたとしても会えるかどうか微妙であるが。
『なのはママが参観日とかにちゃんと来てくれるのはうれしいけど、やっぱりユーノパパにも来て欲しいなー。』
そんなことを考えながら片付けているうちに床に置いてあるものはなくなり、テーブルに残っているのは、なのはが持っている『魔王』と2皿の肴だけになった。
「……すぅー。」
「ママー、こんなトコで寝たら風邪ひくよー?」
「……んー、わかってるよ。……すぅー。」
「わかってないよー。もー。レイジングハート、手伝って。」
『All,Right.』
散々愚痴って寝てしまった母に呆れながらも、ヴィヴィオはレイジングハートの力を借りて聖王モードになってなのはを寝室まで連れて行く。
ヴィヴィオもユーノがいないのは寂しいが、なのはのそれはヴィヴィオとは比べ物にならないというのはヴィヴィオも幼心に感付いていた。
『1年足らずでずいぶん魔力の扱いがうまくなりましたね、ヴィヴィオ。』
「勉強したからねー。まだこの姿を維持できるのは30分くらいだけど。」


「よいしょっと。……ん?」
なのはを寝室まで連れて行き、ベッドに寝かせる。ヴィヴィオはこのときに、なのはの目元に涙が流れた跡があるのに気づいた。
「……ぅっく……ユーノくんのばかー……すん……」
「……はぁ、もう、うちのパパはホントに……。」
どこぞの査察官のように、仕事をサボってまで恋人に会いにこいとまでは言わないし、
どこぞの特別救助隊隊長のように、重症を負って療養で有給→甘々看護ライフとまで極端なことも言わない。
だが、せめて月1くらいで自分たちに一日かまってくれる時間を取ってくれてもいいんじゃないだろうか。
「……ありがとね、レイジングハート。わたしも今日はもう寝るよ。」
『わかりました、ヴィヴィオ。おやすみなさい。』
ヴィヴィオは元に戻ってからレイジングハートを机の上におき、なのはのベッドの中にもぐりこんだ。
「わー、お酒くさい。」
ヴィヴィオはなのはの腕の中にすっぽりと入った。これでなのはの匂いと暖かさがお酒のにおいに負けずにちゃんと感じられる。
「おやすみ、ママ」
そういってヴィヴィオも夢の中に落ちていった。


ところ変わってアコース邸。
「今年もあと少しだね。」
「そやね〜。」
はやてとヴェロッサの二人が並んでソファに寄り添って座って粉雪の舞う外を眺めていた。
ちなみに今はやてと一緒に住んでいるヴォルケンズは、ヴィータ・リィン・ザフィーラの2人+1匹である。
そのうちヴィータをリィンはもう寝ていて、ザフィーラはアルフのところに行っている。
要は二人きりである。
「そろそろ服の上からでもわかるようになってきたね。」
「もう少しでマタニティドレス着なあかんかな?」
「夫としては、それよりも早く産休とって欲しいけどね。ヴィータとリィンも心配してるよ?」
「まー、ヴィータにしてみれば二人目の、リィンは始めての妹やからなー。娘としても、お姉ちゃんとしても心配なんやろうけど。」
二人ではやての下腹部に手を当てながら笑いながら言う。
ヴィータもリィンも最近はずいぶんはやての身の回りのことを手伝うようになった。
リィンは最近仕事中でもフルサイズでいることが多いほどだ。
「あと半年くらいで、僕も『お父さん』になるんだねー。」
「時々赤ちゃんになるヴィータとリィンのおかげで両親ともに準備ばっちりやけどなー。」
そういって二人で笑いあう。
「……なあ、ロッサ?」
「うん?」
「その……ギュってしてんか?」
「……ギュってだけでいいの?」
「……キスもしてほしいな。」
「お安い御用だよ。」
そういってロッサははやてをやさしく抱きしめてキスをした。
「ん……はぁ……ごめんな、『させて』あげれへんで。」
「気にしないでいいよ。どっちかって言うと自業自得だしね。さて、そろそろ年越しの準備しようか。」
「そやねー。12時過ぎたら初詣にも行かんとなー。それじゃ、娘ら起こしてくるわー。」
「いってらっしゃい、『お母さん』。」
4人家族で年を越す最後の年。この家にもうひとつの家族が増えるまでもう半年。


さらにところ変わってハラオウン邸。
「よく休み取れましたね、義兄さん。」
「まあ、おかげで昨日まで3徹だったがな。」
ビールを飲みながら年末の格闘技番組を見ている提督と三佐がいた。
「そういう君だって、療養休暇がなければ今この時だって働いていただろう?」
「まあ、たしかに。」
治安を守るための仕事と、人命を守るための仕事に休みなどない。
しかも二人ともそれの偉い方である。このときだっていつ緊急集令がかかるかわからない。。
「まあ、何もないことを祈るよ。」
「同じく。」
「二人とも年越し蕎麦できたよー。」
二人が話に区切りをつけたところで都合よくフェイトから声がかかった。
「ああ!カレラ!リエラ!それまだ熱いよ!!ああ!だめ!ドンブリのままじゃこぼれちゃうよ!!」
「プリム、お箸はこうやって持つんだよ。それで食べ方はこう。」
テーブルに目をやるとエリオとキャロが妹たちの世話をしていた。
「当然なんだろうが、地球は平和だな。」
「まったくです。」
「クロノもエリックくんも伸びないうちに食べちゃってー。」
「「はーい。」」
そう言ってテーブルについて蕎麦を食べ始める父二人。
子供の世話を子供がしてしまっているので、どこかさびしい気がしないでもない。
「そういえば、エイミィもフェイトも初詣は何着ていくの?」
蕎麦を食べ終えてお茶をすすっているあたりでリンディがそう切り出しだ。
時間を見るとそろそろ11時。初詣に行く準備をするならいいころだ。
「え?う〜ん、普段着のままでいいかなって思ってたんだけど。」
「わたしも。」
エイミィとフェイトが続けてそういうとリンディが残念そうに声を上げた。
「え〜。折角桃子さんと一緒にあなたたちの振袖用意したのに……リエラの分も、キャロの分も、プリムの分も用意してあるのに。」
おせっかいなおばさん根性丸出しのリンディにさすがにエイミィとフェイトも苦笑いを浮かべる。
「ああ、いいな。エイミィの振袖……というか、めかしこんだ服は最近見てないし。」
「俺も見たいな、フェイトの振袖。それに義姉さんとフェイトが遠慮してたらキャロも言いづらいだろうし。」
そういってキャロの方に目をやるとなにか言いたそうにやたらとソワソワしていた。
「……くす。ならしかたないね。フェイト、折角だし着させてもらおうか?リエラー、おいで。」
「そうですね。キャロー、プリムー。あなたたちもおいでー。着付けしてあげるからー。」
「はーい。」
素直について行くリエラに対して、キャロとプリムはなかなかその場から動こうとしなかった。
「?どうしたの?」
「あの……いいんでしょうか?その……わたしたち、まだちゃんとフェイトさんの子供になったわけじゃ……」
「わたしも……まだおとーさんとおかーさん結婚してないし……」
「こら!」
なかなか動こうとしないキャロとプリムをリンディが後ろから抱きしめた。
「あなたたちがどう思っていてもね。わたしはもうあなたたちのことは孫を思ってるわよ?
エイミィもあなたたちのことは姪だとおもってるし、フェイトとエリック君も、あなたたちは娘なの?それにね」
周りにいる、『家族』全員を見回して、一呼吸おいてからリンディは言葉を続けた。
「大晦日にみんなでそろって年越ししてるんですもの。もう家族以外の何者でもないわよ?」
「そうだよ?いまさらそんなこと言われると、家族と思ってくれてないみたいで、おばちゃん悲しいよ?」
「そうだな。ここは素直にお婆ちゃんの好意に甘えてくれるとおじちゃんとしても助かるな。」
「「リンディさん、エイミィさん、クロノさん……」」
「こら、違うでしょ、二人とも。家族に『名前にさん付け』は変だよ?」
フェイトがそういってふたりの頭をなでてもう一度3人に向かわせる。
「「……ありがとう、『おばあちゃん』『おばちゃん』『おじちゃん』」」
「「「どういたしまして。」」」
そう言うと女性3人は女の子3人を連れて着付けに行った。
「ありがとうございます、義兄さん。結構ああいうこと気にする子たちなんで。」
「気にするな。どうせ1年以内にはそうなるんだしな。エリオも変にそんなこと考えるんじゃないぞ?」
「は、はい!ありがとうございます。」
「エリオ、親戚相手にそれは硬いだろ。」
「そうだな、『クロノおじさん』に軽い気持ちでお礼を言ってくれればいいさ。」
「あ……えと……ありがとう、おじさん。」
そういってカレラを加えた4人でまたテレビを見始めた。
もっともカレラはクロノのひざの上で船をこいでいたが。
どこにでもある親戚がそろった年末の過ごし方だった。
「そういえば、義兄さん。『オトシダマ』ってどれくらい入れればいいんですか?」
「……忘れてた。」
新年まで後1時間弱

「んー……朝……?っつー……さすがに飲みすぎたかな……。」
翌朝、カーテンから差し込んでくる光でなのはは目を覚ました。
「あれ……ここ……私の部屋?」
『おはこうございます、マスター。ヴィヴィオがここまで運んでくれましたよ。』
時間を見ると7時55分。昨日の酒のせいでずいぶん寝すぎてしまった。
「あちゃー。初日の出見損ねちゃったよ。」
『あれだけ飲んでいれば仕方ないでしょう。逆に中途半端におきるとお酒が残ります。』
「それもそうだね。ありがとね、ヴィヴィオ。」
「んんー。」
傍らで自分に抱きつくように眠っているヴィヴィオの頭を軽くなでてからベッドから出る。
すると異変に気づいた。
「……レイジングハート、あなた擬人化して料理したりした?」
『マスター、最近メタ発言が目立ちますよ?少なくとも今回私はそんなことはしていません。』
漂ってくるお餅の焼けた匂いと、醤油の匂い。ここが海鳴の実家であれば何も疑わないが、
ここに住んでいるのはなのはとヴィヴィオの二人だけである。
「レイジングハート、セットアップ。」
『新年早々物騒ですね。そんな必要はありませんよ?マスターもよく知る方ですから。』
「え?」
レイジングハートにそういわれてキッチンに行くと、ここしばらく見ていなかった長髪を緑のリボンでまとめた後ろ姿が目に入った。
「んー、お雑煮のつゆの濃さってどれくらいだっけ?たしか桃子さんにご馳走になったのはコレくらいだったハズだけど……」
「ユーノくん!?」
「あ、おはよう。なのは。」
そこにはなのはとヴィヴィオが待ち望んでいた、ユーノ・スクライアの姿があった。
「え?あれ?なんで?何でユーノ君が私の家に?」
「いや、前に合鍵くれたじゃないか。わすれたの?」
そういえば合鍵を渡しような気もする。
しかしのこのユーノ、エプロンが似合いすぎである。
「あ、あ、そか。え?あれ?でもなんでユーノ君が私の家に?」
「ああ、昨日……ていうか今日だけど仕事が終わったのは2時でね。終電逃しちゃったんだよ。
 それで無限書庫に泊まったんだ。まあ、それ自体は珍しくもなんともないんだけどね。
 それで、年始の3日間休みが取れたから、なのはたちと一緒にすごそうかなって思ったんだけど……もう予定はいってた?」
「……パードゥン?」
「え?だからお正月の予定はもうあるかなって……」
「その前。」
「えっと……?お正月はなのはたちと一緒にすごそうかと……」
「おしい、もう1つ前。」
「お正月は3日間休みが取れた?」
「それ!ホント!?うそじゃない!?新年始まって早々のドッキリだったりしない!?
 今日はエイプリルフールじゃないから嘘ついたらファイナルブラスターのカートリッジフルロードでSLBだよ!?」
「うわ、それは勘弁。大丈夫だよ。全部ホントだから。急な仕事が来ても僕を呼ばないように他の司書たちにも言ってあるから大丈夫だよ。」
それを聞くとなのははユーノ前で顔を下に向けたままプルプルし始めた。
「なのは?どうしたの?ぼくなんかマズイことしtぅわ!?」
言い終わる前になのはがユーノに抱きついてきた。
「うわーん、本物だよー!本物のユーノ君だよー!!しかも3連休だよー!!家族水入らずだよー!!」
「いや、なのは、意味わかんないよ?」
しりもちをついたままでかっこはつかないが、なのはをなだめるようにとりあえず後頭部をなでることにした。
「んー?なにー?……ユーノパパ?」
「あ、おはよう、ヴィヴィオ。レイジングハートもおはYO!?」
レイジングハートへの挨拶が終わる前に今度はヴィヴィオがユーノの飛びついてきた。
「ユーノパパ!!ユーノパパー!!本物だ!ちゃんと触れる!!フェレットでもないし、
 ママの部屋にあるなんか電池で動くアレでもなく、ユーノパパだー!!」
なにかちょっと聞き捨てならないようなことが聞こえたような気がしたが、もはやそんなことを気にしている状況ではなかった。
とりあえず両手で二人をなでながら二人が落ち着くのを待つことにした。

「まあ、まとめると、あんまり僕に会えないから久々に、しかもかなりドッキリで会えて興奮した……ってこと?」
「「うん!!」」
落ち着いてから3人でテーブルに座ってユーノが作ったお雑煮を食べ終え、話をまとめるとこういうことだったらしい。
「いや、そんなに力強くうなづかれても。」
「「そんなことじゃないよ!!」」
(以下なのはをヴィヴィオは同時に言ってます)
な「だって今年……じゃない、去年か。あ、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。それはおいといて!
  去年の間に私とユーノ君がデートできたの5回だよ!?そのうち3回はヴィヴィオと一緒だったし!!
  いや、ヴィヴィオが一緒なのはなんの問題もないし、むしろ家族っぽくていんだけど!!
  その間にはやてちゃんは出来ちゃって、フェイトちゃんはエリックさんと一緒に住み始めたんだよ!?
  なのにわたしはまだユーノ君と恋人同士……いや、それに不満があるわけじゃないんだけど、
  いくらなんでもデート回数とか、もっと言えば会える回数自体が少なすぎるとおもうんだよ!?」
ヴィ「だって今年……あ、もう去年だ。あけましておめでとうございます。それで!
   去年のうち、ヴィヴィオがユーノパパとおでかけできたのは5回だよ!?そのうちなのはママと一緒だったのが3回!
   いや、実は家族でおでかけ出来てうれしかったんだけど!!けど!エリオお兄ちゃんやキャロお姉ちゃんやヴィータお姉ちゃん
   (……あれ?ヴィータお姉ちゃん入れていいのかな?)はもっとパパと一緒におでかけしてるんだよ!?
   いくらなんでも一緒にお出かけできた回数……ていうか会える時間が短すぎると思うんだよ!!
   それにパパと一緒に住んでないのヴィヴィオだけだよ!?」
「オッケー。まとめると、もっとかまってほしいんだね?」
「「うん!!」」
さすが無限書庫司書長。なのはとヴィヴィオの500字を超える抗議文をわずか10字でまとめてしまった。
「心配しなくてもいいよ、今回の休みはそのために取ったんだし。」
「「え?」」
そういうとユーノはビジネスバッグから1つの箱を出した。
「なのは、結婚しよう?」
「え……。」
中に入っていたのはシルバーリング。いわゆる婚約指輪である。
「後、婚姻届とヴィヴィオを養子にするための書類。」
「……ほんと?」
「ほんと。」
「……ヴィヴィオ、なのはママとユーノパパの子になれるの?」
「うん。……あ、いや。なのはがダメって言ったら無理だけど。」
「よし、これでオッケー。」
「って、はやー!?」
隣にはすでに婚姻届に自身の名前を書き、実印を押し終わったなのはがいた。
ちなみにユーノはすでに書類に名前を書いてあるので後は役所に出すだけである。
「よかったねー、ヴィヴィオー。」
「うん!!」
「……まあ、いっか。」
なんだか思ったよりもかなり早くことが済んでしまったが、自分が望んでいた方向に進んだので問題はない……ハズだ。
「それじゃー、お父さんとお母さんのこと行こっか?」
「おじいちゃんとおばあちゃんのところ行くー!」
そういえば、ラスボス(士郎)のことをすっかり忘れていたユーノ。
「……まあ、どうにか……するしかないよね、ここまで来たら。」
腹をくくるしかない。世の中こういう場面はいくつもある。今までも何度か経験してきた。
ただ、間違いなく今までの人生の中で5本の指に入る危険度だが。
「あ、そうだ。なのは、ヴィヴィオ。」
「「うん?」」
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくおねがいします。」
「「うん!!」」
すこし順番が変になって、トリプルエース3人の中では一番最後になったけれど、
ここが『3人』の新しい1年の始まりになることに間違いはなかった。



著者:わさび

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