[147] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 21:57:58 ID:yntMtO39
[148] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 21:59:28 ID:yntMtO39
[149] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 22:00:46 ID:yntMtO39
[150] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 22:02:02 ID:yntMtO39
[151] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 22:03:47 ID:yntMtO39
[152] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 22:05:26 ID:yntMtO39
[153] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 22:06:38 ID:yntMtO39
[154] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 22:07:46 ID:yntMtO39
[155] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 22:09:24 ID:yntMtO39
[156] 新妻フェイト奮闘記 sage 2007/11/18(日) 22:10:45 ID:yntMtO39

「順調ですね」
 本局の医療室。カルテになにやら書き込んでいたシャマルが、顔を上げて言った。
「フェイトちゃんも赤ちゃんも健康そのもの。今の調子なら、まだしばらくお仕事続けても問題無しです
よ」
「ありがとう、シャマル」
 頭を下げて礼を言うフェイト。その胎内には、新しい生命が宿りつつある。最愛の夫であるクロノとの
間に出来た子供がそこにいる。
「それで、男の子か女の子かは分かります?」
「そこまではまだ……」
 困ったような笑みを浮かべるシャマルに、フェイトも苦笑する。いくらなんでも今の質問は先走りすぎ
だった。
 時空管理局では、女性職員が妊娠した場合は無料で検査を受けられるシステムになっている。しかし医
療局員になるための必須技能に産婦人科は入っておらず、資格を持っている医療局員があまりいないため、
大半は市井の病院で検査をしてもらっている。
 なのにシャマルがフェイトの妊娠状況の検査をしているのは、別にヤブで適当にやっているわけではな
く、独学でそっちの免許も取得しているからである。
 いつの間に、と驚く周囲に彼女は胸を張って言った。
「はやてちゃんが赤ちゃん産む時のために、だいぶ前に免許取ってました」
 先の先まで見通して準備しているあたり、抜けてるように見えてもヴォルケンリッターの参謀だけのこ
とはある。まあ、はやてより先にフェイトがお世話になることになったわけだが。
 検査はこれで終わりだが、フェイトは席を立とうとせずシャマルに訊いた。
「なにかこの時期で注意することはありますか?」
 夫婦揃って育児書を読み漁り母にもアドバイスを受けているが、やはり専門家にしか分からない注意点
があるかもしれない。
「うーん、特にこれといってありませんけど……」
 口ではそう言いながらも、何か気になることがあるのかシャマルは眉根を寄せて考えている。
「これは育児書なんかに書いてませんし、私が勝手に重要だと思っていることなんですが」
 シャマルが真剣な顔で、椅子を寄せてくる。滅多に見せない真面目極まる表情につられて、フェイトも
思わず近寄る。
「よく聞いてください」
「はい」
 ほとんど内緒話でもするような至近距離。シャマルは生死に関わる重大な事を告げるような口調で言っ
た。
「クロノ提督の性欲処理。ちゃんとしてあげてます?」



        新妻フェイト奮闘記



 鍋の底に昆布を敷き詰める。そこに表面だけ焙った鮒を入れて、水と味醂を投入。強火にかけて、時期
を見て醤油と砂糖を足していく。
 そちらに眼を配りながら、フェイトは鶏の腿肉を捌くのに取り掛かった。
 作るのは、味噌を塗って焼いたかしわと胡瓜の和え物。この間、久しぶりに海鳴市に行った時に買った
料理本に載っていた料理である。
 ついでに米も買ってきたので、炊き込みご飯にして炊飯器に仕掛けてある。それと鮒の甘露煮が、今晩
の献立だった。
 作成予想時間は三時間強。多忙で知られる執務官の身としては、ありえない時間のかけ方である。
 だが最近のフェイトは、やや時間を持て余し気味だった。
 仕事はいつもの分に加えて、産休に向けての引継ぎなどかなりあるのだが、補佐官二人がやらしてくれ
ないのだ。
「フェイトさんの仕事は、元気な赤ちゃんを産むことです!」
「こっちは私たちに任せて、家に帰って安静にしててください!」
 そう口々に主張し、退勤時間が来ると半ば強制的に仕事部屋を追い出される。奪い取られた仕事はちゃ
んと出来ているから、それでいいと言えばいいのだが。
 家に帰ったら帰ったで、アルフが眼を光らせていて少しでも身体に負担がかかりそうなことはやらして
くれない。おかげで身体が鈍って仕方がない。
 適度に運動した方がお腹の子供にもいいのにと思い、こっそりシグナムに模擬戦を申し込んだところ、
「それのどこが適度だ!」と割と本気の拳骨を喰らった。
 おまけにそのことをクロノに言いつけられ、家族総出でがっつり怒られた。
 いくらなんでも過保護にしすぎだと思っていたら、その心中を母親に読まれ「ならあなたは、キャロが
妊娠した時に同じ事をしても止めないのね」と言われては完全に沈黙せざるをえない。
 仕方なく空いた時間を潰すべく、こうして手間暇かかる料理に挑戦などしているわけである。
 かしわの調理を終えても、まだ甘露煮は出来上がらない。それなりにこまめに手を加えなければならな
い料理なので、台所を離れるわけにはいかない。
 腹を空かせるであろうアルフのために、余った肉を焼いておこうかとフェイトは考える。
 鍋の火を弱火に落とし、かしわに切れ目を入れながら思い出すのは、昼間のシャマルの言葉。
(性欲処理、か……)
 ぶっちゃけしていない。フェイトの妊娠が判明してからこっち、子供のための配慮は可能な限りしてい
るが、そこには全く思い至らなかった。
 昼ドラ好きのシャマルは、それが原因で浮気だ不倫だ家庭崩壊だと騒いでいたが、その点に関してはフェ
イトは全く心配していない。
 昔は生来の自虐癖から来る妄想で、いつかクロノが自分よりも妻女に相応しい人に出会ってしまい、自
分の側を去っていくのではないかと悩むことも無いではなかった。
 しかしクロノと恋人になって早一年以上。彼の子供まで宿した今となっては確固たる自信が出来ており、
そんなことを考えるのは惜しみなく愛を注いでくれる彼に失礼だ、と思えるようになっている。
 むしろ気にかかるのは、クロノが辛いだろうということだった。
 クロノと性交しなくなって一ヶ月。仕事場が六課とクラウディアに別れていた頃も同じぐらい間が空く
ことはあり、しばしばフェイトの身体は疼いてどうしようもなくなることがあった。そういう時は自分で
慰めていたが、本番の快感には程遠かった。
 あれと似たような感覚を今のクロノも感じているのかと思うと、なんとかしてあげなければという使命
感のようなものが胸に湧き上がってくる。
(……やっぱり、クロノが苦しんでいるなら解消してあげないと。私はクロノの、お、お、お嫁さんなん
だから……)
 彼の伴侶としての自覚は出来つつあるが、それでも強く意識してしまうと恥ずかしくなる。
 エプロンをもんで一人照れるフェイトであった。


         ※


 久しぶりの純和食を堪能し、風呂を使い終えたクロノは自室のベッドに寝転んでいた。何をするでもな
く、部屋の壁に視線を彷徨わせている。
 明日も仕事はあり、起きていなければならない理由などない。もう今日する行動は、電気を消して眼を
閉じるだけだ。
 だというのにぼんやりしてしまっているのは、きっと部屋に自分独りしかいないからだろう。
 この間までなら、この時間になればフェイトが遠慮がちに部屋のドアを叩いていたはずだった。そして
二人で少しだけ話をし、後はもつれ合ってベッドに倒れこみ、お互いの身体を激しく求め合っていたもの
だった。
 当然だが、今はそんなことはない。寝返りを打った拍子に腹を蹴飛ばしてしまう危険を考えて、一緒の
布団で眠ることすらしていない。
 六課は解散し、最近は長期航海も無いのでフェイトと一緒にいる時間は格段に増えたが、それでも触れ
合える時間が減ったのは情欲抜きでも少し寂しい。
 そんなことを考えていると、腰の辺りがやや重たい気がしてきた。自分で処理しようかと思うが、隣の
部屋にフェイトがいるのにするのは、なにやら罪悪感を覚えてしにくい。
 明日は本局で泊まりになるのが決定しているからその時にでも、と思い今度こそ眠ろうとした時、ドア
がノックされた。
 今、同じ屋根の下で過ごしている人物はフェイトとアルフの二人。叩き方で、どちらなのかは分かる。
「どうしたんだフェイト」
「うん、ちょっと……」
 部屋に入ってきた妻は、なにやらもじもじとしている。
 立ったままでもなんなので、ベッドに座るよう促す。
 腰を下ろしてからも、フェイトは口の中でなにかぼそぼそと呟いているだけである。こっちが黙りっぱ
なしというのがいけないかもしれないと、クロノは口を開いた。
「何か用があるのか?」
「用っていうか、なんていうか…………クロノ、苦しくない?」
「体調がか? いたって健康だが」
「そうじゃなくて…………あっちの方が」
 視線が、ちらちらとクロノの股間の辺りを窺っている。それで、フェイトの言うあっちがそういうこと
だと知れた。
「……自分で処理してるから、平気だ」
「けど、一人でするのってあんまり気持ちよくないし……」
「それはそうだが……。だからって、妊娠中の君にするほど溜まっていない」
「……手とか口なら、出来るよ。それに……私は少し溜まってるし」
 屈んで、こちらの顔をフェイトが覗き込んでくる。
「だからクロノの精液、飲ませて?」
 淫卑さはなく、水が飲みたいとでもいうようなさりげなく、そして純粋な願い。
 フェイトの願いをかなえてやりたいという思いと、それでもいけないという思いが心の中でぶつかる。
 眼を閉じて少しだけクロノは葛藤し、結局頭を縦に振った。直前にフェイトとの性交を思い出していた
のが、決断の決め手になった。
「口だけだぞ」
「ありがとう」
 クロノの頬にちゅっ、と唇を落とし、フェイトは床に膝をつく。
 かちゃかちゃとベルトが外され、露出する股間。まだ軽く上を向いているにすぎないそれを、フェイト
は一口で頬張った。
 根元まで一気に咥え込んだので、フェイトの頭が腰に密着する。そ金髪がクロノの黒い陰毛と対比され、
いっそう鮮やかさを増す。
 フェイトの舌が動くより先に、その光景でクロノの分身は一気に臨戦態勢になった。
「んんっ……!」
 亀頭が喉を突いてしまうが、それでもフェイトは吐き出さず少し頭を引いただけだった。
 舌がゆっくりと動き出す。唾液で竿全体をコーティングし、それが終われば先端をちろちろと舐めてく
る。
 陰唇代わりを果たしている上の唇は、やや強めに食んで赤黒い物体を出し入れする。
 純粋に口だけによる淫技。
 フェイトが初めて口淫をした頃に、クロノが感じる点は全部自分で教えている。その場所を、的確にフェ
イトの舌が攻めてくる。
 だがそれは強引に刺激して射精させようとするのではなく、性感を少しずつ高めていき自然に達しさせ
ようという、まさに奉仕と言うに相応しい動きだった。
「くちゅ……ん、ん、ちゅぷ……」
 歯が痛みを感じさせない絶妙の力加減で、はむりと雁首を噛む。
 舌が技巧を凝らした動きをしたかと思うと、一転してただ舐めるだけになったりする。緩急つけた舌技
により、クロノは自分の呼吸が速くなっていくのを感じた。きっと顔色も変わっているだろう。
 眼には熱心に奉仕してくれる妻の姿。耳にはちゅぷちゅぱという水音。そして、腰からぞわりと伝わっ
てくる確かな快感。
 三つの要素に促されて、クロノの精巣はせっせと子種を産出し腰に送り込んでくる。そろそろ満杯にな
りそうだった。
 いつもなら快感を味わい続けたいことと、早すぎると男の沽券に関わるような気がして本当の限界まで
我慢するが、今は素直にフェイトの愛撫を感じ尽くしたかった。
 クロノの表情で最期が近いと悟ったのか、フェイトが上目遣いになり念話で訊ねてくる。
『このまま飲む? それとも顔に出すの?』
「飲んでくれっ……!」
 白濁液に汚れたフェイトの顔にも惹かれるものはあったが、クロノの精液を飲みたいという言葉を思い
出し、前者を選んだ。
 クロノの言葉に応じて、フェイトが一気に吸引する。頬をへこませ内側の肉で陰茎を圧迫し、柔らかな
舌は裏筋付近をなぞり上げる。
「くうっ!」
 クロノは白い欲望を噴出させた。甘美な絶頂に全身が震える。
 先から吐き出した液体をフェイトは一滴も零さずに口で受け止め、そのままこくこくと音を立てて飲み
干していく。
 最後に一際大きく喉が鳴って、フェイトの口が離れた。
「ふはあっ……はぁ……」
 ずっと咥えっぱなしで空気が吸いにくかったのか、フェイトは深呼吸のように荒く息を吐いている。
 クロノも大量に放出した後の虚脱感で、天井を仰いで喘ぐように酸素を取り入れる。
 なんとか息を整えフェイトに感謝の言葉を述べようとした時、クロノの肉棒がまた温かいもので包まれ
た。
 慌てて見下ろせば、そこには再び口の中に収めているフェイトの姿があった。
「フェイト!?」
『まだ、後始末が残ってるから』
 念話で伝えてきて、出し残した精液をフェイトが吸い上げる。ゼリーをストローで吸う時のように、ゆっ
くりと尿管を精液が通っていく。
 激しく放出するのとは別の、じりじりと弱火で焙られるような刺激が腰に伝わってくる。下手すればも
う一度放出してしまいそうだ。
 徐々に先端に移動したそれは、ついにフェイトの口に入った。喉が小さく上下する。
「っはあ……」
 大きく息をついたクロノは、今度こそこれで終わりだと思った。
 だがフェイトの口は離れるどころか、そのまま奥まで飲み込んできた。
 先程は使わなかった喉の粘膜を駆使してのディープスロート。
 おまけに手の動きまで加わって、陰嚢をたぷたぷと揉んでくる。
「ふぇ、フェイト……もう後始末は終わった……だ、ろ」
『クロノのまだ硬いままだから、もっと出して。いくらでも飲んであげる』
「そんなの……あぁっ!」
 絶頂直後は過敏になる女性と違って、男は一度出せばしばらくは放出しにくくなるものである。しかし
本当に射精直後の場合は、感じやすくなっているのも事実である。
「くああっ……!」
 その敏感な時に激しさを増した口淫を受けて、クロノの脳髄が灼かれる。のたうち回りたくなるような、
破壊的な快楽。涙腺まで刺激され、危うく涙が零れそうになる。
 なんとか思考を立て直そうと思うが、始まりが完全に意表をつかれただけに快感のコントロールが利か
ない。このまま発狂してしまうのではなかろうか、とすら思ってしまうほど電撃が腰から脳髄を直撃する。
「頼むっ! 頼むから止めてくれフェイトっ!!」
 引き剥がすように、クロノはフェイトの口から逃れた。
 もういいんだと言いたかったが、呼吸のリズムが狂ってうまく声が出せない。ぜいぜいと喉が鳴るだけ
である。
 そんなクロノを見て、何がいけなかったんだろう、と不思議そうに首をかしげているフェイト。気持ち
よすぎて止めて欲しかった、ということには思い至らないらしい。
 だがすぐに、答えを思いついた顔になる。
「そうだね。二回とも口だけじゃクロノも満足できないよね」
 そういう意味じゃないというクロノの制止より早く、フェイトはするすると服を脱ぎだした。あっとい
う間に上半身は下着だけになり、そのブラジャーも躊躇無くフェイトは外してしまう。
 異性も同性も羨望の眼差しを送って止まない美乳が、零れ落ちるようにして現われる。
「今度は、挟んであげる」
 フェイトの胸が陰茎に迫ってくる。口だけだ、とクロノが言ったことなどすっかり忘れているらしい。
 だがクロノは止めようとはしなかった。疲れた頭は、もう口も胸も似たようなものだろうという投げ遣
り気味な考えと、まだフェイトに奉仕されたいという気持ちで占められていた。
「……最初はあんまり強くしないでくれ」
 リクエストだけ出して、クロノはフェイトに愚息の扱いを委ねた。
 フェイトの巨乳が、すくい上げるようにクロノの腰と引っつく。乳房の台座に、男根が鎮座している形。
 上乳で軽く挟んで、フェイトが身体を前後し出した。舌も伸ばして、先端が近づく一瞬で器用に鈴口や
雁首を刺激していく。
 眼にしただけでくらくらしそうなほどいやらしい光景。クロノの意思を無視して、つい腰が勝手に動い
てしまう。
 それでフェイトの動きとタイミングがずれて、肉棒が乳房の谷間に潜り込んだ。
「あはぁん……」
 どこか胸の感じる場所を突かれたのか、フェイトが小さく甘い声を上げる。すぐに元の位置に戻そうと
したフェイトだが、何を思ったのかそれをやめてさらに奥深くに埋没させていく。
「こんなの、どうかな?」
 クロノの陰茎の半分以上が、フェイトの胸の中に隠れてしまっている。
 縦で挟まれたことはあっても、横は無い。だが、この感触に近いものをクロノは知っていた。
 それはフェイトの蜜壷。上下左右がみっしりと柔らかい乳肉に包まれているこの状態は、間違いなく擬
似的な膣だった。
「いつもみたいにするのとこっち。どっちがいい?」
 厳密に比べれば、舌の技巧がある分だけいつもどおりしてもらった方が気持ちいいだろう。だが、フェ
イトが乳房で作り出したこの女陰で射精すればどんな気分なのか。それを知りたいという欲望が押し切っ
た。
「……こっちがいいんだ」
 敏感にこちらの心の中を読んだフェイトは、自分の趣向をクロノが気に入ったのが嬉しいのか、にこり
と笑って身体を動かし始める。
 いかなフェイトの巨乳でも長大なクロノの根元まで包むというのは無理で、抜け落ちないようにすれば
前後運動できる範囲は少ない。その分を補なおうというのか、フェイトはのっけから激しく身体を揺すっ
てくる。
 こちらには、愛液のぬめりと襞の細やかさはない。代わりに、膣のように強く締めつけてこない柔らか
な圧迫感がある。すべすべした美肌も、膣壁に決して負けていない心地よさである。
 先端が胸骨の隙間に当たる。子宮口とはまた違う終点の新鮮さに、クロノは恍惚とする。とぷんと出た
先走りが、フェイトの腹を伝ってへそまで流れ落ちる。
「クロノ……どうかな」
「ああ、下手に挿入してるより気持ちいい」
「これ、私も気持ち……いい……」
 胸の形を大きく変えることで感じているのか、フェイトもうっとりとした顔と声になっている。良く見
れば、指が微妙に動いて自分で胸を揉んでいた。
 クロノも手を伸ばし、突起を可愛がってやる。
「んんっ。だめだよぅ……。私がクロノに、してあげてるんだから」
「だけど、僕だけ感じるのは悪い」
「いいから、クロノは黙って感じてて……」
 口ではそう言いつつも、フェイトはクロノの手を払いのけようとはしない。
 互いに高ぶらせあうが、やはり先に愛撫を受けていた分、クロノの限界が早く来た。
 ここで射精すれば、フェイトの腹だけでなく胸も孕ませられるかもしれない。そんな妄想に取り憑かれ
て、最後に強くクロノは自分で腰を突き入れた。
 固い骨に亀頭を擦りつけ、クロノは放った。
 発射した精液はフェイトの胸に阻まれ、僅かな隙間を求めて谷間から噴き上がる。噴火するマグマのよ
うに飛び散った精液は、フェイトの顔と胸にとめどなく降り注いだ。
「クロノの精液、熱い……」
 眼を閉じて飛沫を浴びていたフェイトが、射精が終わるとぽつりと言った。
 瞼が開いて、目線が胸に落ちる。
「……こっちもまだ、熱い」
 未だフェイトの胸の中にある肉棒は、二回の放出にも関わらず滾ったままだった。
「もっと出したいんだ」
「いや、もうさすがにいいよ」
 引き抜いて、濡れた股間をティッシュで拭きながらクロノは首を振る。
 実際はフェイトの指摘どおり、少しだけ物足りない。だがこれ以上自分だけが一方的にしてもらうのは、
彼女にすまなかった。
「すごく気持ちよくて楽になれた。ありがとうフェイト」
 クロノの賞賛の言葉にも、フェイトはどこか憂かない表情である。その口が小さく動いた。
「……ったら」
「え?」
「だったら、私がしてっていったら、クロノはしてくれる?」
 フェイトの指がスカートのホックにかかる。ぱちり、と外す音。そのまま、ストッキングとショーツご
とスカートが足首から引き抜かれた。
「だからもう今日は……!」
 押し止めようとするクロノの腕をすり抜けて、フェイトはベッドに上る。四つん這いになって、お尻を
こちらに向けた。
「激しくしないならこっちでしてもいいって、シャマルが言ってたから……」
 フェイトの指が、後ろのすぼまりを開く。
「クロノに乳首触られて……もう我慢できないから、早く……挿れて」
 秘められた場所が、奥の奥まで見えそうだった。こちらを貫いてイかせて欲しいと、フェイトはねだっ
てくる。
 そんな扇情的な光景に肉欲が激しく興奮するが、クロノの身体は動かずフェイトの眼を見つめている。
 フェイトの方から挿入を求めてくるのは、これまでも何度かあった。だがそういう時は、眼は欲情で潤
み、熱に浮かされた顔をしているものである。
 今のフェイトはむしろ逆で、心の底には理性を残したままにしておこうとしているようにクロノには見
える。
 きっとこれは演技だろう。フェイトから求めることで、クロノが気兼ねなく抱いて射精出来るようにと
いう気遣い。
 そう分かっていながら、クロノはフェイトの身体に手を伸ばした。
 情欲は確かにあった。だがそれ以上に、どこまでもクロノのことだけを考えてくれる健気なフェイトを、
愛してやりたかった。
 フェイトの顎を掴んでこっちを向かせ、唇を合わせた。
 舌を差し入れれば、いつもとは違う苦味が味覚に刺さる。自分の精液の味だろうと見当はついたが、嫌
でもなんでもなかった。口に射出した後にキスをするのは初めてではないし、フェイトなどは膣内射精後
にクロノのモノを口で清めてくれることはよくあった。彼女が平気なのに、自分だけ嫌がるのは不公平と
いうものだ。
 何度もキスしながら、亀頭を秘門に合わせる。ぴったりとくっついたところで、唇を離して起き上がっ
た。
「入れるぞ」
 一言断って、腰を進めていく。
 何度も挿入して慣らしてあるので、入り口だけはすんなりと入る。だがそこから先が問題だった。
 入り口付近さえ越えたらあとはすんなり入る膣と違って、奥に行けば行くほどきつい。肉を掻き分けて
押し込んでいくしかない。通常ならその強姦くささを愉しむところだが、今はフェイトの身体に負担がか
からないよう本当にちょっとずつ入れていく。
 一分近くかけてなんとか全部入りきった。そのまま腰を揺らそうとせず、フェイトの胸を指で優しく撫
で回してやる。
「んぁっ……! ク、ロノ、動かない、の?」
「君も溜まってるって言っただろ? 今度は、二人一緒に気持ちよくなろう」
 さっきの口淫とは逆。今度はクロノがフェイトの性感帯を緩やかに刺激してやる。
 全体的に胸で感じるフェイトだが、特に弱い下乳を三本の指でじんわりと揉み立て、残った二指で硬い
乳首を刺激する。
 左手は下に。蜜で溢れて出している花弁はあえて触らない。妊娠状態の場合どの程度までしていいのか
分からないし、入り口だけ弄っても生殺しなだけだろう。
 だからクロノはその上、身体の外側では一番敏感な突起を指で転がした。
 うなじをちろちろと舐める。ここもフェイトは弱い。
 感じやすい場所を三ヶ所同時に攻められ、フェイトが乱れる。
「ふぁぁっ! はっ……くぅっ……! すごくいいよぉ……!」
 フェイトの快楽が一定度を越えたのを見計らって、ようやくクロノは抽送を開始した。
 シャマルがどの程度を指して激しくと言ったのか分からないので、とにかくゆっくり動く。
 突き入れるたびに淫肉が反応して、引き千切れるように締めつけてくる。何度入れても、この強さには
慣れれそうにない。
 突き入れる強さはそのまま。徐々に角度だけ調節し、天井部分を擦り上げるようにする。
 その間も、手による愛撫は止めない。
 フェイトの性感が頂点に上りかけた瞬間、乳首をつねり、淫核に爪を立て、うなじに噛みついた。
「イっちゃう……イっちゃうぅぅ……!!」
 四肢を突っ張ったまま、ふるふると身体を震わせて果てるフェイト。それを確認してから、クロノも精
液を放った。
 フェイトの直腸を白く塗りつぶしていく光景を想像しながら、クロノはこの夜三回目にして最大の量を
注ぎ込み続けた。



「もうこういうのはやめておこう」
 久しぶりに交わす睦言。クロノの第一声はそれだった。
「……気持ちよくなかったの?」
「まさか。頭が沸騰しそうになるぐらい良かったよ。けど……」
 こんなこと白状するのは恥以外のなんでもないが、フェイトを納得させるためには仕方が無い。
 溜息をついてクロノは言った。
「…………次は止まれるかどうか自信が無い」
「え?」
「君をもっと手荒く扱ってしまうかもしれないんだ」
 鉄の自制心を持っているクロノだが、フェイトが関わるとそれが揺らぐことは自覚している。
 今日はなんとか最後まで優しく抱いてやることが出来たが、もしフェイトがもう少し淫らな気配を振り
まいていたら、理性を保てたかどうか自信は無い。
 それで流産などという事態になったら、悔やんでも悔やみきれない。
「だから君が出産するまでは我慢する」
「だけど……まだ半年ぐらいあるんだよ?」
「君とこうなる前は、二十五までずっと自分で処理してたんだ。なんとかなる」
「それでも……」
 食い下がるフェイトの唇を、クロノは指で塞いだ。
「だったらこうしよう。僕はずっとしない。その代わり」
 フェイトの耳元に口を寄せて囁く。
「子供が産まれたら、六ヶ月分の気が済むまでめちゃくちゃに君を抱かせてもらう」
 フェイトの顔が、一瞬で真っ赤になる。
「前も後ろも口も胸も足も髪の毛も全部使わせてもらおう。これなら、むしろ我慢する方が楽しみだ」
 耳まで朱に染まったフェイトに、にやりと笑ってやる。
「まあ、君がいいって言ったらだけどな。どうする?」
「………………いいよ」
 フェイトの返事は、それこそ蚊の鳴くような小さな声だった。
 結婚妊娠をしても可愛らしさを失わない妻の頭を撫でてやるクロノ。
「今日はここで寝ていくか?」
 まだ頬を染めたままこくりと頷くフェイトに、腕枕をしてやる。
 今晩の睡眠時間は短くなりそうだ。けれど久しぶりに隣にフェイトがいる寝心地は、きっと最高にいい
だろう。
 最後に口づけを交わし、クロノはそっと目を閉じた。


      終わり


著者:サイヒ

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