最終更新: nano69_264 2009年02月04日(水) 17:48:35履歴
106 大狂乱 ミミ大戦 sage 2008/04/27(日) 02:08:44 ID:b9dCYiF6
107 大狂乱 ミミ大戦 sage 2008/04/27(日) 02:09:26 ID:b9dCYiF6
108 大狂乱 ミミ大戦 sage 2008/04/27(日) 02:09:59 ID:b9dCYiF6
109 大狂乱 ミミ大戦 sage 2008/04/27(日) 02:11:01 ID:b9dCYiF6
大狂乱 ミミ大戦2
ロストロギア“獣王の宣告”の違法所持と使用及び逮捕しようとした局員への抵抗により指名手配された男。
自称ミミ仮面、本名ケン・タナカ36歳。
住所不定無職、元は時空管理局に務め次元航空部隊所属の魔道師だったがある日突然“俺はこの世の全てのミミを愛する!”という言葉を残して部隊を去る。
それ以降は様々な次元世界を放浪しては古代遺跡を発掘するとレジャーハンター業や戦闘能力を鍛える鍛錬に費やしたと噂されている。
肩書きは“全世界ミミッ娘ラブラブ教会初代会長”そして“第十七回ミッドチルダ魔法武闘会チャンピオン”“第三回聖王教会主宰激辛大食い大会チャンピオン”……
「ちょっと待った! なんで“魔法武闘会”とか“大食い大会”のチャンピオンなんて肩書きがそこで出てくるの!?」
はやてがしていた犯人の説明になのはが思わず突っ込みを入れる。
それは無理も無い事だろう。このあまりに常軌を逸した男のプロフィールは常識的思考の持ち主ならば突っ込まずにはおれない異常っぷりだ。
はやては半ば呆れた、というか既に理解するのを諦めた顔でなのはの疑問に答えた。
「ああ、それはなんでも“日銭を稼ぐ為にやむなく”と漏らしていたそうや……」
「そう……なんだ」
「……うん」
二人は奇しくも同じ事を考えていた“やっぱりこの人の考えてる事は理解できない”と。
そのまま会議室ではこの変態の情報を交えて事件の対策会議を続けた。
ちなみに六課隊舎には先の捕り物で生まれた可愛いミミっ娘が数人いたりする。
「ちきしょう……こんなんじゃ外に出れねえにょ……」
「そう嘆くな、あいつを逮捕すればなんとかなるだろう」
可愛い猫ミミとシッポを揺らしながら嘆く紅の鉄騎を烈火の将が諌める。
かなり冷静な面持ちで言ってはいるがフヨフヨと揺れるシッポとフワフワのミミの為にかなり緊張感に欠ける光景だ。
「シグナムは良いにょ! あたしなんて語尾がこんなんじゃ誰とも話せねえにょ!!」
ヴィータ、柄にも無く泣きそうな顔で嘆く。
なんせ語尾が“にょ”だ、いかに歴戦のベルカの騎士とて耐えられぬものはある。
そんな彼女を可愛い犬ミミ少女ことギンガが必死に慰めた。
「まあ……その、元気出してくださいヴィータ副長。きっとなんとかなりますって」
「うう……気休めは止めろだにょ……」
場には気不味い空気が流れる。
ヴィータの言う通り、確かにこのままミミやらシッポが付いたままではオチオチ外出もできない。
この状況からもはや言うまでも無いが。
彼女達は先の捕り物に置いて事件を起こした張本人であるケン・タナカ、否……ミミ仮面を逃したのだった。
□
時間を少々遡ろう。
ミミ仮面なるド変態を捕獲しようと飛び掛ったシグナムとヴィータは“ミミ光線”等と言うふざけた名前の攻撃を受けた。
それは防御障壁をまるで無視したかのようにすり抜け彼女達に直撃した、そして……
「なんだにょ!? なんで頭にこんなのがついてるにょ!? っていうか語尾が変だにょ〜!!」
「こ、腰の辺りにもなにか付いてるぞ! これはシッポなのか?」
光線を受けたらミミとシッポが付いていた、もはや前代未聞である。
無論だが驚き慌てふためくシグナムとヴィータ、その光景に唖然とする六課メンバー一同。
珍事を巻き起こした張本人、ミミ仮面はこれを見て愉快そうな笑い声を上げた。
「ニャンダフル(ワンダフル)!!! こいつぁ可愛い猫ミミちゃんだにゃ〜。思った通りお似合いだにゃ〜♪」
その拍子抜けするようなふざけた態度にいい加減に腹が立ったのか、なのはとフェイトがデバイスを手に歩み出た。
もうこれ以上の変態の狼藉に純情な乙女の堪忍袋の尾は限界ギリギリなのだ。
「いい加減に……」
「しなさい!!」
高速展開した飛行魔法の術式で二人は一息に駆け出し、なのはのアクセルシューターとフェイトのフォトンランサーが射出されて正確無比な弾道でミミ仮面に襲い掛かる。
爆音と爆炎の協奏曲、隊長二人の挟撃に倒れぬ敵などそうはいない、一同は自然と迅速なる勝利を確信した。
だがしかし……
「ふぅ、危なかったにゃ〜。中々の火力だにゃ〜」
濛々と立ち込める煙の中からミミ仮面はさも何事もなかったかのように現われる。
その身体の周囲には魔力で形成された防御障壁が展開されていた。
この男は単純な防御魔法のみで先の火力を防ぎきったのだ。もはや単なる変態と侮る事はできない。
なのはとフェイトを始め、六課一同はデバイスを手に身構えた。
「ふふ、では俺のデバイス見せてやるかにゃ〜」
だがその緊張は変態の変態的行動によって一瞬で霧散した。
次の瞬間、ミミ仮面はあろう事か己が手を股間を覆うビキニパンツの中に差し入れたのだ!
変態は股ぐらのマグナムを隠しているその薄布の中に迷う事無く自分の手を突っ込み、モゾモゾとした最悪に不気味な手付きでまさぐりだした。
その光景のなんとおぞましく変態的な事か‥‥なのは達機動六課面々、生粋の乙女にはあまりにも目に毒である。
「な、な、な、なにしてるんですかあぁぁっ!?」
「いやああぁぁぁっ!!」
「へ、変態〜!」
錯乱する六課メンバーを尻目に変態は股間に突っ込んだ手をモゾモゾと動かし続ける。
そして遂にビキニパンツから抜き去った手には……金の玉が握られていた。
いや、断じてキ○タマではない。念のために言っておくが金色の玉である。
「マタタビX! セットアップだにゃ〜!!」
<イエッサーだにょ〜♪>
金の玉は気の抜けるような美少女ボイスで応答、光を放ちながらデバイスとしての形を作り出す。
それは標準的なミッドチルダ式のデバイス、長さ1メートル弱の杖型デバイスだった。しかし杖の先端の形状はこの変態らしくアレンジされていた。
先端は通常の魔道師が用いるようなUの字型ではなく、猫の肉級を模した珍妙なデザインが鎮座しているのだ。
あまりに緊張感に欠けるイカレタ形、変態性の極みである。
「戦闘準備完了! さあ小猫ちゃん達、どこからでもかかってくるにゃ〜!!」
真っ赤なマントを翻したぴちぴちビキニパンツの変態は、手にした肉球ステッキを構えて全身の筋肉をこれでもかと隆起させる。
汗に濡れてやけにテカったムキムキボディを震わせて変態は臨戦態勢を整える、だが対する六課メンバーは既に半ば心を折られていた。
はっきり言って嫁入り前の乙女達にはショックが大きすぎる。
とりあえず非乙女のザフィーラ&エリオが前にでる、男の子には意地があるのだ。
「ストラーダ! カートリッジロード!!」
エリオが声と共にカートリッジを炸裂させ、愛槍ストラーダにたっぷりと魔力を込める。
瞬間、爆ぜるが如く駆け出して最高速度の刺突を繰り出した。
主人公属性は伊達じゃない、エリオのその突きは速度・威力そして掛け声に至るまで練り上げられた至高の突きだった。
高速で飛来する槍の穂先は正確極まりない軌道で以って変態の眉間に閃光の如く突き進む。
そして穂先の先端が標的を捉える寸前、あとコンマ数ミリまで達した刹那、それは起こった。
瞬間、凄まじい爆音が空気を切り裂き振るわせる。最初、周囲の人間はその音をエリオの攻撃が決まった為に発生したものだと思った。
だが現実には違った、それはエリオが反撃された為に起こった爆音。
エリオは敵に向かって突撃した筈だったが、明後日の方向に吹き飛ばされていった。
「中々に速い、だがカウンターをとれぬ程ではないにゃ〜」
ミミ仮面は腰ダメに構えていたデバイスを肩に担ぎ、吹き飛ばされたエリオに向かって呟いた。
この変態、先のエリオが仕掛けた一撃を見切り寸前でカウンターの打撃を喰らわせたのだ。
込められた魔力はさして強力ではなかったが、タイミングを刺突に合わせて放たれた打撃は相応の打撃をエリオに与えていた。
吹き飛ばされたエリオは煙を上げながら十数メートルは転がっていった。
「鋼の軛!!!」
ザフィーラが雄雄しい雄叫びと共に横合いから飛び掛り、白き魔力で作られた柱を変態に向かって形成する。
もう空気なんて呼ばせない、ここで一旗上げて盾の守護獣の面目躍如という気合の篭った一撃だった。
だがしかし、青き狼の願い虚しく攻撃はスカを喰らって的を大きく逸れる。
<フラッシュムーブだにょ〜♪>
変態のデバイス、マタタビXの発したマヌケで気の抜けるような美少女ボイスと共にマッチョはその姿を高速移動でかき消す。
その速さは正に瞬速、生半に捉えられぬスピード。
視線を巡らせれば、100メートルは離れた場所に変態は仁王立ちになっていた。
「ふふっ、危にゃい危にゃい。まともに喰らったら大変な事になってたにゃ〜」
赤いマントを翻した変態は挑発染みた口調でそう零す。
先ほどなのはとフェイトの同時攻撃を防いだこの男が鋼の軛の一撃でどうこうなるかは怪しいところだ。
「さて、残念だが今日はこの辺で引き下がるとするにゃ〜」
変態はそう言うと足元に遠隔転移用の魔法陣を展開する。
かなり速度で高速展開されたそれは止める暇も無く完成して円形のミッド式魔法陣を形成した。
「では諸君、さらばだにゃ〜♪」
変態は愉快そうな声でそう言うと高速転移を行い、一瞬で姿を霧散させる。
後には六課メンバーと猫ミミ&犬ミミっ子だけが残された。
続く。
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目次:大狂乱 ミミ大戦
著者:ザ・シガー
107 大狂乱 ミミ大戦 sage 2008/04/27(日) 02:09:26 ID:b9dCYiF6
108 大狂乱 ミミ大戦 sage 2008/04/27(日) 02:09:59 ID:b9dCYiF6
109 大狂乱 ミミ大戦 sage 2008/04/27(日) 02:11:01 ID:b9dCYiF6
大狂乱 ミミ大戦2
ロストロギア“獣王の宣告”の違法所持と使用及び逮捕しようとした局員への抵抗により指名手配された男。
自称ミミ仮面、本名ケン・タナカ36歳。
住所不定無職、元は時空管理局に務め次元航空部隊所属の魔道師だったがある日突然“俺はこの世の全てのミミを愛する!”という言葉を残して部隊を去る。
それ以降は様々な次元世界を放浪しては古代遺跡を発掘するとレジャーハンター業や戦闘能力を鍛える鍛錬に費やしたと噂されている。
肩書きは“全世界ミミッ娘ラブラブ教会初代会長”そして“第十七回ミッドチルダ魔法武闘会チャンピオン”“第三回聖王教会主宰激辛大食い大会チャンピオン”……
「ちょっと待った! なんで“魔法武闘会”とか“大食い大会”のチャンピオンなんて肩書きがそこで出てくるの!?」
はやてがしていた犯人の説明になのはが思わず突っ込みを入れる。
それは無理も無い事だろう。このあまりに常軌を逸した男のプロフィールは常識的思考の持ち主ならば突っ込まずにはおれない異常っぷりだ。
はやては半ば呆れた、というか既に理解するのを諦めた顔でなのはの疑問に答えた。
「ああ、それはなんでも“日銭を稼ぐ為にやむなく”と漏らしていたそうや……」
「そう……なんだ」
「……うん」
二人は奇しくも同じ事を考えていた“やっぱりこの人の考えてる事は理解できない”と。
そのまま会議室ではこの変態の情報を交えて事件の対策会議を続けた。
ちなみに六課隊舎には先の捕り物で生まれた可愛いミミっ娘が数人いたりする。
「ちきしょう……こんなんじゃ外に出れねえにょ……」
「そう嘆くな、あいつを逮捕すればなんとかなるだろう」
可愛い猫ミミとシッポを揺らしながら嘆く紅の鉄騎を烈火の将が諌める。
かなり冷静な面持ちで言ってはいるがフヨフヨと揺れるシッポとフワフワのミミの為にかなり緊張感に欠ける光景だ。
「シグナムは良いにょ! あたしなんて語尾がこんなんじゃ誰とも話せねえにょ!!」
ヴィータ、柄にも無く泣きそうな顔で嘆く。
なんせ語尾が“にょ”だ、いかに歴戦のベルカの騎士とて耐えられぬものはある。
そんな彼女を可愛い犬ミミ少女ことギンガが必死に慰めた。
「まあ……その、元気出してくださいヴィータ副長。きっとなんとかなりますって」
「うう……気休めは止めろだにょ……」
場には気不味い空気が流れる。
ヴィータの言う通り、確かにこのままミミやらシッポが付いたままではオチオチ外出もできない。
この状況からもはや言うまでも無いが。
彼女達は先の捕り物に置いて事件を起こした張本人であるケン・タナカ、否……ミミ仮面を逃したのだった。
□
時間を少々遡ろう。
ミミ仮面なるド変態を捕獲しようと飛び掛ったシグナムとヴィータは“ミミ光線”等と言うふざけた名前の攻撃を受けた。
それは防御障壁をまるで無視したかのようにすり抜け彼女達に直撃した、そして……
「なんだにょ!? なんで頭にこんなのがついてるにょ!? っていうか語尾が変だにょ〜!!」
「こ、腰の辺りにもなにか付いてるぞ! これはシッポなのか?」
光線を受けたらミミとシッポが付いていた、もはや前代未聞である。
無論だが驚き慌てふためくシグナムとヴィータ、その光景に唖然とする六課メンバー一同。
珍事を巻き起こした張本人、ミミ仮面はこれを見て愉快そうな笑い声を上げた。
「ニャンダフル(ワンダフル)!!! こいつぁ可愛い猫ミミちゃんだにゃ〜。思った通りお似合いだにゃ〜♪」
その拍子抜けするようなふざけた態度にいい加減に腹が立ったのか、なのはとフェイトがデバイスを手に歩み出た。
もうこれ以上の変態の狼藉に純情な乙女の堪忍袋の尾は限界ギリギリなのだ。
「いい加減に……」
「しなさい!!」
高速展開した飛行魔法の術式で二人は一息に駆け出し、なのはのアクセルシューターとフェイトのフォトンランサーが射出されて正確無比な弾道でミミ仮面に襲い掛かる。
爆音と爆炎の協奏曲、隊長二人の挟撃に倒れぬ敵などそうはいない、一同は自然と迅速なる勝利を確信した。
だがしかし……
「ふぅ、危なかったにゃ〜。中々の火力だにゃ〜」
濛々と立ち込める煙の中からミミ仮面はさも何事もなかったかのように現われる。
その身体の周囲には魔力で形成された防御障壁が展開されていた。
この男は単純な防御魔法のみで先の火力を防ぎきったのだ。もはや単なる変態と侮る事はできない。
なのはとフェイトを始め、六課一同はデバイスを手に身構えた。
「ふふ、では俺のデバイス見せてやるかにゃ〜」
だがその緊張は変態の変態的行動によって一瞬で霧散した。
次の瞬間、ミミ仮面はあろう事か己が手を股間を覆うビキニパンツの中に差し入れたのだ!
変態は股ぐらのマグナムを隠しているその薄布の中に迷う事無く自分の手を突っ込み、モゾモゾとした最悪に不気味な手付きでまさぐりだした。
その光景のなんとおぞましく変態的な事か‥‥なのは達機動六課面々、生粋の乙女にはあまりにも目に毒である。
「な、な、な、なにしてるんですかあぁぁっ!?」
「いやああぁぁぁっ!!」
「へ、変態〜!」
錯乱する六課メンバーを尻目に変態は股間に突っ込んだ手をモゾモゾと動かし続ける。
そして遂にビキニパンツから抜き去った手には……金の玉が握られていた。
いや、断じてキ○タマではない。念のために言っておくが金色の玉である。
「マタタビX! セットアップだにゃ〜!!」
<イエッサーだにょ〜♪>
金の玉は気の抜けるような美少女ボイスで応答、光を放ちながらデバイスとしての形を作り出す。
それは標準的なミッドチルダ式のデバイス、長さ1メートル弱の杖型デバイスだった。しかし杖の先端の形状はこの変態らしくアレンジされていた。
先端は通常の魔道師が用いるようなUの字型ではなく、猫の肉級を模した珍妙なデザインが鎮座しているのだ。
あまりに緊張感に欠けるイカレタ形、変態性の極みである。
「戦闘準備完了! さあ小猫ちゃん達、どこからでもかかってくるにゃ〜!!」
真っ赤なマントを翻したぴちぴちビキニパンツの変態は、手にした肉球ステッキを構えて全身の筋肉をこれでもかと隆起させる。
汗に濡れてやけにテカったムキムキボディを震わせて変態は臨戦態勢を整える、だが対する六課メンバーは既に半ば心を折られていた。
はっきり言って嫁入り前の乙女達にはショックが大きすぎる。
とりあえず非乙女のザフィーラ&エリオが前にでる、男の子には意地があるのだ。
「ストラーダ! カートリッジロード!!」
エリオが声と共にカートリッジを炸裂させ、愛槍ストラーダにたっぷりと魔力を込める。
瞬間、爆ぜるが如く駆け出して最高速度の刺突を繰り出した。
主人公属性は伊達じゃない、エリオのその突きは速度・威力そして掛け声に至るまで練り上げられた至高の突きだった。
高速で飛来する槍の穂先は正確極まりない軌道で以って変態の眉間に閃光の如く突き進む。
そして穂先の先端が標的を捉える寸前、あとコンマ数ミリまで達した刹那、それは起こった。
瞬間、凄まじい爆音が空気を切り裂き振るわせる。最初、周囲の人間はその音をエリオの攻撃が決まった為に発生したものだと思った。
だが現実には違った、それはエリオが反撃された為に起こった爆音。
エリオは敵に向かって突撃した筈だったが、明後日の方向に吹き飛ばされていった。
「中々に速い、だがカウンターをとれぬ程ではないにゃ〜」
ミミ仮面は腰ダメに構えていたデバイスを肩に担ぎ、吹き飛ばされたエリオに向かって呟いた。
この変態、先のエリオが仕掛けた一撃を見切り寸前でカウンターの打撃を喰らわせたのだ。
込められた魔力はさして強力ではなかったが、タイミングを刺突に合わせて放たれた打撃は相応の打撃をエリオに与えていた。
吹き飛ばされたエリオは煙を上げながら十数メートルは転がっていった。
「鋼の軛!!!」
ザフィーラが雄雄しい雄叫びと共に横合いから飛び掛り、白き魔力で作られた柱を変態に向かって形成する。
もう空気なんて呼ばせない、ここで一旗上げて盾の守護獣の面目躍如という気合の篭った一撃だった。
だがしかし、青き狼の願い虚しく攻撃はスカを喰らって的を大きく逸れる。
<フラッシュムーブだにょ〜♪>
変態のデバイス、マタタビXの発したマヌケで気の抜けるような美少女ボイスと共にマッチョはその姿を高速移動でかき消す。
その速さは正に瞬速、生半に捉えられぬスピード。
視線を巡らせれば、100メートルは離れた場所に変態は仁王立ちになっていた。
「ふふっ、危にゃい危にゃい。まともに喰らったら大変な事になってたにゃ〜」
赤いマントを翻した変態は挑発染みた口調でそう零す。
先ほどなのはとフェイトの同時攻撃を防いだこの男が鋼の軛の一撃でどうこうなるかは怪しいところだ。
「さて、残念だが今日はこの辺で引き下がるとするにゃ〜」
変態はそう言うと足元に遠隔転移用の魔法陣を展開する。
かなり速度で高速展開されたそれは止める暇も無く完成して円形のミッド式魔法陣を形成した。
「では諸君、さらばだにゃ〜♪」
変態は愉快そうな声でそう言うと高速転移を行い、一瞬で姿を霧散させる。
後には六課メンバーと猫ミミ&犬ミミっ子だけが残された。
続く。
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目次:大狂乱 ミミ大戦
著者:ザ・シガー
- カテゴリ:
- 漫画/アニメ
- 魔法少女リリカルなのは
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