最終更新: nano69_264 2010年03月04日(木) 20:44:50履歴
937 名前:大狂乱ミミ大戦 [sage] 投稿日:2010/01/27(水) 00:03:32 ID:7fxmtNdA
938 名前:大狂乱ミミ大戦 [sage] 投稿日:2010/01/27(水) 00:04:23 ID:7fxmtNdA
大狂乱 ミミ大戦7
「あの……すいませんカルタスさん」
「いや、うん。気にしてないよ、別に」
ギンガの謝罪の言葉に、カルタスはそう応えた。
だが言葉に反して彼の顔はやや苦悶げに歪んでいた。
無理もない。
なにせ彼は今、周囲の人間から凄まじく冷たい眼差しを向けられているのだから。
理由は簡単、カルタスの手にある物だ。
それは紐だった。
分かりやすく言うと、リードと呼ばれる犬などの散歩の際に用いるものだ。
しかし問題はここから。
そのリードはあろう事かギンガの首まで伸び、彼女の首に付けられた皮製の首輪にしっかりと繋がっているのだ。
もはやここまで言えば説明するまでもないだろう。
つまり、カルタスはギンガを犬散歩スタイルで一緒に歩いているのだ。
別にこれは彼が変態的性癖、という訳ではない。ちゃんと理由はあるのだ。
ギンガは現在、頭に犬のミミが、お尻には犬のシッポがついた、半獣人のような姿である。
これは先日現れたある変態が、ロストロギアで成した所業だ。
この為、ギンガはその身に犬の習性が宿ってしまい、散歩しないと落ち着かない状態だったりする。
今までゲンヤがそれに付き合っていたのだが、何しろ彼は108部隊の隊長で、色々と仕事がある。
それにいい加減年で、あまり長い距離を歩くと腰に来るのだ。
なので上司のカルタスが当面の散歩相手となった、という次第である。
カルタスは、可愛い後輩の為に少しくらいの羞恥プレイは耐える覚悟だった。
しかし、実際するとなるとこれはかなりきつい。
地上本部の近くを歩けば、自然と局員も多い。
違う部隊の同期やら、顔見知りが遠巻きに自分の事を“部下の美少女に変態的プレイを強制するイカレポンチ”的な眼差しを送ったりしてくるとか。
ほとんど拷問と道義である。
だが、だからといって放棄する訳にもいくまい。
きちんと躾けられた犬なのか、ギンガは誰かにリードを持ってもらわないと散歩できないらしいのだ。
だから仕方ない。
それに実を言うと、愛らしくそして美しい後輩の美少女をこうして犬奴隷プレイよろしく連れまわすというのも、案外ゾクゾクとした喜びがあったりもする。
ここだけの話ではあるが。
と、そんな事を考えていた時だ。
リードを引かれていたギンガがふと立ち止まり、どこか遠くに視線を向けた。
何事かとカルタスも彼女の眼差しを追う。
するとそこには、天に向かって立つ一本の柱。
いわゆる一つの電信柱があった。
電信柱などに、一体何の用があるのか。
そんなカルタスの疑問は、次の瞬間氷解する。
やたら脚をもじもじとすり合わせ、なんだか切なそうな眼をするギンガ。
ああそうだ、そういえばそうだった。
犬とはそういう事をする生き物だ。
「なあ、ギンガ……」
「はい」
「も、もしかしてあそこで“したい”の?」
「……」
頬を染めながら、ギンガは頷き、そして告げた。
「あ、あの……だめですか?」
「いやいやいや! ダメだからね!? 絶対ダメだからね!?」
「で、でも……おしっこ……」
「そういうのはトイレでー!!」
「あっちの茂みもだめですか?」
「ダメーッッ!!!」
ああ、やっぱり引き受けるべきではなかったのだろうか。
胸中にて嘆きながら、カルタスはそんな事を思った。
□
変態がいた。
具体的に言うと大変態だ。
まずその格好が変態的だった。
筋肉質な肉体に纏うのはピッチピチの黒ビキニパンツ、そして猫のミミをあしらった覆面に真っ赤なマントと来ている。
変態だった、どう表現してもその語に尽きる男だった。
名をミミ仮面という。
世界中の女性を謎のロストロギアで動物化させ、ミミやらシッポやらを付けるのが夢だという。
正に変態だった。
「やれやれ、相変わらずしつこいお嬢さん方だにゃ〜」
変態の呟きと共に、彼の元に幾筋もの光が舞い降りた。
桃色と金色の閃光、魔力弾の雨である。
誘導弾と高速射出型のものを織り交ぜた怒涛の攻め。
それを変態は、事も無げに身をゆるりとひねって回避する。
視線を向けるまでもなく避けるその体捌きは、見事の一言。
だが、既に次の手は打たれていた。
変態の四方八方に突如として構築される魔法陣、そしてそこから生み出される無数の魔力鎖。
チェーンバインドがうなりを上げて襲い掛かる。
これを先ほどと同じように回避しようとした変態だが、しかしそれは不可避だった。
彼より早く機先を制し、一つの術式が構築される。
それは設置型のリングバインドだった。
既に彼の周囲に先んじて組み上げられていたそれは、太い腕をしっかりと拘束。
一度極まれば後は容易い。
光条と化したチェーンバインドが絡みつくのに、一秒と掛からなかった。
「にゃふぅん!」
珍奇な音域の声をあげ、変態の屈強な腕やら脚をバインドが拘束する。
正直、ムキムキマッチョのおっさんが奇声を上げて悶える様は見るに耐えない。
だが、そんな変態に舞い降りた乙女たちは果敢にも得物を突きつけた。
陽光を反射して攻撃的な輝きを持つ三つのデバイスが、ミミ仮面に向けられる。
高町なのはの持つレイジングハート。
フェイト・T・ハラオウンの持つバルディッシュ。
八神はやての持つシュベルトクロイツ。
もはやこれ以上変態を放置できぬと現れた、機動六課隊長三人の包囲陣。
各々がデバイスを突きつけながら、少女らは拘束した変態へと告げた。
「さあ、いい加減このバカ騒ぎも終わりにしましょう。大人しくこのまま捕まってください」
とは、なのはの言葉。
それに応えるのは言うまでもなく変態の言葉である。
「捕まえるとは物騒にゃ。一体何の咎で拘束すると言うのかにゃ? まったくもって不当極まるにゃ」
「え、いや……不当もなにも、変なロストロギアで女の子を獣人化させてるとかほんと迷惑なんですけど……」
「女性がより愛らしくなることに何の問題があると言うのかにゃ!?」
だめだ、この変態早くなんとかしないと……
その場にいた全員がそう思った。
もうお話を聞けるなんてもんじゃない、そもそも意思疎通の段階で重度の障害が発生している。
そう決断したなのはは、手にした愛機レイジングハートを構えつつ、言葉を連ねた。
「それ以上の妄言は取調室で言ってください」
「断る、と言ったら?」
「この状況で何が」
出来ると思ってるんですか?
なのははそう問おうとした。
だが出来なかった。
次なる刹那、変態の身が蠢く。
ボキャボキャとかなり耳障りな肩の関節が自身の力で外されたのだ。
まるで軟体動物のように筋肉質な肉体を柔軟に動かし、変態は華麗に拘束から脱出。
真っ赤なマントをなびかせて宙を舞うミミ仮面、彼は身を捻りつつ股間を覆うピチピチの黒ビキニパンツに手を突っ込む。
そしてその穢れた聖域に隠した愛機を取り出す。
「マタタビX、セエエエエットアアアアアアップ!!!」
取り出した輝く金属製の金の玉、待機状態のデバイスに指令を叫ぶ。
ちなみに股間から取り出した金色の玉というと、大変卑猥な響きであるが気にしてはいけない。ここはエロパロなのだ。
大概の変態的物語性は許容されるのである。
よろしい、ならば変態だ。
金の玉は瞬時に肉球型ヘッドを持つ杖へと変形し、陽光を浴びて燦然と輝く。
マタタビXの名を冠したデバイス、変態の愛機である。
ミミ仮面は着地するや手のデバイスをくるくると振り回し、ビシっとポージングをして、叫んだ。
「さあて、ではお嬢さん方にも素敵なミミとシッポを付けて差し上げるかにゃー!」
こうして、変態と機動六課隊長三人娘との戦いの火蓋は切って落とされた。
続く。
前へ 次へ?
目次:大狂乱 ミミ大戦
著者:ザ・シガー
938 名前:大狂乱ミミ大戦 [sage] 投稿日:2010/01/27(水) 00:04:23 ID:7fxmtNdA
大狂乱 ミミ大戦7
「あの……すいませんカルタスさん」
「いや、うん。気にしてないよ、別に」
ギンガの謝罪の言葉に、カルタスはそう応えた。
だが言葉に反して彼の顔はやや苦悶げに歪んでいた。
無理もない。
なにせ彼は今、周囲の人間から凄まじく冷たい眼差しを向けられているのだから。
理由は簡単、カルタスの手にある物だ。
それは紐だった。
分かりやすく言うと、リードと呼ばれる犬などの散歩の際に用いるものだ。
しかし問題はここから。
そのリードはあろう事かギンガの首まで伸び、彼女の首に付けられた皮製の首輪にしっかりと繋がっているのだ。
もはやここまで言えば説明するまでもないだろう。
つまり、カルタスはギンガを犬散歩スタイルで一緒に歩いているのだ。
別にこれは彼が変態的性癖、という訳ではない。ちゃんと理由はあるのだ。
ギンガは現在、頭に犬のミミが、お尻には犬のシッポがついた、半獣人のような姿である。
これは先日現れたある変態が、ロストロギアで成した所業だ。
この為、ギンガはその身に犬の習性が宿ってしまい、散歩しないと落ち着かない状態だったりする。
今までゲンヤがそれに付き合っていたのだが、何しろ彼は108部隊の隊長で、色々と仕事がある。
それにいい加減年で、あまり長い距離を歩くと腰に来るのだ。
なので上司のカルタスが当面の散歩相手となった、という次第である。
カルタスは、可愛い後輩の為に少しくらいの羞恥プレイは耐える覚悟だった。
しかし、実際するとなるとこれはかなりきつい。
地上本部の近くを歩けば、自然と局員も多い。
違う部隊の同期やら、顔見知りが遠巻きに自分の事を“部下の美少女に変態的プレイを強制するイカレポンチ”的な眼差しを送ったりしてくるとか。
ほとんど拷問と道義である。
だが、だからといって放棄する訳にもいくまい。
きちんと躾けられた犬なのか、ギンガは誰かにリードを持ってもらわないと散歩できないらしいのだ。
だから仕方ない。
それに実を言うと、愛らしくそして美しい後輩の美少女をこうして犬奴隷プレイよろしく連れまわすというのも、案外ゾクゾクとした喜びがあったりもする。
ここだけの話ではあるが。
と、そんな事を考えていた時だ。
リードを引かれていたギンガがふと立ち止まり、どこか遠くに視線を向けた。
何事かとカルタスも彼女の眼差しを追う。
するとそこには、天に向かって立つ一本の柱。
いわゆる一つの電信柱があった。
電信柱などに、一体何の用があるのか。
そんなカルタスの疑問は、次の瞬間氷解する。
やたら脚をもじもじとすり合わせ、なんだか切なそうな眼をするギンガ。
ああそうだ、そういえばそうだった。
犬とはそういう事をする生き物だ。
「なあ、ギンガ……」
「はい」
「も、もしかしてあそこで“したい”の?」
「……」
頬を染めながら、ギンガは頷き、そして告げた。
「あ、あの……だめですか?」
「いやいやいや! ダメだからね!? 絶対ダメだからね!?」
「で、でも……おしっこ……」
「そういうのはトイレでー!!」
「あっちの茂みもだめですか?」
「ダメーッッ!!!」
ああ、やっぱり引き受けるべきではなかったのだろうか。
胸中にて嘆きながら、カルタスはそんな事を思った。
□
変態がいた。
具体的に言うと大変態だ。
まずその格好が変態的だった。
筋肉質な肉体に纏うのはピッチピチの黒ビキニパンツ、そして猫のミミをあしらった覆面に真っ赤なマントと来ている。
変態だった、どう表現してもその語に尽きる男だった。
名をミミ仮面という。
世界中の女性を謎のロストロギアで動物化させ、ミミやらシッポやらを付けるのが夢だという。
正に変態だった。
「やれやれ、相変わらずしつこいお嬢さん方だにゃ〜」
変態の呟きと共に、彼の元に幾筋もの光が舞い降りた。
桃色と金色の閃光、魔力弾の雨である。
誘導弾と高速射出型のものを織り交ぜた怒涛の攻め。
それを変態は、事も無げに身をゆるりとひねって回避する。
視線を向けるまでもなく避けるその体捌きは、見事の一言。
だが、既に次の手は打たれていた。
変態の四方八方に突如として構築される魔法陣、そしてそこから生み出される無数の魔力鎖。
チェーンバインドがうなりを上げて襲い掛かる。
これを先ほどと同じように回避しようとした変態だが、しかしそれは不可避だった。
彼より早く機先を制し、一つの術式が構築される。
それは設置型のリングバインドだった。
既に彼の周囲に先んじて組み上げられていたそれは、太い腕をしっかりと拘束。
一度極まれば後は容易い。
光条と化したチェーンバインドが絡みつくのに、一秒と掛からなかった。
「にゃふぅん!」
珍奇な音域の声をあげ、変態の屈強な腕やら脚をバインドが拘束する。
正直、ムキムキマッチョのおっさんが奇声を上げて悶える様は見るに耐えない。
だが、そんな変態に舞い降りた乙女たちは果敢にも得物を突きつけた。
陽光を反射して攻撃的な輝きを持つ三つのデバイスが、ミミ仮面に向けられる。
高町なのはの持つレイジングハート。
フェイト・T・ハラオウンの持つバルディッシュ。
八神はやての持つシュベルトクロイツ。
もはやこれ以上変態を放置できぬと現れた、機動六課隊長三人の包囲陣。
各々がデバイスを突きつけながら、少女らは拘束した変態へと告げた。
「さあ、いい加減このバカ騒ぎも終わりにしましょう。大人しくこのまま捕まってください」
とは、なのはの言葉。
それに応えるのは言うまでもなく変態の言葉である。
「捕まえるとは物騒にゃ。一体何の咎で拘束すると言うのかにゃ? まったくもって不当極まるにゃ」
「え、いや……不当もなにも、変なロストロギアで女の子を獣人化させてるとかほんと迷惑なんですけど……」
「女性がより愛らしくなることに何の問題があると言うのかにゃ!?」
だめだ、この変態早くなんとかしないと……
その場にいた全員がそう思った。
もうお話を聞けるなんてもんじゃない、そもそも意思疎通の段階で重度の障害が発生している。
そう決断したなのはは、手にした愛機レイジングハートを構えつつ、言葉を連ねた。
「それ以上の妄言は取調室で言ってください」
「断る、と言ったら?」
「この状況で何が」
出来ると思ってるんですか?
なのははそう問おうとした。
だが出来なかった。
次なる刹那、変態の身が蠢く。
ボキャボキャとかなり耳障りな肩の関節が自身の力で外されたのだ。
まるで軟体動物のように筋肉質な肉体を柔軟に動かし、変態は華麗に拘束から脱出。
真っ赤なマントをなびかせて宙を舞うミミ仮面、彼は身を捻りつつ股間を覆うピチピチの黒ビキニパンツに手を突っ込む。
そしてその穢れた聖域に隠した愛機を取り出す。
「マタタビX、セエエエエットアアアアアアップ!!!」
取り出した輝く金属製の金の玉、待機状態のデバイスに指令を叫ぶ。
ちなみに股間から取り出した金色の玉というと、大変卑猥な響きであるが気にしてはいけない。ここはエロパロなのだ。
大概の変態的物語性は許容されるのである。
よろしい、ならば変態だ。
金の玉は瞬時に肉球型ヘッドを持つ杖へと変形し、陽光を浴びて燦然と輝く。
マタタビXの名を冠したデバイス、変態の愛機である。
ミミ仮面は着地するや手のデバイスをくるくると振り回し、ビシっとポージングをして、叫んだ。
「さあて、ではお嬢さん方にも素敵なミミとシッポを付けて差し上げるかにゃー!」
こうして、変態と機動六課隊長三人娘との戦いの火蓋は切って落とされた。
続く。
前へ 次へ?
目次:大狂乱 ミミ大戦
著者:ザ・シガー
- カテゴリ:
- 漫画/アニメ
- 魔法少女リリカルなのは
タグ
このページへのコメント
早く続きを見たい!そして獣耳や尻尾を生えている子達の活躍を!