She & Me

[197]640<sage> 2005/06/04(土) 12:19:13 ID:9YtQWzwr
[198]640<sage> 2005/06/04(土) 12:20:31 ID:9YtQWzwr

「このっ!!」
二つの刃の閃きが、異形を真っ二つに切断する。左右に分かたれた身体は、砂のようにあっという間に風化していった。

「こいつら・・・・一体、何者だ?」
しかし、手強い。忍とノエルを行かせて、正解だったと思う。
実力者のノエルはともかく、忍を守りながらではこの化け物達の相手は正直きつい。

(なのはやフェイトのいつもの外出になにか関係があるのか・・・?)

とりあえず、今は目の前の敵を倒すことに集中しなければ。
「少々本気でいかないと、まずいな・・・・」
アレをやるか、と恭也は精神を集中する。

(実戦で使うのは久しぶりだな・・・!!)

───神速。

「行くぞ・・・!!」

恭也の身体は、一陣の風となった。





「・・・あり、がとう、二人、とも・・・」
そういいながら立つフェイトの足つきは弱弱しい。隣のなのはも、それは同様だ。
「行かなきゃ・・・」

「ちょ・・!?あんたたちふらふらじゃない!!どこ行く気なの!?」

「なのは・・・行ける・・・?」
「うん・・なんとか・・・」

アリサの気遣いが、聞こえていないわけじゃない。無視しているわけでもない。
むしろ、そうやって心配してくれているのがうれしいくらいなのに。
(ごめん・・・)
二人は振り返ろうとはしない。待っている人達が、いるから。今は振り返れない。
「なのは・・・!!フェイト・・・!!」

「・・・待って・・・」
「すずか・・・?」


「待って・・・待ってよ!!!なのはちゃん!!!フェイトちゃん!!!」
「・・・・・・ッ!!」

二人の歩みを止めたのは、フェイトにとっては初めての。なのはが聞くのは二度目の、すずかの心の底からの叫びだった。

「すずか、ちゃん・・・」
「すずか・・・」

「待って・・・お願いだから・・・!!このまま、なんだか二人とも遠くに行っちゃいそうで・・・・不安で・・・・」
うつむくすずかの目には、涙が浮かんでいた。アリサに肩を抱かれながら、それでも精一杯自分の気持ちを二人にぶつける。
きっと、思っていることはアリサも同じ。

「だから・・・お願い・・・こっちを向いて・・絶対、絶対戻ってきて、全部話してくれるって約束して・・・!!」

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目次:She & Me
著者:640

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