350 伝説の業を持つ男 sage 2008/03/24(月) 21:29:03 ID:QjPvBto2
352 伝説の業を持つ男 sage 2008/03/24(月) 21:30:04 ID:QjPvBto2
353 ヴァイエルン三世 sage 2008/03/24(月) 21:31:24 ID:QjPvBto2
354 名無しさん@ピンキー sage 2008/03/24(月) 21:32:36 ID:QjPvBto2
355 伝説の業を持つ男 sage 2008/03/24(月) 21:33:54 ID:QjPvBto2
356 伝説の業を持つ男 sage 2008/03/24(月) 21:35:40 ID:QjPvBto2
357 伝説の業を持つ男 sage 2008/03/24(月) 21:37:07 ID:QjPvBto2
359 伝説の業を持つ男 sage 2008/03/24(月) 21:38:55 ID:QjPvBto2
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366 伝説の業を持つ男 sage 2008/03/24(月) 21:47:54 ID:QjPvBto2
367 伝説の業を持つ男 sage 2008/03/24(月) 21:49:08 ID:QjPvBto2

―――後になって思い返してみれば、始まりは集落にいた頃まで遡るのかもしれない。

 僕ことユーノ・スクライアは手先が器用な子供だった。
 集落にいた頃は博士を取っているとはいえ、年齢が二桁に行かない僕は雑用その他を請け負う事が多かった。
 そのことに関して不満を持った事はなかったし、そもそもスクライア一族というのは年功序列が色濃く、役割分担がしっかりとした一種のコミュニティーを形成していた。
 例えば働き盛りの青年・壮年は遺跡へと赴き発掘作業という肉体労働、食いつなぐための狩りもこのグループの役割だ。
 年齢を重ね、前線に出る事が難しくなった初老の男衆は、その経験を元に若い世代へ技術を繋ぐ教育係、現役の相談役となっていく。
 対する女性は子供を産み、育てていくという神聖な役割を担う。
 その他にも炊事洗濯を担当し、食料を取ってくるのが男の役割なら、それを管理し計画的に調理していくのが女性の仕事である。

 さて、集落にいた時の僕……言い換えれば幼年層の役割というのは各分担のサポートという言い方が相応しい。
 現場に赴く事もあれば、女性の炊事洗濯という雑事も手伝う。
 人手というのは費用さえかからなければあって足りないものではなく、一人一人が戦力にならずとも多くの手が集まれば大きな力になる。
 まあ、言ってしまえば人海戦術といったところだ。
 
 このようにスクライアの一族というのは一族総出で日々を暮らしていく。
 技術的、魔法体系的には優れた技術者の多いスクライア一族だがその仕事は肉体労働が全てだ。
 それゆえに生々しい話だが、筋肉痛というのが切っては切れない問題となる。

 思い返すとこれが失敗だったのかな、とも思うが、こういう面を鑑みた僕は一族の役に立ちたい一身で魔術的マッサージというのを勉強し学び始めた。
 技術的な話をすれば指先に魔力を流し、幹部に触れ体に流れる魔力の流れを促進し疲労を取る。
 言ってしまえば簡単だがこれはちょっとしたコツのようなものがあり、僕もその習得にはかなり苦労をさせられた覚えがある。
 しかし僕は意外に凝り性で、より良い、より効果的な技術というものを実践しながら学んでいった。
 人の疲労を取る、というのはなかなかに奥深いもので、様々な研究の末たどり着いたのが、

―――快楽というのは肉体的疲労回復、精神的慰安に覿面の効果を見せる。

 という、”今の僕の状況”を作り出した理論だ。

 再三言うが、僕は手先が器用な上に凝り性で探究心が豊富だった。
 快楽に関するあらゆる技術、人体の性感帯の網羅、通す魔力の浸透率の計算……僕は書物を片っ端から洗い、全てを頭に叩き込み習得、研鑽していった。
 楽しかった。
 技術の研究というのは素晴らしい。
 最初は拙かった技術も、身内に実践で試みていくうちに満足してもらえているのが実感できたのが何よりも嬉しかった。
 特に女性陣に関しては僕が考える以上に満足してくれていたみたいで、マッサージをした女性との信頼関係、仲間意識というのが強まったように思う。

 そう、ここで気付くべきだった。

 僕のマッサージを文字通り泣いて喜んでくれていたのは”女性陣”であったこと。

 僕が触れるたびに体を震わせ、魔力を流し込むたびに声を上げる。
 時には痙攣し、時には絶叫を上げ気を失ってしまう事もあった。
 幼い僕は気付かなかった。
 僕が習得し熟練していった技術は、マッサージなどではなく、

――――”エロテクニック”であったということに気付いたのは、相当後になってからだったのだ。




………………


…………


……



「あ、ユーノさん! おはようございます」

 管理局本部の廊下を資料片手に歩いていたユーノに声を掛けるのは歳若いまだあどけなさを残す女性だった。
 無限書庫に勤務してから結構な時間が経ち、ユーノにも管理局内で知り合いが多く増えており、こうして局内を歩いていれば声を掛けてくれる人が多数存在していた。
 しかし、その性別比が9:1で圧倒的に女性が多いことが目下のところの悩みである。

「ああ、おはよう……えっと」

「あ、覚えてくれていないんですか? 事務のアテンザですよ」

「ご、ごめん」

 アテンザと名乗った女性はしかたないなあ、といった風に苦笑する。
 ユーノは人の名前を覚える事が得意という訳ではないが、苦手という訳でもない。
 とすればそうそう面識のあった女性ではないはずなのだが、とユーノは思う。

「でも仕方ないですよね、ユーノさんは色々な女性とお知り合いのようですから」

「ええ!? そんなことないと思うけど……」

「またまた〜、事務の女の子の間でユーノさんの話題が良く上がるんですよ。おモテになりますね?」

 からかうようにそう言ってくるアテンザ。
 ユーノはその言葉に苦笑を返すしかなかった。
 というのも、そうやってからかわれるのは日常茶飯事でなれてしまったからである。
 非常に遺憾ではあるんだけれど、と心の中でも苦笑した。

「でもそのことにも納得できちゃうんですよね、アレを体験しちゃうと♪」

 思い出すようにうっとりと頬を染めるアテンザ。
 その表情はうっすらと上気しており、女性を意識させる顔だった。

(そうか……僕が”アレ”をした人か……)

 なんともいえない気まずい気持ちが胸にこみ上げてくる。

「ふふ……」

 そうして視線をそらすユーノにアテンザが歩み寄り、

「……あの時は本当に素敵な時間でした。また”して”くれますか?……」

 そう、耳に息を吹きかけるように囁いた。
 からかい半分なのだろうが、ここは管理局本部内だ。
 何処に人目があるかも分からない。
 ユーノは慌てたようにアテンザから距離をとり、

「……あ、うん! じ、時間があったら、ね!」

「本当ですか!? 約束ですよ!」

 アテンザはユーノの答えに嬉しそうにそう言って、手を振りながら廊下をすれ違っていった。


………………


…………


……


「はあぁ〜〜……」

 アテンザを見送った後ユーノは人知れず大きなため息をついた。

「また流されるように約束してしまった……断ろう断ろうとは思っているんだけれど……」

 ユーノはそういって頭を抱える。
 自分の持っている技術が、マッサージという範疇から抜けている事をユーノが知ったのは最近である。
 性教育を受ける前にスクライアの集落から飛び出したユーノは、自分のやっていることが性的接触であるという事に気付かずにいたためだ。
 ユーノは根が真面目であったため、性知識とは無縁の生活をしており、またそれを諭す大人も周りには存在していなかった。

 そのことを身を持って知ったのは地球でなのはと出会い、色々な過程を経て管理局に入局してから数年たった後のことだ。
 その日、いつのまにか管理局内で有名になったユーノの神業を体験すべく、ある女性がやってきた。
 名前はバネット。
 20代半ばで魅惑のボディを持て余していた、お色気お姉さんであった。


………………


…………


……


『君がユーノくん? 凄くマッサージが上手な子がいるって聞いてきたのだけれど……』

『あ、はい。僕がユーノです』

『そうなの? 随分と若いのね』

『あはは、よく言われるんです』

『いきなりで悪いのだけれど、お願いできるかしら?』

『あ、マッサージですか? いいですよ』

『悪いわね……』

『じゃあそこにうつ伏せになって、はい、そんな感じで……じゃあいきますよ』

『ええお願……あっ……え、なにこれ……凄っ……はぅぅっ!』

『気持ちいいですか〜?』←純粋に

『え、ええ……とっても……す、凄い……あ、あああああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜ッ!!』

『わっ!? ……やりすぎちゃった、のかな?』

『あ……あぅ……(ビクビクッ』

『あの……って、うわぁ!?』

『はぁ……はぁ……うふ……うふふふ……スイッチが……入っちゃった、みたい♪』

『え? え? え?』

『すっごく素敵な指使いだったわ……こんなの初めてよ。だからね……』

『あ、あの……!?』

『お・れ・い♪』




『あ”っ−ーー!』



………………

…………

……


―――その日の太陽は黄色かったと後にユーノは語る。

 いずれにしろこうなるのは時間の問題ではあったのだろう。
 ユーノがまだ幼かった時期は周囲の心理的な抑えがあったのだろうが、その頃のユーノは既に自立し容姿も子供から青年へと代わろうとしている時期でもあった。
 相手のバネットにしてもそういうイケナイ趣味の傾向が少なからず存在していたのかもしれない。
 ともあれユーノはそのことを切っ掛けに性知識というのをバネットから手取り足取り、身をもって教えられることとなり、大人への階段を昇ってしまったのだった。
 そして同時に危険をも覚えた。
 兆候はあったのだ。
 特に地球にいた頃リンディにマッサージを施した時、バネットに似た反応を見せたことがあったのをユーノは思い出した。
 リンディもしきりに声を荒げ、身を捩じらせては痙攣を繰り返していたものだ。
 手は虚空を彷徨い、足をピンと伸ばして『クライド』の名前を繰り返し熱く呟いていた。
 そしてマッサージを行った次の日からリンディは妙に熱い視線をちらちらとユーノに送るようになっており、時折エプロンを手の甲が白くなるまで握り締めていたことを思い出す。
 あれは欲情を必死に堪えていた姿なのだろう、と今なら察する事が出来る。
 もしユーノの年齢が高かったら?
 それでなくとも女顔ではなく大人びた容姿であったのなら?
 あるいはリンディが情欲に流されやすい女性だったのなら?
 もしかしたら……

「クロノを息子と呼ぶ可能性も、あったのかもしれないんだよなぁ……」

「―――嫌な想像はやめてくれ」

「ク、クロノ!?」

 いつのまにか後ろに立っていたクロノから掛けられた声に、ユーノは飛び上がるように腰を引いた。
 クロノはその様子にしかめた顔を向け、

「……盛んなようだな、エロフェレットめ」

「う……っ」

「母さんに手を出してみろ、氷付けにした後業務用氷かき機で摩り下ろして、あずきをトッピングした後管理局員に振舞ってやる」

「…………氷あずきとは渋いね」

「シロップ系は甘すぎて好きじゃないんだ」

 何処かずれた会話を交わしながら呆れたようにクロノはため息をついた。

「……母さんじゃないにしろ、不特定多数に粉をかけるようなマネは止めておけ。今の娘は事務のアテンザ、だったか?」

「み、見てたのか?」

「管理局本部の廊下で堂々と身を寄せ合っておいて何を言っている」

「う、ぐ……」

 まずいところを見られた、とユーノは顔を引きつらせた。
 不可抗力……とは言えないかも知れないが、事実ではあるのだから。

「全く……。最近、お前のいい噂を聞かないが本当だったようだな。こんな調子で日々を過ごしていたのなら男性局員のフラストレーションも溜まるというものだ……お前、相当恨まれているぞ?」

「ええ!?」

「当然だろう。自分の今の状況を良く鑑みてみろ」

 クロノの指摘にユーノは考える。

 9:1の割合で話しかけてくる性別比。
 そしてその多くはマッサージを介して出来上がったコミュニティーであり、その行為ゆえかアテンザのように距離感の近い親近感のある態度で接する女性たち。
 性的な目的ではないといえ不特定多数の女性と身体的接触の機会を多く持つ自分。
 そしてアテンザの言っていた蔓延する自分の話題。

「…………(汗」

「……分かったのなら少しは控えろ。今はまだ静観されているが、お前に対して過激派もいるという。そのうち怪我じゃすまなくなるぞ?」

「うっ……それ本当?」

「嘘は言わない。そんな事態になっても僕は止められないかもしれないからな。もしかしたら―――」

 にやりとクロノはからかう様に口元を上げ、

「僕も率先してそっち側につくかもしれないぞ?」



「―――そんな事になったら管理局に”星屑の雨”が降り注ぐかもしれないね?」

《All right》

―――ガシュンッ!



「…………(汗」

 突然背後から掛けられる声。
 そしてクロノの首筋に感じる冷たい感触。

「嫌だなあクロノくん。私、そういう冗談って嫌いなんだ。ユーノくんが怪我しちゃうかも、なんて―――嫌だなぁ」

「お、落ち着くんだなのは。そう、これは冗談であってだな、そんな危険性なんて、か、皆無に決まっているだろう? ああ、もちろんだとも! こ、これは友人同士の他愛無いコミュニケーションであってだな?」

「―――そうなのかなぁ……本当にそうなのかなぁ〜?」

「ああ! そんな恨みを持つ局員なんているわけないじゃないか〜! もし万が一、いやいやいやありえないよ? ありえないんだけど、本当に億が一あったとしてもこの僕がそんな行為許すわけないじゃないか! し。心配性だぞ、あは……あはははは!」

「そうだよね! 心配のしすぎだよね……うふふ」

「そうだとも! はは、はははは……!」

 必死の弁明の甲斐があったのか、背後から襲う黒い魔力は薄れていく。 
 同時に首筋に当たる冷たい感触もなくなり、クロノは大きく息を吐いた。

「…………し、死ぬかと思ったぞ(ボソリ」

「何か言った、クロノくん?」

「い、いや! き、気にしないでくれ」

「そう? あ……それよりユーノ君、これから暇かな?」

「え、え……? ぼ、僕?」

 急に話が振られ、動揺するようにユーノが答える。

「うん、ちょうどこれからフェイトちゃんやはやてちゃんと待ち合わせてるんだ。ユーノくんも一緒にどうかな、って」

「えっと……あ」

 そういわれてユーノは片手に持っている書類を思い出した。
 今手に持っているのはクロノから依頼された”インプレッサ文明”に関する書類である。

「そういえばクロノ、これレポートにしてまとめたけど」

「ん、ああ。 すまないな」

「いいよ、仕事だし。今回はこれで全部かな? そうなれば手は空くんだけど」

「ん、そうだな……いや、できれば前回のレポートにあった、”インプレッサ文明”と並存したといわれる”スカイライン文明”に関しても資料が欲しかったんだが……」

 そういってちらりと横目でなのはを見るクロノ。

「――――――」

「いや、いいっ! 今日は君も疲れているだろう!? なのは達に付き合ったらどうだ!?」

「そ、そう? 君がいいなら……僕はそれでもいいんだけど」

 引きつった笑みを浮かべるクロノに対し、なんだか申し訳ない気分になりながらも、ユーノはそういってなのはに向き合った。

「さて……用事もないみたいだし、付き合うよなのは」

「―――うん!」

 嬉しそうにうなずくなのはにユーノは少し息を吐いた後破顔する。
 クロノを忘れてしまったかのようになのははユーノの腕を取り、引っ張るように二人はその場から立ち去っていった。

「…………お、女っていうのは恐ろしいな」

 去っていく二人の背中を見つめながら、クロノは帰ったらエイミィに孝行しようと考えるのだった。


………………


…………


……


「あぁ……いいっ……いいよぉ……ユーノくぅん……」

―――管理局に滞在するために用意されたなのはの一室。
 扇情的に背を反らし、柔らかに膨らむ胸を揺らしながら、なのはは腰を上下左右と感触を味わうように、楽しむように淫らに振っていた。
 腰を揺らすたびに押し出されるように漏れ出す吐息。
 ユーノの胸に両手をつき、顔を覗き込むように、なのはは反応を楽しんでいる。

「な、のは……っ」

 なのはの痴態に煽られるように、ユーノは胸に手を伸ばそうとするが、不意に横から伸びる白い指に絡め取られ、目的とは違う、だが本質的には同じ場所にたどり着いていた。

「……ユーノ……なのはだけじゃなく、私も……くふぅ……っ」

「なのちゃんだけ、贔屓はあかん……よ……んちゅ……ちゅ……っ」

「フェイト……はや……ん……んん……っ」

 右手に当たる柔らかい感触はフェイトの胸。
 そして唇に当たる濡れたすべらかさははやての唇。
 
 なのはの部屋には今4人の男女が着衣を乱し、あるいは脱ぎ捨て、あらかじめ大きめにあつらえたベッドに幾分かの密着をしながらシーツに皺を作っている。
 あれからユーノとなのはは予定通りフェイト、はやてと合流し、食事を取りながらともに時間を過ごしていた。
 あらかじめ3人の女性達は期待をしていたのだろう。
 決して暇ではないはずの4人。
 しかし今夜の予定は全て消化されており、4人ともに邪魔される事柄は存在しない。
 ユーノは三人の押しにおされるようになのはの部屋へと訪れ、今に至るというわけだ。

(クロノに釘を刺されたっていうのに……僕ってヤツは……)

 軽い自己嫌悪に苛まれるユーノ。
 そんなユーノの心境を察したのか、

「ん……ぷぁ……。 こんなかわいい女の子達に奉仕させてるってのに、心の余所見はあかんで〜?」

 はやてが意地の悪い笑みを浮かべ、唇から首筋へと矛先を変えぬらりとした舌を這わせていく。

「……ユーノ……ん……」

 はやての行為と同調するように、フェイトもユーノの首筋へ顔を寄せ愛しむように口付けと落とす。
 積極的なはやてと、消極的だが感情の込められたフェイトの熱心な責めにユーノの体が反応する。

「んぁ……。 ……もう……二人ともずるいよ。 今は私の番なのに……っ」

 なのはがすねたように声をあげ、体を倒しユーノの乳首をさするように撫でる。

「ちゅ……なのちゃんは……れろ……一番美味しいトコもってとるやない、か……少しぐらい譲ってくれてもええやん……な、フェイトちゃん?」

 二人の間に割り込んでくるなのはに抗議の声をあげ、フェイトへと賛同を求めるはやて。
 
「体だけ繋がっても、心が繋がってなきゃ……ん……意味ないよぉ……フェイトちゃんも……って」

「……ありゃ」

 二人がフェイトを向くも、

「ユーノ……ユーノぉ……っ」

 首筋にキスを降らせながらも、ユーノの手を自らの花弁へと誘い、擦りつける様に愛撫を強請るフェイト。
 その姿はまるでなのはとはやてが映っておらず、上気する顔と潤む瞳はユーノしか見ていなかった。

「くす……フェイトちゃん、夢中だね」

「……うちらで一番消極的やけど、一番のめり込むんもフェイトちゃんやからね……」

 顔を見合わせ、仕方ないな、といった風に笑みを交わす。
 4人で情事を結ぶのはこれが初めてという訳ではなく、というよりもユーノと体をあわせる様になったのは3人一緒のときだった。
 某ベネット女史との行為をそれとなく察した3人がそのことに焦り、ユーノへと詰め掛けているときなし崩しで肌を重ねてしまったのだ。
 当然ユーノのマッサージを体感している3人。
 まだ精神的にも未熟である中での一時的接触というのは恋愛感情を引き起こしやすい。
 ユーノの技術は”快楽”を主観としたものであり、触れられる事が心地いいのは、心を許しているためだというプラシーボを錯覚させる。
 そして何より3人に共通するのは幼年期の経験から来る『孤独』を嫌う事。
 人との触れ合いに餓えていた為、暖かくも絆を感じる行為、そして多人数での接触にのめりこんでしまっているという訳である。
 3人の中でも人一倍孤独を嫌うのはフェイトだ。
 心を許す友達と一緒に、与えられる快楽に翻弄され温もりにまどろむのは気が触れるくらいに心地よかったのだろう。
 そこに嫉妬という感情を挟む余地はなく、むしろそばに人がいるということに喜びと安堵を感じているのかもしれない。
 なのは、はやてもフェイトほどではないにしろ、同じような感情をもっている、だからこそこんな関係が構築されたのだ。

 一方でその煽りを受けるのがユーノなのだが、3人が親愛の情を向けてくれている事が分かっているため、今更引き返す事は出来ないでいた。
 もとはといえば自分の技術から来る問題なわけで、それを誰かに転嫁する事は憚られる。
 ゆえにいつもと同じように、

「なのは、フェイト、はやて……」

 右手をフェイトの花弁へ、左手ははやてに。
 そしてペニスで貫いているなのはに向けて、

―――魔力を流し込む。

「え、……ん、あ、……あああああああああぁぁ―――ッ!」

「ん……んんっ……くぅぅぅぅぅ……ッ!」

「あ、あかん……い、くっ―――!」

 同時に絶頂へと強制的に昇らされる3人。
 胎内へと意識して流し込む魔力は快楽とともに目がくらむような多幸感を与える。
 これは女性全般に対して有効なようで、あがらえぬような快感が体中に駆け巡るそうだ。
 ユーノには分からない事だが、子宮に魔力を流され蠢動させるように掻き回すと、一種の酩酊感にも似た交感神経の興奮と満たされるような幸福感をもたらすのだという。
 体中から熱が吹き上げ、子宮が震えるように痙攣して目の前が真っ白になる、というのはなのはの言葉である。
 フェイト、はやても似たような現象を体感するらしく、はやてに至っては、

『これが女の幸せなんやな』

 とまで語っている。
 
「はぁ……はぁ……っ」

「ん……くっ……」

「はっ……はっ……〜〜っ」

 自らの体に走る快楽を、身を捩りながら享受する3人。
 先ほどまでは責められていたユーノだが、その気にさえなればいつでも立場を逆転できるというのを表している。
 
「……なのは、そろそろ僕も動かすよ?」

「う……くっ……え!? そんなまだイったばかりで敏感―――あぁ……っ!」

 なのはの言葉を遮るように動き出すユーノ。
 なのはの好きにさせていた時とは違う、荒々しくも繊細な動きだ。

「だめっ……だめっ……感じすぎ、てっ」

 されるがままに体を揺さぶられるなのは。
 力が入らないのか、身をユーノに投げ出した格好で腰だけが自分の意思とは反するように蠢いている。

「なのは……」

 フェイトとはやてがいまだ絶頂の余韻が冷めぬため、自由になった右手を胸に回し、左手は腰の辺りの固定する。
 そして、

「―――いくよ」

 先ほどと同じように、しかし今度はなのはの為だけに右手は胸に、左手は腰……子宮の上から魔力を流し込む。
 その瞬間、

「〜〜〜〜〜〜っ!!!!」

 脱力していた体が弾ける様に痙攣し、白い背は折れぬばかりに弓なりに反り返った。
 
「〜〜!! 〜〜〜〜〜っ!!!」

 声にならない叫び声を上げるかのように、なのはの喉が開かれ金切り声が漏れ出している。
 瞳の色は濁る様に虚空を彷徨い、髪を振り乱すようになのはは乱れる。
 普段の彼女からは想像が出来ないような――堕落した表情であった。

「なのは……気持ちいいかい?」

 流し込み掻き回す魔力の手を緩めることなく、そんななのはの表情を覗き込み問いかけるユーノ。
 
「―――」

 放心したようになのははその問いにこたえられる状況ではない。
 いや、むしろ聞こえてすらいないのだろう。  

「すこし、やりすぎちゃった……のかな? まあいいか、僕もそろそろ、いかせて―――もらうよ!」

「ひ―――っ!」

 言葉とともにユーノの腰のテンポが上がっていく。
 与えられる快楽が増加したことで、なのはの体が更に暴れだすように捩られ始める。
 しかし、

「だめだよ」

 押さえつけるように両腕に力をこめ、なのはの喉元に唇を寄せる。
 徐々に唇を上に、耳もと、頬、口元を撫ぜるように舌で舐め上げ、最後に唇を舐めるように啄ばむ。

「はむ……ん……ちゅ……」

 なのはもその感触が分かったのか、無意識のうちに自らもむさぼるように唇を合わせ、舌を絡めあっていく。
 そんななのはの行動に ユーノの限界が近づいていく。

「なのは……いくよ……っ!」

「ユーノ……くんっ!」

 その声が聞こえたかのように縋りつくように両腕でユーノの頭をかき抱くなのは。
 
「来て……来てぇっ!」

「くっ……!」

―――ドクン、ドクン……

 堰を切ったようになのはの胎内へと注がれる精液。

「あああぁぁ――! いくぅぅ――――っ!!!!」

 膣の中で暴れ回るすさまじい精液の勢いに、なのはは何度も何度もアクメに達してユーノの背中に爪を立てた。
 必死にしがみ付き、目もくらむような激しい快楽の走る体を起し、

「はぁ……はぁ……ユーノ……くん……」

 最後に軽く触れ合うようなキスを残し、なのははその意識を快楽に押し流されるように落としていった。 

「ふぅ……」

 なのはが意識を失った事を確認したユーノは、なのはの体を優しく自らの横へとずらし、ペニスを抜き出す。
 抜き出した拍子に、ごぽりと自らの吐き出した精液がなのはの膣から流れ出した。
 過剰なまでに流れ出る精液に、思わず苦笑するユーノ。
 確かになのはとするのも久しぶりだったかな、そんなことを考えていると、

「……ユーノ……次は私に……」

 いつからか隣に控えていたフェイトがユーノに胸に手を当て、強請るように体を寄せる。
 
「う……」

 なのはを相手をする事だけを考えていたユーノはここに来て誤算に気付いた。
 ここにはなのはだと自分だけでなく、

「次はうちやよね、ユーノくん……」

 フェイト、はやてもいるということに。

(……何度も思うんだけど、僕よく体を壊さないよね)

 割と切実な事を考えながら、

「ユーノ……」

「ユーノくん……」

(僕は昔、何を思ってこの技術を学んだっけなぁ……)

 遠い昔を回顧するように一つため息を吐き、誇示するように押し当てられる胸の感触に流されるのだった。

―――夜はまだまだ、長そうである。



著者:ヴァイエルン三世

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