[184] 彼氏がいない夜は sage 2008/01/22(火) 22:13:57 ID:pulPKYgj
[185] 彼氏がいない夜は sage 2008/01/22(火) 22:15:15 ID:pulPKYgj
[186] 彼氏がいない夜は sage 2008/01/22(火) 22:16:20 ID:pulPKYgj
[187] 彼氏がいない夜は sage 2008/01/22(火) 22:17:38 ID:pulPKYgj
[188] 彼氏がいない夜は sage 2008/01/22(火) 22:19:19 ID:pulPKYgj
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[191] 彼氏がいない夜は sage 2008/01/22(火) 22:23:31 ID:pulPKYgj
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[193] 彼氏がいない夜は sage 2008/01/22(火) 22:26:43 ID:pulPKYgj
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[195] 彼氏がいない夜は sage 2008/01/22(火) 22:29:09 ID:pulPKYgj

「あ、ん……はぁ……っ!」
 真っ暗な部屋に喘ぎ声が響く。
 声の主であるフェイトは意外な声の大きさに、一瞬だけ口をつぐもうとした。
 だが胸に置いた手の動きが止まらず、口を塞いでも鼻声となって出てしまう。意味がないと悟り、口を
開いて甘ったるい声を漏らす。
 いつも裸に近い下着姿でベッドに入るフェイトだが、今夜は正真正銘の全裸だった。
 その裸身に自分の腕が絡みついている。右手は胸に指を埋めて形を変化させており、左手の中指は秘部
に第二関節まで入り込み、愛液をかき出していた。親指と人差し指は、その上にある充血し始めた陰核の
皮を剥いて転がす。
 こちらも血が集まりつつある胸の突起を強めに摘み、同時に下も押しつぶす。
「ふぁっ、あぁ……!」
 胸と腰から来た電流に軽く達しそうになるが、唇を噛んで耐える。二、三度軽く達するくらいなら激し
く一度果てる方が身体は満足することを経験則で知っている。
 しかし数ヶ月前のフェイトなら、我慢せずさっさと終わらせていた。それ以前に、ここまでのことはし
なかった。
 性知識について無知に等しく、なにやらいけないことをしているような気がすることもあり、胸を適当
に揉んで女陰のとば口を擦っているだけで済ませてきた。
 だが今では、そんな程度では前戯にもならない。
(クロノが……はぁっ、いけないんだからね)
 朦朧とし始めた頭で、フェイトは言い訳じみた言葉を考える。
(私をこんな身体にしたのは、クロノなんだから……ぁ)
 豊満な外見に反して中身は青いままだったフェイトの身体を一気に熟れさせたのが、恋人であるクロノ
だった。
 堅物な雰囲気のあるクロノだが意外なことに色事には精通しており、フェイトの性感帯は片っ端から見
つけ出され、感度を高められた。胸は下の部分が過敏なのも、うなじという意外な場所が弱いのも、少し
マゾヒストの気があるのも、全て彼の手で発見されたものである。
 こうしてクロノによって開発されきった女体は、しばらく恋人と肌を合わせないと疼きを覚えるように
なっていた。
 だからといって、フェイトは毎晩しているわけではない。情欲を強固な意思の力で押さえ込んでおり、
むしろ回数は少ないぐらいだ。
 だが、今晩は訳があった。
 同室のなのはが、ヴィヴィオを連れてユーノに会いに行ったのだ。そのまま泊まってくるという連絡も、
もらっている。一晩、部屋をフェイト一人で占領できる。
 しかしただそれだけならフェイトは自慰にふけったりしなかっただろう。
 最大の原因は、昼間にクロノとした通信にあった。
 長期航海中の恋人は済まなそうな顔で、仕事が思ったより長引くためあと三週間は休暇が取れそうにな
い、と告げたのだった。
 最後に二人で休日を過ごしたのは一ヶ月前。夜を共にしたのもその日が最後である。それと同じぐらい
クロノに会えないのかと思うと寂しさがつのり、紛らわそうとつい一人遊びに手を出すことになってしまっ
たのだ。
「クロノぉ……」
 眼を閉じて、この手が自分ではなくクロノのものだと妄想する。
 それに合わせて、普段クロノがしてくれるのと同じように手を動かす。
 バルディッシュを振ることで皮が分厚くなっているフェイトの指だが、クロノの指に比べれば細くしな
やかなものであり、固さが足りない。
 固さを補うため、指をもう一本突っ込む。
「あふっ……!」
 喘ぎながら、フェイトは二本の指を別々に動かす。器用な人差し指は膣全体を攪拌するように回し、中
指は鉤のように曲げて肉壁を引っ掻く。
 下はそれである程度満足できたが、胸はそうもいかない。
 いつものクロノなら、指だけでなく口でも可愛がってくれる。
 それを再現すべく、フェイトは胸を無理やり捻じ曲げて乳首を上向きにさせ、首を必死で伸ばして先端
に吸いついた。
「ん……んちゅぅ……」
 自分で自分の乳首を吸う。我ながら正気の沙汰とは思えないが、どうにも止められない。
 ふやけるまで吸ってから、ようやく口を離した。その間も、左手は股間で蠢いている。こっちも指がふ
やけそうだ。
 なのに、身体はまだ満足してくれない。もしこれが本当にクロノにされているなら、とっくに悦びの声
を上げて果てているはずだ。
 いくら妄想に浸ろうが、この場に彼がいないのはどうしようもない事実であった。
 目尻から涙が流れる理由が、別なものに変わりそうになる。
 それを振り払うように、フェイトは淫核を爪でかいた。
「ひゃあんっ!!」
 伝わってきたのは、快感というよりは痛み。それでも衝撃で、思考が飛びかけた。もう少し強かったら、
きっと最後までいける。
 もう一度淫核を刺激すると同時に、胸にも血がにじむほど爪を立てた。
「イッちゃう! イッちゃうよクロノぉ!!」
 最後に恋人の名前を呼んで、ようやくフェイトは果てることが出来た。


 悦楽の時間が終われば、後に残るのは寂しさだけ。眼を開けばやはり一人きりで、側には誰もいてくれ
ない。
 また涙ぐみそうになりながら、フェイトは乱れていたシーツにくるまった。
 このまま眠ってしまえば、夢の中でクロノに会えるかもしれない。儚い期待を胸にフェイトが眠りにつ
こうとした時だった。
 閉じかけた瞼の端。電灯を消して暗闇となった部屋の隅に、闇の中でもそれと分かる人影があった。
 一瞬でフェイトは呆けていた意識を覚醒させる。動くのに邪魔なシーツを蹴り飛ばし、バルディッシュ
を引っ掴んで起動させた。
「誰っ!」
「ありゃ、見つかった」
 不法侵入者の暢気な声には、聞き覚えがあった。
「……はやて!?」
 人影が一歩動き、月明かりでぼんやりと顔が浮かび上がる。
 そこにいたのは紛れもなく、十年来の親友であった。
 危害を加えるような人物でなかったことに、フェイトはほっとしてバルディッシュを待機状態に戻す。
だがすぐに顔面から血の気が引いた。
 はやてがいつ入ってきたのか分からないが、フェイトがなにをしていたかは一目瞭然だろう。
 友人に、自慰してるところを見られた。恥ずかしさで頭脳が完全に停止する。
 ぱくぱくと何度も口を開閉させて、ようやく出てきたのは謝罪の言葉だった。
「ご……ごめんなさい……」
「なんで謝るん?」
「だって……隊長なのに、私こんなふしだらなことして……」
「いや、これは生理現象みたいなもんでしかたないことやろ。年頃の女の子なら当たり前なことやん。今
かて勤務時間やないし」
 いたって平静な顔の友人に、軽蔑はされていないと知ってフェイトは安堵する。
「もっとも機動六課の責任者としては、一言注意させてもらうけどな。こういうことする時は、防音結界
を張るの忘れたらあかん。扉の前に立ったら声聞こえてたで。鍵もかけ忘れてるし」
「あぅ……」
 だとすれば、はやて以外にもよがり声を聞かれたかもしれない。
 そんなに大きい声だったつもりはなかったが、入ってきたはやてに気づかなかったぐらいだから自分の
声量がコントロール出来ていたはずがない。
「……やっぱり、始末書とか罰則受けないといけないかな」
「だからそんな固いこと考えへんでええって。むしろ悪いのは黙って覗いてた私の方やし。…………そや
けど、どうしても気に病む言うんやったら罰代わりということで」
 はやてが壁際から離れ、ベッドに歩み寄ってくる。
「眼つむって」
 なにをされるのか不安に思いつつ、言われるままにフェイトは瞼を閉じた。視覚が遮断されることで、
聴覚や嗅覚が鋭敏になる。はっきりと聞こえるはやての呼吸や衣擦れの音が近づいてきた。
 ぎしりとスプリングが軋み、はやてがベッドに上がったのが分かる。
 そして肩に手が置かれたかと思うと、唇が吸われた。
「んぅっ!?」
 仰天したフェイトはついはやてを突き放そうとしてしまうが、いつのまにか背中に手が回されており果
たせなかった。
 触れ合っていたのは、ほんの五秒程度。顔を離したはやては、悪戯気と艶の混ざった微笑みをくすりと
浮かべる。
「ははははやてっっ!?」
「私もここんとこずっとゲンヤさんに会えてへんから……溜まってるんよ」
 髪と同色の瞳が、またゆっくりと迫ってくる。
「一人寝の者同士、今晩は慰め合お。……な?」
 また唇が重ねられる。
 今度は、フェイトは逆らおうとはしなかった。しかしそれははやての提案を受け入れたからではなく、
単純に混乱していたからである。
 女同士なんておかしいとか、これも浮気になるのかとか、唇が思った以上に気持ちいいとかそういう思
いが泡のように浮かんでは消えていき、何一つとして形にならない。
 脳から指示が出なければ肉体は動けず、はやての舌が口内に入ってきても何も抵抗しなかった。
 はやての舌は奥へ奥へと忍び込んできて、ゆっくりとフェイトの舌に触れる。
(……クロノより……柔らかい)
 つい恋人と比べてしまうフェイト。長さも長い気がするし、表面もざらついておらず滑らかに思える。
舌にそこまで明確な個体差があるはずないのだが、本当にフェイトにはそう感じられた。
 気がつけば、自分からも舌を動かして絡めていた。
 ちゅくちゅくと小さく水音が立ち、途切れる。
「不思議やね。フェイトちゃんの唾、なんかすごく甘い気がするわ」
「……はやての唇も、なんか気持ちいい」
「そう? だったらもう一回」
 今度はそっと押し倒されたうえでキスされる。はやての唾液が舌伝いに流し込まれる。
 はやてが言うように甘くは感じなかった。しかし芳醇な酒のように、喉を通るたびにフェイトを酔わせ
ていく。霞がかる頭は、もうこのまま流されてもいいかという方向に傾きつつあった。
 そこに、胸に感じるひやりとした何か。
 いつのまにか抱擁を解いていたはやてが、フェイトの胸を撫で回していた。
 はやてに胸を触られるのはこれが初めてではない。他人の胸、特に巨乳に尋常ならぬ執念を見せる親友
は、一緒に風呂に入った時などに不意討ちで揉んでくることがしばしばあった。
「やっぱ生はええなぁ」
 心底嬉しそうなはやてだが、その手つきは繊細なものである。いつも揉んでくる時はけっこう力が入っ
ており痛みを感じることもあるが、今夜は胸の形が少しも変わらないほど丁寧であった。胸の柔らかさと
いうより、大きさと表面の肌理細かさを楽しんでいるようだ。
「この大きさはほんま羨ましいで。なんか秘訣でもあるん?」
「そんなの……特に何もしてないよ。肌の手入れはこまめにしてるし、崩れないように下着はちゃんと選
んでるけど」
「ほとんど天然でこれかいな。ますます羨ましい。最近また大きくなったみたいやし」
「そ、そうかな?」
「やっぱり、クロノ君がいっぱい揉んでくれたから?」
 いきなり恋人の名前を出されて、フェイトは赤面する。
 たしかにクロノはフェイトの胸へ、はやてに勝るぐらいの並々ならぬ執着心を持っている。いつもいつ
も揉むは舐めるは吸うは引っ張るは挟むはと、縦横無尽に弄くり回して悦んでいる。あれだけされたら容
積が増えても不思議ではない。
「図星みたいやね。私もゲンヤさんにもっと揉んでもらおかな」
 口を動かしながら、はやての手に少しずつ力が入っていく。
 撫でるだけではなく、やわやわと揉んでくる。撫でるの延長線上の行為であり、まだそこまで強くはな
い。
 それでも自慰の残り火がある身体は敏感で、たったこれだけのことでもフェイトの吐息は熱を帯び、乳
首がじわじわと硬さを取り戻していった。
 連動して、はやてとの口づけも情熱を増す。フェイトは自分から舌を差し込んで、友人の舌を貪り唾液
を啜る。
 潮が満ちるようにひたひたと、口と胸から身体全体に快感が浸透していく。眠気すら感じる心地よさに
恍惚としていると、不意に胸に強い刺激が走った。
「あんっ……」
 いつのまにか、はやての愛撫が変化している。手の平だけでなく指も使って胸を捏ね回しており、さら
に乳首までも指先で転がしていた。
「ふぅん。優しくされるより、こういうのがええんや」
 にやりと笑ったはやてが、そのままぐいぐいと揉みしだいてくる。
「私もこっちの方が楽しいし、ちょうどええかな」
「ん……んぅ……!」
 フェイトの性感は、クロノに向けて調整されている。優しく高められるよりも、クロノがよくする蹂躙
されるような激しい愛撫が一番感じるようになっているのだ。遠慮のなくなったはやての手は、まさにそ
れに近かった。
 準備が出来ていただけに、高まるのが早い。体温がみるみる上昇していく。
「さっき自分でしてたみたいに、可愛い声出していいねんで?」
 顔を覗きこんでくるはやての瞳には、かすかな嗜虐の愉しみが浮かんでいた。
 揉むだけでなく、胸の頂に唇が落とされそのまま強く吸い上げてくる。そのくせ、突起だけは避けて舌
を動かしている。反対側も、乳輪を指でなぞるだけで先端には全く触れない。
 クロノも似たようなことはよくする。それだけにこうして焦らされた後に敏感な乳首を刺激されればど
うなるかを、フェイトは知っていた。
「ま、待ってはやて……!」
 制止しようとしたまさにその瞬間、乳首をこりっとかじられ同時に指で弾かれた。
「ひあぁっ……あっ……!」
 一人でしていた時にはあれほど来なかった絶頂の波が押し寄せてきた。紙一重で耐え切ったが、フェイ
トはぶるぶると全身を震わせ荒い息を吐く。
「……胸めちゃくちゃ弱いねんな」
 妙に感心したようにはやてが言い、唇を少し歪ませる。
「だったらあっちにいっぱいしてあげたら、いったいフェイトちゃんはどうなるんかなあ」
 はやてが、身体を下へとずらしていく。顔面が、フェイトの陰毛に埋まった。
 制止する暇も無く、指が秘裂をくつろげ潤みきった膣内をなぞり上げる。さらに口で感じた柔らかい舌
が、今度は宝珠の皮をまくって玩弄してきた。
「はっ、うあ……あぁん!」
 胸以上の快感がフェイトを襲う。
 直接的な愛撫だけではない。自分の一番秘められた場所が友人に見られているという事実が、羞恥心を
激しく刺激し官能を高まらせる。
 そこにはやての言葉が追い討ちをかける。
「ここもきれいやね。毛はふわふわしてるし、中もピンク色で触らなくても動いてる。またお汁が出てき
た……」
「やだあ! 言わないでえっ!」
 実況中継をされてフェイトの羞恥心の針は振り切れそうになる。金髪を振り乱しながら、はやてを股間
から離れさえようと必死で頭を押す。しかしはやても意外な強さで抗い、腰にしがみついたまま舌を止め
ようとしない。
「……ほら、フェイトちゃんのイク顔、見せて」
 舌が肉棒のように膣に突き刺さった。子宮まで届きそうな舌攻めに、腰が砕けそうになる。
「いやっ、いやぁ!!」
 口では否定しているが、身体に力は入らず抵抗しようという意思も奪われていく。花弁も舌を排除しよ
うとするどころか緩く開き、新しい愛液をどんどん垂れ流す。
 このまま絶頂を迎えたいという淫欲と、そんな姿を親友に見られたくないという恥が攻めぎ合い、結果
的に何も出来ないまま身体だけが果てしなく熱くなっていく。
 そこにかりっと、淫核が優しく噛まれた。全身が重力から解き放たれたように浮き上がる感覚。
「あっ、あっ、ああああぁぁ!!」
 甲高い叫びを上げるのと同時に、フェイトの頭の中は真っ白になった。


 しゅるり、と何か音がする。
 靄がかかったような頭で、あれは服を脱いでいる音ではないかとフェイトはぼんやり考えた。
 音が止んだかと思うと、誰かが身体の上に跨ってきた。
「起きてたんやフェイトちゃん」
 それが全裸になったはやてだと認識すると同時に、今夜の記憶が一気に甦った。
「えっ、あっ、私……?」
「イクのと同時に気絶したんよ。まったく、ほりっぱなしいうのはひどいで。慰め合おって言うたのに」
 恨めしそうに言いながら、はやてはフェイトの手を引く。
「ほら、次は私にして……」
 導かれた先は、はやての股間。そこはもう熱く潤っていた。
(私にしながら、はやてもこんなに濡らしてたんだ……)
 おそるおそる指を進めれば、とぷりと簡単に飲み込まれてしまった。その濡れ具合に驚きながら、フェ
イトは本当にゆっくりと指を動かす。
 構造は自分と同じだが、大事な場所なので傷つけたらいけないという思いが邪魔をしてなかなか激しく
出来ない。
 はやてがもどかしそうに腰を動かすのを見てもっと感じさせてあげねばと思うが、焦れば焦るほど指先
は萎縮してしまう。
 どうしようと思っているところに、はやての指が再びフェイトの膣に差し込まれた。しかし攻め立てて
こることはせず、ある一点を数回擦ると指は止まった。
「私のここも、このぐらいの強さで……」
 指示通り、秘芯の裏側を擦ってみた。
「はぁんっ……そう、それぐらいがちょうどええよ。それからここも……」
 別の場所が示される。そちらも刺激すれば、はやては熱い吐息で反応する。
 フェイトがしているはずなのに、リードしているのははやてという奇妙な状況。なんだか女として負け
ている気がして、少し悔しくなったフェイトは違う所も攻めようと手をそっとお尻に回す。
 お尻の中心にある皺が寄った穴。そこにほんの少しだけ指を挿入れた。
「ひうっ?」
 途端に、素っ頓狂な悲鳴が上がった。
「ちょっ、フェイトちゃんどこ触ってるん!?」
「どこって……お尻だけど」
 本気で驚いているはやてに、フェイトも戸惑う。性知識はフェイトの数倍豊富なはやてのことだから、
こっちも経験済みだと思ったのだが。
「はやてはお尻でしてないの?」
「……まあ、私は興味あるねんけど、ゲンヤさんは普通なことしかしてくれへんから。ちゃんと上手やか
ら、ええっていえばええねんけど。……しかしそんな顔してるいうことは、フェイトちゃんはしたことあ
るん?」
「うん、クロノがどうしてもしたいって言ったから……」
「……クロノ君、淡白そうに見えてけっこうアレやね」
「けど、なのはとユーノもしてるって」
「カップルとしてあの二人基準にしたらあかんで。あらゆる意味で」
 少しの間、微妙な沈黙が流れる。
「……せっかくだから、体験してみる? 男の人より私の方が指細いから、痛くないよ」
「お尻ってほんまに気持ちええの?」
「うん、前とはまた違ってて癖になるよ」
 はやてが悩んだ時間は数秒だった。
「……だったら、おねがい」
「分かった。優しくしてあげるね」
 お尻の指を小指に代え、そっと撫でるようにしながら埋め込んでいく。爪が全部まで挿入ったところで
止めて、くりくりと捻る。
「まずはこのへんまで。苦しくない?」
「ううっ、大丈夫やけどなんか変な感じ……。くすぐったいのともちゃうし……」
 ずっと主導権を握られたままだったはやてより優位に立てる部分があったのがなんだか嬉しくて、フェ
イトはさらに菊座深くに指を進めていく。
「もうそんなもんでええから……」
「こっちもね、奥に行けば行くほど気持ちよくなるんだよ」
 はやての言葉をフェイトは取り合わず、揉み解すように指を回す。
「はやてのお尻、すんなり挿入っていくね。本当にされたことない?」
「あ、たりまえやん……ふぅっ……!」
「だったらこっちの素質があるんだね。これなら練習しなくても、ゲンヤさんのちゃんと挿入るよ」
 大嘘である。フェイトの指はぎちぎちに締めつけられ鬱血しかけているほどであり、無理して根元まで
挿入れたら血が出かねない。自分がされていた時いじめられた意趣返しに、恥ずかしがらせているだけだっ
た。
「あうっ……ほんまに痛くなってきたから……そのへんで……」
「こうすれば、痛くなくなるよ」
 フェイトはまだ蜜を零しているはやての秘裂に指を当て、ぐちゅぐちゅと弄くる。
「ひっ、あくぅっ!」
「ほら、ちょっと痛みが薄れたでしょ?」
 上がった嬌声に満足しなが、はやてに教えられた感じる場所をやや強めに刺激する。
「いやっ! 前も後ろも……指、抜いてぇ!!」
 さっきまでのフェイトと似たような反応をするはやて。もちろんフェイトは無視して愛撫を続ける。
「……ねえ、はやて」
 たぶん聞こえていないと知りつつ、フェイトは耳元で囁く。
「せっかくだから、お尻だけでイこうか」
 前の指の動きを完全に止める。快感を急に停止されたはやてが大きく一息ついた。その息が吸い込まれ
る瞬間を狙い、フェイトは一気に第二関節まで指を突き入れた。
「やああぁぁん!!」
 ぷしゅっ、と小さな噴出音。前からまるで小水を漏らしたかのように、愛液が吹き出る。
 ぐったりとフェイトの胸にもたれかかってくるはやて。脱力しきった身体に、このまま眠るんだろうか
と思ったが、違った。
「あっ、は、はやて……」
 顔の中で舌だけが動いてフェイトの乳首を舐めている。指も股間をまさぐっていた。
「……まだするの?」
「当たり前やん。一回だけで満足するほど、枯れてないで私」
 胸から顔を上げて、はやてが立ち上がった。夜の闇に慣れた目に、はやての裸身が映る。フェイトに比
べれば起伏は乏しいが、それでも出るところは出て立派に女であることを主張している肉体。カーテンを
通ってくる月光が、汗でに濡れた身体できらめいている。
 いかな親友でも完全な裸を見たのはこれが初めて。ついついフェイトは見惚れてしまった。
「最後は、一緒に気持ちよくなろか」
 ぼうっとしてる間に足が開かれる。片足をはやてが肩に担ぎ上げ、秘裂が摺り寄せられ密着した。
 松葉を組み合わせたような格好。似たような体位でクロノとしたことはあるが、女同士でなどフェイト
は予想だにしたことなかった。
「強めでいくで」
 言葉どおり、のっけからはやては激しく腰を動かした。花弁がめくり上がらんばかりの摩擦に、フェイ
トは震える。
 触れ合っているのはお互いの一番熱い部分。擦れるほどに相手の熱が伝わってきて、際限なく燃えてし
まう。
「やぁん! 押しつけてこないでぇ!」
「強くしてるの、フェイトちゃんの、ほうやん!」
 まるでそこになにかがあって相手の秘所に突き入れてるかのように、腰を強く押し当てる二人。
 溢れ出した愛液が混ざり、互いの膣に流れ込む。
 男が相手ではけっして出来ない禁断の交わりに、フェイトはむせび啼く。
「はやて、はやてぇ! わたしもうだめぇ!!」
「わたしも、イクぅっ!!」
「あああぁぁぁ!!」
「ひゃあああん!!」
 最後に秘芯を強く押し潰し合い、二人は意識を弾けさせた。
 眠りに落ちる刹那、隣に感じるいつもと違う体温に、フェイトは小さな安らぎを覚えながら眼を閉じた。



「……はやて、どうして昨日の夜、私の部屋に入ってきたの?」
 翌早朝、身づくろいしているはやてに、シーツにくるまったままフェイトは訊く。
 女なのだから、ああいう声を聞けば何をしているのか悟って退散しそうなものである。
「最初は寝る前に軽くおしゃべりでもしようか思て来てんけど、そしたら中からフェイトちゃんの喘ぎ声
が聞こえて、ついこうむらむらと見たくなって」
「ついじゃないよ、まったく……」
「けど、女同士もけっこうよかったやろ?」
「う……」
 たしかに同性相手という背徳感がエッセンスになり、かなり興奮して盛り上がった。
「なんなら、これからもちょくちょくしよか?」
 上着を羽織りながら、はやてが妖しく笑いかけてくる。
 ほんの少しだけ惹かれる提案だったが、フェイトは強く首を振った。
「こんなの浮気みたいなものだし……。それにクロノは我慢してるのに、私だけ誰かにしてもらうってい
うのは申し訳ないから……」
 昨夜はついつい勢いで抱き合ってしまったが、今は恋人への罪悪感で胸がいっぱいである。
「…………」
 返事が無い。まさか機嫌を損ねたのだろうかと顔を上げれば、なぜかまた服を脱ぎだしている親友がい
た。
「な、なんで脱いでるの?」
「んー、今のフェイトちゃんの返事と顔、健気でむちゃくちゃそそられたからもっと可愛がってあげよと
思て」
「私のさっきの言葉聞いてた!?」
「ちゃんと聞いてたで。旦那にこの浮気ばらされたくなかったら、言うこと聞いてもらいましょうか奥さ
ん。ふっふっふ」
「悪ノリしすぎだよ! だいたいもうすぐ仕事の時間だよ!」
「大丈夫大丈夫。部隊長権限でお休みいうことにするから、一日中ベッドの上ですごそうな〜」
「駄目って言ったら駄目! それにそろそろ……」
 フェイトが言い終わるより早く、ロックされているはずのドアが開いた。
「ただい……ま…………」
「あっ……」
「なのはが……戻って…………くる」
「?」
 扉の向こうで立ち尽くしているのは、ルームメイトであるもう一人の親友。
 その後ろから顔を覗かせ不思議そうにしているヴィヴィオの、つぶらな瞳が心に痛すぎる。
 全員が固まったまま、しばらく時間が流れた。
 そんな中、最初に我に返ったのは、なのはだった。見開かれていた眼が細くなり、さらに口元が三日月
を描く。
 その歪な笑みに、フェイトとはやては本能的にこれから起こることが分かってしまい震え上がった。
「……ヴィヴィオ、一人でアイナさんかザフィーラのところに行っててくれる? ママはこれからちょっ
と二人にお説教しなきゃいけないから」
「うん」
 小首を傾げながらも素直に頷いたヴィヴィオが、部屋から出て行く。フェイトにはなぜか、その光景が
命綱がぶった切られたように思えた。
「…………二人とも、こんな面白そうなことを私だけ除け者っていうのはずるいと思うよ」
 閉じたドアにロックをかけるなのはは、説教というより絶好の玩具を見つけた子供という顔だった。子
供というには背後に漂う邪気が強すぎるが。
「べ、別になのはを除け者にしたわけじゃなくて、はやてが勝手に……」
「ちょっ!? 自分だけ逃げる気かいな! フェイトちゃんも途中からノリノリやったやん!」
「私は自分でしただけで満足してた! はやてがしたいって言うから無理に付き合ってあげたんだよ!」
「嘘や! めちゃくちゃ飢えてて最後なんか物凄い腰振ってたくせに! だからするならフェイトちゃん
だけに……」
 人生屈指の災難の予感を覚えた二人は、友情も恥も遠くに放り捨ててなんとか相手だけを生贄にしよう
と必死になる。
 しかしその諍いも、なのはの低い声でぴたりと止まる。
「どっちが始めたとか、そんなのはどうでもいいの。……二人とも、クロノ君やゲンヤさんに会えなくて
寂しかったっていうことでしょ」
 じりじりと近づいてくるなのはに後退りするが、広いように見えてもベッドは狭い。あっという間に端っ
こに追い詰められてしまった。
「私は昨日ユーノ君にたくさんもらったから、二人はなにもしなくていいよ。……寂しくなくなるまで、
いっぱいしてあげる」
 二人を舐めるような目つきで見ながら、なのはは実に愉しそうに指をぺろりと舐め上げた。


 その日、総隊長とライトニング分隊長が今日は休暇をもらうといきなり連絡を入れてきて、しかも理由
については無言を貫いたため機動六課は一時混乱状態となった。
 しかし外泊にも関わらず朝練にきっちり姿を現したスターズ分隊長が「二人とも色々溜まってたみたい
だから、ちょっと強引にお休み取ってもらったの」と笑顔でおっしゃったため、みんな首を傾げながらも
それ以上問題にはしなかった。


「はやて、大丈夫?」
「あかん、まだ腰が抜けっぱなしや。フェイトちゃんこそ、お尻平気?」
「…………訊かないで」
「二人がかりで手も足も出ないとか……ありえへん……」
「……もう女同士はやめようね」
「……そやな」


          終わり





          後日談『伝言ゲーム』


「ユーノパパ、教えて欲しいことがあるの」
「どうしたんだいヴィヴィオ?」
「この間、フェイトママとはやてさんが裸で抱き合ってたけど、あれなにしてたのかな?」
「ぶっっ!?」
「満足とか飢えてるとか言ってたけど、関係あるの?」
「ぼ、僕にはなんだか分からないな。ちゃんと調べておくから、他の人に訊いたりしちゃ駄目だよ。絶対
に。分かった?…………そうか、フェイトがそんなことを」


「アルフ、ちょっといい? 君の家族のことで話したいことがあるんだけど」
「またクロノが大量の資料請求でも出してきたかい?」
「確かにあいつに関わることなんだけど、もう少し深刻な事態で……」


「私の口からはどうしても言い出しづらくってさ……。本当かどうかもよく分からないし、リンディなら
それとなくうまいこと訊きだせるんじゃないかって。……ちょっと、どこ行くんだいリンディ!?」


「母さん、私用で緊急連絡回線を使うなんて何を考えてるんだ」
「家庭崩壊の危機は立派な緊急事態です。いいクロノ、正直に答えなさい。……あなたが短小包茎早漏で
ちっともフェイトを満足させてないせいでフェイトが女の子に走ったというのは本当なの!!」
「なあっ!?」


 この後、自分にはテクニックがないのかと悩んだクロノにより、フェイトの腰と尻は再び大変なことに
なる。


          今度こそ終わり



著者:サイヒ

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