146 名前:秘密の捜査 1/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:36:43 ID:7yz7dnbY
147 名前:秘密の捜査 2/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:38:12 ID:7yz7dnbY
148 名前:秘密の捜査 3/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:39:16 ID:7yz7dnbY
149 名前:秘密の捜査 4/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:40:10 ID:7yz7dnbY
150 名前:秘密の捜査 5/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:41:01 ID:7yz7dnbY
151 名前:秘密の捜査 6/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:42:01 ID:7yz7dnbY
152 名前:秘密の捜査 7/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:43:17 ID:7yz7dnbY
153 名前:秘密の捜査 8/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:44:23 ID:7yz7dnbY
154 名前:秘密の捜査 9/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:45:24 ID:7yz7dnbY
155 名前:秘密の捜査 10/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:46:20 ID:7yz7dnbY
156 名前:秘密の捜査 11/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:47:09 ID:7yz7dnbY
157 名前:秘密の捜査 12/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:48:01 ID:7yz7dnbY
158 名前:秘密の捜査 13/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:49:28 ID:7yz7dnbY
159 名前:秘密の捜査 14/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:50:28 ID:7yz7dnbY
160 名前:秘密の捜査 15/15[sage] 投稿日:2008/12/15(月) 00:52:20 ID:7yz7dnbY

「そういうことやから、おとなしく脱ぐんや、ユーノ君」
「ここは素直になった方がいいよ、ユーノ」
「ユーノくんゴメンネ…… とりあえず言うこと聞いて。ね?」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
3人に詰め寄られたユーノは閉口した。
そもそもなぜこんなことになったのかというと……

彼は休日を自室でゆっくり過ごそうと目論んでいたのだが、呼び鈴が鳴らされて出た先には3人がいた。
「どうもユーノ君、久しぶりやね」
八神はやては、満面の笑みであった。
その後ろで、フェイト・T・ハラオウンと高町なのはが顔を見合わせ、苦笑している。
「とりあえず、上がらせてもらうで」
「ああ、いいけど……」
3人が入り、扉が閉まる。フェイトとなのはの立ち位置は、ちょうど出入口を塞ぐかたちであった。
「えっと…… みんな、何か用かな?」
先ほどとはうって変わって、はやてが真剣な面持ちで話し始める。
「実はなユーノ君。ウチら今、非常に重要な事件の捜査にあたっとるんよ」
捜査といっても、ユーノの想像とは、まったくの異なるものだった。
「最近局の女子更衣室に、侵入者が出没するらしくてな。
 ま、侵入者ゆうても、ある小動物という話なんやけど……
 驚異の素早さで更衣室の床と、さらに女体の上を駆け回り、
 空調用のダクトから逃げていくそうな…… 恐ろしい話やろ?」
「そ、そうだね……」
「その小動物っていうのが、その…… フェレットだっていう話なんだけど……」
言いにくそうに話すフェイトの言葉に、ユーノは非常に嫌な予感がした。
「フェレットね…… まさか君たち、ぼくを疑ってるってことは、ないよね…?」
恐る恐る彼が確認すると、
「そそ、そんなわけないやろ」
「も、もちろん」
「ゆ、ユーノくんがそんなことするはずないもんね〜?」
彼は唖然とした。
「みんな、フェレットっていうだけでぼくを疑うなんて、あんまりじゃない?
 あれは昔の話じゃないか!」
「当然や! ウチらはユーノ君の味方やで」
3人は大きくうなずく。
「証拠を見せてもらえれば、嫌疑は完全に晴れるよ」
「証拠?」
「局員の1人が侵入者を引っかいて、フェレットは怪我したみたいや。
 身体に傷がないかどうか、脱いで見せてもらえば……」
「断る」
ユーノは即座に拒否した。
やはり疑われているのだという点も不満だったが、女の子3人の前で素肌を晒すなんて…… ありえない。
「やましいところがないんやったら、ええやんか」
「よくないよ! 気持ちの問題だよ」
「弱ったなぁ」
はやては腕組みした。
「任意での捜査は無理やな。これから強制捜査に着手しよか。ハイ令状」
彼女が示した書面には、適当に達筆な字でこう書かれていた。

身体捜索令状
ユーノくんの身体をすみずみまで調べるのは、ウチが許可するで
はやて

「な、なんだよこれ…… 違法捜査だよ! 止めてよフェイト!」
彼は執務官の良心にすがったが、返事はつれなかった。
「正式な話じゃないし…… プライベートな調査まで止める権限は…… ないよ……」
となると、最後の頼みの綱は彼女だが……
「ユーノくんゴメンネ〜、無実だとは思うけど…… ちゃんと確かめて疑いを晴らそう。ね?」
「なのはまで……」
ユーノは諦めて逃走を図ろうとしたが、時すでに遅し、
彼の手足はバインドでしっかりと拘束されていたのであった。
「ひどいよみんな……」
うなだれる彼に、はやてはぐっと顔を近づけて、その眼鏡をスッと取り去った。
「だいたいな……」
至近距離から凝視されて、ユーノはどきりとした。
「なんでユーノ君ウチらよりお肌白くてすべすべなん? おかしいやろ。
 ユーノ君ホンマは女の子ちゃう?」
「いででで」
彼女に頬をつままれながら、ユーノは抗議した。
「どうしてそんな話になるんだよ!」
「これは…… 確認せんとあかんよね……」
彼は、すでに逃げ道がないことを悟ったのであった。

こうして女の子3人の目の前で素っ裸にされてしまったユーノは、涙目だった。
「どうだい…… これで満足かな…? 傷なんか、ないでしょ?」
彼女たちが自分の身体を凝視している。耐え難い状況であった。
「これは……」
はやてはユーノの下半身をしっかり観察していた。そして、
「ユーノ君、ええケツしとるやないの」
と言って、彼の尻の肉をわしづかみ。
「ちょ、ちょっと…!」
ユーノは完全に遊ばれていた。フェイトとなのはは、小声で話している。
「まさかと思っちゃったけど…… やっぱり男の子だよね」
「私は知ってたけどね」
「えっ……」
この状況からとにかく逃げ出したいユーノは必死に訴える。
「ねえ、もういいでしょ? いい加減解放してよ!」
しかし、その願いは聞き入れられることはない。
「ウチはずっと気になってたことがあるんや……
 男の子のオチンチンの裏側は、いったいどうなっとるんや?」
ユーノの顔から血の気が引いた。
まさか、そんなことまで確かめようというんじゃないだろうね?
……ぼくの身体を使って。
「フェイトちゃん知っとる? ぜひ調べるべきやと思わへん?」
「知らないけど…… 調べたほうがいい…… かもね」
「さすがのなのはちゃんでも、わからんやろ」
「そうだね……」
一方的に話が進んでいっているので、ユーノはもう諦めることにした。
「はいはい…… 気の済むようにしたらいいよ……」
「ほな、そうさせていただきます。意外なところに傷があったりするかもしれんしな〜」
準備の良いはやては、持参した医療用のゴム手袋をしっかりはめる。
そして彼のをそっとつまんで、持ち上げた。
「うっ……」
ユーノは歯を食いしばったが……
女の子に大事な場所を触られて、平常心でいろというのが無理な注文であった。
やはり…… というべきか、しっかり勃起してしまったのある。
「ちょ…… ユーノ君、そんなに、硬くしたら、あかんよ……」
「こ、これは意思ではどうにもならないんだよ!」
なのはとフェイトの2人は、その様子を固唾を飲んで見守っている。
なんでこんな辱めを受けなければならないんだろう……
ユーノは泣き出したい気分だった。
「なんや…… 妙な気分になってきたんやけど…… ハァ」
「もうやめてよ!」
はやてが興味深そうに突っつくので、ますます収まりがつかなくなってきた、その時だった。
彼女の端末に着信。
「もう、今ええとこやったのに……」
はやては渋々出た。
「はい。ああ、更衣室の件、それなら…… え? フェレットを捕獲? 背中に傷。
 なるほど、良かったなぁ〜 うん、わかった。ほな」

連絡を受けたはやては、しばし静止していたが、恐る恐る振り返ると、
「うーんと…… まあ、そういうことやから、疑いは晴れたで。
 よかったなぁ〜ユーノ君」
と言う笑顔はひきつっていた。
「ほな、ウチらはこれで……」
「おじゃましました……」
「えっと…… じゃあね」

「3人とも…… どこへ行こうと言うんだい?」
彼の部屋から退散しようとした3人だったが、すでに身動きを取ることは不可能になっていた。
バインドで完全に動きを封じられていたのである。
「ちょ、なんやこれ……」
「体が……」
「こうなったら…… レイジングハート! って、あれ?」
デバイスを手に取ろうとしたなのはだったが、
「お探しのものは、これかな…?」
レイジングハート、バルディッシュ、シュベルトクロイツは、彼の手の中に納まっていた。
「い、いつの間に……」
「みんな…… ぼくをこんな格好にしておいて、そそくさと帰ろうとするなんて…… ひどいよね……」
3人には、ユーノの背後に何か、黒くモヤッとしたものが見える気がした。
「みんなにも同じカッコになってもらうよ。じゃ、とりあえず、脱ごうか」

「えっ……」
「何を言うとるんや」
いきなりの発言に絶句する3人を前に、ユーノは腕を組む。
「ぼくは魔法できみたちの制服をビリビリに引き裂くなんて、そんなことはできればしたくないんだけど……
 いや、待てよ。むしろそっちのほうが……」
着る服がなくなっては困るのと、彼の目が思いのほか真剣だったので、
3人はとりあえず従っておくことにした。
はやては彼を全裸にしてしまったことを多少後悔した。
(おもろいと思ったんやけど…… すまんなぁ、2人とも)
(はやてちゃんだけが悪いわけじゃないよ……)
(こうなったら一蓮托生だよ)
念話で意思の統一を図る3人は、彼に言われるまま一糸纏わぬ姿となった。
その状況を見て、ユーノは言い放った。
「なるほど。フェイト>はやて>なのは、だね」
その発言の意味するところに気づいたフェイトは、慌てて自分の胸を隠す。
「な、なんでそんなことわかるの…?」
「拘束魔法の使いようで、計測もできるのさ」
3人はあきれた。
「いつの間にそんな魔法編み出しとったんや」
「ユーノくん、ちゃんとお仕事してる?」
「失礼だな」
彼は反論した。
「計測器具がなくても手の届かない位置のものを測れるようにと思っただけだよ。その応用」
「ふーん。それにしても…… やっぱりフェイトちゃんやったか。
 何を食べたらそないなるんや? ウチにも教えてもらわんと……」
「べ、別にこれは……」
最下位にされたなのはは噛み付いた。
「ユーノくん! む、胸で女の子を評価するなんて、よくないと思うの」
「してないよ」
彼は首を横に振った。
「客観的な事実を言ったまでだよ。でも敢えて主観的な評価をするなら……」

「3人とも、すごく綺麗だ」

これは不意打ちであったので、思わず3人は固まった。
かなり特殊な状況下ではあるが、悪い気はしない。
「そんなユーノ君。ウチと結婚したいやなんて大胆な……」
「いや、そこまでは言ってないから……」
はやては、ボケで照れ隠しという高度な技で切り抜けた。
「ユーノ、それは女の子のファッションを褒めるときに言う言葉だよ」
フェイトは、その矛盾を追及して自らへの追及を避けた。
「……」
なのはは、何も言わずにうつむいた。
なぜだかよくわからないが、その耳は赤くなっていた。

「ユーノ。確かに私たちも悪かったと思うけど…… もう気が済んだ?」
「ん? 何を言っているんだい?」
状況を終了させようとするフェイトの言葉を、ユーノが遮る。
「きみたちはよくもぼくを弄んでくれたね……
 ピュアなチェリーボーイは大いに傷つきました!!」
それを聞いたはやては、笑いをこらえるのに必死になった。
「ぴゅあ…… ちぇりーやて…… プッ」
「男の純情をばかにするなあああっ」
彼の悲痛な叫びに、はやても口をつぐんだ。
「ぼくだって、治安機関の一翼を担う者としての自負はあるよ……」
このあとの彼の言葉に、3人は絶句した。

「童貞すら守れずして、市民が守れると言うのかあっ!!」

はやては思った。
(ユーノ君、あんたそこまで管理局のことを…… 局と結婚したらええよ…!)
フェイトは思った。
(なんという覚悟…… 局の高官たちにも聞かせたい…!)
なのはは思った。
(何かよくわからないけど…… ちょっとカッコイイかも…!)

すると、はやてを拘束するバインドの締め付けが、強くなる。
「んっ…… ちょっ…… ギブやギブ!」
食い込みが激しい。
「はやて、きみは…… 自分が今どういう立場か、わかっていないようだね」
ユーノはそう言うと、はやてのうなじにフッと息を吹きかけた。
「あぁん…… ユーノ君の…… い・け・ず」
「……ゴホン。ともかく、きみたちはぼくの『オチンチンの裏側』まで見たんだ。
 こっちにも見せてもらうよ」
「な、なにを…?」

「きみたちが無垢なのかどうか、確認させてもらうよ…… 性的な意味で」

「じゃあまずははやて。とりあえず四つんばいになってもらおうかな」
当然、3人は抗議する。
「ウチは乙女やで! そないなことできるかいな」
「ユーノ。いくらなんでも、女の子にそれは…… よくないと思うよ!」
「そうだよ、はやてちゃんがかわいそうだよ」
ユーノはため息をついた。
「ぼくは、かわいそうじゃないって、言うのかい…?」
フェイトとなのはは、何となく反論できない雰囲気になってしまった。
「はやて、今回の言いだしっぺと主犯は…… きみだね?」
「バレとったか…… さすがユーノ君やな」
「それ以外考えられないから」
彼は主犯に反省を促すことにした。
「今回のことを改悛して、自主的に股を開くなら、魔法で強制はしないよ。
 さもないと、M字開脚で前からじっくりと……」
「ああ、はいはい。わかりました…… こうしたらええんやろ?」
彼女は言われるまま、四つんばいになる。
「でも、見んでもわかるやろ。ウチに、浮いた話なんてないんやし……
 って、自分で言うのも哀しいんやけど…… そんな青春時代……」
だんだん残念な気持ちになってきた。
「どうかな? ぼくと親しい査察官殿が、事情を知っているという疑いが……」
「……プッ」
はやては吹き出した。
「ロッサのことか? ないない! そんなわけないやん。
 それはチェリーの妄想の領域やで。あっはっはっ……」

「ヘーックション!」
「どうしました、査察官殿。風邪では?」
「いや、そんなことはないと思うけれど…… どうも妙に残念な気分になってきてね」
「人は体調を崩すと弱気になるものです。早く休んだほうがよいですよ」
「お気遣いに感謝しますよ、シスター・シャッハ」

笑い飛ばしたはやてを見て、ユーノは彼のことが多少気の毒に思えてきた。
「そういうものかな。ともかく、ちょっと拝見……」
ユーノは、はやての持参した医療用手袋をはめる。
「しかし、ウチのを見たかて、チェリーのユーノ君に何がわかるんや?
 比較対象がないやろ?」
もっともな疑問に、
「無限書庫の蓄積をなめてもらっちゃ困るよ……」
彼は答えた。
「知識だけが増えていくタイプだよね」
「経験が伴わないんだよね」
フェイトとなのはがひそひそと話す内容が、ぐさりと刺さる。
が、気に留めず彼は、はやての秘所をぐっと押し広げた。
美しき女体が眼前にあるにもかかわらず、見るだけというのは生殺しである。
その点を彼は、古典的手法で乗り切ろうとした。
「2、3、5、7、11、13、17……」
彼女の薄くピンク色に染まったその箇所は、狭まっていて奥までは見えない様子である。
「なあユーノ君…… もう…… ええか? 
 とんでもなく、恥ずかしいんやけど……」
若干涙目になってきたので、彼は手を離した。
「疑いは晴れたみたいだね、はやて」
はやてはその場にへたり込む。
「ああ…… もうウチ、お嫁に行かれへんのかなぁ……」

「じゃあ次はきみだよ」
フェイトは仕方なく、四つんばいになってお尻を突き出すかたちになる。
「ユーノ。私にもそういう筋の話はないって…… わかるでしょ?」
「どうかな。ぼくと親しい提督閣下が、事情を知っているという疑いが……」
「お兄ちゃんはそんなことしないよ!」
この言葉に彼は反応した。
「おにい…… ちゃん…?」
ユーノは地団太を踏む。
「クロノ、きみって奴は! ああ、君って奴は、あああ……」

「へーっくし!」
「どうされました提督。艦内の温度を上げますか?」
「いや、別に寒いわけじゃないんだが。
 それに、艦隊司令部が最近、省エネに努めろとうるさいからな」
「ああ、ハラオウン総務統括官もそのようにおっしゃっていましたね」
「母も会計課とはずいぶんやり合ったようだが……
 うちの組織もいろいろあって批判されているからな。予算をケチるのも仕方ないのさ」

「ユーノくんも、誰かに『おにいちゃん』って呼んで欲しいの? ヴィヴィオにそう呼んでもらう?」
なのはが言う。
現状、ヴィヴィオには「ユーノくん」と呼ばれているのである。
高町家は母娘揃って「ユーノくん」なのであった。
「いや、それはいいです……」
ユーノは思った。
(なのは、きみはわかっていないね。
 「血のつながらない妹」から『おにいちゃん』と呼ばれることに、価値があるのさ……)
「ともかくフェイトも……」
「う……ん」
フェイトは顔を真っ赤にして恥辱に耐えた。
「なるほど…… ぼくはクロノを少し見直したよ」
とくに異常は見受けられなかったのである。
「当たり前だよ……」
「そうだね。今度からぼくも彼のことを『おにいちゃん』と呼んであげよう」
「……」

「じゃあ次は……」
「わたし…… だよね」
もはや抵抗できないことはわかっているので、なのはは素直に所定の体勢をとった。
「何も隠すようなものはないよ」
「せやな。強いて言うなら…… 事情を知っとるのは、ユーノ君やろな」
はやてが指摘した。
だが、遺憾ながら前述の通り、彼は「事情を知って」はいないのである。
「正直、心当たりは何もないね。だから、ここでもし衝撃の事実が明らかになったら……
 ぼくは1週間ぐらい引きこもったあと、旅に出たくなるかもしれない……」
ユーノが仕事をしなくなったら一大事である。
「なのはちゃん、大丈夫やろな?」
「なのはに管理局の命運がかかってるよ」
「えっと…… それはもちろん大丈夫! だと、思うよ……」
なのはは苦笑した。
「じゃあ、いきます……」
本人よりも、周囲の人間が固唾を呑んで状況を見守るという、奇妙な状態である。
このような成り行きで彼女の股を開かせることになったのは、多少残念ではあったが、
ユーノはそっと押し広げていく。
「41、43、47、49……」
「ユーノくん。49は素数じゃないよ」
「え? ああ、そうだね……」
もともと理数系であるなのはの意外と冷静な反応に、彼は少し萎えた。
「じゃあ、ぼくも明日から仕事をがんばろうかな」
この言葉に、はやてとフェイトは胸を撫で下ろした。
「よかった……」
「さすがや、なのはちゃん」
よくわからない褒められ方に、なのはは苦笑するしかなかった。

「ユーノ。もういい加減放してくれないかな?」
「ユーノ君。ウチらが『ぴゅあ』やと知って、いったい何になるっちゅうんや?」
「そうだよユーノくん。まだ…… 許してくれない?」
3人が難癖をつけ始めたが、ユーノはまだ終わるつもりはない。
「何を言っているんだ、きみたちは。
 女の子に身ぐるみ剥がれた上に、見せ物にされちゃって……
 ぼくの受けた屈辱は、こんなものじゃないんだあっ」

「これからみんなには、『女の子』から『大人の女性』になってもらいます」

また3人は絶句させられた。
「そ、それって……」
「……本気?」
ユーノは何も答えない。
「ゆ、ユーノ君、それはさすがにあかんよ……」
狼狽するはやてを、彼は追及した。
「今回の主犯はきみだったね…… じゃあ、一番重い罰にしないとね」
「ちょ、ちょい待ち。確かに…… 言いだしっぺはウチや。
 調子に乗りすぎたわ…… 反省します。
 ゴメンな、ユーノ君。謝るから…… 堪忍してや、頼む」
「はいはい。前からがいい? それとも……」
また彼女は四つんばいにさせられた。
バインドが締まる。もはや自力で両脚を閉じることは不可能だった。
「ああっ! ごめんなさい…… もうしませんから!」
「はやて!」
「はやてちゃん!」
「……冗談だよ。さすがにそこまで犯罪的なことはしないから」
はやては半泣き状態である。
「うう…… ほんまか?」
「でも…… やっぱりこのままじゃ許せないね。こうしよう」
そう言うとユーノは、自分の手で完全に勃起した自らのものを刺激し始めた。
「ちょっと…… 何しとるんや?」
「ああ、少し待ってね……」
はやてに向かう彼の息が次第に荒くなってくる。
その様子を他の2人が見守る…… 奇妙な光景であった。
「うう…… あっ」
そして、彼の身体からは白いものが飛び出し…… はやてのお尻から背中にかけて、浸していった。
「ああっ…… ユーノ君、あんた…… 最低やね……」
「ありがとう」
なぜか彼は微笑して言った。
「きみと同じくらい、最低になれたかな…?」
「……」

その様子を見ていたフェイトは、どうも妙な気分になってきた。
(どうしよう…… 男の子が射精するところなんて、初めて見ちゃった……)
彼女は生唾をようやく飲み込むと、なのははどうしているのかと、確認する。
「さすがだね、ユーノくん」
なのはは真剣な面持ちだった。
(何がさすがなんだろう……)
フェイトが考えていると、なのはが言う。
「今、まったくバインドが緩まなかったよ」

魔法を使用するというのは、集中力が必要な作業である。
性的な興奮が絶頂に達する瞬間は、魔法を持続させるには最も不適なものであるはずだったが……
「一瞬も魔法が弱まらないなんて、すごいよ。わたしたちも、がんばらなきゃ……」
フェイトは、何をがんばるんだろう…… と思いつつ、
そこまで気を配っていたなのはに感心して、自分ももっと気をつけなければ…… と思った。
「なのはちゃん、フェイトちゃん……
 このほっとしたけど、微妙に悔しくて、腑に落ちない気持ちは…… 何なんやろな……」
はやては肩を落とした。

「じゃあ次は、フェイトだね」
「私を、どうする気?」
ユーノは、今度は彼女を追及する。
「きみときたら! どうしてはやての無茶苦茶な犯行を止めないんだっ」
「そ、それは……」
フェイトは、明確な答えが出てこなかった。
「ぼくは思うんだ…… 一番真面目そうな顔をして、一番スケベなのは、きみだろ! フェイト!」
「ええっ……」
思い切り指を差されたフェイトは心外だった。
「そんなことを言われる筋はないよ」
「じゃあ言うけど…… さっき見させてもらったときだって、
 きみのが…… 一番濡れていたんだよ!」
「そ、そんな…… そんなはずは……」
「まったくもってきみはけしからん娘だね。えっち! スケベ!
 悪い娘はおにいちゃんに言いつけちゃうぞ」
「や、やめてよ……」
そう言いつつも彼女は、詰られることにある種の心地よさを覚えており……
自分でも不思議な気分であった。
「きみにも罰を与えよう。はやてと同じ目に遭いたいかい?」
 それとも…… 『大人の女性』になりたい?」
「それは……」
フェイトは答えに詰まった。
「はあ…… きみは。何を迷っているんだい?
 『どっちもイヤ』と即答すべきところだろう?」
「えっ…… ユーノは…… 意地悪だよ」
「きみは悪い娘だな。悪い娘へのお仕置きは、こうだっ」
そう言ってユーノは、彼女のお尻を平手打ちするという暴挙に出た。
べちんという音とともに、紅葉の形が紅く浮かび上がり……
「ひゃんっ」
彼女は妙な声を上げて、涙目で続けた。
「ごめんなさい…… わたしは…… えっちな娘です……」
「……妙な気分になりそうだから、これ以上はやめるよ!」
扱いに困ったユーノは退散した。
「うう…… このほっとしたけど、微妙に悔しくて、腑に落ちない気持ちは…… 何かな……」

問題は、残るお1人の扱いだが……
正直、なのはをどのようにすればいいか、ユーノは迷った。
あまり手荒な真似はしたくないのだが、
はやてやフェイトはまだしも、なのはには今回のような企てに参加してほしくなかった。
そう思うと、黙って許すわけにもいかない。
さて、どうしたものか……
すると、彼女は思いがけないことを口にした。
「ユーノくん…… ごめんね。ユーノくんが怒るのもわかるよ。
 わたしたちひどいことしたもん…… だから……」

「わたしのこと、好きにしていいよ」

「え…? な、なんて……」
これにはユーノ以外の2人も驚いた。
「なのはちゃん! 何言うとるんや!
 まあ、何ていうか…… まず悪いのは、ウチやし…?」
「そうだよなのは。その…… 私も、悪かったし……」
しかし、なのはは遮った。
「いいの。あんなことしちゃったら…… ユーノくんグレちゃうもん。わたしが何とかしないと」
そして微笑みながら彼に言う。
「わたし、ユーノくんなら…… いいよ。
 ユーノくんは、わたしじゃ…… だめ?」
この言葉は彼の理性を粉砕するには十分だった。
「ななな、何を言ってるんだ! だめなんて……
 今日聞いた中で2番目くらいにありえないよ、そんなの!」
ちなみに1番は、『ユーノ君ホンマは女の子ちゃう?』であった。

なのはにこのように言われて、何とも思わないユーノではなかった。
もう一度、彼女のバインドで縛られた肢体をよく見てみる。
もちろん、一緒に暮らしていたこともあるので、見るのは初めてではないけれども……
その頃に比べれば、随分と女らしくなったものだ。
白い肌を見せられれば、触れたいと思うし、抱きしめたいと思うのは自然であった。
事実、さっき射精したところだが、彼のものはふたたび臨戦態勢となっている……
「なのは……」
彼女もいいと言っていることだし…… いいのではないか?

「ごめん、やっぱりできないや」
最後に勝ったのは、彼の良心だった。
「2人が見ているし……
 なのはを拘束したまま、一方的にするようなことは…… できないから」
彼はそう言って、なのはにかけたバインドを、解いた。

それは一瞬。
彼は足払いを食らい、床に倒れこむ。
何が起きたのか、理解できない。
倒れた瞬間には、全身がバインドでぐるぐる巻きにされていたのだった。
「えっと…… どういう、ことかな…?」
冷や汗が流れる。
先ほどまであらわだったなのはの肌は、堅固なバリアジャケットに覆われていた。
その手の中には、レイジングハート。
彼女は黙って、微笑むのみだった。
「まったく、ユーノ君は人が良すぎるわなぁ」
「ほんと。あんまり良すぎるのも、考えものだよ」
同じくバリアジャケット姿のはやてとフェイトが言った。
「ユーノくん」
なのはが語りかける。
「……はい」
「確かにわたしたち、ちょっと調子に乗りすぎてたよね。ごめんね。
 でも…… 2人にあんなことするなんて、やりすぎだよね」
「……おっしゃる、通りです」
「少し、頭冷やそうか」
ユーノの顔が引きつった。
「しばらくそうしててね。4時間ぐらいたてば、自動的に解けるから」
「よ、4時間!?」
彼は絶望した。
「あああ…… ごめんなさい」
「じゃあねユーノくん」
最後まで、なのはは微笑するだけだった。
怒りや侮蔑の陰が感じられる笑みであれば、どんなにましだったろうか。
ただ微笑する彼女に、ユーノは言い知れぬ畏怖を感じ、
その後姿を見ても、何も言うことができなかった。

「あ、そうだ」
なのはが立ち止まって言う。
「2人の言う通りだね…… ユーノくん、お人好しすぎるかもね」
「……そうかな?」
「でも、ユーノくんのそういうところ、好きだよ」
「そう。それは良かった」
彼は苦笑した。

「さて、どうしたものか……」
3人が帰った後、バインドで巻かれ、芋虫の如くぶざまに横たわることしかできないユーノは悩んだ。
「ああ…… なのははさすがだよ」
気を許してバインドを解いたのが運のつきだった。
彼女は自分を油断させるために、あのようなことを言ったのだろうか。
『いいよ』云々のすべてが方便であったと考えるのは、甚だ遺憾なことだった。
しかし、なのはが逞しくなってくれるのは、彼にとっても望むところである。
「きみはすごいね」
ユーノの中で、彼女に対する畏敬の念は強くなった。
だが、その結果がこれ。
これから4時間、この状態が続くのである。
でも……
彼女たちのあられもない姿。あれを反芻していれば、4時間などあっという間ではないのか?
そのように考えたユーノは、楽観的に過ぎた。
なぜなら、バインドが解けた瞬間、いかにして素早く便所へ駆け込むか……
その一挙手一投足を細部にわたって脳内シミュレートする必要性に迫られたのである。
尿意だけなら、まだよかった。
素っ裸のまま拘束された彼の消化器官は、不調をきたしたのである。
腸に、寄せては返すさざなみ。
それは次第に巨大なうねりへと変化していく。

こうして彼は地獄を見た。

「やれやれ、えろい…… じゃなくて、えらい目に遭ってしもたわ」
「自業自得だよ、はやて」
解放された3人は、忌まわしい部屋を後にした。
「しかし、さすがなのはちゃんや。あんな手でユーノ君をやっつけるやなんて」
「うまい方便だったね。ユーノが乗ってたら…… 危なかったと思うけど」
「まあ、うそは言っていないんだけどね」
「えっ」
絶句する2人をよそに、なのはは思った。
どうしてかよくわからないけれが、2人がユーノにエロいことをされるのを見ると、
どうも胸の中がざわついて、『いいよ』云々のようなことを言ってしまった……
なのはは、2人が彼に身体を預けるさまを、見たくなかったのである。
「……ふう」
とはいえ、彼が言ったとおり、あのような状況でことに及ぶのは、避けるべきだったのだろう。
どうせなら、彼の思うところも、よく聞いてみたい気がするし……
「それにしても…… このほっとしたけど、微妙に悔しくて、腑に落ちない気持ちは……
 何なのかな」
3人は顔を見合わせると、大きくため息をついた。


著者:◆hZy29OoBJw

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