復讐鬼・なのは陵辱編��
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nano69_264 2010年08月23日(月) 22:30:23履歴
77 名前：復讐鬼・なのは陵辱編�� [sage] 投稿日：2010/06/10(木) 00:53:53 ID:DMimfCvw [2/6]
78 名前：復讐鬼・なのは陵辱編�� [sage] 投稿日：2010/06/10(木) 00:54:36 ID:DMimfCvw [3/6]
79 名前：復讐鬼・なのは陵辱編�� [sage] 投稿日：2010/06/10(木) 00:55:13 ID:DMimfCvw [4/6]
80 名前：復讐鬼・なのは陵辱編�� [sage] 投稿日：2010/06/10(木) 00:55:48 ID:DMimfCvw [5/6]
※※※※※※※※※※※※※※※
それからさらに数日が過ぎていった。
魔物の攻撃は日々激しさを増し……負傷者は増えていく。
相変わらず今この瞬間まで死者は誰一人として出ていない。
それでも、徐々に徐々に……。
圧倒的な物量作戦の前に、戦況はアースラ不利へと傾いていった。
「はぁあああああああああああああああ！」
閃光の中から、純白のバリアジャケットが飛び出してくる。
なのはが飛んできた先には、魔物の群れ。
信じられないほどの数ではあったが、一点突破に絞ったなのはを止めるにはいたらない。
仲間のために道を開き……。
今度は囮となり、帰艦するための時間を稼ぎ道を作る役割をなのはは忠実に果たしていた。
「罠だと分かっててひっかかるのは悔しいんだけど……」
部隊が生き残るための効率的な行動の選択。
戦技教官としてのなのはがそれを取るのはやむを得ないことだろう。
「でも、仕方ないよね」
最も効率的な行動を選べば選ぶほどに、自分の周りから仲間の数が徐々に減っていくのをなのはは分かっていた。
最終的な決断が……彼女の単騎での包囲突破となるように仕向けられていたことも承知の上。
それでも、仲間が無事に帰艦したことをなのはは心から喜んでいた。
「罠なら……突破すればいいだけの話だもん」
眼前から迫る強大な魔力に、なにはは油断なくレイジングハートを構える。
魔力の温存は十分にはかってきた。
強い敵が出てくるのであればそれを倒すことが出来れば戦況はなのは達に優位に傾く。
あくまで前向きに、なのは自分の置かれた状況をとらえていた。
「そっか。そういうこと……」
視認できる距離まで迫った３つの影を見て、なのはは様々な感情を込めたため息をつく。
その敵の姿こそが、忌むべき宿敵がなのはを本気で倒そうとしている証明だった。
「主が違うから……容赦はしないよ？」
目の前に立ちはだかったのは、男の夜天の書から生み出された新たな守護騎士達。
見慣れた仲間と同じ姿だが、その中身が違うことをなのは直感していた。
「っ！ いきなりなの！」
モノも言わずに、レヴァンティンが鞭上になのはを絡めとろうと襲い掛かる。
「やっぱり……っ！ あなたはシグナムさんじゃない！」
名乗りも上げず、斬りかかるようなマネを誇り高き騎士は決してしない。
なのはは魔法による推進力を全開にして、レヴァンティンを避けるとより空高く舞い上がる。
「罠があるのは分かってるってば！」
向かった先にいたのは、鉄槌を振り下ろす小さな騎士。
だが、その鉄槌が振り下ろされることはなかった。
「遅い！ ヴィータちゃんは、そんな隙を作らないよ」
高速飛行しながら作り出した、アクセルシューターが４発。
鉄槌を振り上げ、隙だらけのヴィータの急所に的確に打ち込まれる。
「シャマルさんはそんなに簡単に、敵の前に姿を現さない！」
吹き飛ばされた小さな騎士に駆け寄る癒しの力を持った湖の騎士をなのはは視界にすでに捉えていた。
作戦の扇の要になるシャマルは、自分の代わりがいないことを理解している。
一見冷酷に見えても、苦戦している仲間を助けるために戦線に身を投じることは決してない。
「それに……３人まとめて射線に並ぶようなことは……絶対にしない！」
レヴァンティンを構えた騎士までもが、なのはと一直線の場所に現れる。
砲撃に優れたなのは相手に……その行為は戦闘初心者でも行わない。
産まれたばかりであり、主との絆が快楽だけの騎士たちには……まだ幼くとも多くの修羅場を潜り抜けたなのはを相手にするには荷が勝ちすぎていた。
「ディバインバスター！」
怒りの叫びと共に高出力の砲撃が放たれ、光の奔流となり３人の騎士を飲み込んでいく。
光が消えた先には……すでに、何の人影もなかった。
「ごめんね。せっかく産まれたのに……」
プログラムであるがゆえに、存在さえも残さずに消滅してしまった騎士たちになのはは頭を下げる。
砲撃の余波は、周囲をなぎ払い……何もなくなった虚空に一人立つなのはの姿は、純白の衣装から受けるイメージとは程遠いものを想起させる。
「ふむ。話に聞いていたのと随分と違うな」
上空からの声に、なのはは天を仰ぎ見る。
そこには……なのは達の目的である、あの男の姿があった。
「やっとおでましだね。待ちくたびれたよ」
「もう少し苦戦すると思ったのだがな。どうやらデータに多少の修正が必要なようだ」
男の守護騎士たちならば、倒せないまでも十分になのはを疲弊させることができる。
事前の計算はもろくも崩れ去ったが、それは男をむしろ高揚させる。
復讐の最後を飾るべき少女が、歯ごたえがない相手では拍子抜けするところだった。
「フェイトちゃんとはやてちゃん。そして、『本物のみんな』は無事？」
男と一緒にこの場に現れるのではないか。
そんななのはの期待と不安は、まず空振りに終わる。
無数の魔物を従えてはいるものの、なのはの知る少女達の姿を周辺にみつけることはできなかった。
「命に別状はない。だが……言わずとも分かるな？」
「そんなの聞きたくないよ。聞きたいことは一つだけだよ」
なのはは、男と同じ高さまでその身を飛翔させる。
自分の居場所と決めた空で……相手を見上げ続けるわけにはいかなかった。
「みんなを黙って解放するつもりはあるの？」
「聞くまでもなかろう。お前が……おとなしく、我の目的を果たすのに協力すれば話は別だが……」
「それも聞くまでもないね」
最初に狙われたのが、なのはであったのなら……。
あるいは、その自責の念から男にその身を差し出したかもしれない。
だが、今は状況が違う。男に囚われた仲間を取り戻さなければいけない。
男の境遇に同情はしても、なのはには戦う明確な理由があった。
「ならば……することは一つだな」
「そうだね。気は進まないけど、仕方ないよね」
開戦を互いが宣言すると同時に、男の背後に控えた魔物が一斉に飛び掛ってくる。
「邪魔をしないでっ！！」
瞬時に展開されたアクセルシューターが、的確に魔物を打ち抜く。
魔物の数はアクセルより遥かに勝っていたが、自在にコントロールされた魔力弾は、襲い掛かってくる全ての魔物を貫いていく。
だが、魔弾に貫かれても魔物はなのはへの特攻をやめることなかった。
「……っ！ 自爆！？」
戦意を失うどころか、魔物は最後の力を振り絞りなのはに向かってくる。
命と引き換えにした爆発も……なのはの誇る高出力の障壁の前には無意味なものだった。
「やめて！ こんなことをしても無駄なことは分かってるでしょ？」
「そのようだな」
男は残りの魔物の攻撃を制すると、爆炎に包まれたなのはの姿を仰ぎ見る。
「聞いていた話とは違うな。清らかな天使のような少女だと言う話だったが……」
無数の魔物の死骸に囲まれ、自爆の爆炎の照り返しを浴びる姿は純白の服を着ていても天使には程遠い。
「悪魔と呼ぶほうが相応しいかもしれんな。白い悪魔というのも一興か」
男が奇しくも口にしたのは、なのはにとって馴染みにある言葉だった。
『管理局の白い悪魔』
時空犯罪者だけでなく、一部の同胞にもそう言われていることをなのはは知っている。
かつて、ヴィータたちと対峙したときにも、同じことを言われた。
「悪魔でいいよ」
だから、返す言葉も決まっている。
今の目的を考えれば……悪魔にならなければ果たすこともできない。
「悪魔らしいやり方で……みんなを取り戻すから」
「ふん。我も悪魔と呼ばれることは多かったが……」
男の手にあるデバイスが姿を変える。
それは、なのはにとっても見覚えのある一冊の書物の形状だった。
「そうだね。あなたも立派な悪魔だよ」
そのデバイスを手に入れるために男がしたことを思い出し、なのはは声を震わせる。
「悪魔同士だ。もはや言葉は意味がないな！ 行くぞ！」
「望むところだよ！ いくよ！ レイジングハート！ 全力全開だよ！」
二人の間の魔力がぶつかり合い大気が震える。
二度と落ちない……そう誓った空。
純白の戦乙女の、大空を舞台にした最後の戦いがついに幕を開けたのだった。
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目次：復讐鬼
著者：マルチマックス
78 名前：復讐鬼・なのは陵辱編�� [sage] 投稿日：2010/06/10(木) 00:54:36 ID:DMimfCvw [3/6]
79 名前：復讐鬼・なのは陵辱編�� [sage] 投稿日：2010/06/10(木) 00:55:13 ID:DMimfCvw [4/6]
80 名前：復讐鬼・なのは陵辱編�� [sage] 投稿日：2010/06/10(木) 00:55:48 ID:DMimfCvw [5/6]
※※※※※※※※※※※※※※※
それからさらに数日が過ぎていった。
魔物の攻撃は日々激しさを増し……負傷者は増えていく。
相変わらず今この瞬間まで死者は誰一人として出ていない。
それでも、徐々に徐々に……。
圧倒的な物量作戦の前に、戦況はアースラ不利へと傾いていった。
「はぁあああああああああああああああ！」
閃光の中から、純白のバリアジャケットが飛び出してくる。
なのはが飛んできた先には、魔物の群れ。
信じられないほどの数ではあったが、一点突破に絞ったなのはを止めるにはいたらない。
仲間のために道を開き……。
今度は囮となり、帰艦するための時間を稼ぎ道を作る役割をなのはは忠実に果たしていた。
「罠だと分かっててひっかかるのは悔しいんだけど……」
部隊が生き残るための効率的な行動の選択。
戦技教官としてのなのはがそれを取るのはやむを得ないことだろう。
「でも、仕方ないよね」
最も効率的な行動を選べば選ぶほどに、自分の周りから仲間の数が徐々に減っていくのをなのはは分かっていた。
最終的な決断が……彼女の単騎での包囲突破となるように仕向けられていたことも承知の上。
それでも、仲間が無事に帰艦したことをなのはは心から喜んでいた。
「罠なら……突破すればいいだけの話だもん」
眼前から迫る強大な魔力に、なにはは油断なくレイジングハートを構える。
魔力の温存は十分にはかってきた。
強い敵が出てくるのであればそれを倒すことが出来れば戦況はなのは達に優位に傾く。
あくまで前向きに、なのは自分の置かれた状況をとらえていた。
「そっか。そういうこと……」
視認できる距離まで迫った３つの影を見て、なのはは様々な感情を込めたため息をつく。
その敵の姿こそが、忌むべき宿敵がなのはを本気で倒そうとしている証明だった。
「主が違うから……容赦はしないよ？」
目の前に立ちはだかったのは、男の夜天の書から生み出された新たな守護騎士達。
見慣れた仲間と同じ姿だが、その中身が違うことをなのは直感していた。
「っ！ いきなりなの！」
モノも言わずに、レヴァンティンが鞭上になのはを絡めとろうと襲い掛かる。
「やっぱり……っ！ あなたはシグナムさんじゃない！」
名乗りも上げず、斬りかかるようなマネを誇り高き騎士は決してしない。
なのはは魔法による推進力を全開にして、レヴァンティンを避けるとより空高く舞い上がる。
「罠があるのは分かってるってば！」
向かった先にいたのは、鉄槌を振り下ろす小さな騎士。
だが、その鉄槌が振り下ろされることはなかった。
「遅い！ ヴィータちゃんは、そんな隙を作らないよ」
高速飛行しながら作り出した、アクセルシューターが４発。
鉄槌を振り上げ、隙だらけのヴィータの急所に的確に打ち込まれる。
「シャマルさんはそんなに簡単に、敵の前に姿を現さない！」
吹き飛ばされた小さな騎士に駆け寄る癒しの力を持った湖の騎士をなのはは視界にすでに捉えていた。
作戦の扇の要になるシャマルは、自分の代わりがいないことを理解している。
一見冷酷に見えても、苦戦している仲間を助けるために戦線に身を投じることは決してない。
「それに……３人まとめて射線に並ぶようなことは……絶対にしない！」
レヴァンティンを構えた騎士までもが、なのはと一直線の場所に現れる。
砲撃に優れたなのは相手に……その行為は戦闘初心者でも行わない。
産まれたばかりであり、主との絆が快楽だけの騎士たちには……まだ幼くとも多くの修羅場を潜り抜けたなのはを相手にするには荷が勝ちすぎていた。
「ディバインバスター！」
怒りの叫びと共に高出力の砲撃が放たれ、光の奔流となり３人の騎士を飲み込んでいく。
光が消えた先には……すでに、何の人影もなかった。
「ごめんね。せっかく産まれたのに……」
プログラムであるがゆえに、存在さえも残さずに消滅してしまった騎士たちになのはは頭を下げる。
砲撃の余波は、周囲をなぎ払い……何もなくなった虚空に一人立つなのはの姿は、純白の衣装から受けるイメージとは程遠いものを想起させる。
「ふむ。話に聞いていたのと随分と違うな」
上空からの声に、なのはは天を仰ぎ見る。
そこには……なのは達の目的である、あの男の姿があった。
「やっとおでましだね。待ちくたびれたよ」
「もう少し苦戦すると思ったのだがな。どうやらデータに多少の修正が必要なようだ」
男の守護騎士たちならば、倒せないまでも十分になのはを疲弊させることができる。
事前の計算はもろくも崩れ去ったが、それは男をむしろ高揚させる。
復讐の最後を飾るべき少女が、歯ごたえがない相手では拍子抜けするところだった。
「フェイトちゃんとはやてちゃん。そして、『本物のみんな』は無事？」
男と一緒にこの場に現れるのではないか。
そんななのはの期待と不安は、まず空振りに終わる。
無数の魔物を従えてはいるものの、なのはの知る少女達の姿を周辺にみつけることはできなかった。
「命に別状はない。だが……言わずとも分かるな？」
「そんなの聞きたくないよ。聞きたいことは一つだけだよ」
なのはは、男と同じ高さまでその身を飛翔させる。
自分の居場所と決めた空で……相手を見上げ続けるわけにはいかなかった。
「みんなを黙って解放するつもりはあるの？」
「聞くまでもなかろう。お前が……おとなしく、我の目的を果たすのに協力すれば話は別だが……」
「それも聞くまでもないね」
最初に狙われたのが、なのはであったのなら……。
あるいは、その自責の念から男にその身を差し出したかもしれない。
だが、今は状況が違う。男に囚われた仲間を取り戻さなければいけない。
男の境遇に同情はしても、なのはには戦う明確な理由があった。
「ならば……することは一つだな」
「そうだね。気は進まないけど、仕方ないよね」
開戦を互いが宣言すると同時に、男の背後に控えた魔物が一斉に飛び掛ってくる。
「邪魔をしないでっ！！」
瞬時に展開されたアクセルシューターが、的確に魔物を打ち抜く。
魔物の数はアクセルより遥かに勝っていたが、自在にコントロールされた魔力弾は、襲い掛かってくる全ての魔物を貫いていく。
だが、魔弾に貫かれても魔物はなのはへの特攻をやめることなかった。
「……っ！ 自爆！？」
戦意を失うどころか、魔物は最後の力を振り絞りなのはに向かってくる。
命と引き換えにした爆発も……なのはの誇る高出力の障壁の前には無意味なものだった。
「やめて！ こんなことをしても無駄なことは分かってるでしょ？」
「そのようだな」
男は残りの魔物の攻撃を制すると、爆炎に包まれたなのはの姿を仰ぎ見る。
「聞いていた話とは違うな。清らかな天使のような少女だと言う話だったが……」
無数の魔物の死骸に囲まれ、自爆の爆炎の照り返しを浴びる姿は純白の服を着ていても天使には程遠い。
「悪魔と呼ぶほうが相応しいかもしれんな。白い悪魔というのも一興か」
男が奇しくも口にしたのは、なのはにとって馴染みにある言葉だった。
『管理局の白い悪魔』
時空犯罪者だけでなく、一部の同胞にもそう言われていることをなのはは知っている。
かつて、ヴィータたちと対峙したときにも、同じことを言われた。
「悪魔でいいよ」
だから、返す言葉も決まっている。
今の目的を考えれば……悪魔にならなければ果たすこともできない。
「悪魔らしいやり方で……みんなを取り戻すから」
「ふん。我も悪魔と呼ばれることは多かったが……」
男の手にあるデバイスが姿を変える。
それは、なのはにとっても見覚えのある一冊の書物の形状だった。
「そうだね。あなたも立派な悪魔だよ」
そのデバイスを手に入れるために男がしたことを思い出し、なのはは声を震わせる。
「悪魔同士だ。もはや言葉は意味がないな！ 行くぞ！」
「望むところだよ！ いくよ！ レイジングハート！ 全力全開だよ！」
二人の間の魔力がぶつかり合い大気が震える。
二度と落ちない……そう誓った空。
純白の戦乙女の、大空を舞台にした最後の戦いがついに幕を開けたのだった。
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目次：復讐鬼
著者：マルチマックス
- カテゴリ：
- 漫画/アニメ
- 魔法少女リリカルなのは
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