38 名前:僕の家族 1 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/06(水) 21:55:38 ID:K0Ntejqm
39 名前:僕の家族 2 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/06(水) 21:56:23 ID:K0Ntejqm
40 名前:僕の家族 3 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/06(水) 21:57:13 ID:K0Ntejqm
41 名前:僕の家族 4 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/08/06(水) 21:58:16 ID:K0Ntejqm

 『僕の家族』
                           ジェイハ=スカリエッティ

 僕の家は、僕とお父さんとお母さん、三人の弟、そして最近飼い始めたペットのフェレットの
六人と一匹家族です。

 ジェイルお父さんは科学者で、土木作業なんかで使われたりする作業機械や、
怪我や病気なんかで手足や臓器を失った人の為の義手義足や人工臓器の設計をしたり、
他にもバイオテクノロジーを使って砂漠や荒地でも育つ作物を作ったり、色々な
物を作っています。

 お父さんの作った作業機械は色んな会社で使われて、義手義足・人工臓器も多くの人を救って、
バイオテクノロジーを使って作った作物も、作物の育ち難い環境の世界等の食糧事情を良くさせたりして
大変役に立っているらしいのですが、なのはお母さんが言うには、お父さんは昔はもっと悪くて
マッドサイエンティストをやっていたらしいです。その時のお父さんは色々な危険な研究をしてて、
人や動物の遺伝子を操作してクローンを作ったり、恐ろしい怪物を作ったり、辺り一面を吹飛ばす様な
強力な爆発と共に広範囲に何十年たっても消えない猛毒をばら撒く恐ろしい爆弾を作ったり、
またナンバーズと言うサイボーグの女の子達のお腹の中にそれぞれ自分のクローンを仕込んでいたと
言う事もあったそうです。

 考えただけで怖いです。お父さんが昔そんな事をしていたなんて、今の優しいお父さんからは
とても信じられない事です。ですが、今になって考えると、今のお父さんも大差無いかもしれません。
 今のお父さんは普段は作業機械や義手などの設計等をしていますが、たまにそれぞれ別々の動物同士を
かけあわせて珍妙な動物を作っていたのを見た事がありますし、僕はまだ良く分からないのですが
この間、『しのしょうにん』って名前の変なおじさんがお父さんの所にやって来て、その人の
頼みでお父さんが全身に色んな武器を満載した、まるで漫画やアニメに出て来る様なロボットを
作ったりしていた事もありました。その事について、お父さんは

「昔からの癖だからどうにもならない。」

と言います。本当にそうなのかな? 僕は心配になります。社会の為になる物を作るお父さんと
危険な物を作るお父さん、どっちが本当のお父さんなの?

 今でもたまに危ない物を作るお父さんですが、それで大変な事にならないのはなのはお母さんのおかげです。
お父さんが社会の為になるような物を作っている時のお母さんはとっても優しく見守ってくれるのですが、
逆にお父さんが危ない物を作っているのを見ると、お母さんは人が変わった様に怒ってとっても怖いです。
この間も、こっそり危ない研究をしていたお父さんをヤンギレした表情で頭冷やしていました。
 お母さんはお父さんより十歳以上も年下ですが、お父さんはお母さんには全然敵いません。

 お母さんは昔、時空管理局に勤めていて、教導官をやっていた位にとっても強い魔導師だったそうです。
当時のお母さんとお父さんは追う者と追われる者の関係で、簡単に言うとル○ンと銭○みたいな関係
だったらしいです。僕は良く分かりませんが。そんな敵同士だったのにどうして、二人が結婚したのかについて、

「お父さんを放っておくとどんな危ない研究をやるか分かったものじゃないから。」

 と、お母さんは言っていました。お父さんの危ない研究を止めさせる為にお母さんは管理局を辞めてまで
お父さんと結婚したんだそうです。その事について、今でも管理局の方では惜しむ声があるらしいのですが、
僕はお母さんが管理局を辞めてお父さんと結婚して良かったと思います。だって、お父さんとお母さんは
何だかんだ言ってとっても仲が良いですし、お母さんがいなかったらお父さんは本当に危ない研究で
大変な事をしていたと思います。それに、お母さんがお父さんに悪い研究を辞めさせて、代わりに
社会の為になる研究をさせたおかげで救われた人も沢山います。何よりも、お父さんとお母さんが
結婚してなかったら僕と三人の弟は生まれていません。

 さっきも説明した通りお母さんは昔、管理局で教導官をやっていた強い魔導師でした。
だから僕もお母さんみたいに強い魔導師になりたいと思ったのですが、お母さんは
バインドなどは教えてくれましたが、バスターやシューターみたいな派手な魔法は
教えてくれませんでした。その時は、お母さんのケチと思いましたが、その後で
お父さんがこっそりその理由に教えてくれました。

 お母さんは管理局の魔導師になったばかりの頃、その当時からかなり強かったらしいのですが、
色々と無理もしてたらしくて、それで仕事中の謎の機械兵器の奇襲を受けて、生死に関わる様な
大怪我をしたらしいです。怪我を治した後も元通り飛んだり出来る様になるまで色々とリハビリを
頑張ったみたいなのですが。そう考えると派手な魔法を教えなかったのは、僕も昔のお母さんみたいに
なって欲しく無いからなんだと分かりました。やっぱりお母さんは優しいお母さんです。でも、その昔の
お母さんに大怪我を負わせた謎の機械兵器は、実は昔のまだ悪かった頃のお父さんが作った物だった
らしいのですが、そこは秘密にする様に言われました。やっぱりお父さんはお母さんが怖いみたいです。

 お母さんは昔、友達が沢山いたらしいのですが、管理局を辞めてお父さんと結婚した事が
きっかけで、仲が悪くなってしまったそうです。僕も以前、お母さんの昔の知り合いだったらしい
オッドアイのお姉ちゃんと会った事があったのですが、凄く怖い目で睨まれてしまいました。
皆はお母さんがお父さんと結婚した事を良く思ってないみたいです。とっても悲しいです。
でも、何時か仲直り出来る日が来て欲しいです。

 お父さんと結婚する為に友達を無くして寂しかったのか、お母さんはフェレットを飼い始めました。
お母さんは昔もフェレットを飼っていた事があったらしくて、その時のフェレットにちなんで
ユーノ君と名付けていました。フェレットはとっても人懐っこくて可愛らしいです。そのフェレットの
世話はお母さんがしているのですが、僕にもたまに抱っこさせてくれます。でもお父さんは
何時もの病気が再発してフェレットを改造しようとしてお母さんに頭冷やされたりしていました。
 今ではそのユーノと言うフェレットも立派な家族の一員です。

 次に僕の三人の弟について…

「こ…これは一体…何のつもり…?」

数枚の作文用紙を両手に持ち、気まずい顔でジェイル=スカリエッティを睨み付ける
高町なのはの姿がそこにあった。

「これは私と君の間に生まれた子供が小学生になって、そこで先生から自分の家族についての
作文を書くと言う宿題を出されて…って設定で書いてみた作文でな…。」
「私が言いたいのはそこじゃない! 何でこんな物を書いたのかって言いたいの!!」

なのはは怒り余って作文用紙を破り捨ててしまった。

「うわぁ! 何をする! パソコンを使わずに手書きでの作文は地味に大変だったんだぞ!
ただでさえ私は理系の人間であって文系は苦手なのに…。って言うか、その子供は
私と君の子だけにやっぱり理系科目は得意でも体育と文系科目は苦手と言う設定も
考えていたのに…。」
「うるさいうるさい! だから私は貴方みたいな時空犯罪者と結婚する気は無いって言ってるでしょ!?
まあ貴方が何を考えた所でそれは貴方の勝手だけど…そもそも何で子供が全員男の子なの!?
もしかしたら一人くらい女の子が生まれるかもしれないじゃない!」
「お! 何だ〜。嫌よ嫌よと言っておきながら…何だかんだで私の子供を産む気満々では無いか!」
「ああ!!」

これには流石のなのはも墓穴を掘ってしまったと自覚した。そして、顔を赤くしたなのはの肩に
スカリエッティがポンと手を置き…

「さ、君もまんざらでは無いみたいだし…人生棒に振ったと思って私の伴侶になってくれたまえ…。
以前も言った通り、君が私の妻となってくれれば私に対するストッパーにもなって
世界の平和は守られるのだよ。」

と、キザったらしく言うスカリエッティであったが…

「それを言うなら犬に噛まれたと思って…とかそんなんじゃないのぉ!?」
「あら〜!」

なのは怒りのディバインバスターがスカリエッティを天の彼方まで吹っ飛ばしていたとさ。

「ハァ…ハァ…ハァ…あんな男と結婚したら…それこそ人生棒に振ったも同然じゃない…。」

とりあえずスカリエッティを追い払う事は出来たが…なのはは何かに負けた様な…
そんな嫌な後味を感じていた。そして、そう思うと共に走り出す。向かった先は無限書庫であり…

「ユーノ君結婚して!! 今直ぐ結婚して!! おねがいぃぃぃぃぃ!!」
「うわぁ!? いきなりどうしたの!?」

なのはは血の涙を流しながらユーノに泣き付いて結婚を迫った。
ぶっちゃけこのままスカリエッティからのしつこい求婚を受け続ければ…今は追い払っていても
いずれ恋愛ものの漫画なんかで良くある『最初は嫌いだったのに何時の日か…』と言うパターンによって
本当に結婚してしまいかねない勢いがあった。それはなのはにとって非常に嫌な事だ。
例えなのはがスカリエッティと結婚する事によって、スカリエッティの悪事に対する
ストッパーになって世界が平和になるとしても…嫌な物は嫌。
だからこそ、そうなる前に誰かと結婚する。その相手として第一に選んだのがユーノ。
彼とは友達としての関係で、未だ恋愛に至ってはいないが…スカリエッティと
結婚してしまう位なら…ユーノと結婚してしまった方が一億倍もマシだった。
それに以前は一緒に暮らしていた事もある間柄でもある故、違和感無く共に暮らす事も
出来ると言う事も言える。

「お願いユーノ君! 結婚して! お願い! お願いぃぃぃぃ!!」
「い…いきなりそんな事を言われても…。って言うか今仕事中だし…。」

なのはは泣き叫びながらユーノの服の袖を引き千切らんばかりの勢いで引っ張っており、
ユーノはほとほと困り果てていた。

果たしてこの後…なのははどっちを選ぶのだろうか?
自らを犠牲にしスカリエッティの妻となる事で、時空犯罪者の妻と言う汚名を被る代わりに
スカリエッティの無限の欲望を抑えるストッパー役となって世界の平和を守り、なおかつ彼の
優秀な頭脳と技術を世の為人の為になるような方向へ向けさせ、人々の生活を良くさせるか…。
はたまたスカリエッティを拒絶して自身の幸せを取り、ユーノと結婚する事によって
スカリエッティの嫉妬心を煽り、悪の科学者としてさらに増長させ、そのままヤンデレ化した
事によって以前のそれを遥かに凌ぐ程の恐ろしい兵器を作れる力を持たせ、それによって
世界の平和を脅かし、破滅の危機に晒らさせてしまうか…。どちらにせよなのはを待っているのは
辛く苦しい戦いの日々である。その時の相手が『世間の自身に対する差別・迫害』か、
『スカリエッティが今後作り出すであろう以前のそれを遥かに凌ぐ程強力になった恐怖の超兵器軍団』かの
違いがあるが…どっちにしても苦しい戦いを強いられる事は間違い無い。

なのはに平穏の時が訪れる事は無いのか…静かに暮らす事は許されないのか…
この後…真の平穏を手にする事は出来るのか…その答えは神のみぞが知る事である…。

                    おしまい


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著者:◆6BmcNJgox2

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