652 名前:魔法少女リリカルなのはStrikerSBurst [sage] 投稿日:2011/02/24(木) 09:32:46 ID:fvCZwX82 [2/5]
653 名前:魔法少女リリカルなのはStrikerSBurst [sage] 投稿日:2011/02/24(木) 09:33:21 ID:fvCZwX82 [3/5]
654 名前:魔法少女リリカルなのはStrikerSBurst [sage] 投稿日:2011/02/24(木) 09:33:52 ID:fvCZwX82 [4/5]

第十一話:裏切り者

「話は主から聞いていた。番号から察するに、ナンバーズのプロトタイプ、と言った所か」
「詳しくは言えないわ。でも、その認識は間違ってはいない」

シルクは大仰に両手を広げて答える。

「人造魔導師はありとあらゆるアプローチで行われたのは知っているわね?プロジェクト
F然り、戦闘機人計画然り・・・・・・。今はまだ話すことは出来ないけど、来るべき日にトルアから説明があるわ」
「それが・・・今回の黒幕ね・・・!」
「そんなフラフラの状態で言われても、説得力がないわね」

シャマルが啖呵を切るが、シルクに軽くあしらわれてしまう。

〈ザフィーラ・・・・・・〉
〈判っている。主やフォワードが戻るまで、時間を稼ぐぞ〉
〈了解!〉

二人が戦闘態勢に移ろうとしたその刹那だった。
隊舎の一角が崩れ、中から白黒の騎士甲冑をまとったはやてが飛び出し、それを黒い影が追い打ちする。

「くっ・・・この!」
「・・・・・・・・・」

影が繰り出した蹴りを辛うじてはやては防御魔法で受け止める。その隙を突いて彼女は射撃魔法を放つが、それも回し蹴りで掻き消されてしまった。
そして影は間髪を入れることなく裏拳ではやての体躯を吹っ飛ばす。

「主!!」
「はやてちゃん!!」
「私は大丈夫や。シャーリー、フォワードは後どの位で帰還するんや!?・・・・・・シャーリー?」

ロングアーチとの通信を試みるはやてだが、帰ってくるのは雑音だけだった。

はやてが司令室を出たすぐ直後。ロングアーチでは引き続きジャミングの原因解明とフォワードとの通信復旧が急がれていた。

〈まさか、着任からいくらも経っていないのにいきなり仕事。
それも事もあろうに六課が襲撃されるなんて!誰かスパイでもいるんじゃないかしら・・・・・・〉
〈聞こえるか?X05〉
〈えっ!?誰なの・・・・・・?って言うか、『X05』って何?〉

作業に集中していたエマの頭の中に突如、男の声が聞こえてくる。

〈今から俺の言う命令を復唱しろ〉
〈いきなり他人に念話で話しかけてきたと思ったら、命令だなんて―〉
〈六課司令部を無力化し、X07及びX08の支援をしろ〉
〈何を考えてっ・・・・・・!・・・・・・了解。
六課司令部の無力化、並びにX07、X08の支援を行う〉
「エマ?どうかしたの?」

いきなり立ち上がったエマを見て、隣の席に座っていたルキノが話しかけてくる。
そう言われたエマは彼女を無言で払った。

「んなっ!?」
「エマ!!どういうつもりだ!!」
「・・・・・・」

シャーリーとグリフィスが彼女を取り押さえようとするが、エマはまるで猫のような敏捷さで背後へ抜け、振り返ったグリフィスの顔面を蹴り上げる。

「タイグレスヒール、セットアップ」

エマは続けて両脚を装甲の付いたブーツに変身させて右足を大きく振り上げる。
そして、踵から赤銅色の魔力刃を出力させて振り下ろし、シャーリーの肩口を切り裂いた。

「・・・・・・・・・・・・」

エマは周囲に動く者がいなくなったことを確認すると制服を脱ぎ捨て、機械的な外装と水着風のインナー―バリアジャケットを身にまとい司令室から出る。
外へ出ようとする過程で、はやてが勘づいて戻ってきたが既に遅かった。

「エマ・・・・・・」
「目標確認・・・。攻撃開始」

エマが蹴りかかるのと、はやてが防御魔法を展開するのはほぼ同時だった。

―――――

「くそっ。何がどうなっているんだ!?」

一方そのころ、結界の外では赤毛の戦闘機人―ノーヴェが悪戦苦闘していた。
ゲンヤが彼女の更生プログラムを担当しているため、ナカジマ家で厄介になっており彼からも『養子にならないか?』と誘いも受けている。
もっとも、本人はまだ踏ん切りが着かないでいるが。

「小突いても、蹴っても壊れない。かといって結界みたいに入れる気配も無い。一体何だってんだよ!!」

そう言いながらも彼女は自分のデバイス―ジェットエッジで渾身の蹴りを放つ。
しかし、相当硬いのか、結界はビクともしなかった。

「ノーヴェ!!」

ふと、ノーヴェが上を見ると、六課のヘリが高度を下げてきており、カーゴハッチからギンガが飛び降りてきた。

「状況はどう?」
「ご覧の有様。念のため助走を付けて蹴ってみたけど、全然ダメだ。そっちは?」
「話せばちょっと長くなるけど・・・」

ギンガ曰く、『トルーパーの掃討が完了し、帰還しようと六課に通信を送ったところ、ウンともスンとも言わなくなり、急いで帰還したら隊舎を結界が覆っていた』との事だ。

「確かに、拙いかもな。どうすれば破れそうだ?」
「破るって!・・・まあ、一点に攻撃を集中させれば出来るかもしれないけど・・・・・・」
「出来るだろ?あたしらナンバーズと渡り合った六課の隊長・副隊長なら、な」

〈シルク姉様、エマ。彼女たちが戻ってきました〉
〈そう。連中は何をしているの?〉
〈結界を、破ろうとしています〉
〈破るですって!?〉
「そこだ!!」
「ちぃっ!!」

アイーシャから念話で告げられた言葉でシルクに一瞬の隙ができ、そこをザフィーラに突かれて彼女は攻撃をもろに受ける。
一方、はやてとシャマルはエマと対峙していた。

「まさか、エマがスパイやったなんて・・・」
「私は、諜報活動特化型戦闘機人。入り込んだ場所の数だけ人格が存在する」
「せやったら、これもエマが?」
「司令部の無力化と六課戦力の弱体化が私の任務。それ以外には疑問を持たないようプログラミングされている」
「プログラミング、か・・・・・・。なら、私がその目を覚ましたる!」

はやてはシャマルを下がらせると、左手に手にした“夜天の魔導書”を開いて数ある射撃魔法の一つ、ブリューナクを放つ。
時間差を空けて飛来する魔力の矢をエマは身を捻るように躱して距離を詰め、上段からの回し蹴りを放つ。
はやてはそれを防御魔法で防ぎ、バルムンクで応戦した。
何発かはエマの肩を掠め、彼女の動きを阻む。

「損傷軽微。戦闘続行」

エマは再び蹴りかかる。その瞬間、結界に大きな亀裂が入った。


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目次:魔法少女リリカルなのはStrikerS Burst
著者:俺的リリカル

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