[375]雷光幻影 プロローグ『フラグ?』その1<sage>2007/07/07(土) 17:06:02 ID:UgXdasSI
[376]雷光幻影 プロローグ『フラグ?』その2<sage>2007/07/07(土) 17:06:46 ID:UgXdasSI

「ん〜。」

シャワーから出た後の火照った体に6課隊舎の涼しい空調が心地良かった。
スバルたちより一足早くシャワールームを後にしたティアナはロビーへと向かう。

「・・・・・?」

そのロビーには先客がいた。
キャロと同い年(正確には2ヶ月年上だが)赤い髪の少年、エリオがソファーで座ったまま眠っていた。

(無理もないか・・・・・)

訓練も新たに段階に入りその内容もかなり厳しいものになってきていた。
それぞれのデバイスの新モードに対応した訓練。
それを生かすための模擬戦。
ルーキーたちには過酷な、だけど的確な訓練。
16歳の自分がかなりきつく感じている。
だから10歳のこの小さな体がどれだけの負担になっているのかは想像は付いた。

「ほら、起きなさい。
こんなところで寝たら風邪引くわよ。」

ティアナはエリオをゆすって起こそうとする。
が、当のエリオはまるで反応を示さない。
完全に爆睡状態に入っていた。

(仕方ないか、みんなが来るまで一緒に・・・・・)

そう思いティアナはエリオの隣に腰掛けた。
一方のエリオはそれに気付かずに寝息を立てていてた。



なんとなく横からティアナはエリオの顔を覗き込む。
戦場ではストラーダを携え切り込む勇猛果敢な小さな騎士。
だが今は年相応の一人の男の子の表情だった。
ふとティアナは思う。

(どうしてこの子はこの道を選んだんだろう・・・・・)

魔導師、また騎士として管理局に入る。
それは戦場に出る可能性もあり命を落とすことを覚悟しなければならない。
ティアナもそれを少しずつではあるが理解してきている。
そして自分には目標がある。
唯一の家族だった兄の無念を晴らしたい・・・・・そのためにも執務官になる。
そして兄のようにたいせつなものを守れる人になりたい。
そのために今自分はここにいる・・・・・
なら彼は・・・・・?
フェイトへの恩返し?
それとも他に何か理由があるのだろうか。

「う・・・・・う〜ん。」
「・・・・・あ。」

エリオの声にティアナは現実に戻される。

(目が覚めたのかな?)

だが、その直後エリオはティアナのほうに倒れこんできた。

「え?」

突然の事態にティアナは反応できない。
エリオはそのまま倒れこみ頭がティアナの太ももの上に着地、いわゆる膝枕の状態になった。

「なぁ!?」

あまりの事態にティアナの顔が真っ赤に染まる。
相手がスバルだったら間違いなく蹴りをかましているところだったが、相手がエリオである以上乱暴にするわけには行かなかった。
一方エリオはというとそのまま寝息を立てて絶賛爆睡中だった。

(全く・・・・・しょうがないわね。)

はじめは少々パニックになっていたティアナだったがエリオの寝顔を見て少し落ち着きを取り戻す。

(しばらくこのままでいさせるか・・・・・)

そう思っているうちにティアナにも眠気が襲ってくる。

(そういえばエリオの寝顔って結構可愛いかも・・・・・)

そしてそのまままどろみに落ちて行った・・・・・


この時のことがティアナにとっての初恋のフラグになったりならなかったりすることは今は彼女は知る由もない・・・・・


ちなみにこの光景、監視カメラを通して部隊長にばっちり見られておりこれをネタにからかわれる事になる。


 ・・・・・To Be Continued

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目次:雷光幻影
著者:16スレ175

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