[559]雷光幻影 第1話『すれ違い』 その1<sage>2007/07/12(木) 00:45:21 ID:A17WkYX5
[560]雷光幻影 第1話『すれ違い』 その2<sage>2007/07/12(木) 00:47:11 ID:A17WkYX5
[561]雷光幻影 第1話『すれ違い』 その3<sage>2007/07/12(木) 00:47:53 ID:A17WkYX5
[562]雷光幻影 第1話『すれ違い』 その4<sage>2007/07/12(木) 00:48:43 ID:A17WkYX5

「はぁ・・・・・」

朝の涼しい空気の中、正面玄関前でエリオはため息をつく。

(昨日はなんだか寝惚けてたとはいえ大変なことをしちゃっとよなぁ・・・・・)

昨夜、シャワーを浴びてロビーで他のメンバーを待っているうちに今までの疲れが出たのかソファーでそのまま寝てしまい、おまけにその次にあがってきたティアナに倒れこんでしまった。
その結果膝枕の体勢になってしまったのである。
そして目を覚ましてみれば目の前にはティアナの寝顔がありエリオは軽いパニックに陥ってしまった。
さらにタイミングの悪いことに他のフォワードメンバーが来てしまい一騒動が起きた。
さらにこの様子は監視カメラを通してはやてにばっちり見られからかわれた。
そして現在に至るわけである。

「はぁ・・・・・」

エリオは再びため息をつく。
思い出すのは太腿の柔らかい感覚と甘いシャンプーの香り、そして彼女の寝顔。

(ティアナさんの寝顔、なんだか可愛かったな・・・・・って、何考えてるんだ僕は!?)

昨夜のことを思い出しつい表情が緩みそうになるが、頭を振って気を引き締めようとする。
しかし、彼の頭からそう簡単には彼女の寝顔が消えることはなかった。

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

エリオは両頬を何度も叩いて気合を入れた。

(煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散!!)


エリオ・モンデリアル、10歳・・・・・
煩悩を断ち切るには彼はまだ若過ぎた・・・・・




一方ティアナはというと・・・・・

「いっぺん死んでこぉぉぉぉぉぉぉぉい!!」
「もぴゅらっ!?」

某蛇使いのような怒声と某女子寮管理人のような悲鳴がティアナたちの部屋に響く。

「う〜、酷いよティア〜。」
「うっさい!!アンタねぇ、毎朝毎朝人の胸揉んで起こすのやめなさいよね!!」

アッパーカットを食らった顎をさすっているスバルを尻目に訓練用の服にティアナは着替える。

「それじゃ、あたし先に行くからスバルも遅れないようにしなさいよ!!」

そして手早く着替えを終えたティアナは相棒を持って部屋を後にしようとする。

「まってよ〜、ティア〜。」

スバルの慌てる声が聞こえたがティアナは無視することにした。


「ふぅ・・・・・」

いつもの集合場所へ向かうティアナが思い出すのは昨夜のことだった。

(どうしちゃったんだろうな、あたし。)

相手は6つも年下の少年。
そして部隊の同僚。
そうとしか思っていなかった。
が、昨夜の騒動以降、彼女の頭の中はエリオのことばかりになっていた。
おかげでその夜はまともに眠ることが出来なかった。
もっとも眠気のほうはスバルのセクハラのおかげで見事に吹っ飛んではいたが。



そしていつもの集合場所である隊舎の正面玄関前に到着する。
そこには既にエリオの姿があった。
それを確認しティアナは戸惑うが。

(落ち着きなさい!!いつも通り・・・・・いつも通りにすればいいんだから!!)

深呼吸をしてエリオに声をかけようとするが、

「「・・・・・あっ」」

エリオと目が合う。

「・・・・・・っ!!」

それに対しティアナは思わず目を背けてしまった。

(って、何やってんのよあたしは!!)

思わず自分の行動に突っ込む。

「あ・・・・あのティアナさん。」

エリオが声をかける。
その声はなんだが裏返っていた。
ティアナはエリオのほうに向き返すが。

「・・・・・・!?」

彼の真っ赤になった表情につられティアナの表情も赤くなる。

(くぅっ、しっかりしなさいよ!!ティアナ・ランスター!!)
(落ち着かなきゃ・・・・・そうだ素数を数えるんだ!!・・・・・1・・・・・3・・・・・5・・・・・7・・・・・・)

それぞれ冷静をつとめようとするが、かえってさらに混乱する。
そこへ、

「エリオく〜ん。」
「ティア〜。」
「「うわひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

残りのルーキーたちがやってきて二人は飛び上がった。

「エリオ君?」
「ティア?」

二人の驚きっぷりにきょとんとする。

「ああ、おはようキャロ!!それじゃあ揃ったし訓練所にいこうか!!」
「そ、そうね!!なのはさんを待たせるわけにはいかないし!!」
「えっ、ちょっとティア!?」
「え・・・・・エリオ君!!」

二人に引きずられスバルとキャロは混乱するばかりだった。





そして夜・・・・・

「はぁ・・・・・」

女子寮の玄関前でティアナはため息をついた。


その日の訓練は散々だった。
訓練内容はパートナーを変えての模擬戦。
そのときのティアナのパートナーがよりにもよってエリオだった。
訓練中はお互い意識しすぎたためか連携が全く持って機能しなかった。
幸い撃墜判定は出なかったものの、かなり被弾してしまいなのはにも厳しい注意を受けた。


「エリオ・モンデリアルか・・・・・」

今でも彼のことを思い出すとなぜが顔が熱くなる。
それを振り切るように頭を振る。

(いけない、明日は本当にしっかりしなくちゃ・・・・・)


ティアナ・ランスター16歳・・・・・
それが恋という感情であることに気付くのはまだ先の話・・・・・


「そないなことがあったんか・・・・・」

なのはの報告を聞きはやてはモニターに目を向ける。
モニターにはエリオとティアナの模擬戦の様子が映し出されていた。
それぞれ単騎で目標を撃破するのには殆ど問題はなかった。
問題はいざ連携というときに二人の動きが鈍ってしまうシケースが多々あった。
そのためがジェットにそこを付かれ被弾してしまうという悪循環に陥ってしまっていた。

(まぁこの二人の様子を見る彼にこれは『恋』やな・・・・・)

隊長格3人のなはではやては恋愛に関しては最も鋭いといえる。
なぜなら彼女は3人の仲で唯一の恋愛経験者だからである。
ちなみにまだ片思いではあるが・・・・・


「はっきり言ってこのままじゃ同じことに繰り返しになってしまうと思うんだ・・・・・どうすればいいと思う?」

教え子の突然の不調になのはははやてに助けを求める。

(ん〜・・・・・昨日のこともあるしここははやてさんが一肌脱ぎますか。)
「まぁこういう場合はな・・・・・・」

それに対しはやてが出した結論は・・・・・


「荒治療しかあらへんやろ。」


 ・・・・・To Be Continued

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目次:雷光幻影
著者:16スレ175

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