[601]Monday Holiday<sage>2007/08/27(月) 22:12:06 ID:Nt7wixZa
[602]Monday Holiday<sage>2007/08/27(月) 22:14:51 ID:Nt7wixZa
[603]Monday Holiday<sage>2007/08/27(月) 22:16:31 ID:Nt7wixZa
[604]Monday Holiday<sage>2007/08/27(月) 22:18:29 ID:Nt7wixZa
[605]Monday Holiday<sage>2007/08/27(月) 22:20:14 ID:Nt7wixZa
[607]Monday Holiday<sage>2007/08/27(月) 22:22:24 ID:Nt7wixZa
[608]Monday Holiday<sage>2007/08/27(月) 22:24:27 ID:Nt7wixZa

「………………疲れた」
 クロノはぐったりと机につっぷした。
 仕事での二徹、三徹も経験したことはあるが、ここまでの精神的疲労を覚えたことはない。
 クロノをグロッキーにした張本人はと言えば、ベッドの上ですやすやとやすらかに眠っている。
 酔っ払ったフェイトはとてつもなく扱い辛かった。普段の怜悧さはどこへやら、ふやけた顔でお
姫様抱っこだのキスだのをせがんだあげく、歩かなくなっておんぶしてくれと駄々をこねる。
 しょうかたなしに背負ってやればキスの嵐で、やっと終わったと思えば寝てしまい首に回した腕
をほどいてくれない。
 背負ったままチェックインの手続きをするはめになり、受付嬢が笑いをこらえるのに必死だった
のを見た時には、このまま海に飛び込んで心中してしまおうかと一瞬本気で考えた。
「もうあんまり酒は飲まさないようにしよう」
 固く固く心に誓い、クロノは顔を上げて改めて部屋の中を見回した。
 ここまで内装を見る心の余裕が微塵も無かったため気づかなかったが、ずいぶんと高級な部屋で
ある。一晩宿泊するためだけというにはもったいないほどだ。
「気合を入れすぎだよフェイト」
 ベッドに歩み寄り、夢見る恋人の頭を優しく撫でてやる。
「けど、ありがとう」
 聞こえたわけではなかろうが、フェイトの寝顔が微笑んだ。

 自分も寝るか、とシャワーを浴びバスローブに着替えて部屋に戻ると、フェイトは目を覚ましベッ
ドに腰掛けていた。
 自分がどうしてここにいるのかがよく分かっていないのか、不思議そうに焦点の結ばっていない
目で部屋の中を見回している。その目が、クロノを見つけた。
「くろの。のど、かわいた」
 子供のように舌足らずな口調で、飲み物を要求してくる。
 備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを出してやると、おいしそうにこくこくと飲むフェイト。
あっという間に一本が空になった。
「もう少し飲むかい」
「うん」
 水分を取ることでだいぶ酔いと眠気が醒めたのか、少しずつ表情が正気に戻りつつある。
 もう一本同じものを手渡してやるクロノ。だがフェイトは、ふたを開けただけで手の中で弄びいっ
こうに口にしようとしない。

「ジュースの方がよかった?」
「……ねえ、クロノ」
 ペットボトルが差し出される。 
「飲ませて」
 何かを期待する瞳は、酒精とは別の理由で潤んでいる。
「……まだ酔ってるのか」
「そういうことに、して」
 部屋につかの間、沈黙が訪れる。その静けさを壊すのを恐れるかのように、クロノはそっとフェ
イトの隣に座る。
 ペットボトルを受け取り一口だけ口に含み、フェイトに顔を近づける。吐息が当たる。身体の中
でここだけでしか感じれない、柔らかい感触が伝わってきた。
「う……ん……」
 唾のように少量ではないので、一気に流し込むことは出来ない。わずかに広げた唇の間から、少
しずつ少しずつ相手の口内へ送り込んでいく。フェイトの喉を水が通る音だけが部屋に響く。やが
てその音が、ぴちゃりという水音に変わった。
「ん……んんっ……あ……」
 水を飲み干しても、唇は離れない。今度は水ではなく、舌を進入させる。フェイトの頬が、酔い
とは別の紅潮を始める。睫毛がふるふると震えている。
 いつまでもそうしていたかったが、息が限界になり口を離した。お互いに、はぁはあと荒い息を
吐く。
「フェイト。僕も、喉が渇いた」
 フェイトは無言で頷き、水を口にする。
 もう一度重なる唇。水が口に流れ込んでくる。無味に近い水としか言い様のない味に混じって、
はっきりと感じられる愛しい人の味。
 一口だけなど、とても我慢できない。
 何度も交互に水を飲ませあう。ペットボトルが空になる頃には、顎から滴り落ちた水で胸元がべ
たべたになっていた。
「脱がすぞ」
 着たままでするというのにそそられるものはあるが、デート用の服をこれ以上汚すのは心苦しい。
 自分のバスローブを手早く脱ぎ捨て、フェイトの衣服に手をかける。
 女性の服は男性のそれとは構造がだいぶ違うが、何度も脱がしていることとフェイトが協力して
くれることで容易く脱げた。

 下着だけの姿となったフェイトが、シーツの上に横たわる。扇情的な黒のブラジャーと同色のショー
ツ。ホックを外すと、たわわな果実がこぼれ落ちた。
 その中心に色づく赤い突起。これから行われるであろう行為への期待から、すでに軽く突き出て
いる。
 歯を立てないように細心の注意を払いながら優しく舌で舐めしゃぶってやると、押し殺した声が
上がる。
 反対側の胸は手でゆっくりと撫で、時折指を軽く押し込んで皮膚の下の性感帯を緩やかに刺激す
る。
 そういう行為だけを続けていると、段々と乳房に張りが出てきた。フェイトも確実に感じつつあ
る証拠だった。
「なんだか……今日は優しいねクロノ」
「そうかな?」
「こういうふうにするの、初めてだよ」
 言われてみれば、そうだった。
 初めての時ですら、結ばれる嬉しさで二人とも突っ走って、ずいぶんと乱暴なことになった。
 その後も激しいばかりで、こうして労わるような性交はした覚えが無い。
「朝言っただろ。もう少し控えめにしてほしいって」
「え?」
 フェイトが目をぱちくりさせる。
「……聞いてたの?」
「半分夢の中だったけどね」
「控えめにするのと優しくするのは違うと思うよ」
「だったら、いつもみたいにするかい?」
「ううん……今晩は、優しく抱いてほしい」
「了解」
 再び、乳首に舌を落とすクロノ。
 だが今度は空いている左手を胸ではなく脇腹に回し、肋骨の隙間を一つずつ指で撫で上げる。
「やぁん、くすぐったいよ……」
 ずいぶんとぬるい愛撫だが、普段あまり触らない場所なため新鮮なのか、フェイトの息はかすか
に荒くなっていく。
「う、んっ……私も、してあげるね」
 フェイトの手がクロノの下半身に伸びてくる。だが、その手をやんわりとクロノは押さえた。
「君はしなくていいよ」
「でも、私ばっかり気持ち良くても……」
「デートは君が全部準備してくれた。だから、こっちは僕が全部してあげる」
 少しだけ何か言いたげなフェイトだったが、言葉が口からこぼれる前にクロノは自分の口で防い
だ。

 そのまま、唇を下に滑らせていく。首筋に吸いつき鬱血痕を残し、胸の頂点を軽く舐める。唾液
の筋を残しながら下っていき、腹の中心である窪みに至る。舌でほじくりかえせば、きゃうんと可
愛らしい声が上がる。もっといじってみようかと思うが、本来の目的地はここではない。
 さらに下のショーツに隠された部分。そこに舌が近づくと、フェイトの四肢に緊張から力が入る。
楽にしてればいい、と腿を撫でさすってやる。
 緊張が和らいだのを見計らって、ショーツに指を引っ掛けてするすると足から引き抜いた。
 露になった金色の茂みの中心。うっすらと湿っているそこに鼻を近づければ、女の匂いが嗅覚を
刺激する。
「そんなところ嗅がないで……」
「じゃあ舐める」
 なにがじゃあなのか自分でも分からない理屈に従い、クロノは舌を伸ばした。
 秘裂をくつろげ、さらに奥まで下を差し入れる。
「は、はぁん……あ、あふ……」
 舌先に感じる塩気。唾とはまた違うフェイトの味。水で潤ったばかりのはずである喉に、渇きを
覚えた。
 舌だけでなく、唇をつけてすする。
「あっ!そこぉ…っ!だめ……だめ!」
 後から後から湧き出てくる淫水を、舌でかき出し飲み下す。
 フェイトの女陰は加速度的に濡れていき、飲みきれなかった分がこぼれて後ろの穴にまでも至ろ
うとしている。その愛液の跡を、クロノは指で辿る。
 窄まりの周囲を撫でれば、びくりとフェイトの身体が痙攣する。
 排泄のためだけでなく、感じる場所に徐々になりつつある菊門。そこに指をねじ込んでやれば、
目の前の少女はどれだけ乱れるだろうか。加虐的な思考がクロノの心に湧き上がる。
 だがその衝動をなんとか抑えきる。つい先程優しく抱くと言ったばかりだ。だから後ろの穴は指
でつつく程度で止めた。
 その代わり、舌の矛先を膣からその上へと向ける。まだ触れていなかった宝珠。表面に被さって
いる皮を剥いて、真紅に充血しているそれを舐めた。
「あ、ああああっ!」
 膣内の次に敏感だと言われるそこへの刺激で、フェイトは一段と高い声を上げる。
「ごめん、強すぎたか?」
「ちが……う。いきなりだったから驚いて……」
 恋人の返事に安堵し、舌の動きを再開する。舐めるだけでは単調になるので、時折指に代えてい
じる。
「クロノ……いいの、気持ちいいの……ああっ!」
 舌の柔らかさと指の固さがアクセントになるためか、フェイトは面白いほど感じてくれる。
 止まらない愛液が、フェイトの金の陰毛にべったりと付着する。
「もういいかな」
 つぶやいて、クロノは顔と指を股間から離した。
 代わって痛いほどに張り詰めた男根が、フェイトの秘裂に狙いを定めた。

「挿入れるぞ」
「うん……来て」
 クロノの亀頭がフェイトの体内に入り込んでいく。
 濡れそぼっているそこは、容易くオトコを受け入れる。だが性急になることなく、ゆっくりとク
ロノは突き進んでいく。
 たっぷりと時間をかけて、根元まで全てが入った。そのまま動きを止め、フェイトの膣内を味わ
う。
 湯を吸い込んだ綿でくるまれている。そう錯覚するような気持ち良さ。ほんの少し揺らしただけ
でも、ぴったりと吸いついてくる。そのままでも満ち足りて射精してしまいそうな快感。
 しかし貪欲な躯はもっと強い刺激を求める。
「動いて……動いてクロノ」
 それはフェイトも同じなのか、腰を揺さぶってねだってくる。
 要求に応じる形で、男根を引き抜き、突き入れる。
「あ、ああっ、はあうんっ!!……あ、熱い……!」
 動きは単調で拙劣。その分だけ、神経が腰だけに集中せず他の部分を動かせる。
 フェイトの身体が揺れるだびに一緒になって震える大きな胸。すっかり固くなった突起を二本の
指でつまむ。
「あっ、んっ、そこ……いいっ!」
 出来上がっている時のフェイトは、それこそ千切れるほどの強さで捻り潰されるのが好きなのは
分かっている。だがクロノは、あえて優しく揉みほぐすようにいじってやった。
 そうして胸を愛撫しながら、耳にも口を寄せる。輪郭を舌でなぞり、ふわりとした耳たぶを甘噛
みしてやれば、嬌声が鼻から抜けたようなものに変化する。
 いつもに比べればゆるやかな、それこそ童貞と処女のような交わり。なのに、あっという間に限
界が訪れようとしていた。
「クロノっ……私、わたしもうっ!!」
 フェイトの限界も間近に迫っているようだった。キュゥっと膣が締まってそのことを伝えてくる。
「このまま、出していいんだな……!」
「うん、出して! クロノの精液いっぱい出してっ!!」
 最後だけ、クロノは思い切り己の分身を突き立てた。切っ先と子宮がぶつかった瞬間、一秒の我
慢もせず腰の猛りを解き放った。
「ひゃああああぁぁぁぁんっ!!」
 同時に、愛しい男の精液を一滴たりとも逃すものかと、フェイトの膣内が一気に収縮する。跳ね
回ろうとする男根の動きを止めるほどの締まり。あまりのきつさに、連続で射精してしまったかと
思うほどだった。
「はぁ……はぁ……」
 腰と同時に口からも熱い息を吐き出すクロノ。
 いつもに比べれば快感はやや薄い。だが、それだけではない満足感が心に満ちていく。
 フェイトも満ち足りた表情で目を閉じている。まだ少し酒が残っていたのか、そのまま寝息を立
てて眠りに落ちてしまった。
 眠りの邪魔をしないように離れなければと分かっていたが、クロノは動かずフェイトの寝顔を見
続けた。
 もう少しだけ、こうして繋がっていたかった。

 翌早朝、まだ静かな街の中を二人は歩んでいた。
 自宅までの距離は少々あるが、時間に余裕はあるためゆっくり歩きで帰ろうということになった
のだ。
 デートの始まりの時のように並んで歩く二人。違うのは、あの時はほとんどしゃべらなかったが
今朝は会話が弾んでいる。
「六課のみんなになにかお土産買えばよかったかな」
「別に旅行に行ったわけじゃないんだからいいだろ」
「うん。だけどなのはもはやても最近お休み取れてないから、私だけ悪いかなって」
「そこまで気を使うこともないだろう。どうしてもそう思うなら、なにかデートにつけていけそう
なアクセサリーでも送ればいい」
「そうだね」
 太陽が地平線から顔を出しており街は十分明るくなっているが、人気はまばらである。
「次のデートはいつごろにしようか」
「もう次の話か? 気が早すぎるぞ」
「だって、クロノがどんなデートをしてくれるか楽しみだから」
「あんまり期待されても困るんだが……。どんなデートをするにしろ、もうあまり君にお酒は飲ま
せないからな」
「うっ……ごめんなさい」
 クロノを足を止めてフェイトを軽く睨んだ。
「謝るということは、意識があったということか」
「…………ちょっとだけ」
「昨日は楽しかったが、あれだけはやりすぎだ」
「本当にごめんなさい」
「二人きりの時はいくらでも甘えさせてあげるから。だから」
 うなだれているフェイトに手を伸ばす。
「人前では、これぐらいにしておいてくれ」
 その華奢な手を握った。
 それは、昨日クロノとフェイトがやろうとしてどうしても出来なかったこと。
 朝早いといはいえ全く人気が無いわけではなく、自分は今ずいぶんと赤い顔になってるんだろう
な、と思うクロノ。
 少なくとも次のデートまでに、赤面しないように訓練しておこう。どんな訓練すればいいのか見
当もつかないが。
「……ほ、ほら、行くぞ」
「あ、うん」
 どんどん恥ずかしくなってきて、気を紛らわすために足早に歩き出すクロノ。フェイトも慌てて
ついてくる。
 繋いだ手が少しだけ強く、でも柔らかく握り返された。

 早朝の気持ちいい空気の中、いつまでたっても初心な恋人達は恥ずかしそうに、しかし幸せそう
に家路を目指していた。


      終わり


 余談

 出勤したフェイトが見たものは床に正座させられ、どこから調達してきたのか書道机で反省文
を書かされている親友達の姿であった。
「えっと……」
 とりあえず、一番適切に説明してくれそうなティアナに訊いてみた。
「これ、どういうこと?」
「昨日の昼頃、お二人がいきなり模擬戦をやるとか言い出して、その余波で訓練施設が壊れちゃっ
たんです」
「なんで急に模擬戦なんか?」
「分かりません。それで反省文百枚提出だそうです」
 それは反省文の域を通り越して短編小説ではないか、と思うフェイト。
「あかーん! もう謝る表現が思いつかへん!」
「うう、残り全部ごめんなさいで埋めちゃいけないかな」
「その場合、三百枚に増やすぞ」
「…………悪魔め」
「悪魔でいいぜ。悪魔らしいやり方で反省してもらうからな」
 どこかで聞いたやり取りをするなのはと監督役のヴィータ。隣のはやては今にもちゃぶ台返しを
強行しそうな怨嗟の籠った目つきで紙を睨んでいる。
「そういうわけでテスタロッサ」
 もう一人の監督役であるシグナムが、書類の束を抱えてやってきた。
「主はやてが書き終わるまでの間、隊長の仕事を代行でお前に任せるとのご命令だ」
「ええ!? こういう場合はグリフィスがやるんじゃ……」
「ご命令だ」
「でも……」
「ご め い れ い だ」
 無理やり書類を押しつけてくるシグナム。その顔には微妙に憐憫がの情が浮かんでいる。
「今回の件については、お前にも原因の一割ぐらいはある。犬に噛まれたとでも思って諦めろ」
「私に原因?」
「まあ、分からんだろうな」
 もう一度同情の眼差しでフェイトを見て、シグナムは去っていってしまった。
 仕事の量にため息が出そうになる。これに加えて、自分本来の仕事もあるのだ。
(今晩は徹夜かなぁ)
 出勤早々萎えそうになる心に活を入れるべく、フェイトは自分の頬を軽く叩いた。
 次の休みまでの活力は、昨日もらっている。一日二日の徹夜ぐらいは平気なほど十分に。
「よし、今日もお仕事がんばろう!」
 そしてまた彼女の日々が始まる。



「あ、フェイトちゃんフォワード陣の戦闘訓練もお願いね」
「それも私なの!?」

前へ
目次:Monday Holiday
著者:サイヒ

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メンバーのみ編集できます