[212]エリキャロSS 後編<sage>2007/07/16(月) 04:42:06 ID:Ainq+FR+
[213]エリキャロSS 後編<sage>2007/07/16(月) 04:45:42 ID:Ainq+FR+
[214]エリキャロSS 後編<sage>2007/07/16(月) 04:50:26 ID:Ainq+FR+
[215]エリキャロSS 後編<sage>2007/07/16(月) 04:52:32 ID:Ainq+FR+
[216]エリキャロSS 後編<sage>2007/07/16(月) 04:54:29 ID:Ainq+FR+
[217]エリキャロSS 後編<sage>2007/07/16(月) 04:56:44 ID:Ainq+FR+
[218]エリキャロSS 後編<sage>2007/07/16(月) 04:58:21 ID:Ainq+FR+
[219]エリキャロSS 後編<sage>2007/07/16(月) 04:59:56 ID:Ainq+FR+

  *  *  *

 とても静かな、夜。電気も消え、月光が部屋に射し込む。
 聞こえるのは、互いの吐息と抑えきれない胸の鼓動。
 手を伸ばせばすぐにでも触れ合える距離にも関わらず、二人は暫くの間そのままで居た。
 互いの存在をその目に深く刻み込む。やがて、どちらともなく伸ばされた手が、二人の距離を一瞬で縮める。
 抱きしめ合う身体は温かく、二人はその熱に瞳を閉じる。どくん、どくん、とはっきりと感じる鼓動の音が、心地良いリズムを奏でる。
「ん――……」
 キャロが、エリオの胸に顔を埋める。少しだけ汗ばんだシャツに染み込んだ、彼の匂い。
 それは媚薬のように、キャロの心を蕩かす。はあ、と熱い吐息を漏らし、エリオの顔を見上げる。
 ――彼の顔を見ただけで、心臓が破裂しそうになる。ゆっくりと唇が近付いてくるのを、目を閉じて受け止める。
 触れ合う唇。ちゅく、と水音を立てて、舌が交わる。貪るように、舌に神経を集中させる。
 息苦しさを感じても、それすら心地良い。
「っん……くふ、ぅ……ちゅ……」
「あ、んぐっ……じゅる……ん、ぐ……」
 舌を絡め、唾液を交換する。その度に体の奥から拡がってくる劣情に、身震いする。
「はあっ……ぁ、ん……」
「ふうっ、ん、はぁ……」
 ――足りない。二人の身体は、そう訴えていた。
 口付けだけでは足りない。もっと深い所で繋がりたい、と本能が告げている。
「キャロっ……!」
「んあっ」
 エリオはその衝動に従うように、キャロの肩を掴む。キャロは驚きの声を上げるが、抵抗は無い。
「エリオ……くん……」
「……キャロ」
 不安そうにエリオを見るキャロの顔。それを見て、思わずエリオの理性のブレーキが働く。
 乱暴にしてはいけない。ゆっくりと、慎重に、優しく。
 暴発しそうになる心をぐっと抑えて、エリオは出来るだけ優しくキャロの服に手を――
「――大丈夫。私、自分で」
「え」
 エリオの手が止まる。す、とキャロが立ち上がり、エリオの手が離れる。
 衣擦れの音。幻想的な光景がエリオの眼前に広がる。
「――――」
「……ぁ……」
 言葉を失うとは、こういう事なのだろうとエリオは思った。
 月明かりに照らされて白く浮かび上がるキャロの裸体。
 フェイトやなのはと比べれば遥かに未成熟だが、エリオにはそれがとても美しいものに見えた。
「………エリオ、くん……どう、かな」
 キャロは顔を真っ赤にして呟く。そんな事を言われても、エリオにはこの言葉しか浮かばない。
「ああ、うん――すごく、綺麗だよ、キャロ……」
 伸ばした手でキャロに触れる。ぴく、と白い肌が反応して震える。柔らかな手触りが心地良く、思わず撫でる。
「んッ……」
 閉じられたキャロの口から、声が漏れる。それを見たエリオは、もう少し大きく撫でてみる。
「ふうっ……んっ……」
 切なげに震える声にエリオの鼓動が早まる。
 もっと触れてみたい。そう思い、今度は両手を使おうとする。
「……待って……エリオ君……」
 と、キャロから制止の声が掛かる。やり過ぎたか、とエリオは手を下げようとする――が、そのエリオの手を、キャロの手が掴んだ。
「こっちのほうが…………いい……」
 膝立ちになり、エリオと視線を合わせる。
 見つめ合った体勢のまま、キャロはエリオの手を、自分の双丘へと導いた。
「キャロ……それって」
「お願い……エリオ君……」
 言いかけたエリオの言葉を、懇願するような瞳で遮る。
 ――余計な事は考えないで。私を見て。私だけを、見て――
 濡れた瞳が語りかける。遠慮なんてしてほしくない。好きなように、してほしい。

「――んうっ!」
 エリオの手が動いた。僅かな膨らみを、撫でるようにゆっくりと揉む。その中心にある桜色の突起を指で挟み、擦る。
「あっ、はっ、ふああっ……!」
 高い声を上げて、キャロが鳴く。その刺激に耐えられずに、ベッドに尻餅をつく。
「キャロっ……」
「あ、んんっ、ふぅ、ンッ――」
 そのままエリオに押し倒されるようにベッドに沈む身体。唇を塞がれながら胸を愛撫され、身を捩る。
「――っ、はあっ……キャロ……どう、かな……?」
「あっ、ん……だいじょう、ぶ……もっとしても、いい、よっ……」
 キャロの言葉にエリオは頷く。一度手を止めると、今度は指でキャロの乳首を抓んだ。
「ひぅっ!」
 びくん、とキャロの体が大きく反る。それに驚いて手が止まったが、キャロの目が『平気……』と言っていたので、もう一度、優しく指先で捏ねた。
「ふああっ、あっ、んっ、あぁぁあんっ……!」
 可愛らしい声で喘ぐキャロを見て、エリオも自分で興奮しているのが分かる。全身の血が一箇所に集まっていく感覚。
 すぐにでも、深い所で繋がりたいという衝動に駆られるが、そこは踏み止まり、もう少しキャロを気持ちよくしてあげようと思った。
「キャロ、可愛いよ」
「ふぇ……あ、ありがとう……っ、んぅっ」
 慈しむように、キャロの体にキスの雨を降らせる。
 おでこから頬、首筋、鎖骨と啄ばみながら移動していき、最後には、すっかり勃起していた乳首を甘く噛むようにして、チュッと吸い上げる。
「んはぁぁあっ!」
 ――心なしか、甘さを感じた。舌先で転がすように舐める。
「ふあっ、やっ、んあっ、きゃぅっ……!」
 普段はあまり大声を上げないキャロが、こんなにも声を出すなんて。その事に感動を覚えながらも、エリオはキャロの匂いに酔う。
 胸を弄る度に立ち上る甘い香りに、頭が痺れる。
「やうっ、あっ、だめぇっ……! そ、そんなにされたらっ……!」
 キャロの腕が、エリオの頭を抱くように回される。
「そんな事言われても……ちゅっ……ん、離してくれないのはキャロじゃないか……んぐ」
「ふえっ……」
 エリオの言葉に、キャロが我に返ったような顔になる。そして、すぐに顔を真っ赤に染めた。
「あっ……えと、私……」
 慌てた様子のキャロ。そんな彼女の頭を、エリオは優しく撫でる。
「――大丈夫。ただ、キャロがすっごく可愛かったってだけだから」
「……ぁぅ……」
 笑顔でそんな事を言われたキャロは、頭から湯気を出さんばかりになっている。
「……エ……エリオ君!」
「あ、え?」
 と、突然キャロが意を決したように声を上げた。エリオは思わず吃驚してキャロを見る。
「わ、私だけ裸なのはずるいから……! ――その、あの…………エ、エリオ君も…………脱いで」
「――え」
「早くっ」
「えっ、あっ、は、はいっ!」
 キャロの剣幕に押され、エリオは自分の服に手を掛けた。ボタンを外す指先が、妙にもどかしく感じる。
「……あ」
 と、最後の下着の段階になって、エリオは自分の下半身がどういう状態になっているのかを思い出した。
 ――これだけは、見られるのが何故だか猛烈に恥ずかしい。
 しかし、キャロは自分で全て脱いでみせたのだ。ここで戸惑っているのは、キャロに対して失礼だ。観念して、下着を脱ぐ。
「…………うわぁ」
 完全に勃起している肉棒を見て、キャロは驚きと感動が混じったような声を上げる。エリオはキャロの視線を痛いくらい下半身に感じた。
「この前、一緒にお風呂に入った時と全然違うね」
「あ……う、うん(あの時はそんな余裕、全然無かったから……)」
 銭湯でのちょっとした触れ合いの時は、お互い恋愛感情とかそういうものは無くて、ただ仲の良い友達同士で一緒にお風呂に入る……というような感じだった。
 でも、今は違う。二人は今、男と女の関係で、こうして裸になっているのだ。――それを意識すると、なおさら体が熱くなってきた。
「じゃあ、今度は私の番だね」
「え……キャロ? それって」
 続きを言う前に、キャロの唇に塞がれる。一瞬の触れ合いの後、キャロは恥ずかしがりながら言う。

「……今度は、私がエリオ君を気持ちよくしてあげる番――だからね?」

 そんな表情で言われたら、エリオには逆らう事など出来はしなかった。

  *  *  *

「うあっ……くっ」
「ん、ちゅっ…………どう、かな? エリオ君……」
 女の子に押し倒されるのも、悪くないかも――などとよく分からない事を考えてしまうエリオ。二人は、先程までとは全く逆で、エリオがキャロの下になっている。
「ん――……やっぱり男の人だと、感じ方がちがうのかな……ちゅぅ……」
「あ、いや……そんな事は……ない、んじゃないかな……あぅ」
 キャロは熱心にエリオの乳首を舐めていた。曰く、『エリオ君がしつこく弄るからお返し』らしい。キャロの舌がエリオの胸板の上を這い回る。
 エリオはその舌の動きに、むず痒いような、くすぐったいような、気持ちいいような、色々とごちゃ混ぜになった感覚を得る。
(あー……でも、こういうのも悪くない、かも……)「うっ……」
 鋭敏になっていた乳首を舐められ、思わず声が漏れる。
「……あ。エリオ君、気持ちよかった?」
 などと笑顔で聞かれたら、首を縦に振るのは当然だろう。
「本当? 良かったぁ……」
 更にそんな安堵の顔を見せられた日には、エリオも我慢出来ない。キャロの手を掴み、ゆっくりとその場所へ導く。
「あ……あの。出来れば…………こっちも」
 手が触れて、『それ』が何なのか理解したキャロの顔が赤くなる。頼んだエリオ本人も、気恥ずかしい。
「あ、いや、嫌ならいいんだ。その、無理にやらせたくはないし……ははは……」
 自分で頼んでおいて何を言っているんだ、と自分に突っ込む。我ながらおかしな事を――そうエリオが思った矢先。
「……うん、分かった」
 コクン、と小さくキャロが頷いた。その仕草が可愛くて――また興奮してきたのか、ペニスがピクンと反応した。
「わっ」
 それを触っていたキャロが、驚きの声を上げる。そそり立つ異物を不思議そうに見つめ、指で先端に触る。
「うっ」
「あ、エ、エリオ君、大丈夫?」
「う、うん、大丈夫……ここって、男の一番敏感な部分だから……」
「そうみたいだね。さっきのエリオ君の声、可愛かったから」
「え……そうだった?」
「うん、こうすると……」
 きゅっ、とキャロの手がペニスを柔らかく握る。
「うあっ……」
 堪らずに、声を上げる。そんなエリオの反応が面白いのか、キャロは積極的にペニスを弄り始める。
「男の人のって不思議だね……こんなに熱くて、硬くなってる……」
「あっつ……キャロっ……」
「……あ、何か出てきた……」
 ぴくぴくと震える亀頭の先端から、粘液が滲み出す。その量は弄る度に徐々に増していき、ペニスとそれを弄るキャロの手を濡らしていった。
「うああっ……キャロ、それっ……」
「すごいよエリオ君、もうぬるぬるだよ……」
 ペニスを弄くるのに夢中になっているキャロ。いつの間にか陶然とした瞳で、それを見ていた。
「ん……こんなに、濡れちゃった……はぁ」
 ぺろ、と舌を出して手に付いた露を舐め取る。……その仕草さえ、どこか扇情的に見える。
「……じゃあ、エリオ君のも……きれいにしてあげるね」
「え――」
 エリオがその言葉の意味を理解する前に――キャロの唇がエリオのペニスを咥えていた。

「うあぁっ……!」
 背筋から何かが這い上がってくるような感覚に、エリオは声を上げた。キャロの口内に呑み込まれたペニスが、ビクンと震える。
「ん……ふぅ……エリオくん……うごかさないで……」
 キャロの手がペニスの根元を押さえる。二つの刺激に、エリオは呻く。
「あっつ……キャロ、そんな事まで、しなくてもいいのに……っ」
「ぇ……? 最初にして欲しいって言ったのは、エリオ君だよ……? だから、最後まで、するの……」
 エリオの訴えを却下すると、キャロは再びペニスを咥える。溢れ出る粘液を舌で掬い取り、呑み込む。ぴちゃぴちゃと音を立て、肉茎を舐め取る。
「んぐ、ふ、ちゅぅ……ん、あふぅ……」
「ああっ……キャロ、す、すごいっ……」
 ペニスを為すがままにされ、悶えるエリオ。今まで経験した事の無い快感が、身体を駆け巡っていく。
「ふぁ……ん、ちゅるっ……じゅるぅ……ン――」
「く、あっ、いっ、ああっ、うあぁあっ」
 自分でも情けない声を出していると思う。しかし、湧き上がる快感を止める事は出来ない。腰が勝手に動いて、ペニスをキャロの口内の奥に突き入れていく。
「んぐうっ……! ん、ぐ、うんっ、くふっ……!」
 それでもキャロは、エリオのペニスを受け止めていた。それを離すまいと、キュッと唇を窄めて吸う。
「あ、くうっ……! 駄目だ、これ以上はっ、キャロっ……!」
 エリオは自身の限界を悟った。が、離そうにもキャロは離れてはくれない。
「ふぐぅっ、んっ、むっ、じゅぷっ……!」
 そんな時に口でピストン運動をされたら、ひとたまりも無い――
「あっ、くっ、うあぁあぁぁあぁぁああっっ――――――!!」
 どくっ、びゅっ、びゅるぅっ……!!
「んぐ、うぅうぅううぅぅぅっっ…………!!」
 ペニスが盛大に弾けた。先端から精液が迸り、喉の奥を叩く。白濁が口内を蹂躙し、満たす。その勢いに、思わず唇を離した後も噴出は続き、キャロの顔を胸元を白く汚した。
「う、げほっ、ごほっ、ん、んんっ……」
 咳き込むと、手の平にどろりとした白濁が溜まり、その残滓が唇から垂れる。その光景を、エリオは呆然と見上げていた。
「キャ、キャロ……大丈夫……?」
「……うん」
 エリオの問いにキャロが答える。が、その瞳は呆けたままだった。
「いっぱい出たね……エリオくん……」
「う、うん……その、ごめん……」
 謝るエリオ。しかし、キャロはその事はまるで気にしていないようだった。
「変な味……でも、これがエリオくんの、味なんだね……ん……」
 そう言うとキャロは、ずず、と手の平に溜まった精液を啜る。エリオが驚く中、飛び散った白濁を、ぴちゃぴちゃと丁寧に舐め取ってゆく。
「……ごちそうさま」
 息を吐き、力を抜く。そのまま、ゆっくりとエリオに覆い被さる。
「キャ、キャロ……」
「……まだ、出るよね?」
 そう囁き、キャロはエリオのペニスを握った。一度達したにも関わらず、エリオのそれは未だに猛々しくなっている。
「……ちょうだい、エリオくん。私の一番深い所に、エリオくんの熱いのを……」
「ぇ……」
「その代わり、私の全部をエリオくんに、あげる――――」
 そこまで言って、キャロはエリオに口付ける。舌を絡ませ、火照った身体を擦り付ける。しっとりとした肌の感触と、仄かに色づく女の香り――そして、しっとりと濡れた秘密の花園。
 それを感じたエリオは、しっかりとキャロの身体を抱きしめる。
 キャロと目が合う。もう一度唇を重ねる。
 止める者は誰も居ない。誰にも止めさせない。この日この時、二人は一つになるのだから。

  *  *  *

「ふあぁあぁぁっ……!!」
 指で触れたキャロの秘唇は、既にぐっしょりと濡れていた。軽くなぞるだけで甘い声を上げるキャロ。
 その声をもっと聞きたくて、エリオは指を動かす。
「やあっ、んうっ、あふっ、あぁぁんっ!」
 くちゅくちゅと音を立てて、幼い秘裂をかき回す。とろとろと溢れ出した蜜が、指とシーツを濡らしてゆく。荒い息を吐くキャロの唇を塞ぎ、舌を絡める。
 びくびくと震える身体を抱きしめ、そそり立ったペニスを腹に押し付ける。
 零れた先汁で、ぬるりと滑るペニスが、その幼い身体を貫きたいという欲望を語っていた。
「キャロっ……僕、もう……」
 エリオが目で訴える。キャロが欲しいと。
「うん……大丈夫、だよ……来て……エリオくん……」
 キャロが応えるように足を開く。自分の全てを曝け出し、全てを委ねる。愛蜜で満たされた秘洞が、ソレを望んでいる。
「……いく、よ」
 エリオは深呼吸をして、ゆっくりと慎重に、キャロの入口にペニスを宛がう。ちゅ、とキスをした時のような音がした。
「んっ」
 壊れ物を扱うように――そっと、中に挿れていく。
「くっ……あっ……」
 まだ先端が挿入っただけなのに、苦しそうな声を上げるキャロ。エリオは慌てて腰の動きを止め、キャロの頭を撫でる。
「大丈夫……? 苦しいなら、無理しないで……」
「う……ん……ちょっと、びっくりしただけ……エリオくんが挿入ってきてるんだなぁ……って思ったから……」
「……そうだね。僕が、キャロと一つになろうとしてる」
「うん……だから、止めないで……」
 そう言って、キャロは微笑んでみせる。エリオはその頭をもう一度撫でると、更に腰を進める。
 ずっ……ずっ……
「んくっ……うぅっ……」
 キャロの顔が僅かに歪む。しかしもう、キャロの肉襞にぎゅうぎゅうとペニスを締め付けられているエリオにとっては、もう退く事は出来ない快感だった。
 ゆっくりとペニスを沈めてゆく。キャロの中はぬるぬるとしているのに、痛いくらいに締め付けてくる。まるで別の生き物のようだった。
 ――と、ある程度進めた所で、侵入を何かに遮られた。これが、少女の最後の砦。
「――キャロ。いいかい……?」
 真剣な眼差しで、エリオはキャロを見つめる。交差する視線。どれくらい経ったのか分からないくらい、時間の感覚があやふやになる。
 しかし、彼女は決めている。自分の全てを捧げる騎士を。目の前に居る赤毛の少年に、何もかもを委ねる事を。だから――

「――――うん。エリオ君、来て……!」

 両腕を広げ、エリオの背中に手を回す。目一杯の笑顔で、彼を迎え入れる。
 エリオはその笑顔に応える。ぐっ、と力を入れて、腰を一気に進める。

 ずっ……

「――――――っぁあぁぁあぁあぁぁあぁぁぁっっっっ………………!!!!」
 何かが裂けるような音が、キャロの頭の中に響いた。彼女の全てを貫いた騎士の槍が、彼女の全てを満たしてゆく。
 痛みと共に広がる充足感に、キャロは涙を零した。
「っつあっ……! は、挿入ったよ、キャロっ……」
「ぁつっ……う、ん……エリオくんが、私のなかに、はいってる、ぅ……」
 互いをきつく抱きしめ合い、一つになった悦びを確かめ合う。結合部から滴った赤い雫がその証となる。
「……痛かったよね、ごめんね……上手く出来なくて」
「そんな事無いよ……私、とっても嬉しい……」
 それから二人は長い間抱きしめ合っていた。繋がった部分から強く感じる、火傷しそうなくらいの互いの熱。
 それが心地良くて、動く事を躊躇っていた。
「すごい……エリオくんの、とっても熱いよ……」
「う、うん……キャロの中も熱くて、締め付けてくる……」
 キャロの膣内で脈打つペニス。まるでもう一つ心臓があるかのように感じる。その胸を幸福で満たしながら、二人は啄ばむようなキスを繰り返した。
「キャロ……動いても、いいかな」
「……うん。まだ少し痛いけど、大丈夫だよ」
 エリオの問いに、キャロが微笑みで答える。エリオはその綺麗な瞳の端に流れた涙の跡を拭うと、ゆっくりと腰を引いた。
「っん……」
「あくっ……」
 ず、と肉同士が擦れ合う。それだけで、エリオの体に快感が奔る。
 もっと早く動かしたいという衝動に駆られるエリオだったが、それを抑え込んで、慎重にペニスを引き抜いてゆく。
「くうっ……うっ……っはあっ……」
「あっ、ふうっ……――あぅんっ……!」
 半分以上抜いた所で、もう一度突き込む。キャロの体が跳ね、ぎちり、と膣が締め付ける。気を抜くと、すぐにでも達してしまいそうな程だ。
「あっ、ああっ、ひぅっ、んっ、ふぁあっ」
 エリオのペニスが出入りする度に、キャロが声を上げる。最初は苦しそうな喘ぎだったが、それが段々と甘さが混じってくるように聞こえた。
「キャロ、もしかして感じてきてる?」
「あっ……う、ん……さっきよりも、全然良くなってるよ……エリオくぅ、んっ……!」
 きゅうぅ、と肉襞が蠢き、ペニスを柔らかく締め上げた。膣内も、ついさっきよりも濡れてきているのを感じる。
「……それじゃあ、もう少し」
 キャロが慣れてきた事が解ったエリオは、腰の動きを早めてみた。じゅっ、ずっ、と粘液が擦れる音が聞こえてくる。
「ぅあっ、ああんっ! エリオくんっ、いきなり、はげしいよおっ……!」
「っご、ごめん……ちょっと我慢出来なくて」
「あふぅっ……! あっ、でも、すごいぃ……エリオくんのが、ずんずん、って私を貫いてっ……んんうっ!!」
 嬌声を上げ、身を捩るキャロ。その動きが膣の蠕動に加わり、エリオを責める。
「あっ、くっ……! これ、以上はマズっ……!」
 こみ上げる射精感に、エリオは腰を引く。ずるりとペニスが引き抜かれる。
「うああぁぁっっ……!!」
 その瞬間、ペニスから白濁液が噴出する。勢い良く放出された精液は、キャロの身体の上に飛び散って、その肌を白く汚した。
「ふうっ……あっ……ごめん、キャロ……また……」
「んぁ……また、いっぱい出したね……?」
 腹の上に撒き散らされた精液を、掬い取って舐めるキャロ。その仕草がひどく淫猥なものに見えて、エリオの股間は敏感に反応する。
「……すごい。エリオ君、まだ元気なんだ」
「――う」
 キャロに指摘され、エリオは自分の息子の節操の無さに赤面する。
「――――それじゃあ、もっと出来るね?」
「う……え?」
 キャロの目が、妖しく揺れる。
「私まだ、足りないの……もっと、もっとエリオ君を感じさせて……? 私をもっと、エリオ君でいっぱいにして欲しいの……」
 艶を含んだ、キャロのおねだり。今のエリオには回避する方法も逆らう方法も無い――否、元より避けるつもりも逆らうつもりも無い。
 エリオは再び大きくなった息子を握り締め、未だ破瓜の血が残る割れ目に宛がった。



  *  *  *

「くあっ、あっ、あぁっ、あぁああんっ!!」
 ベッドの上で、キャロの肢体が踊る。破瓜の痛みが消えていった後に残るのは、大きな快感。
 エリオが腰を打ち付ける度に、じゅぷじゅぷと音を立てて愛液が溢れ出してくる。
「くっ、うっ、キャロっ、キャロぉ……!」
 エリオはキャロの名を呼びながら、その腕でキャロを抱き寄せる。そしてキスを繰り返しながら、手で胸を愛撫する。
「ふうっっ……! ん、ちゅっ、ふあ、あっっ……! そんなにされたら、わたしぃ……っっ!!」
 ぎゅぅう、と膣が痙攣する。
「ふあぁぁぁぁあぁぁぁぁあ!!」
 激しく貫かれ、キャロは達する。しかし、それでもまだ足りないと、キャロの身体は訴えていた。
「エリオくんっ……もっと、もっとちょうだい……? 私、まだ、まだぁ……」
「わかってるよ、キャロ」
 おねだりをするキャロの額に口付けをすると、エリオは更に深く腰を突き入れる。
「ひあゃぁぁああぁっっっ!!!!」
 その衝撃に、キャロは悲鳴にも似た喘ぎを上げる。エリオの体にしっかりとしがみ付きならがら、ぶるぶると震えた。
「すご、い、ひぃ……エリオくんの、いちばん、おくまできてるよぉ……」
「うん……分かるよ。キャロの一番奥に、僕のが当たってる……」
「うごいて……いっしょに、きもちよくなろ……?」
「……うん」
 キャロの言葉に頷くと、エリオは腰を動かす。ペニスを離すまいと絡みつく肉襞の感触が、エリオを刺激する。
 ずるっ……じゅぷっ…………ずるうっ…………じゅぷうぅ…………
「ああっ――……は、あぁっ――」
「んっ……うっ……」
 ゆっくりとしたペースで、膣内をかき混ぜるような動きで、挿入を繰り返す。深く突き挿れ、こそぐように引き戻す。
 その快感は、大波が来る前の大きな引潮にも似ていた。
「――キャロ……出す、よ」
 耳元でエリオが囁く。その意味を理解したキャロは、無言で頷いた。
「んっ――……っ、はぁっ……!」
「くぅうっ、んっ……!」
 どくっ……! どく、どくん……
 吐き出された白濁が、キャロの中を満たす。最奥で注ぎ込まれた精液は、命の揺りかごの中へと出発していった。
「はあぁっ……熱いぃ…………私、エリオくんでいっぱいになっちゃったね……」
「……うん。僕が、そうしたかったから」
「いいよ……私も、して欲しかった」
「キャロ……」
「エリオ君……」
 近付く唇。深く繋がったまま、もう何度目か分からないキス。それでも、二人は飽きる事無く互いを求める。
「ふぅっ、んっ、くふっ、はうぅっ」
「は、はあっ、んうっ、くぅ……」
 結合部から、とろとろと白濁液が漏れている。ペニスを引き抜くと、すっかり開いた秘洞から、ごぽりと溢れ出す。
「ふあっ……エリオ、くぅん……」
「キャロ……大好きだよ」
「私、も……」
 何度も、何度でも繰り返す言葉。それだけでは足りないから、交わす体。

 静寂に包まれた夜。月光に照らされた部屋の中で、二人は何度も交じり合い、愛し合った――



  *  *  *

「…………ン――…………」
 瞼を焼く白い光。その眩しさに目を開ける。
「……ぅ」
 起き上がろうとしたエリオは、体に重さを感じた。
「すぅ……すぅ……」
 横を見ると、彼に抱きついたまま眠っているキャロの姿があった。
「…………」
 眠い頭を振って、昨日の事を思い出す。
 ――あれから二人は何度も体を重ね、そのまま気絶するように眠りについていた。
 体中に残るキスの跡と、互いの温もり、匂い。
「……お風呂、入らなきゃ」
 それから、汗やその他もろもろの体液。特にキャロは、エリオの精液が体中にこびり付いている。
「はは、は……」
 少しやりすぎたかな――などと思ったエリオだったが、次の瞬間、ある事を思い出した。
「うわ、今日の訓練……!」
 慌てて時計を見る。と、そこに書き置きがあるのを見つけた。

『ライトニングの二人は今日はお休みです。スターズの二人には適当に誤魔化しておくので安心してね  高町なのは』

「……なのはさん」
 エリオは、なのはの心遣いに頭を下げる。……いつの間にか部屋に入っていたという事実には気付かない振りをしておく。

「…………ん……ぅ…………」
 もぞもぞと、キャロが身を捩る。
「おはよう、キャロ」
「…………ふぇ…………えりおくん……おはよう…………」
 ゆっくりと、キャロが体を起こす。が、意識の方はまだ起きていない様子だった。
「今日は、訓練お休みだって。だから、もう少し眠ってても大丈夫だよ」
「ん――……起きる」
 エリオはそう言ったが、しかしキャロはその提案には頷かず、エリオに寄り添ってきた。
「え、キャ、キャロ……?」
 キャロの行動に、エリオは驚く。
「……だって、起きてたほうが、エリオ君と一緒に居られるもん」
「う……」
 もの凄く照れるエリオ。何だか自分はこの先ずっとキャロには敵わないような気がしてきた。
「ぇへへ……」
 と、キャロも赤面している事に気付く。言った自分も恥ずかしいようだった。
「――僕も、嬉しいよ」
「え……?」
 キャロの頭を撫で、微笑む。
「キャロと一緒に居られるから、ね」
「エリオ、くん……――――うんっ!」

 キャロの笑顔。
 エリオにはそれがとても眩しくて――必ず彼女を護れる騎士になろう――エリオはそう心に誓うと、キャロを抱き寄せ――優しい口付けを、交わした。


  了

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目次:My Dear
著者:20スレ303

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