ナイーツ・4

初出スレ:男主第三章36〜

属性:男騎士と生意気な見習い女騎士




腕の中のマシュリの体はとても柔らかく、しなやかに身をくねらせる姿は正に子猫のようだった。
この気位の高い性悪猫に、頭のてっぺんから爪先までみっちりお仕置きをせねばならない。
(ええい、このっ、ぽわぽわしおって!)
シスレイは支配欲に身を委ね、マシュリのプラチナブロンドに顔を埋めた。
ペルシャ猫に似たもふもふワッフルの白い髪。
こうして頭を突っ込めば、綿菓子に包まれているようで非常に心地良かった。
スウと思い切り香りを嗅ぐと、甘いシャボンが胸一杯に広がる。
「子どもの匂いだな」
香水や化粧品のそれとは程遠い愛らしい香りに苦笑すると、マシュリは赤くなって身をよじった。
「イヤ…恥ずかしから嗅いじゃやだ…」
逃げようともがくマシュリをシスレイはやや意地悪く抱いて拘束する。
「敬語は?」
「…イヤ…デス…」
マシュリは屈伏し渋々従う。
重い二重の目元が紅く染まり、潤んだ眼差しは悔しさを滲ませている。
(うむ、なかなか…)

シスレイの胸にえもいえぬ快楽が広がった。
なるほど、これが意地悪をする悦びなのか。
いつも自分をからかって遊ぶ団長の気持ちが今なら解る。
相手を思いのままに翻弄するのはひどく心地よい。

そして、相手が普段自分に反抗的な人物であるほど、快楽は比例して跳ね上がる。

ご満悦なシスレイは、マシュリの顎を持ち顔を寄せた。
額同士をゴツッとくっつけ、わざと怖い顔で睨んでやる。
「まったく。お前はそんなモサモサした頭をして。騎士なら髪を縛るか切るかしろ」
「だって…」
「口ごたえするな、見習い」
ムスーッと不機嫌になったマシュリがさらに何か言う前に、その小さな唇をシスレイは自らの唇で塞いだ。
ちうっ…
「っ!」
マシュリは驚いたように目を丸くした。
普段眠そうな目をしているが、こんな時はさすがに驚くのかと微笑ましい。
シスレイは口角を笑んだ形に上げて、そのままマシュリの唇を強く吸った。
「っ…むっうぅ」
プリッと弾力のあるグミのようなリップが、男の口に痛いくらいに吸い付かれ、赤みを増す。
シスレイがようやく口を離してやると、マシュリはぷはっと苦しそうに息をした。
「はぁ…は…」
荒い息のマシュリを仰向けに寝かせ、自分は膝を立てて少し身を引いた。
このほうがよく見下ろせる。
「良い子にしていないと優しくしてやらん」
言いながら左手をマシュリの口に伸ばし、人差し指と中指を割り込ませる。
「うっ?あ…ぐっ」
閉じた口を二本の指でこじ開けた。
細かい歯列の感触が指にくすぐったい。
びっくりしたマシュリは口を閉じようと食いしばるが、指の力が勝り口は上下に割かれる。
うにゃー…
小さな口が無防備にあーんと開いた。
「あ、お前キバ生えてるな」
赤い口の中小さな白い歯が形良く並んでいるが、二本の糸切り歯は大きく尖って目立つ。
口中を覗いてからかうシスレイに、ハフハフと言葉にならない声を上げマシュリは解放を訴えた。
しかし、マシュリの両手は体の横でシーツを強く掴むばかりで、シスレイに本気の抵抗ができないでいる。
(本気で抱かれに来たんだな…。まあ、抵抗がないなら都合がいい)
シスレイはやや黒く笑う。
口を開かせた指はそのままに、素早く覆い被さりそこに舌を滑り込ませた。
スルリと熱い舌に侵入され、マシュリはピクピク身を震わせる。
猫のように細くて長いマシュリの舌が、急に攻め入った熱の固まりから逃げるように奥に縮まる。
しかしシスレイの大人の下はそれを捕らえてニュルリと巻き込み、更にピチャピチャと音を立てて味わい出した。
「ふにゃっ…れう、はぐぅ」
開いたままの口からは、中で絡まる舌の音も籠らずに響いた。

マシュリは初めて味わう舌の愛撫に夢中になったのか、両手をシーツから離し、シスレイの首に抱き付いた。
差し入れた二本の指も、舌と唾液で蜜を這わせたように濡れた。
(もういい、か)
シスレイは深くキスをしたまま指を引き抜くと、それをマシュリの下半身へと向かわせた。
シスレイの動きにハッと息を飲み、マシュリはキスを止めた。唇を閉じて舌を拒む。
「…隊ちょ…ぅ…」
「ああ、処女膜をくれるんだろう?受け取ってやる」
マシュリの太ももの間、濡れた指が先ほど晒された花びらをいじる。
「ふあ、あっあ!…んにゃっ」
つつかれ、くすぐられ、たまらずにマシュリは鳴いた。
「なんだだらしない。そんなに声を出して」
「やん、嫌っ。だってっ…」
「だって?」
シスレイはマシュリの小っちゃな突起をクチクチと転がした。
「ひゃあぁっあぁ」
体の中心から痺れが走り、マシュリはビンと両足を突っ張らせた。
シーツに広がる自分の髪の上で顔を嫌々と振り、目尻で光る涙がポロリと溢れた。
甘い刺激と、排泄欲に似たムズムズする感覚でソコが高まってゆく。
敏感さを増す割れ目は、指の動きに翻弄された。
反応を楽しみ、シスレイはマシュリの乳房に頬擦りする。
頬でベビーピンクの乳首を押し潰したり、鼻先で撫でるとその小粒は直ぐに固くなった。
(こいつ基本的にビンカンだな)
シスレイは二つのピンクを交互に口に含んだ。
その間も指の動きと、マシュリの悲鳴は止まらない。
こちょこちょ
…くちゅ
子猫の喉を触るように優しく指でいじり続けられ、マシュリは我を忘れて身をくねらせる。
「きゃっうっ…もう、隊長、ねぇっ…!」
マシュリの女の子の部分が本能で男を求め、もう我慢が出来ない。
必死でシスレイを求めて足をバタつかせる。
しかしシスレイは簡単にはご褒美をやらない。それでは躾にならないのだ。
「そうだな、お前がこれから先、永遠に上官に逆らわないって誓えたら入れてやる」
「誓う…っ」
涙がマシュリの頬を汚す。
いつもの生意気猫の顔じゃない。ぐすぐすと泣いてお願いする情けない顔。
「敬語は?」
ニヤリと笑うシスレイに、マシュリは泣いて叫んだ。
「チカイマス!」
「よし…、今入れてやる」
指を離すと、両手でマシュリの膝を掴み左右に開く。
ぷりっと開かれる桃のお尻。
はしたない入口から溢れる愛液と、塗り込まれた二人の唾液。
マシュリは不安そうに小首を傾げた。

眠そうな二重の目が、じーっとシスレイにすがるように向けられている。
(か…)
シスレイの胸が、その視線にキュンとうずいた。
(可愛い…!)
それは従順で、可愛くて、正に自分の理想とする部下の瞳だった。
調教は成功だ!
シスレイは晴れやかな気持ちでマシュリの花に自らを添える。
そして、一気に太いご褒美を突き刺した。
「いっ…にゃああぁあぁっあぁうっ!!」
きゅうきゅうにキツい処女の蜜壷を男の槍が割った。
大きな物を飲み込んだ衝撃と膜を失う痛みに悲鳴を上げ、マシュリは全身を弓なりに反らせる。
秘密の通り道をニュルルッと滑って突き進んで来る堅い熱。
ニュルッ。
柔らかな壁を力強く開いて奥へ。
ニュルルッ。
一番奥まで。
ニュッ。
収まった。

ニヤリ

涙に濡れたマシュリの目が、チェシャ猫が嘲笑うようにニィと細まる。
「馬ぁ鹿」
唾液と吐息の奥から、マシュリは勝ち誇った声を上げた。
「はい?」
耳を疑ってキョトンと動きを止めるシスレイの腰に、マシュリの両足が固く絡み付く。
マシュリはスゥッと息を吸い、全力で叫んだ。

「きゃあああああーー!!誰か助けてぇ〜っ!!!」

深夜の宿舎を電撃のように走る乙女の悲鳴。

シスレイは自らの置かれた状況を理解し、全身の肌を粟立たせた。
は め ら れ た !!!
「誰か助けてぇ!!隊長、シスレイ隊長が私を襲っていますううう!!」
「うわあ黙れ!ちょっ足離せ!」
「誰か早く来てーー!!」
血相を変えたシスレイが引き剥がしにかかるが、マシュリはシスレイを決して抜かせない。
ベッドの上でドッタンバッタン暴れている内にも、廊下を走る大勢の足音が津波のように迫まって来た。
ドンドン!
外から扉を叩くその音に、シスレイはギクゥと飛び上がった。
腰にくっついているマシュリもつられて飛んで「みゃっ」と振動に声を上げる。

「おい!シスレイ何をしてる!ここを開けろ」
この怒鳴り声は左隣の部屋の女騎士隊長。
「いいから蹴り開けよう」
「よし、私が斧で扉を破る!」
「任せた。ほら、お前ら下がれ下がれ。そんなに集まっていたら危ないぞ」
右隣もお向かいも、その他も大勢お越しのようだ。
正義に生きる騎士達が、女性の危機を見逃すはずはない。
絶句して固まるシスレイの胸にもふもふの毛を擦り付けて、マシュリは赤い舌をチロリと出した。

「やってくれるわね…」
部屋の外。人混みの後ろでラランス団長もまた笑った。
狐を思わせる美貌が、心から楽しそうに微笑む。

女という生き物は、どこまでも甘く、どこまでも性悪である。
スイートな姿に騙されることなかれ。

おわり




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2009年01月03日(土) 15:00:44 Modified by ID:mocxSkAe1g




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