姫パンツ(後編)

初出スレ:【従者】 主従でエロ小説 第七章 【お嬢様】
属性:生意気お子様姫様と騎士。ラブコメ
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「………馬鹿騎士…っ」
小さくそう呟かれる。
驚いて見下ろすと、濡れた髪の毛がグチャグチャで、スリップも透け透けのずぶ濡れの姫様が、騎士の胸に顔を埋めるようにしていた。
胸板に震える姫様の髪が当たってくすぐったい。そう、姫様は震えている。
「……馬鹿っ…騎士っ……、…怖かっ…た……っ」
小さくしゃくりあげる、不規則な息づかい。
姫様は、泣いていた。
騎士の胸から喉までを切り裂くような痛みが走る。
「姫様!も、申し訳ありませんっ!!申し訳ありません…っ!!」
思い切り抱き締めて、すぐさま湖から上がった。
用意していた清潔な布でその身を包んで、まとめ髪もほどいてそれも包む。そして、布ごと姫様の小さな体を搔き抱いた。
「お怖かったですか……。自分の、自分のせいで、なんとお詫びしたらよいか……」
姫様は拳で騎士の胸板を何度も殴るが、泣き止んではくれなかった。
「…ひっ……ぅっ……騎士のっ分際でっ……わ、私っ、お…溺れるかと……思っ……!」
たかが2秒では溺れられません。でもそんな問題ではない。姫様にとってあの2秒は何分にも感じられるほど長く、恐怖だったのだ。
「わたっ…し、もうっ……湖っ…ヤダ」
「はいっ!もう湖はやめましょう!」
「ぅ、船っもっ……海も…っ、ひっく…ヤダッ…!」
「はいっ!もう船もやめましょう!自分が壊しておきます!海も、自分が討ち滅ぼします!!」
自分が何を口走っているのか分からなっている騎士、母なる海に対しての謎の宣戦布告。

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とにかく、姫様を泣き止ませたいのだ。
まさか姫君がこんな風に泣いてしまうなんて思っていなくて、何をどうすれば善処となるのか分からなかった。
「そのっ……どうすれば泣き止んでいただけますか?自分に出来ることなら、いえ、出来ないことでも何でも致します…!」
凛々しい眉を下げ、困り果てて姫様に尋ねてしまう始末だ。
姫様はスンスンとグズっていたが、やがて目元を赤くした顔で少しだけ騎士の顔を見上げてきた。
不敬だとは重々承知だが、腕の中、瞳を濡らして上目遣いをしてくる可憐な様子に腰がズンと疼いた。
姫様は拗ねたように唇を尖らせて、「……じゃあ、キスしなさい」と小声で言った。
キス。
一度だけ、騎士が寝たふりをしていた時に姫様から受けたことのある行為。
一介の騎士である自分が姫君の唇に口を付けるなど、当然やってはならぬことで、でも大好きなお方を泣き止ませたくて。
騎士はもう一度姫様を横抱きに抱え上げると、その花びらのような甘い唇に自らの唇を重ねた。
ちゅっと軽く吸うと、姫様の口が何かをねだるように開かれる。
騎士はそこへ誘われるまま舌を挿れた。ゼリーのように柔らかな姫様の舌と絡めあい、その愛らしい歯列を舐め、上顎を舌先でくすぐり、口内をむさぼるように愛した。
姫様の熱く湿った吐息がたまに唇の隙間から漏れる。それすらも吸い尽くしてしまうように深い深いキスをする。
やがて、姫様に頬をペチペチ叩かれて、口を離した。名残惜しそうに唾液の線が互いの口から微かに伸びる。
「ぷはっ……はぁ…陸地でも溺れされる気か」
顔を染め、そんな憎まれ口を叩く姫様の目は濡れていたが、もう泣いていなかった。
「申し訳ありません。姫様があまりに可愛らしくて…」
またもや心の感想がそのまま口から飛び出てしまったが、ビンタはなかった。
そのかわり、騎士の首に姫様の腕が絡みつく。頭を抱き寄せられて、もう一度深くキスをしたーーー

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ーーー布を脱いだ姫様はまだ水を御身から滴らせたまま、少し離れた位置の木の幹に両手をついた。
そして、背後に立つ騎士に向け、そのプリンとしたお尻を突き出す格好になる。
超ローライズの小さなパンツは姫様の秘所を辛うじて覆うだけで、しかも布地がびしょ濡れだからその割れ目も丸見えだった。
騎士は茹だったように真っ赤になりながら、そのハレンチ極まりない光景に視線を釘付けにしていた。
姫様のこの姿勢は当然、誘っている。
(ま、まさか、バックで…とは)
姫様を後ろから、なんて初体験。
でも、姫様がバックを選んだ理由は分かる。泣き止みはしたが、まだ目元も鼻の頭も赤いままだ。
気位の高いお姫様は、そんな顔を普段顎でこき使っている騎士に見られたくなくて、それで背後からを選択されたのだ。
騎士としては、やはり姫様と向き合って、愛らしいお顔やお胸をしっかり拝見しながらいたしたいのだが、初バックという新たなる世界は魅力的だ。
「馬鹿騎士…早くしなさいよ」
絶対遵守の命をこんな風に下されれば、従う他はない。
騎士はズボンから既に硬く昂ぶっているものを抜き出すと、姫様の腰に体を寄せた。
濡れたスリップの貼り付いた背中から胸までを両手で包むように優しく撫でて、抱き締める。
くすぐったがりの姫君は小さく悲鳴をあげるが、そのまま上半身をゆったりと撫で続けた。
姫様の身も、そのパンツもぬるい水で濡れている。
でも、水で濡れているだけではいけないのだ。
姫様自身から甘い蜜が溢れて、濡れて、びしょびしょになってくれなければ意味がない。これは、愛を交わす行為なのだから。
今すぐに姫様のパンツを破り捨てて己の昂りを突き立てたいと、暴力的な本能が騎士の腹を炙る。しかし、本能よりもずっとずっと姫様が大切だった。

9
痛みなど与えたくない。
もう二度と怖がらせたくない。
「ぁあっ…ンッ」
騎士の片手で乳首を摘まれて姫様が敏感に声を上げる。
もう片手は下部に降り、姫様の幼い割れ目を濡れたパンツ越しに上下に指で擦っている。
やがて、その割れ目はじわりと温いぬかるみを溢れさせた。
「やっ……ぁっ!う…ぅっ…あぁ!」
姫様から上がる可愛らしい声が大きくなる。
布越しの愛撫は少し焦ったくて、甘やかで、姫様の体の芯をじわじわと蕩かせてゆく。
水とは違う粘液を己の指にしっかりと感じ、騎士はようやく姫様のローライズのパンツを引き下ろした。
晒された割れ目は桃色で、淡い色のうぶ毛がわずかに見えるだけ。幾度もそこに騎士を受け入れたことがあるとは思えないほどに初々しい。
花弁を割り開いて濡れたそこへ指を押し入れる。
その中もやはり初々しく、指を跳ね返すようなプリプリとした感触がある。それを指に楽しみながら、丹念にそこをほぐす。
そして、もう耐えることも限界だった騎士はそこへ自身を当て、腰を深く押し込んだ。
一際可憐な悲鳴が湖に響いた。
背を弓なりに反らせた姫様の、桜貝のような爪が木の幹に突き立てられる。
キツくて熱い、びしょびしょに濡れている姫様の秘所。
挿れる度、姫様への愛おしさが増すのは何故なのだろうと、熱に浮かれた頭で騎士はぼんやりと思った。
愛しい。愛しい。愛しい。
それだけを胸に繰り返しながら、騎士は姫様に己を打ち込み続けた。
「はぁっ…!んっ!や……っ!」

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いつもと違う角度で深く杭を差し込まれ、浅く抜かれ、また深く押し込まれ、姫様は泣いて木の幹に縋り付く。
壊されてしまうかと思うほどの甘い快楽の渦が、姫様を泣かせている。
快楽の涙。
その涙には、騎士に向けた愛おしさも含まれているだろうか。
そんな願いにも似た思いが、行為に没頭する騎士の頭をちらりと掠め、熱に溶けて消えたーーー


その後、騎士は濡れたズボンに制服、姫様は普通にドレスを纏って馬に再び乗ったのだが……。
「…パンツ…乾きませんでしたね……」
「うるさい。こうしてれば乾くんじゃないの?」
馬の手綱に、何かの旗のようにパンツを結われてしまった。
ヒラヒラと風に揺れる小さなパンツ。確かにこれなら、城に帰る前には乾くだろう。しかし、なんとお間抜けなーー
許せ、愛馬よ。


おしまい
2019年09月10日(火) 07:43:27 Modified by ID:0Yc35ZP2rQ




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