無題

初出スレ:三章266〜267

属性:ふたなり




 「挿れますよ」と、悠愛の声がかかる。

 ううっ、緊張する。
 挿れられるのは、初めてだったからだ。
 
 僕付きのメイド悠愛は、ちょっと訳がある人で普通の人とは少し違っていた。
 半陰陽というのか、両性のモノを持つ人で、所謂「ふたなり」の女性だ。
 両性の特徴があるとは言うものの、基本形は女性だと思う。
 こんなにも美人なのだから……

 白皙の肌に、憂いを含んだような男好きのする切れ長の眼。
 背格好はモデルの様で僕よりやや高い。
 胸部はとても女性的で豊かで柔らかな丸みを有している。
 悠愛が専属メイドに決まった当初、こんな美人が僕付きになると舞い上がったものだ。

 僕の家は低い家柄な訳ではないが、所詮新興台頭層でしかなくせいぜい中流の中〜上クラスである。
 世間を見渡せば、貴族を含めた上流の家柄等上のクラスは幾らでもいる。
 
 そんな上層の家柄であれば、例えば雇うパーラーメイドの容姿にもこだわる。
 メイドという仕事の中において、客人の前に出る職種の為整った容姿が好まれる。
 仕える家のイメージにも影響するからだ。
 ある意味お屋敷のマスコットガールという側面があるのは否定できない。

 悠愛は、そういうパーラーメイドとしても引く手数多であろうレベルの美貌だった。
 「ふたなり」でなければ……
 「ふたなり」は一部の層に根強い支持層はいるものの、「ふたなり」というそれだけで雇うのを好まない人も多い。

 僕は分類するならば、特に気にしない層に入るだろう。
 セクシャルな対象でなく、普通の使用人という意味合いにおいてだったが。
 そうして悠愛を雇い今日まで働いてもらってきた。
 もらってきた筈だったのだが……

 ……
 …………
 ………………
 
 悠愛は僕の腰を抑えつつ、僕の不浄の門にあてがってきた。
 
 「力を抜いて下さい。 緊張しすぎですよ」
 優しい声色で悠愛はそう言う。

 僕は少し深めに息を吸い、自分を落ち着かせようとした。

 僕の自分を落ち着かせようという行いを察したらしく、少し悠愛は待ってくれた。
 やがて良い頃合と思ったのか、ズブリという感触でついにお尻に挿れてきた。

 悠愛は押さえつける様にしばらくしていたが、やがて
 「はい、これでいいですよ。 それではしばらくお休みくださいね」
 と言った。

 「大体ご主人様は夜更かししすぎで不規則な生活を送っているので、この様にお風邪を召してしまうのです」
 やや高めの熱を下げる為に僕に座薬を挿し終えた僕のメイドは、看病しつつも苦言も付け加える事を忘れなかった。
2011年03月21日(月) 22:55:42 Modified by ID:w6wuzP1wCA




スマートフォン版で見る