子育ての失敗を広く浅く、ゆるやかに追跡。

 子ども版・平家物語のページへ戻る
 平家物語の世界のページへ戻る
 幼児図書の整理箱のページへ戻る

 平家物語3 源九郎義経の巻(あすなろ書房)のページへ

平家物語3 源九郎義経の巻(あすなろ書房)あとがき



おうちのかたへ

いよいよ源義経(牛若丸)の登場です。この義経は、数多くの伝説を生み出し、文学に演劇(歌舞伎)に大活躍して、いつの時代の人々にも愛されてきた英雄ですが、じつは少年時代の歴史的な事実は、よくわかっていないのです。
この巻に書いた義経の物語は、おもに『平治物語』や『義経記』『源平盛衰記』などがもとになっていますが、それぞれ想像の産物です。伝説の記録ともいえるでしょう。
ですから、どれが正しいとはいえないのですが、わたしは、こんな方針によって書くことにしました。それは「伝統的に語りつがれ、愛されてきた物語を大切にする」ということです。たとえば五条の橋で義経と弁慶が戦うのは、事実でないかもしれないし、物語によって違いもあるのですが、やはり、古来語り伝えられてきた名場面を味わってほしいと思うのです。いま京都の五条大橋のたもとに、童話的な牛若と弁慶の像が立っていますが、あれを共感をこめて見られるのが、日本人としての教養というものかもしれません。
ちなみに、牛若丸の「丸」は「麿・麻呂」と同じで、平安時代は自称(自分のことを呼ぶ)の語、または親愛をこめた呼び方として使われたものです。いわば「牛若ちゃん」という感じですかね。文中で「牛若」と「牛若丸」の両方を使っているのは、そのためです。
いつのまにか話は『平家物語』の本通りにさしかかりました。第四巻をお楽しみに。

生越 嘉治
タグ

Wiki内検索

管理人/副管理人のみ編集できます