子育ての失敗を広く浅く、ゆるやかに追跡。

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平家物語4 鬼界が島の巻(あすなろ書房)あとがき



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この巻にも、むかしから有名な場面が出てきます。後白河法皇を幽閉しようとする清盛を、重盛が「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」と、いさめる名場面は戦前の教科書によく掲載されましたから、年配の方をなつかしがらせるでしょう。
鬼界が島に取り残される俊寛は、歌舞伎(『平家女護島』鬼界ヶ島の段)や能(『俊寛』)などに取り上げられ、いまでもよく上演されています。先日、歌舞伎の中村勘九郎が硫黄島の現地で上演して評判になりました。
また、蛭が小島に流されている頼朝を訪れる荒法師・文覚も、十八歳のときドラマチックな事件を起こしたことが『源平盛衰記』に書かれており、それが『袈裟と盛遠』などという題で小説や演劇・映画になっています。あらすじを紹介しておきましょう。
当時、遠藤盛遠という武士だった彼は、友人の妻・袈裟を恋して、思いをとげるため袈裟を脅迫する。すると、袈裟は「夫の寝首をかいてくれ」とたのみ、その日時を指定する。盛遠は指定された闇夜に寝所にしのびこみ、夫の首をとる。と思いきや、それは袈裟の首であった。袈裟は命がけで貞操を守ったのだ―という物語です。
本文に「まちがって人をころしたことをふかく反省して」と書かれている背景には、じつはこんなエピソードがあるのです。

生越嘉治
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