子育ての失敗を広く浅く、ゆるやかに追跡。

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平家物語7 六波羅炎上の巻(あすなろ書房)あとがき



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木曽義仲が倶利伽羅山で、たいまつの火を角に付けた牛の大群を追い落として平家軍を壊滅させたというくだり(火牛の計)は、じつは『平家物語』にはありません。牛は使わないで、夜襲によって平家軍を谷に落とした―ということになっています。牛による倶利伽羅落としというのは、『源平盛衰記』に書かれている話なのです。
しかし『平家物語』といっても、少しずつ内容や表現のちがうものが琵琶法師によって語り継がれて記録され、さらにそれが読み物として書き伝えられるようになって、いっそう多様化しました。この『源平盛衰記』も、読み物として書かれた『平家物語』の一つとされています(ちなみに「盛衰記」は、正確には「じょうすいき」と読みます)。つまり『源平盛衰記』も『平家物語』のバリエーションといえるでしょう。
しかも、この火牛作戦は、むかし国定教科書にも出ていたほど有名な話ですから、ぜひとも現代の子たちに知っておいてほしいと思って、とりあげたしだいです。
ところで木曽義仲は、いとこの悪源太義平に父を殺され、その弟の頼朝・義経に討たれるという悲運の人ですが、よほど都人にきらわれたのでしょうか、『平家物語』では、その義仲の田舎者ぶりをあざ笑うエピソードを書き連ねています。しかし私は、それをくどくど書くにはしのびないので、ごく簡略に紹介しました。これも、ご了承を願います。

生越嘉治
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